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2010.06.09

菅直人首相会見

サンケイ新聞より
【菅首相会見詳報】(1)
【菅首相会見詳報】(2)
【菅首相会見詳報】(3)
【菅首相会見詳報】(4)
【菅首相会見詳報】(5)
【菅首相会見詳報】(6)
【菅首相会見詳報】(7完)

上記の通り7分割の記事を一本にまとめました。

記者会見ですので、首相の発言、記者の質問、首相の回答、という順序になりますから、字下げして表示しています。
以下、サンケイ新聞の記事

菅直人首相は8日夕、就任後初の記者会見を行い、

「政治の役割は国民が不幸になる要素、世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか。最小不幸の社会を作ることにあると考えている」
と述べた。

会見の詳報は以下の通り。

(1)「政治の役割は国民が不幸になる要素をいかに少なくするか」

【冒頭発言】

「今夕、天皇陛下の親任をいただいた後、正式に内閣総理大臣に就任することになりました菅直人でございます。

国民のみなさんに就任にあたって、私の基本的な考え方を申し上げたいと思います。

私は政治の役割というのは、国民が不幸になる要素、あるいは世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか。最小不幸の社会を作ることにあると考えています。
もちろん、大きな幸福を求めることは重要でありますが、それは、たとえば恋愛とか、あるいは自分の好きな絵を描くとか、そういうところにはあまり政治が関与すべきではなくて、逆に貧困、あるいは戦争、そういったことをなくすることにこそ政治が力を尽くすべきだと、このように考えているからであります。

そして、今、この日本という国の置かれた状況はどうでしょうか。
私が育った昭和20年代、30年代は、物はなかったけれども、新しい、いろいろなものが生まれてきて、まさに希望に燃えた時代でありました。
しかし、バブルが崩壊してからのこの20年間というのは経済的にも低迷し、3万人を超える自殺者が毎年続くという、社会の閉塞(へいそく)感も強まって、そのことが、今、日本のおかれた大きな、何かこう全体に、こう押しつぶされるような、そういう時代を迎えているのではないでしょうか。

私はこのような日本を根本から立て直して、もっと元気のいい国にしていきたい。
世界に対しても、もっと多くの若者が羽ばたいていくような、そういう国にしていきたいと考えております」

「そのひとつは、まさに日本の経済の立て直し、財政の立て直し、社会保障の立て直し。つまりは、強い経済と強い財政と強い社会保障を一体として実現をすることであります。

今、成長戦略の最終的なとりまとめを行っておりますけれども、日本という国は大きなチャンスを目の前にして、それにきちっとした対応ができなかった。このように思っております。

たとえば、鳩山前総理が提起された、地球温暖化防止のための(温室効果ガスの)25%(削減)という目標は、まさに日本がこうした省エネ技術によって、世界の中に新しい技術や商品を提供して、大きな成長のチャンスであるにもかかわらず、立ち遅れてきております。

また、アジアの中で、歴史の中で、最も大きな成長の時期を迎えているにもかかわらず、先日も中国に行ってみましたら、いろんな仕事があるけれども、日本の企業はヨーロッパの企業の下請けしかなかなか仕事がとれない。

一体どんなことになったのか。つまりは、この20年間の政治のリーダーシップのなさが、こうしたことを生み出したと。このように思っております」

「成長戦略の中で、グリーンイノベーション、そしてライフイノベーション、そしてアジアの成長というものを、私たち、それに技術や、あるいは資本や、いろいろな形で関与することで、わが国の成長にもつなげていく。こういったことを柱にした新成長戦略、これに基づいて財政配分を行いたいと考えております」

(2)「沖縄の負担軽減も真摯に取り組んでいく」

「また、日本の財政状況がこれまで悪くなった原因が、端的にいえばこの20年間、税金が上げられないから、借金でまかなおうとして、大きな借金を繰り返して、効果の薄い公共事業、例えば100に近い飛行場をつくりながらまともなハブ空港がひとつもない。

