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2009.11.28

神戸市・補助金返還判決の帳消し条例の是非

朝日新聞より「神戸市長の補助金返還責任「帳消し」議決無効 大阪高裁

神戸市が外郭団体に支出した補助金は違法として、矢田立郎市長らに返還させるよう市に求めた住民訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。

大谷正治裁判長は、市議会が一審判決後、返還請求権をすべて放棄するとした議決は「議決権の乱用で無効」と判断。違法支出は一審判決より約10億円多いとし、約55億円を市長らに請求するよう市に命じる変更判決を言い渡した。

市側は上告する方針。

住民訴訟で司法が違法と判断した公金支出をめぐり、首長が負った賠償責任を地方議会が「帳消し」にする例は各地で相次いでいる。

今回の訴訟の住民側代理人弁護士で、住民訴訟に詳しい阿部泰隆・中央大教授(行政法)は
「首長らへの債権放棄の議決を無効とする司法判断は初めて。各地の行政や議会への警鐘となる」
と話している。

訴訟は、神戸市が外郭団体に派遣した職員の人件費に補助金を支出したことをめぐって住民が起こした。

昨年4月の一審・神戸地裁判決は補助金の一部約45億円を違法支出とし、矢田市長と外郭団体に返還させるよう市に命じたが、
市議会は今年2月、市の提案を受け、別の住民訴訟で違法支出とされた補助金を含む約48億円の返還請求権を放棄する条例改正案を賛成多数で議決した。

この日の高裁判決は、議決の法的効力を検討。
請求権放棄に伴う市財政への影響の大きさや、市が市長らの資力を検討していない点などを挙げ、「議決に合理的な理由はない」と指摘した。

さらに、議決を「市長の違法行為を放置し、是正の機会を放棄するに等しく、住民訴訟制度を根底から否定するもの」と厳しく批判。
「議決権の乱用」と断じ、控訴した市側の「議決で請求権は消滅した」との主張を全面的に退けた。

そのうえで、補助金の支出について一審と同様に違法と判断。市が05~06年度に支出を決めた19の外郭団体への補助金計約55億4千万円が、返還請求の対象になるとした。(阪本輝昭)

NHKニュースより「神戸市の権利放棄 無効と判断

神戸市が、外郭団体に派遣した市の職員の人件費に充てるために補助金を支出したのは違法だとして、住民グループに訴えられている裁判で、大阪高等裁判所は、神戸市長に対して55億円余りを市に返還させるよう命じました。

また、1審判決のあと、神戸市が条例を改正して補助金の返還を受ける権利を放棄したことについても、「住民訴訟の制度を根底から否定するものだ」として、条例を無効だと判断しました。

この裁判は、神戸市が、住宅供給公社などの外郭団体に派遣した市の職員の人件費に充てるために、これらの団体に補助金を支出したのは違法だとして、住民グループに訴えられているものです。

1審の神戸地方裁判所は違法性を認め、神戸市長に対して補助金を市に返還させるよう命じましたが、1審の判決のあと、神戸市は条例を改正して返還を受ける権利そのものを放棄したため、2審ではこの条例が効力を持つかも争点になりました。

27日の2審の判決で、大阪高等裁判所の大谷正治裁判長は「改正された条例は、市が受けた損害を取り戻す機会を放棄しており、住民訴訟の制度を根底から否定するもので、議会の議決権の乱用に当たる」として、条例は無効だと判断しました。

そのうえで、1審の判決を支持し、神戸市長に対して55億円余りを市に返還させるよう命じました。

住民グループが起こした別の訴訟では、神戸地裁が11日、「条例の改正によって補助金の返還を求めることができなくなった」として、今回とは逆の判断で訴えを退けています。

27日の判決について、神戸市の矢田立郎市長は「きわめて意外な判決で、たいへん驚いている。

地方自治法に従い、適法に行われた議会の議決を否定するものであり、判決内容を精査したうえで、上告する方向で検討したい」というコメントを出しました。

判決も条例の制定も両方とも法律に基づく決定で、それが衝突しているという、わたしが高校の時に聞いて、法律の理屈に興味を持った話と全く同じ内容で、興味津々であります。

事件の経過はだいたい次のようです

  1. 住民訴訟で、市長に返還を命じる一審判決があった
  2. 市議会は、市が返還を受ける権利を放棄する条例を可決した
  3. 別の住民訴訟では、神戸地裁は「条例によって市が返還を求めることが出来ない」との判決をしている
  4. 高裁では、条例の正当性の評価。返還内容の評価。をして、一審を上回る金額を返還を命じた
  5. 市は条例の正当性を争うために上告を決定

