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2010.02.14

医療問題・電子化反対裁判をやっていて良いのか?

東京新聞より「レセプト訴訟取り下げへ オンライン義務化撤回で

レセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求の義務化に反対し、その義務がないことの確認を求め、横浜地裁で係争中の医師と歯科医師約1740人は13日、昨年の政権交代により厚生労働省が全面義務化を撤回したことを受け、訴えを取り下げることを決めた。
22日の口頭弁論で取り下げる。

原告団は13日、横浜市西区のホテルで総会を開催。平尾紘一団長は「(義務化撤回は)われわれの勝利で、本当にうれしく思う」と話した。

弁護団によると、大阪地裁での同様の訴訟も、既に訴えを取り下げたとの連絡が大阪の原告団からあったという。

厚労省は2011年度からすべての医療機関と薬局にオンライン請求を原則義務化する方針だったが、日本医師会などが反発。昨年11月、省令を改正し、高齢の医師の診療所や零細な病院など一部について義務化を免除した。
(共同)

要するに、医療の電子化に反対しているわけだが、その一方で医療機関が出す薬は患者が調剤薬局で個別に購入することになる。
このために、薬の一元管理が必要だとなるのだが、それを電子化しないでどうするつもりなのだ?

ネットワーク・セキュリティ・ワークショップ in 越後湯沢で、何度も秋山 昌範先生の講演を聴いています。
「医療におけるデジタル・フォレンジック導入の必然性とは」などを読むと分かると思いますが、秋山先生の講演で一番ビックリしたのが、「電子カルテを使ったら事故が増えた」でありました。

要するに、単に電子化だけではダメだ、という話しなのですが、その一方で電子化によって莫大な薬の廃棄が無くなったのだそうです。
わたしが例に挙げた、家庭内で薬を管理しなければならないという問題も、例えばICカードに記録していけば、同じ薬を二重に処方すると行ったことが防げるわけで、医薬分業にしてしまったのだから、情報流通の電子化以外に医薬分業を成り立たせるための方策はない、と思います。

このような状況に対して、医師と歯科医師約1740人が裁判で争うとはどういうことだ。

高齢の医師の診療所や零細な病院など一部について義務化を免除した。
ではなくて、職業としての医師を引退していただくのがスジでしょう。

2月 14, 2010 at 10:09 午前 医療・生命・衛生 |

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コメント

どうでしょうね
すべての診療所にオンライン端末っていうのは
例えれば八百屋すべてにPOSを導入しろと迫っているようにも見えます。
投資コストや高齢などの理由で導入できないところはブログ主の言うように引退を早めることとなるでしょう。
ただ、医師不足が叫ばれる中で引退を奨励する政策というのは拙いのではないでしょうか。

下記の記事が良くまとまっていました。
http://koretani.blogspot.com/2009/09/blog-post.html

投稿: サルガッソー | 2010/02/15 2:31:34

いや~、これは一部のPCはゴメンだという医師が、PCでもOKという医院に犠牲を押しつけている、という面が大きいですよ。

実際には、PC(レセコン)でレセプトを発行している医院が非常に多いわけですが、受け取る側の保険組合などは、それを全部手書き処理にしている。

その理由は言うまでもなく、手書きレセプトがあるからです。

はっきり言えば、従来の手書きにPCも乗っけたのだから、コスト上昇で業界はウハウハ、といった構図になっているわけです。

これをどうするか?という観点から考えると、このような「無理が通れば通りが引っ込む」的な事を社会的に許すべきではないし、それを明らかにするためには裁判するべきだったと思いますよ。

投稿: 酔うぞ | 2010/02/15 9:30:00

>実際には、PC(レセコン)でレセプトを発行している医院が非常に多いわけですが、受け取る側の保険組合などは、それを全部手書き処理にしている。

ということであれば、保険組合の方で電子化するなどの方法もあるのでは?と思うのですが。

争点は「電子化に反対」ではなく「全面義務化に反対」でしょうからそれは「無理が通れば~」ということでもないような。
実際に「電子化」することのメリットがあるため導入している医院も多いのでしょう。
「全面義務化」というのであれば、そうでないところ・負担が大きいところなどへのフォローも必要ではないでしょうか?
素人でもそういう配慮が欠けていたのではないか、という疑問はわくので、そういう点も明らかにしていくためには裁判をやっても良かったのではないでしょうか。

投稿: 北風 | 2010/02/15 17:45:23

想像ですがね、たぶん個々の医院の都合(賛成反対)とは無関係なのだと思います。

もちろん、便利とか不便も関係ない。

ひたすら、保険請求事務のシステムが変更になることに、既存の関係者が反対するために、大同団結してその最大公約数が「義務化反対」だったのだろうと思います。

要するに、既定路線の墨守なのですから、変更が出来ないわけですが、わたしが指摘したように調剤薬局制度で、けっこう面倒になってきているわけです。

特に薬については、ICカードが有効だと思うのですが、相変わらず紙だけでしか情報のやり取りがないですね。

医療情報を電子化すると、メリットは大きいですが、不慣れな職員がスポイルされるといったことは避けられません。

だからといって、一部を電子化しないと大問題、というのを紹介した秋山先生は声を大にして言っています。

今、全ての薬のパッケージにバーコードが付いていますが、全てとなったのはISO規格になったからとかだそうです。

この薬の情報をコンピュータに読み取らせる必要がある(だからバーコード)というのは、秋山先生が主唱していたそうで、最初は「なんで薬のデータをコンピューターに読み取らせる必要があるのだ?」というのが世界中の意見であったそうです。

それを説得して、規格化されたら日本から国際会議に山ほど人が来るようになった、と怒っていました。

そんなわけで、医療は巨大な社会システムであって、その一部だけをいじっても、良くなるとは言えない。
個々の利害を過度に重視すると、システム全体が機能しない、という問題に突き当たります。

投稿: 酔うぞ | 2010/02/15 18:47:44

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