これに象徴されるような効果の薄い公共事業にお金をつぎ込み、また一方で社会保障の費用がだんだんと高まってきた。 これが今の大きな財政赤字の蓄積の構造的な原因であると。

私は財政が弱いということは思い切った活動ができないわけでありますから、この財政の立て直しも、まさに経済を成長させるうえでの必須の要件だと考えております。

そして社会保障についても、従来は社会保障というと何か負担、負担という形で、経済の成長の足を引っ張るんではないかと、こういう考え方が主流でありました。しかし、そうでしょうか。スウェーデンなどの多くの国では、社会保障を充実させることの中に雇用を見いだし、そして若い人たちも安心して勉強や研究に励むことができる。まさに社会保障の多くの分野は、経済を成長させる分野でもある。

こういう観点に立てば、この3つの経済成長と財政と、そして社会保障を一体として、強くしていくという道は、必ず開けるものと考えております。

国際的な問題についても触れたいと思います。

日本は、戦後60年間、日米同盟を基軸として外交を進めてまいりました。その原則は今も原則として、しっかりとそうした姿勢を続けていく必要があると考えております。

それと同時に、アジアにある日本として、アジア諸国との関係をより深め、さらに、ヨーロッパや、あるいはアフリカや、あるいは南米といった世界の国々とも連携を深めていく。このことが必要だと思っております。

普天間の問題で、日米関係を含めて、いろいろと国内の問題も含めて、国民のみなさんにご心配をおかけいたしました。日米の間の合意はでき、それに基づいて進めなければならないと思っておりますが、同時に閣議決定においても述べられました、沖縄の負担軽減ということも、真摯(しんし)に全力を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。

大変困難な課題でありますけども、私もしっかりと、ひとつの方向性をもって、この問題に取り組んで参りたい。このように思っているところであります」

(3)「仙谷氏は付き合い長いが、煙たい存在」

【首相の仕事】

「そして、私、首相としての仕事は何なのか。

この間、テレビなどを少し見ますと、私が任命をした閣僚や党の新しい役員が、それぞれマスコミのみなさんの取材を受けて、いろいろな発言をしているわけです。

どうですか、みなさん。そういう、私よりも10歳、20歳若い、そういう民主党の閣僚や党役員の顔を見て、声を聞いて、『ああ、こんな若手が民主党にはいて、なかなかしっかりしたことを言うじゃないか。なかなかこれならやってくれそうではないか』、そういうふうに思っていただけたんじゃないか。

私は鳩山由紀夫前首相とともに、1996年に旧民主党をつくり、98年に新たな民主党、初代の、初代の代表となりました。その後、小沢一郎前幹事長の率いる自由党と合併をして、今の民主党になったわけでありますけども、そこにそうした人材が集まってきたこと。私はそのことがうれしいと同時に、自信を持って、今申し上げたような日本の改革を推し進めることができる。このように思っております」

「そして、この多くの、民主党に集(つど)ってきたみなさんは、私も普通のサラリーマンの息子でありますけれども、多くはサラリーマンや、あるいは自営業者の息子で、まさにそうした普通の家庭に育った若者が、志を持ち、そして努力をし、そうすれば、政治の社会でもしっかり活躍できる。 これこそがまさに本来の民主主義のあり方ではないでしょうか。

そのみなさんとともに、このような課題を取り組んでいく上で、私の仕事は、ひとつの方向性をきっちりと明示をし、そして内閣、あるいは党をですね、その方向で、議論するところは徹底的に議論をして、みんなが納得した上でその方向にすべての人の力を結集していく。そのことが私の仕事だと考えております。

ま、首相になったからには、もうあまり個人的な時間はとれない。本当なら53番札所まできているお遍路も続けたいところですけども、今しばらくはそれを、まさに後に延ばしても、ある意味では、官邸を中心に、これこそが修行の場だと、そういう覚悟で、日本という国のため、さらには世界のために、私のあらん限りの力を尽くして、よい日本を、よい世界をつくるために全力を挙げることを国民のみなさんにお約束いたしまして、私からの国民のみなさんへのメッセージとさせていただきます。よろしくお願い申し上げます」

