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2010.05.27

仮想不動産取引事件?・その2

朝日新聞より「仮想空間マルチ業者、強制捜査へ 埼玉県警

インターネット上の仮想空間の「土地」投資話で会員を集めるマルチ商法(連鎖販売取引)を展開していた「ビズインターナショナル」(ビズ社、さいたま市)と、その取引会社について、埼玉県警は特定商取引法違反(不実の告知など)の疑いで、27日にも家宅捜索する方針を固めた。

捜査関係者によると、ビズ社は2007年から約2年間で、約2万6千人の会員から約100億円を集めたとされ、強引な勧誘などに関する苦情が全国の消費者相談窓口に殺到していた。

捜索の対象は、ビズ社の関係先のほか、仮想空間の開発を手がけた「フレパー・ネットワークス」(東京都港区)など十数カ所。

県警や関係者によると、ビズ社は東京、大阪、広島など全国各地で、3次元の仮想空間「エクシングワールド」事業の説明会を開催。

日本中の街を再現すると称し、分譲する仮想の「土地」を先行取得すれば、転売や賃貸で必ず高収入が得られると勧誘。

新規会員を獲得すればボーナスを支払うとも説明する一方、仮想空間を利用する条件としてパソコン用や携帯電話用の「ビジネスキット」を約30万~40万円で販売していた。

捜査関係者によると、ビズ社は勧誘の際、「大手自動車メーカーが参加。航空会社が協賛」などと企業名を挙げていたが、参加や協賛の実態はなかった。

また、仮想空間を利用するには高性能パソコンが必要なのに、当時普及していた基本ソフト(OS)で動くと告げていたという。

仮想空間は昨年6月に一部の会員限定で公開。
同10月には名称を変えて一般公開されたが、いずれも東京の銀座や新宿、大阪・ミナミなどごく一部の都市だけで、「土地」取引に必要な機能も備えていなかった。

消費者庁は昨年11月、ビズ社に特定商取引法に基づいて6カ月(今月27日まで)の業務停止命令を出し、フレパー社など2社の社名も「関連事業者」として公表した。

今年4月には大阪市の会員ら17人が、「仮想空間の開発は不可能だったのに多額の入会費を払わされた」として、3社と各代表取締役を相手に計約700万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。

国民生活センターと全国の消費者窓口には25日までに、ビズ社の事業について1719件の相談が寄せられている。

昨日のエントリー「仮想不動産取引事件?」が強制捜査になりました。

消費者庁が、業務停止にしていたのですよね。
その期間が終了する直前に強制捜査とは、「いかにも」だと思いますが、特商法違反ねぇ・・・・と思います。

「仮想不動産取引事件?」に書きましたが、こんな売り込みを信じることがあり得るのかな?と思います。
確かに、マルチ商法であり、システムが完成していない、という事実はあるでしょうが、普通の取引であり、システムが完成していたとしても、とても思惑通りにいくとは思えない。
つまり、儲からなかっただろう。

そうなると、「被害者の損失」とは具体的にはなんなのだろうか?

昨日、「仮想不動産取引事件?」にあったコメントの情報では、マルチ商法の関係者が販売活動をしていたとのことで、高額なスターターキットとか、先行取得といったところが、いかにもマルチ商法の手法だな、と思うのです。

しかし、それでもなお、被害者が「どこに騙された」となるのか?と感じます。
一番の問題は、1万円ぐらいのモノを40万円で売ったことなのでしょうか?
それだと、客観的に「騙した」とはいいがたいのではないのか?と思います。

ここまで話が遡ってくると「そもそも、詐欺的とはどういう事を指すのか?」となりそうです。
客観的に犯罪が成立しない手法で犯罪を試みた場合、その罪には問えない、となっています。
例えば「呪い殺す」とか「単なる水を毒物として与えた」といった場合です。
つまり、刑事事件には「客観性がある犯罪事実」が必要であって、今回の事件では被害者が被ったとされる損害は何によって発生したのか?被害者の主張は当然「騙された」なのでしょうが、「何がどうなると信じ込まされたのか?」「信じてしまうことは、客観的に妥当なのか?」といったところが問題になると思うのです。

