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2010.06.29

阿久根市の問題点

TBSNewsより「阿久根市長「上申書シュレッダーにかけろ」

職員が提出した正常化を求める意見書に対し、「シュレッダーにかけろ」と一喝。鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、その独自の政治手法をますますエスカレートさせています。

28日は、阿久根市の職員の9割を超えるおよそ200人が署名した上申書を、猿楽善次総務課長が竹原信一市長に提出しました。それに対し、竹原市長は・・・。

「(上申書を)見ずに、シュレッダーにかけろと・・・」(上申書を提出した猿楽善次 総務課長)

上申書では、議会を招集せずに職員のボーナスを半分にしたり、議員の報酬を日当制にするなどの専決処分を繰り返す竹原市長に対し、法令の遵守と専決処分の撤回、議会の速やかな招集などを求めています。

「メディアは選ぶ。あなたたちは信用できない」(竹原信一 市長)

阿久根市の問題については鹿児島県の伊藤知事も先週、竹原市長と面談し、議会を招集するよう求めましたが、竹原市長は28日、自らのブログに「『しょせん役人だな』と感じた」などと記載し、対決姿勢を示しています。

「自分で判断しておっしゃったんですから、特にコメントもありません」(伊藤 鹿児島県知事)
(28日18:12)

読売新聞より「阿久根市長専決処分、反対派が取り消し提訴へ

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市議会を開かず、専決処分を繰り返しているのは地方自治法違反だとして、市議会(16人)の反市長派市議12人は28日、市長を相手取り、専決処分取り消しを求める訴訟を近く、鹿児島地裁に起こすと発表した。

反市長派市議らは「市政の正常化を図るには司法の場で決着をつけるしかない」と訴えている。

竹原市長は6月定例会を招集しないまま、市議や職員、市長のボーナスを半減する条例改正などを専決処分した。

同法では、議会招集の時間的余裕がない緊急時などに首長は専決処分できると規定しているが、反市長派市議は

「時間的余裕がないはずもなく規定に該当しない。市長の行為は明らかに違法」
と主張している。

市議らは今月8日、竹原市長に臨時議会の招集を請求。

議会が開かれれば、専決処分された条例を元に戻す提案を行う方針だった。
だが、同法で首長は請求から20日以内の招集を義務付けられているにもかかわらず、市長は期限の28日までに招集しなかった。

(2010年6月28日23時54分 読売新聞)

「相変わらずだ」と見るのか、「エスカレートしている」と見るのか、微妙なところだと思う。

確かに、専決処分は手続き上許されているし、上申書を読まずにシュレッダーに掛けても、それだけであれば大した問題ではない。

しかし、市長が県知事の申し入れに対決して何がどうなるのか?

それにしても情けないのは、阿久根市の市議会である。
と言うか、本当に問題なのは阿久根市の政界なのかもしれない。
竹原市長をめぐる選挙は以下の通り。

2005年阿久根市議会議員選挙で初当選
2008年8月31日阿久根市長選挙で初当選
2009年2月6日阿久根市議会は臨時会で市長不信任決議案を全会一致で可決し、同月10日、竹原市長は議会解散
2009年4月17日出直し市議選後初めてとなる平成21年第2回市議会臨時会において、不信任決議案が再度提出され、賛成11、反対5の賛成多数で可決、自動的失職
2009年5月31日出直し市長選挙に出馬し、再選

2008年に市長に初当選するが、この時に選挙期間中にブログを更新し続けて、総務省から注意されるも無視「ブログ市長」として全国に報道された。
半年後には市議会は不信任決議を全会一致で可決、市長は議会を解散。
選挙後の市議会で、市長不信任決議は、賛成多数で可決、市長は自動失職。
市長選挙の結果は、投票率82.6%、竹原52.7%、田中48.3%で竹原再選

結局、市長参戦を阻めなかった市議会の反市長派の実力を見透かして、竹原市長は独善的な運営を強めた、と評価されている。

しかし、

反市長派市議らは「市政の正常化を図るには司法の場で決着をつけるしかない」と訴えている。
これはおかしいだろう。

司法・行政・立法は互いに牽制し合うものであって、本来は上下関係があってはならない。
行政をコントロールするのは本来、立法であって、結果が良ければ司法に任せても良い、というのは筋違いとも言える。

確かに、竹原市長はやりすぎと言えるほど強力であるが、それを牽制するのが市議会の役割だろうし、だからこそ不信任決議を可決したのだろう。
不信任決議を可決したのに、市長選挙で反市長派が敗れたということは、反市長派が世論をまとめ切れていなかったことの証明で、その後の議会構成も市長派が増えている。

竹原市長自身は、市議会のいわばぬるま湯体質を批判しているが、これ自体は正しいといわざるを得ない。

つまり、市議会というか、阿久根市政界に実力がないから、竹原市長が登場し支持を得ているのであって、これを改めるのは司法の力を借りるのではなくて、市議会が力を付けるべきだ。

竹原市長と市長派の市議会議員のブログは見つかるのだが、半市長派の市議会議員の発言が見つからない。
行政の長が「議会を通じることなく有権者に呼びかける」とやるのは、大昔からあったことで、議会制民主主義に則った手続で独裁制に移行した例もある。

こうなると、「混乱」ももちろん問題なのだが、議会が本来行うべき仕事をしていないことの方が問題なのではないかと思う。

6月 29, 2010 at 07:25 午前 国内の政治・行政・司法 |

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