【官邸機能強化】

首相は首相指名後の記者会見で、今回の組閣について『官邸機能をしっかりして内閣の一体性を担保する』と指摘している。
首相も副総理として加わった鳩山政権は短命に終わったが、その背景にどんな構造的問題があったのか。今回の組閣では、その教訓を生かして、どこがどう変わるのか

「まあ、鳩山内閣において、私もですね、副総理という重要な役割をいただいていたわけですから、鳩山内閣が短命に終わってしまったことは、もちろん残念でありますし、私も大きな責任を感じております。

ま、その上で、新たな、私の下の内閣は、やはり官房長官を軸にした一体性というものを考えて構成をいたしました。

つまりは首相の下の官房長官というのはまさに内閣の番頭役であり、場合によっては、首相に対してもですね、『ここはまずいですよ』と言えるような人物でなければならない。

よく中曽根康弘政権の下の(官房長官の)後藤田正晴先生の名前が出ますけれども、まさに、そうした力をもった方じゃなければならないと思っております。

仙谷由人官房長官は私とは長い付き合いでありますけれども、同時に、ある意味では、私にとっても、煙たい存在でもあるわけであります。
しかし、そういう煙たい存在であって、しかし、力のある人に官房長官になっていただくことが、この政権の一体性をつくっていく上での、まず、最初の一歩だと考えております。そして、その下に官房副長官、さらには各閣僚、そして副大臣という形を構成します」

【政と官】

「ま、この間、政と官の問題でいろいろ言われましたけれども、決して官僚のみなさんを、こう排除してですね、政治家だけでものを考え、決めればいいということではまったくありません。

まさに官僚のみなさんこそが、政策やいろんな課題を長年、取り組んできたプロフェッショナルであるわけですから。そのみなさんのプロフェッショナルとしての知識や経験をどこまで生かして、その力を十分に生かしながら、一方で国民に選ばれた国会議員、その国会議員によって選ばれた首相が内閣をつくるわけですから。国民の立場というものを、すべてに優先する中で、そうした官僚のみなさんの力もつかって、政策を進めていく。

このような政権を、内閣をつくっていきたいし、今日、全員の閣僚とそれぞれ10分程度でありますけれども、時間をとって話をいたしました。

それぞれに頑張ってほしいということと同時に、必要となれば、私がそれぞれの役所のあり方についても場合によっては、官房長官を通してになるかもしれませんが、『もうちょっとこうしたらいいんじゃないの』と、こういったことも申し上げて、一体性と同時に政と官のよりよい関係性を、力強い関係性をつくっていけるように努力をしていきたいと考えております」

(4)「取材受けることで政権運営行き詰まる」-国民に伝えるのは報道官

参院選について。改選期の議員を中心に7月11日の投開票を求める声が出ている。
今国会の会期を延長し、投開票日を先送りする考えはあるか。
また、参院選の争点と目標獲得議席数、勝敗ラインについてはどのように考えるか

「国会の会期というのは、通常国会というのは150日と決まっております。本来はその期間の中で成立させるべき法案を、すべて成立させたいわけでありますが、会期末を近くに控えて、まだそんな状況になっておりません。そういう中で国民新党との間での合意、つまりは郵政の法案について、それの成立を期すという合意もあるわけです。

一方では、たとえ多少の延長をしても、必ずしも、すべての法案を成立させることは難しい。

それならまた選挙の後に改めて取り組むこともあっていいんではないかという意見もいただいております。
これから新しい幹事長、あるいは国対委員長の下で、そうした連立の他党の皆さんとも十分議論をした上で、その方向性を定めていきたいと考えております」

「選挙における勝敗ラインということがよく言われますけれども、私は6年前、岡田代表の下で戦われた参議院選挙でいただいた議席がまずベースになる。そのベースをどこまで超えることができるか、あるいは超えることが本当にできるのか。

