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2010.02.13

トヨタリコール問題・対策の方向がアウトだろう

トヨタのリコール騒動についての記事を三本集めました。

NHKニュース米 トヨタに再三対応求める
読売新聞トヨタ、品質特別委に欧米の専門家起用へ
日経新聞トヨタ、リスク対策で新組織 社長直轄、世界規模で情報収集

各新聞の記事は次の通りで、タイトル通りに別々の記事なのですが、どうもトヨタが勘違いから今回の大騒動になり、必要なのか勘違いしないためにどうするのか?だと思うのですが、そのこと自体をトヨタは分かっていないのではないのか?という印象を強く受けます。

象徴的なのが、NHKニュースでのアメリカとのやり取りの部分にあると思います。

アメリカの監督当局が作成した文書によりますと、国内で販売されたトヨタの乗用車で運転席のフロアマットがずれて、アクセルが戻らなくなるという苦情が相次いだ問題について、去年11月にトヨタが、「車に欠陥はないと当局に認定された」と、当局の意思に反する説明をし、その後、訂正したと指摘しています。

一言でいえば当時のトヨタは「運輸当局が納得したのだから、市場はそれに従う」という判断をしたわけです。
その構造は、会社は当局(上)と市場(下)に接していて、当局は上から市場をコントロールしている、だから効率を考えると、「当局だけを相手にしていれば結果OK」というものでしょう。

これが通用しないのが、マスコミであり、ネットワークなわけです。
フロアーマット問題は、フロアーマットそのものが原因ではなくて警察への電話がネット上に流れた事が大問題になった原因です。だから、問題はネットでの炎上をどうするか?という危機対策=BCPそのものでした。
それを「フロアーマットが間違っている」で済むだろうと思った。これが大間違いでした。

そういう視点で、以下の記事を見るとトヨタは現時点でも「(原因は明らかだから)どうやって効率的に炎上を納めるか」に腐心しているように見えます。
そういう先入観が通用しないから、BCPの研究は続いているわけで、トヨタがここまでひ弱な体質になっていたとはビックリです。
会社の文化の問題だから、これは深刻です。

NHKニュースより米 トヨタに再三対応求める

トヨタ自動車のリコール問題に関連して、アメリカの監督当局がトヨタに対し、再三にわたって速やかな対応を求めていたことが、当局への取材で明らかになり、アメリカ議会の公聴会でも、こうした経緯に焦点があたるものと見られます。

アメリカの監督当局が作成した文書によりますと、国内で販売されたトヨタの乗用車で運転席のフロアマットがずれて、アクセルが戻らなくなるという苦情が相次いだ問題について、去年11月にトヨタが、「車に欠陥はないと当局に認定された」と、当局の意思に反する説明をし、その後、訂正したと指摘しています。

そのうえで、およそ1か月後の去年12月15日には、道路交通安全局の幹部が日本を訪れてトヨタの役員らと直接会談し、アメリカの法律に基づいて車の不具合を調査し、速やかに報告するよう求めたとしています。

さらに文書では先月19日、北米トヨタの稲葉社長らが運輸省に呼ばれ、アクセルペダルの部品に不具合があると報告した際にも、当局は、改めて速やかな対応を促したとしたうえで、こうした働きかけによって、問題解決の遅れを免れることができたとしています。

これに関連してトヨタの佐々木副社長は、今月2日の記者会見で「アメリカ道路交通安全局の忠告は、トヨタが早く決断することに大きな力をもった」と述べており、今月下旬から行われるアメリカ議会の公聴会でも、こうした経緯に焦点が当たるものと見られます。

読売新聞よりトヨタ、品質特別委に欧米の専門家起用へ

トヨタ自動車は12日、世界各地で相次ぐ大規模リコール(回収・無償修理)の問題を受け、豊田章男社長をトップにした「危機管理委員会」を社内に新設したことを明らかにした。

委員会は社長をはじめ副社長、専務クラスで構成。不具合などのマイナス情報を一元的に集約して迅速に対処し、業績への打撃を最小限に抑えるのが狙いだ。

一連の品質問題では、トヨタの対応が後手に回ったとの批判が集まり、ブランドイメージが悪化した。

品質問題が浮上した1月下旬以降、トヨタの株式時価総額が約3兆円減少したほか、米国で販売減も鮮明になっている。

2月下旬の米議会の公聴会では、厳しい追及が予想され、「会社の危機」(幹部)に全社一丸での対処が不可欠と判断した。

また、世界規模で品質向上を図るため、豊田社長をトップに発足する「グローバル品質特別委員会」の委員には、日本のほか米欧などから外部の専門家10人前後を起用する方針を固めた。