5月 27, 2010 at 08:54 午前 事件と裁判 |

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コメント

酔うぞさん こんにちは

ビズ社は数年前から注目していた会社で、やっと刑事事件になったかと感じて思います。
ご指摘のとおり将来の権利などを餌にした、所謂ビジョン系のマルチであり目新しいものはなく、繰り返される消費者関連の事件です。
ただ、記憶に新しいMMS(携帯電話充電器のマルチ)も結局は特商法違反のみであってように、この手のマルチでは特商法違反以上の罪まで至るのは一部(円天の組織犯罪処罰法違反など)で、無限連鎖講防止法違反が精一杯というのが現実にあるのは酔うぞさんも御存知のとおりだと思います。
現在の消費者問題を見ると、詐欺罪と特商法違反の間を埋める罪状?(故意ではない詐欺罪?)が必要ではないかと思っています。
もちろん、法律の整備だけで犯罪が防げるものでありませんが....

拙サイトの掲示板で、ビズ社の従事者(所謂、信者と呼ばれる状態)とのやりとりがありましたの、ご参考までに。
http://hpcgi2.nifty.com/anti-multi_committee/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=1599#atop
http://hpcgi2.nifty.com/anti-multi_committee/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=107;id=02#atop

投稿: HuM | 2010/05/28 8:16:44

    >無限連鎖講防止法違反が精一杯というのが現実にあるのは酔うぞさんも
    >御存知のとおりだと思います。
    >現在の消費者問題を見ると、詐欺罪と特商法違反の間を埋める罪状?
    >(故意ではない詐欺罪?)が必要ではないかと思っています。
    >もちろん、法律の整備だけで犯罪が防げるものでありませんが....

紀藤弁護士らが推進している、利益没収が実現すると少しは変わるかな?と思うのですが、その一方で生涯をマルチ商法推進に尽力(?)した波なんて人もいるわけです。

こうなると、法律もなんとかするべきだと思うのですが、わたしの乏しい法学の知識の中でも、段々と法律が精密になっていくに従って、市民側のいわば犯罪免疫力を高めることが、非常に重要になってきたと思うのです。

98年頃に、仙台発のPCアルバイト詐欺事件の被害者相談会を見学したことがありますが、その時には、被害者(相談者)、弁護士、取材記者、野次馬(わたしら)の4種類の人間が大きな部屋に居ました。
これが、わたしが初めて見た「被害者相談会」でその後、近未来通信だったかななどを弁護士会館で見ましたが、最初にの「相談会」の印象は、正しかったと確認しています。


初めて見た「相談会」では、上記の通り4種類の人間が居たわけで、時期は12月で時間は20時からだったと思います。

要するに冬の夜に集まったわけですが、一番豪勢な服装だったのが被害者、どちらかという場違いという感じでした。

記者は2~3人でしたが、コートを着ていない、女性記者は黒のパンツスーツだったのが印象的でした、カメラを使えるようにしていたわけです。
記者は、ロングコートはもちろん、何も羽織るモノを持っていませんでした。

野次馬は、ネットワーカーですが、まあ絵に描いたようなオタクでしたね(^_^;)

問題は、弁護士さんでスーツなのですが、一日中執務した後だからヨレヨレになったスーツでイスを並べたりしているのだから、最初は「どういう人たち?」と思ったくらいです。

この「被害者の服装が豪華」というのは、その後何回か見た被害者集会でも共通で、もちろん全員がではないのですが、中には自己破産しているのにさらに被害に遭った、という人がすごくしゃれた服装で語るのを見ていると「別の世界だろう」と思ったものです。

こんな事からも、被害者にしないための事前の教育をもっと推進しないといけないです。
たぶん以前なら、有名人が引っかかったM資金のような図式が、小金持ちに降りてきているのでしょう。

投稿: 酔うぞ | 2010/05/28 11:22:24

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