これから私もすべての選挙区について私なりに選挙区情勢を把握をしながら、近く発足する予定の参議院選挙対策本部の本部長として陣頭指揮をとっていきたいとこのように考えております」

先ほど財政再建の重要性を強調されたが、参院選に向けて、消費税を含む税制の抜本改革をどう位置づけていくか。
財政再建に関して新規国債発行額を今年度の44・3兆円以下に抑えると述べているが、参院選に向けて公約に明記する考えがあるのか

「確かに44・3兆円以下を目標とするということを申し上げました。

ただ、これは誤解をいただきたくないのは、44兆3000億(円)の国債を出すことで、財政再建ができるということではありません。

これでも借金は増えるんです。

この規模の財政出動を3年、4年続けていれば、GDP比で200%を超える公債残高が数年のうちにそういう状況になってしまいます。

そういった意味ではこの問題は実はまさに国として、とらえなければならない最大の課題でもあります。

これから所信表明演説もありますけれども、こういう問題こそ、ある意味では、一党一派という枠を超えた議論の中で、本当に、どこまで財政再建のためにやらなければならないのか。それは規模においても時間においても、どうあるべきなのか。そのことをある意味では党派を超えた議論をする必要が、今この時点であるのではないかと思っております。そういうことも踏まえながら、最終的な政権としての公約も含めて、そういうものを考えていきたいと思っております」

全閣僚の会見、官房長官の会見などを国民のために完全に開く意思はあるのかどうか。

「開くという意味がですね、具体的にどういう形が適切なのか、まだ私も総理という立場でまだ検討ということまで至っておりません。

率直に申し上げますと私はオープンにすることは非常にいいと思うんですけれども、ややもすれば、何かこの、取材を受けることによって、そのこと自身が影響してですね、政権運営が行き詰まるというそういう状況も何となく私には感じられております。

つまり政治家がやらなければいけないのは、まさに、私の立場で言えば、内閣総理大臣として何をやるかであって、それをいかに伝えるかというのは、例えばアメリカなどでは報道官という制度がありますし、ま、かつてのドゴール大統領などはですね、あまりそう頻繁に記者会見はされてはいなかったようでありますけれども、しかし、だからといって、国民に開かれていなかったかといえば、必ずしもそういうふうに一概には言えないわけです。

ですから回数が多ければいいとか、あるいはいつでも受けられるとか、そういうことが必ずしも開かれたことではなくて、やるべきことをやり、そしてそれに対してきちんと説明するべきときには説明する。

それについてどういう形があり得るのか、これはまだ、今日、正式に就任するわけでありますから、関係者と十分議論をしたいと思ってます」

政権が代わり、首相が代わったということで、衆参同日で選挙を打つ考えはあるか。

「まず、新しい政権になって、国民の皆さんから、参議院の選挙で審判を受けることになります。

衆議院の選挙にということついて、ま、ときどきいろんな方が言われるのは、分からないわけではありませんけれども、まず参議院の選挙で、今ここでも申し上げたような、ある意味では昨年の選挙で公約を出しましたし、また大きな意味での方向性をだんだんと固めてきた問題も含めて、きちっとこの参議院選挙で議論をさせていただきますので、そのことに対しての国民の審判を、まずいただくというのが、最初にまあ、やることというか、やらなければならないことだと思っております。

その意味で現在のところ衆議院選挙について、さらにやるべきだという、必ずしも、そうなるのかどうか、これはまったく白紙ということで考えております」

(5)「奇兵隊内閣と名付けて」

鳩山政権は「政治主導」や「友愛政治」とよく言われたが、菅政権が目指す方向性、キーワードがあったら教えてもらいたい

「私自身は草の根から生まれた政治家でありますので、草の根の政治という表現がひとつ浮かぶわけですが、もう少し元気が良いところで言えば、そうですね、まあ私の趣味で言えば『奇兵隊内閣』とでも名付けたいと思います。

