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2010.04.07

富士通・泥沼からカオスにか?

サンケイ新聞より「「ねつ造された虚構で解任された」富士通元社長、株主代表訴訟を正式表明

虚偽の理由で辞任させられたとして富士通元社長の野副州旦(のぞえ・くにあき)氏が辞任取り消しを求めている問題で、野副氏は7日、同社の子会社再編に絡み、富士通役員が会社に50億円の損害を与えたとして、役員2人を相手取り、株主代表訴訟を起こす方針を正式表明した。

野副氏はこの日、東京都内で会見し、「ねつ造された虚構を理由に密室で解任された。人格そのものを辱める行為で傷ついたし、疑問を解消していきたい」と述べた。

野副氏は自身への名誉毀損についても、役員数人に対し、損害賠償を検討していることを表明。
辞任経緯について解明する外部調査委員会を富士通の社内に設置することを求め、受け入れられなければ、訴訟を起こすという。

野副氏は「解任を企てたのは一部の人。富士通を愛しており、本当に強い会社に発展してほしい」として、法人としての同社には賠償を求めない方針。

同じくサンケイ新聞の記事「富士通元社長の一問一答 「法令を守る人たちが罠に陥れた」」

富士通元社長の野副州旦氏の記者会見の冒頭発言と主な一問一答は次の通り。

「これまでマスコミと話す機会を避けていたが、従業員、取引先にきちっとお聞きいただくことが必要と思い、場を設けた。とはいえ、私は育ててもらった富士通を愛している。
心から好きで将来にわたってグローバルに強い会社に発展して欲しいと願っている」
「会社に対する損害賠償請求は考えていない。一連の行動は私自身の名誉回復が大前提だ。いやしくも会社のトップが、ねつぞうされた虚構を理由に密室で解任されるという異常事態が起こることは(富士通が)グローバルで成長するためにも二度と起こしてはいない。
私の人権は、法令違反の行為で蹂躙されたと理解している。
会社のトップが違法行為に巻き込まれないように守るという立場の人たちが、やましいことないトップを一種の罠に陥れたということでこういうことになった」
「(辞任した)昨年9月25日以降、私に対する風評を(役員らが)意図的に喧伝していることを多くの関係者から聞いている。
人格そのものを辱める行為で傷ついた。
家族、親戚、友人、かつてついてきてくれた部下も傷ついた。私と関係があった人を降格するような粛正人事を行っているとも聞く。自由な言論が保証される日本において、気を遣わなければ発言できないような独裁的な雰囲気がないだろうかと危惧している」

--密室で辞任を求められた解任劇になぜ納得したのか

「(私と付き合いの合った企業が)反社会勢力と断定された。私は反社会的と考えたこともないし、思ったこともない。知らないのは私だけといった雰囲気を作られた」

--辞任後、どう過ごしていたのか

「昨年の12月初めまで、病気ということで治療に専念した。
11月に『翌月から会社に戻りたい』と申し出たが、会社から『4月以降にしてくれ』と指摘があった。
戻れないと直感し、いろんなことを調べてみた。
12月末、法的に会社に戻れるようなことはないかと弁護士に相談した」

--役員側が反社会勢力と指摘した人との付き合いは

「(2人のうち)1人は私が社長になってから1回しか会ったことがない。
もう1人も何回かは会ったが、1対1ではない。
相手方もどなたかをお連れだった。会合を持つこともないし、会食をしたときも仕事の話はしたことがない」

--提訴相手は密室に居合わせた全員か

「第3者の調査委員会が重要で、何が起きたかを明らかにすることが必要だ。
(密室の6人)すべてが計画を理解していたわけではない。
反社会勢力と信じ込んでいたこともあり、そうした振る舞いをしなければならなかったとも考えられる。
全員が責任をとるということでなく、企てた人はだれかなど、真実を明らかにしてほしい。
私は、会社全体で私に行ったことではないと認識している。
計画した人が責任を追及されるべきだ」

--株式市場で富士通株が下落している

「誤解を招く発言かもしれないが、富士通の企業価値を上げることはきわめて簡単だ。一部のそういう方を白日の下にさらす。
中身がオープンになり、きちんとした説明がつき、全社員が理解すれば企業力、価値はすぐ戻る。それだけの底力があると思う」

--辞任劇の理由として改革に対する抵抗も指摘される

「なぜ、こういうことが起きたのか、私自身、本当に知りたい。
社長に就任して16カ月、会社をよくしたいという気持ちでいろんな方と意見が衝突したことは認める。
自分が社長ということで、飲み込んでもらったこともある。
しかし、私利私欲や自身を高めるプロセスはなかったと信じている。
(なぜ辞任なのかか)理解できないし、教えてほしい」