海外展開を加速させたトヨタは2007年に初めて海外生産が国内生産を上回り、部品の現地調達が拡大。

海外での部品の品質チェック体制の整備が遅れているため、各地域の専門家の意見を積極的に反映させる。
(2010年2月13日03時03分 読売新聞)

日経新聞よりトヨタ、リスク対策で新組織 社長直轄、世界規模で情報収集

トヨタ自動車が一連の品質問題を受け、事業を進める上で起こりうる様々なリスクへの対策を練るための専門組織を発足させたことが12日明らかになった。

豊田章男社長がトップに就き、国内外からリスク情報を迅速に収集・分析する。品質問題への対応が批判された経緯を踏まえ、リスク管理体制を世界規模で見直す考えだ。

新設した「危機対策委員会」には豊田社長のほか、専務以上の役員が参加する。発生する問題や地域によって、構成メンバーを機動的に変える。

今回の品質問題を受け、すでに品質保証や技術、設計などの役員が中心となり部品調達や消費者対応を進める上でのリスクの洗い出しを始めた。 (08:56)

2月 13, 2010 at 11:10 午前 もの作り |

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コメント

 とうとう米国公聴会に社長自身への呼び出しが掛かりましたね。ちょっと気になったのは、その発表の記者会見での社長の表情。言葉を慎重に選んでるのでしょうけど、一言一言横の何方か(弁護士?)の方に確認を求めるようにちらちら視線を走らせていましたね。どうもご自身思うところからの言葉でなく参謀の方のアドバイスに沿っての発言のように見えました。世界トップ企業の指導者としてはなんとなく心もとない印象を持ちました。比較するのはなんですが、日産のゴーンさんのような顔つきも怖いですがカリスマ的な強い自信から来るスピーチとはかなり違う感じです。

投稿: テスラ | 2010/02/20 0:46:14

J-CAST の記事
「章男社長、しどろもどろ トヨタ会見の「不具合」とは」
http://www.j-cast.com/2010/02/17060374.html

に非常に興味深い解説がありました。

  「トヨタモデル」(講談社現代新書)などの著書がある経済ジャーナリストの
  阿部和義さんは、社長就任による社内体制の変化が影響しているとみており、

    >「09年に豊田社長が就任してから、『奥田(碩)-張(富士>夫)-渡辺(捷昭)』
    >という歴代社長の下での社内体制を一新しています。

    >それは広報も例外ではなく、過去の危機管理などに関するノウハウが
    >受け継がれていないのだと思います。
    
    >刷新するということには裏表があるものなので、
    >ある意味では当たり前です。安定するまでは時間が必要なのでは」

  と話している。

この解説が事実であるとすると、この解説者自身も現代の会社が必要としている要件についての理解が不十分だとなります。
BCPの観点からは「時間が必要」では通用しないのが当然で、言葉を変えれば「地震対策を策定中なので、被害に遭っても仕方ない」なんて言い訳が通用しないのと同じです。

で、問題はそのように「不十分な対策さえ出来ないトヨタ」に問題があるとなりますが、簡単に言えば「BCPが無かったケースの代表」として教科書に載ることは確実です。

横を見てと言うのは、明らかにアドバイザーにも自信がないからでしょう。
さすがに、考えないとか覚えられないというほどの「こども社長」では無いでしょうから、事前の打ち合わせ(想定問答)などが出来ていない証拠と見るべきでしょう。

その意味では、御神輿に乗っているのはよいとして、担ぎ手がダメなのだから、カリスマ社長が担ぎ手を選ぶ,というような意味ではゴーン氏のようなタイプを必要としていますね。

とは言え「創業家の一族だから」で社長にしたのだから、バカげているというべきですね。

投稿: 酔うぞ | 2010/02/20 1:31:44

公聴会直前というニュースが流れていますが、とうとうお白州の場での直接の発言を求められるわけですね。日本でいえば国会の証人喚問のようなことでしょうか。なにやら米国の日本企業に対する感情的な面も見え隠れしてるようですが、どうか世界のトップ企業の指導者として毅然とした態度で臨んでほしいものです。

投稿: テスラ | 2010/02/24 0:36:04

あたしは、「子ども社長に一番求められている業績は辞任」だと思ってますがね。

投稿: 酔うぞ | 2010/02/24 9:33:34

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