私は今は坂本龍馬が非常に注目されていますが、長州生まれであります。

高杉晋作という人は逃げるときも早い、攻めるときも早い。果断な行動をとって、まさに明治維新を成し遂げる大きな力を発揮した人であります。

今、日本の状況はまさにこの停滞を打ち破るためには果断に行動することが必要だ。

そして、奇兵隊というのはまさに武士階級以外からもいろいろな人が参加をして奇兵隊をつくったわけですから、まさに幅広い国民の中から出てきたわが党の国会議員、これが奇兵隊のような志を持って、まさに勇猛果敢に戦ってもらいたいという期待を込めて『奇兵隊内閣』とでも名付けてもらえればありがたいと思っています」

鳩山由起夫前首相は退陣の理由で「政治とカネ」の問題、普天間問題をあげた。
枝野幸男幹事長は小沢一郎前幹事長の政治倫理審査会への出席に関し、ご本人の判断に任せるといったが首相はどう考えるか。
普天間問題では、8月末までに工法など詳細を決定するということだが、沖縄県では反対されている。どう判断していくつもりか

「鳩山前首相がですね、自らの辞任のあいさつの中で今、ご質問がありました政治とカネと普天間の問題をあげて、いわばその問題でこの民主党政権が本来やらなければならないことがなかなか国民に理解してもらえなくなったということで自ら身を引かれたわけです。

そういう意味では、この後を受けた私の政権はある意味では前首相の思いをしっかりと受け止めて引き継いでいかなければならないと思っています。

政治とカネの問題については前首相の発言もあって、小沢前幹事長も自ら幹事長を引いておられるわけです。

ある意味でこれで十分と考えるかどうかということはいろいろな立場がありますが、政治という場でそうした首相でもある代表を辞任し、また最も党の中で重要な役職である幹事長を辞任するという一定のけじめであると思っています。それを含めて、どうしたことがさらに国会や他の場面で必要になるのか、そこは特に国会の問題では幹事長を中心にそうしたことについては他党の主張もあるわけですから、しっかりと他党の主張も聞きながら判断していきたいと思っています」

「普天間については、日米合意を踏まえるという原則はしっかりと守っていかなければならないと思っています。

ただ、だからといって沖縄の皆さんが現在の時点で賛成をしていただいているというふうにはまだまだ思える状況にないことも分かっています。

8月の専門家によるひとつの方向性を出すということはそれはひとつの日米間の日程上の約束になっているわけですけど、そのことと沖縄の皆さんの理解を求めるということはやはり並行的に進めていかなければならない。当然ではありますけども、日米間で決めればすべてですね、自動的に沖縄の皆さんが了解して頂けるということではもちろんないわけでありますから。そういう意味では沖縄の皆さんについて、沖縄の負担の軽減ということをしっかりと取り組んでいく、そのことを含めた話し合いをしていかなければならない。

先の政権でいろいろな方がいろいろなアイデアや意見をもって鳩山前首相のところに来られたという経緯があったようでございますが、逆に言うと、いろいろな意見を聞くことは良いけれども、いろいろな人に担当してもらうことは混乱を招きかねませんのでまずは官房長官のところでどういう形でこの問題に取り組むべきなのか、もちろん外務省や防衛省、沖縄担当という大臣もおられますので、どういう形でこの問題に取り組むのが適切か、そう時間をかけるわけにはいきませんが、今日が正式のスタートでありますので、まずはどういうチームなり、どういう枠組みの中でこの問題の検討をするかの検討をしっかり行いたい」

今回の人事について「小沢カラー」を払拭(ふっしょく)した人事だといわれているが、野党側は参院選に向けた「小沢隠し」であるといっている。小沢前幹事長との距離感をどのようにとっていくのか

「良く皆さん、報道を見ていると常に小沢さんになんといいましょうか、近いとか遠いとか、あるいは小沢カラーとかいわれますが、少なくとも今回の人事を考える上で最大の要素はどなたにどういう仕事を担当してもらうのがより効果的に物事が進むかということで判断をいたしました。 ですから、よく見てもらえればわかるようにですね、それぞれ自らの考え方を持ち、行動力を持った人がそれぞれの所掌についてもらったと思っています。