毎日新聞より「富士通:野副元社長が損賠請求の構え 異例の法廷闘争へ

富士通元社長の野副州旦(のぞえくにあき)氏が7日、東京都内で記者会見し、昨年9月に虚偽の理由で社長を辞めさせられた結果、会社に損害が発生したとして、取締役2人を提訴するよう求める文書を富士通に送ったと発表した。

これとは別に同社取締役ら数人に数億円の損害賠償も請求する構え。

元社長による法廷闘争という異例の展開で、混乱はさらに深まりそうだ。

「従業員や株主に、私自身の言葉を聞いてほしい」。昨年9月の辞任後、初めて公の場に姿を見せた野副氏は、会見の理由をこう説明した。

野副氏は、辞任を強いられた結果、子会社のインターネット接続大手「ニフティ」の売却計画が立ち消えとなり、「会社に約50億円の損害が発生した」と主張した上で、訴訟を求めるのは名誉回復が目的だとも強調。

第三者による調査委員会を設置し、辞任の経緯を明らかにすべきだとも訴えた。
文書は3月29日付で提出したという。提訴対象の2人の名前は明かさなかった。

事業の「選択と集中」を矢継ぎ早に進め「改革派」として知られた野副氏の辞任や、その後の辞任撤回要求を巡る騒動で、市場では「富士通の改革イメージが薄れ、市場に不信感が広がっている」(アナリスト)と指摘されている。

このことについては、「残念至極」としながらも「調査委員会で経緯がオープンになり、説明がつけば企業価値はすぐに戻る」と、「闘争」を続ける考えを示した。

野副氏の会見について富士通は「請求が来ているのは事実。監査役会で調査する」(広報IR室)としている。

昨年9月に野副氏が社長就任1年余りで辞任した際、富士通は「病気療養のため」と説明したが、野副氏は今年2月末「不当な理由で辞任を迫られた」と撤回を要求。

会社側は3月6日、辞任理由を「関係を持つのがふさわしくない企業と(野副氏が)関係したため」と訂正する異例の措置を取っていた。
【和田憲二、弘田恭子】 

意外な展開というか、無理筋な話という印象です。

虚偽の理由で社長を辞めさせられた結果、会社に損害が発生したとして、
取締役2人を提訴するよう求める文書を富士通に送ったと発表した。

ニフティを売却しなかったから、50億円の損害が生じた、という話し自体が白黒の付く話では無いと思うのです。
経営ですから、複数の選択肢があって、その一つであったという以上の意味はないでしょう。

さらに、その理由が「社長を辞めさせられたから」というのは、ますます無理な話でしょう。
無理な話の二階建てで、「だから損害を与えた」というのは普通通用しません。
その意味では、個人として名誉毀損の訴えを起こすのであれば、理解できるのですが、株主代表訴訟の対象になることなのか?という印象が非常に強いです。

こんな事態にしてしまった、現経営陣の責任はもちろんありますが、これでは「五十歩百歩」というのではないでしょうか?

4月 7, 2010 at 11:12 午後 経済・経営 |

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コメント

本来なら虚偽のプレスリリースで企業価値が既存したことを主張すればよかったのですが、偶然、この問題が発覚したときは日本株全体が急騰サイクルにあって富士通株も「上がらなかった」程度で済んでいます。

TOPIXあたりと比べれば、急落と言っても差し支えがない水準でしたが、株価がほとんど下がらず、プレス事態で会社に打撃が与えられていない以上、無理な論理で訴訟を起こすしかないといったところでしょう。

富士通では取締役の大半が実質的に責任をとって退任していることになっていますが、現実には野副氏に近かった人物の左遷人事などはとまっておらず、野副氏のモチベーションの一つになっていると思われます。

野副氏の本音の攻撃対象である二人の影響力が完全に排除されるまでは、手段を選ばず攻撃を続けるんでしょうね。

実質的には社内闘争であって、まぁなんというか、日本経済の発展や技術の発展には、なんら価値を生まない話ではあります。

投稿: わくたま | 2010/04/08 10:46:15

>役員2人
の名前が出てきませんが、たぶん秋草直之・取締役相談役が含まれるんでしょうね。

秋草氏といえば社長だった2001年に、「業績が悪いのは従業員が働かないからだ」という経営者としてどうよ?って発言をしたヒトですし、

一方の野副氏は社長就任後、富士通をIBMのように「モノからサービス重視の企業」に変えようとドラスティックな改革をしようとしていましたから、秋草氏は気に入らなくて辞めさせたと。

確かに訴訟は無理筋でしょうが、「秋草vs野副」ならば野副氏を応援したいですね。

投稿: エディ | 2010/04/11 13:03:19

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