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2010.05.15

大学生に高校の補習授業

読売新聞より「大学生の基礎学力低下、提携の高校で補習へ

大学生の基礎学力の低下が問題となる中、埼玉県の県立高校が来年度から、提携先の大学生を聴講生として受け入れることになった。

大学が独自に高校レベルの補習を行うケースは増えているが、高校への“差し戻し”は異例。

歓迎ムードの教授たちに対し、学生からは「恥ずかしくて通えない」との声も上がっている。

提携したのは、県立吹上秋桜高校(鴻巣市)と、県内にある大東文化大(東松山市)、ものつくり大(行田市)。高校生が大学で講義を受けるなどの「高大連携」を3月に締結した際、学力不足の学生の受け入れでも合意したという。

学生は高校生と一緒に授業を受け、授業料は1科目年間1750円前後を想定。対象となる科目や学生など詳細は今後決める。

学生の学力不足を補うため、補習授業を実施する大学が増えている。

文部科学省によると、

  • 1996年度の実施大学は572校中52校(約9%)だったが、
  • 2007年度は742校中244校(約33%)に上った。

大東文化大学務局長の山崎俊次教授は

「学力は年々下がっているが、講師や教授が高校教員のように基礎を教えられるわけではない。全科目の補習を行うのも難しい」
と高校での補習に期待をかける。

同高は4月に開校した昼夜開講の単位制学校。「地域社会に開かれた学校」を目指し、在校生以外を対象にした科目履修制度もある。「授業は午後9時まで。制服もなく、大学生でも学びやすいはず」と同高。

大東文化大2年の男子学生(19)は

「高校時代は受験に出やすい英単語や古典ぐらいしか勉強しなかった。興味ある科目を勉強できるなら授業を受けてみたい」
と歓迎するが、同大1年の女子学生(18)は
「高校に通うのは少し恥ずかしい。友達にも言えない」。
学生たちには賛否両論のようだ。

(2010年5月15日06時19分 読売新聞)

補習授業を実施している大学が33%なんですか・・・・・。

学力は年々下がっているが
とのことですが、問題を「学力全般」と捉えるのは間違っているのではないだろうか?
「高校時代は受験に出やすい英単語や古典ぐらいしか勉強しなかった。
興味ある科目を勉強できるなら授業を受けてみたい」
こっちが問題なのだと思う。

数十年前の受験生としては、勉強ができること=成績が良いこと、であったと思います。
しかし、受験技術の向上は、この二つを分離してしまった。
成績さえ良ければ勉強ができなくても良い。

勉強を学問の一部として捉えると、例えば本を調べるといった知的好奇心の開発、といった面が重要ではないのか?と思うのです。
しかし、それだと必ずしも成績は良くならない。 「夜中まで本を読んでいて寝坊した」とかなります。

試験の成績を上げるテクニックは説明を聞けばもっともだと、思いますがそのようなことばかりに集中している子どもたちにとっては、知的作業は苦痛になっていくでしょうね。

さらに、ある程度成績が良いつまり進学校の中学生などだと、自分の試験の成績を上げるよりもライバルの成績を下げる方が簡単だ、と考えて行動するような生徒も出てきているとのことです。

こうなると、教育=将来への勉強、という側面が消えてしまって、目前の成績ランキングだけを目標にして十数年「勉強」した結果が大学生になっているわけです。

下手すると、「高校レベルの補習授業が必要」なのではなくて、「幼稚園レベルの生活学習が必要」になっているのかもしれません。

偏差値に代表されるデータ偏重主義がこのような抜け道を探すようなことばかりを推し進めてきた、と強く感じます。

大学が本当に学力を必要とするのであれば、受験科目を9科目にするとか、体育実技を受験科目に必修にする、キャンプ生活の試験をする、といったところまで拡大するべきでしょう。

社会はどういう人材を必要としているのか、という観点で入学試験(?)を実施するべきなのです。

しかし、現実は大学の経営上の必要から、受験のハードルをドンドン下げて、一人でも多くの学生を確保する方向に向かっています。
大学生のインフレですが、一言で言えば「悪貨は良貨を駆逐する」そのものでしょう。

今の大学生世代の一番辛いところは、すべてが偏差値で評価されているところでしょう。
一人ひとりの大学生は、やる気もあるし体力も十分ですが、それだけではなかなか突破できない、「試験成績だけ重視」の社会の現実があります。
なんとか、ここを切り替えないとダメなのですが、日本の役所も社会も、全て供給サイドからしか動かないから、大学生に社会(需要家側)が何を求めているのかという観点からは、全く企画が出てこない。

教育がドンドン現実離れしていく、ということです。

5月 15, 2010 at 11:44 午前 教育問題各種 |

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