小沢前幹事長について私が申し上げたのは、例えば私も2004年、最後は社会保険庁の間違えということが分かりましたけども、いわゆる年金未納で代表を辞任したことがあります。

やはり辞任した後はですね、しばらく本当におとなしくしていようと思いました。あるいは岡田(克也外相)さんは2005年の衆院選で小泉政権の郵政選挙で大敗されました。

あの選挙も今考えれば小泉さん流のある意味、ひどいというと言い過ぎかもしれませんが、まさに小泉劇場に踊らされた選挙であったわけですが、しかし岡田さんは責任をとって辞任した後にまさに全国の落選した仲間を一人一人たずねるという形で少なくとも表の場でいえば静かにして、次につながった行動をとられた。

私は特別なことを言ったつもりはありません。前首相が政治とカネの問題を含めて辞任し、また幹事長も首相から同じ問題でやはりともに引こうではないかということで了解されたということを首相が言われたわけですから、ある意味で責任を感じて辞められたということであるならば、しばらくの間は静かにされているのが、ご本人を含めてみんなのためにもいいのではないかとごく自然なことを言ったわけです。

しばらくというのは何日ならいいとか、何年ならということではなく、ひとつの新しい段階がきた中では、それはそれとして判断があっていいのではないでしょうか」

(6)「サミットで米大統領と会談できる」

経済成長を発展させるためにどのような引き金があり得るか。
また円安についての考えは

「さきほど経済、財政、社会保障を一体でということを申し上げました。

詳しいことを時間があれば申し上げてもいいんですけれども、あちらこちらで発言もしておりますし、また近いうちに所信表明もありますので、そういう中ではもう少し詳しく申し上げたいと思っております。

基本的にはですね、財政というものを健全化するそのときに、ただ、極端に言えば、増税して借金返しに充てたらいいかと言えば、これは明らかにデフレをより促進する政策になってしまいます。

そういうことを含めてですね、財政の振り向ける方向性がしっかりと経済成長につながる分野でなければなりません」

「また、国民の貯蓄を国債という形で借り受けして、そうした経済成長に資するところに使っていくというのは当然経済政策としてはあり得る政策であるわけです。

何を間違ったかと言えば、使い道が間違ったんです。

90いくつも飛行場を作って(韓国の)仁川(インチョン)のようなハブ空港が一つもないような使い方をやったことがですね、借金は増えたけれども成長はしなかったということであります」

「さらに言えば、世界先進国の中でも最もGDP(国内総生産)で高い水準まで借金が積み上がっておりますので、マーケットというのはなかなか難しい相手でありますから、そういうことを考えたときには、これ以上借金による、例え適切な財政出動であっても、借金による財政出動でいいのか、それとも税制の構造を変えることによって新たな財源を生み出して、そこの財源を使うことが望ましいのか。

そういったことをですね、まさに本格的に議論をする時期に来ている。

できればそれは政府として一方的に考え方を申し上げるだけではなくて、自民党を含む野党の皆さんの中でも共通の危機感を持たれている方もかなりありますので、そういう中での議論に私はつなげていければいいなと、こう思っております」

「円安のことはですね、一般的には円安が輸出においてプラスになるし、輸出のかなりウエートの高い今の日本経済では、円安が一般的に言えばプラスになると、こういうふうに言われていることは私もよく承知をしております。

ただ、相場についてはあまり発言しないようにと財務相になったときも言われましたので、この程度にさせていただいております」

米軍普天間飛行場の移設問題について、ぎくしゃくした日米関係を再構築する意味で、具体的に日米関係を好転させるために、どのようなことを考えているか。
近くカナダでサミット(主要国首脳会議)があるが、この前後の機会に自ら訪米する考えはあるか

