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2010.03.05

児童虐待・家裁の判断が間違っていないか?

読売新聞より「衰弱死の4歳児、児童相談所が強制保護断念

4歳の次男を衰弱させて放置したとして、埼玉県蕨市中央の無職(47)、妻(37)両容疑者が保護責任者遺棄容疑で逮捕された事件で、県南児童相談所(南児相)が

次男を職権で強制的に保護することを検討しながら、
さいたま家裁に相談し、
「明確な虐待が認められなければ難しい」とする回答を受け
て断念していたことがわかった。

南児相や蕨市によると、両容疑者は03年3月頃に家賃滞納でアパートを追い出され、3歳だった長男と公園を転々とする路上生活をしていた。

次男のは同年9月に生まれたが、両容疑者が「ホームレス状態で育てられない」と訴えて乳児院に保護された。

市などは長男の保護や生活保護申請を再三働きかけ、04年3月に南児相が長男を保護。
両容疑者は生活保護を申請し、市の紹介でアパートに入った。

保護が解除されたのは、長男が同年6月、次男が06年1月。

しかし、次男は3歳児健診を受けず、入園した公立保育園に一度も行かなかった。
隣室に住んでいた女性(67)は「子どもが泣き叫ぶ声が毎日のように聞こえ、母親は朝から晩まで『うちの子じゃない』『お前なんか養う義理がない』と次男をどなっていた」と話す。

南児相や市は06年5月から08年1月まで13回、蕨署なども交えて対策会議を開き、次男らの職権保護も検討。しかし、さいたま家裁に「暴行の痕跡など、明確な虐待が認められなければ強制保護は難しい」と回答されて断念したという。

南児相は月数回の訪問も続け、虐待を疑わせる痕跡は確認できなかったが、事件直前の08年1、2月、容疑者は「いない」「昼寝をしている」などと言って会わせなかったという。

次男の遺体は、低栄養状態で複数の打撲痕や擦り傷が確認されており、蕨署は、容疑者が虐待を隠そうとした可能性もあるとみて保護責任者遺棄致死などの疑いでも調べる。

蕨署の高野邦夫副署長は逮捕まで2年余を要したことについて「両親を再三にわたって呼び出したが、『病気だ』などと繰り返し、聴取に応じなかった」と釈明。
蕨市の担当者は、県警に「客観的証拠がないため、立件は困難」と説明されたことを明らかにした。
(2010年3月5日03時10分 読売新聞)

ホームオブハート裁判でも、児童相談所の一時保護が争点になりました。
児童を親から離して保護することができる機関ですから、極めて強大な権力を持っていると言えますが、当然権力の行使については議論の対象になるから、積極論と消極論が出てきます。

今回の事件について、さいたま家裁が「暴行の痕跡など、明確な虐待が認められなければ強制保護は難しい」と回答したというのは信じがたいところです。
言うまでもなく「暴行の痕跡の残らない虐待行為」はいくらでもあるわけで、保護を実施せずにちょっと見ただけで明確に判断できる暴行の痕跡というのでは、命に関わる危険性が相当高い場合になるでしょう。
それを判断基準にしては、マズイでしょうし、実際に今回の事件に至った。

やはり、総合的に考えるべきであって「明確に分かる暴行の痕跡」を必要条件とするのは明らかに間違っている、と考えます。

Up

この説明図を見ますと、2004年に長男が一時保護されています。
2004年に何か法律か規則が変わって、児童相談所は通告があった場合に即座に立ち入り、必要があれば即座に保護する義務が課せられました。
これによって、ホームオブハート事件では児童虐待と認定されて、保護されました。

今回の事件で、長男・次男とも保護になったのは、この頃の影響が大きかったのではないか?と想像します。

それが、2006年2007年と上記のような行政機関間のやり取りをしている間に、死亡事件になってしまった。
どうも、行政で担当者が移動すると、当初の目的も分からなくなってしまう、ということのようです。

3月 5, 2010 at 08:14 午前 事件と裁判 |

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コメント

ひどい話です。

「ネグレクト」「心理的虐待」を含むと児童虐待防止法にしっかりと定義されています。
この定義も、児童相談所への通告義務、児童相談所の強い権限も、
悲惨な事件が続いて、法律が改正されたはずです。
それなのに、事件が減ったわけでもないのに
すぐに忘れて、無責任な方へと流れるのですね、行政も、裁判所も。

投稿: tambo | 2010/03/05 11:52:44

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