「カナダでサミットが近く、今月の終わりごろありますので、その場でオバマ大統領と会談ができればいいなと。まだ最終的な予定は決まっておりませんが、そう思っております。

ただ、先日の電話会談では、カナダで会うことを楽しみにしているとオバマ大統領からもお話をいただいていますので、たぶんその場での会談は実現できるんではないかと思っております。

それより以前に訪米するということなども、いろいろ選択肢はあるわけですが、私ももちろんいろいろな国会を抱えておりますし、米大統領はもちろんもっと世界のいろいろな仕事があるわけで、今のところはサミットのときに首相として初めてお目にかかってお話ができるのではないかと思っております。ということです」

フリーランスの記者が首相に質問できる記者会見は今回で3回目だが、参加するには、さまざまな条件が課されている。
3回連続で参加を申請して断られたフリージャーナリストは、交渉の過程で首相官邸報道室に「私の権限であなたを記者会見に出席させないことができる」と言われた。
このジャーナリストはこれまで警察庁キャリアの不正を追及したり、検事のスキャンダルを暴いてきた人物だが、権力側から見たら煙たい存在だ。
首相は過去の活動実績の内容や思想・信条によって会見に参加させるかさせないかを決めていいという判断なのか

「先ほど、この会見というのか、オープンということの質問にもありましたが、私は一般的にはできるだけオープンにするのが望ましいと思っております。

ただ、何度も言いますように、オープンというのが具体的にどういう形が望ましいのかというのは、しっかりそれぞれ関係者の皆さんの意見も聞いて検討したいと思っております。

例えば私などは、首相になったらいろいろ制約があるかもしれませんが、街頭遊説なんていうのはたぶん何百回じゃきかないでしょう。何千回もやりました。
いろんな場面がありますよ。その場面でも。隣に来て大きなスピーカー鳴らして邪魔をする人もいたりですね、集団的に来る人もいたり、いろんなことがあります」

「だから、いろんな場面がありますので、できるだけオープンにすべきだという原則と、具体的にそれをどうオペレーションするかというのは、それはそれとしてきちんと何か必要なルールなり、対応なりをすることが必要かなと、こう思っています」

閣僚の顔ぶれを見ると再任が多いが、これは夏の参院選、9月の民主党代表選後に内閣改造ということを念頭に置いてのことなのか。
それとも逆に少なくとも次の総選挙まではこのメンバーでいくぞという決意で決めたのか

「一般的にはですね、まだ鳩山政権が誕生してから9カ月弱で今回の辞任に至ったわけです。 ですから、すべての閣僚も9カ月弱のこれまでの就任期間だったわけです。

ですから私もそれこそ最初の(カナダの)イカルカットでのG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)なんかに行ってですね、『この1年間で4人目の財務相の菅直人です』って言ったら、各国の財務相が苦笑していましたけれども、つまりはあまりにもですね、首相はもとよりですが、大臣も短期間で変わるということは私はそういう意味での行政の質と言っていいのか、いろんな意味で望ましいことではないと思っております」

「ですから今回については、もちろんいろんな経緯で自ら少し休みたいと言われたりですね、いろいろな経緯の方おりますけれども、しっかりした仕事をだいたいの方がやっていただいていると私も同じ内閣にいて見ておりましたので、そういう皆さんには留任をしてもらったということであります」

「改造うんぬんという話も今言われましたけれども、どうも皆さんが好きなのは改造とかですね、新しく変わることが好きなんですね。

同じ人がしっかりした仕事をやっていても、なかなか報道してもらえないんですね。ですから私の頭にそういう改造とか、なんとかということは全く頭の中にはありません。

ぜひですね、しっかり今やっている大臣が何をやっているかをよく見て、どういうことが実現できたかをよく見てですね、その上で、こうするのかああするのかを聞いていただければと思います」

(7完)「機密費、生活感覚だけではかれぬ場合も」

次の総選挙までは内閣、党人事を変えないという意気込みでいくのかどうか

「ですからそのことも含めてですね、今、私の頭の中には、改造とか何とかということはありませんし、一般的には、ある程度の期間を続けていただくことが望ましいと思っておりますけれども、この間、思いもかけない首相辞任もありましたのでですね、あまり、あの、その先のことまで、あまり確定的に申し上げることはちょっと控えたいと思います」

【北方領土】

北方領土問題についてうかがいたい。
鳩山前首相はやり残した仕事の中で北方領土問題を挙げていた。
メドベージェフ露大統領と6月のサミット(主要国首脳会議)、9月のロシアの国際会議、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、3回首脳会談をすることで約束していた。
菅首相としては鳩山前首相とメドベージェフ大統領との約束を踏襲するのか。
北方領土問題について具体的にどのような方針で対処するか

「率直なところ、まだ私自身がですね、今、指摘をされた鳩山前総理がどういう約束をメドベージェフ大統領とされているのか、あるいはその流れがどうなっているのか、必ずしも詳細に状況をまだ把握をしておりません。

ですから、もちろんこの問題、大変重要な課題であると同時に、大変歴史的にも非常に、こう長い間の問題で、大きな課題であるだけにですね、どういう形で取り組むことが適切か、まずはこれまでの経緯、あるいは鳩山総理とメドベージェフ大統領のそういう、その約束の中身なども十分検討した上で判断したいと思っています」

先ほどの質問で、官房機密費の問題についてお答えになっていなかったので重ねて質問する。
野中広務元官房長官が機密費を言論人、マスメディアの人間に配って、いわば情報操作、言論捜査を行ったという証言をした。
その後、取材を行い、野中氏の発言だけでなく、はっきりと私は機密費を受け取ったと証言する人物も出ている。
評論家の佐藤優氏は江田憲司元首相秘書官から機密費を受け取ったとはっきりおっしゃった。
こうした政治とカネならぬ、報道とカネの問題。政治と報道とカネの問題は大変ゆゆしき問題だ。
この点について、きちんと調査をするか。機密費の使途について、これまで使った分も、今後使用される分も含めて公開される気持ちはあるか

「この機密費という問題、なかなか、何と言いましょうか。根源的な問題も含んでいるわけです。

まあ、ものの本によればですね、いつの時代でしたでしょうか、戦前でしたでしょうか。当時のソ連の動きをですね、明石(元二郎)大佐ですか。いろいろ、こう、調査をするときにですね、巨額の、まさに、そういう費用を使ってですね、いろいろそういう意味での情報のオペレーションをやったというようなこともいろいろ歴史的には出ております。

そういう意味でですね、確かにその、なんて言うんでしょうか、国民のみなさんの生活感覚の中で考えられることと、場合によっては機密費という本質的な性格の中にはですね、一般の生活感覚だけでは、はかることの、場合によってはできない、ちょっと異質なものもあり得ると思っております。

今、この問題、官房長官のほうで検討をされていると思いますが、まあ、いろんな外交機密の問題もある意味で、ある期間が経た後にきちっと公開するというようなことのルールも必ずしも日本でははっきりしていないわけですけれども、この機密費の問題もですね、何らかのルールは、そういう意味でですね、必要なのかと思いますが、現在その検討は官房長官ご自身に委ねているところです。

まあ、報道のあり方については、これはあまり私の方からですね、言うべきことというよりも、それは報道に携わるみなさん自身がですね、考えられ、あるいはある種の、自らのですね、ルールが必要であれば、自らの自主的なルールを考えられればいいのではないかと。私なども時折ですね、ちょっと記事が違うんじゃないか、一体誰から聞いたんだと言っても、いやそれは取材元の秘匿はジャーナリストのいわば原点ですからと言って、それはそれでひとつのルールなんでしょう。

考え方なんでしょうが、まあ政治とカネの問題についてもですね、みなさん自身がどういうルールなり倫理観を持って当たられるか、それはみなさん自身が考え、あるいは必要であれば議論されることではないでしょうか」

6月 9, 2010 at 11:38 午前 国内の政治・行政・司法 |

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