問題のポイントは、条例の正当性でしょう。
調べてみたらこれらしいです。
「公益的法人等への職員の派遣等に関する条例」平成13年12月28日 条例第49号

この条例は次のように始まります。

(趣旨)
第1条 この条例は,公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(平成12年法律第50号。以下「法」という。)第2条第1項及び第3項,第5条第1項,第6条第2項,第9条,第10条第1項及び第2項並びに第12条第1項の規定に基づき,公益的法人等への職員の派遣等に関し必要な事項を定めるものとする。

とされていて、職員派遣の一般規則と対象となる団体を規定しているようです。
ところが、その中に突然以下の内容が出てきます。

(施行期日等)

(不当利得返還義務等の免除)

5 第1審における事件番号が神戸地方裁判所の平成18年(行ウ)第25号,平成18年(行ウ)第43号又は平成20年(行ウ)第76号である訴訟における請求に係る不当利得返還請求権及び損害賠償請求権(これらに係る遅延利息を含む。以下同じ。)その他平成14年4月1日から平成21年3月31日までの間に係る派遣先団体から派遣職員に支給された給与の原資となった本市から派遣先団体への補助金,委託料その他の支出に係る派遣先団体又は職員に対する本市の不当利得返還請求権及び損害賠償請求権は,放棄する。

いわば、この訴訟についての直撃です。
今回の高裁判決が

請求権放棄に伴う市財政への影響の大きさや、市が市長らの資力を検討していない点などを挙げ、「議決に合理的な理由はない」と指摘した。
と怒るのも無理はない。

神戸市の主張は、手続が適法であれば内容はどうでも良い、ということになってしまいますから、これではさすがに上告しても通用しないでしょうし、そもそも条例のこの部分の中核である「特定の判決を無効にする条例を定めることは違法ではないか?」と問題になるでしょう。

けっこう重大な判決であると言えます。

11月 28, 2009 at 10:19 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.27

経団連は自分の足許を削って崖を引き寄せたのだ

サンケイ新聞より「経団連会長、日本経済は「がけっぷち」 円高がデフレと雇用不安を増幅する「リスクの連鎖」

日本経済が抱える「デフレ」「雇用情勢」という不安が消費者物価指数などの経済指標で改めてあぶり出された27日、急速に進む円高がこの2つの不安を一層増幅した。

自動車、電機という輸出型産業の業績悪化はもちろん、消費不振から価格競争に走る内需型産業も、輸入品の価格下落によってさらなる値下げを強いられるためだ。

すでに27日の東京株式市場は円高を嫌気して大幅安を記録。緩やかな回復を続ける日本経済は“リスクの連鎖”に襲われている。

「このまま行けば景気を押し下げる。(日本経済は)がけっぷちに立っている」

日本経団連の御手洗冨士夫会長は14年4カ月ぶりに1ドル=84円台に突入した急激な円高に懸念を示した。

自動車、電機など主要メーカーの想定為替レートは厳しく見積もった下期でさえ、1ドル=90円前後のところが多い。
トヨタ自動車の場合、現行水準が続けば年間で1000億円以上もの利益が吹き飛ぶ。

企業収益の悪化は雇用・賃金環境も悪化させる。27日発表された10月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・2ポイント改善の5・1%となり3カ月連続で改善したが、依然高水準だ。企業の新卒採用の絞り込みは続き、冬のボーナスも多くの企業で前年割れとなる見通しで、円高はこうした厳しい環境の長期化につながる。

同じく27日発表の全国消費者物価指数(10月)も8カ月連続のマイナスとなり、デフレは一段と深刻化している。

流通や食品、衣料などの内需産業は縮小する国内市場で値下げの過当競争を強いられている。

「デフレ圧力がなくなるのは平成24年末ごろ」(エコノミスト)との見方もあり、円高が続けば企業の消耗戦はさらに激しくなる。

急激な円高は日本経済最大のリスク要因だけに、政府も為替動向には神経質になってきた。

藤井裕久財務相は27日の閣議後会見で「円高は(日本経済にとって)害のほうがずっと大きい。
適切な処置を取ることもありうる」と述べ、外国為替市場への介入に踏み切る可能性を示した。

7~9月期の実質国内総生産(GDP)は2四半期連続でプラスとなり、国内景気には持ち直しの兆しがあるが、円高がデフレと雇用不安を助長すれば、日本経済は「二番底」に陥る恐れが高まる。

政府が来週中にも固める平成21年度2次補正予算など政策対応が問われる局面になってきた。
(田端素央)

日本経団連の御手洗冨士夫会長は14年4カ月ぶりに1ドル=84円台に突入した急激な円高に懸念を示した。
って、そりゃ御手洗経団連がやってきたことの結果以外の何ものでもないでしょう。
どうして「懸念」とか言い出すのか?

御手洗経団連の最大の「功績」は派遣労働の大幅拡大によって、賃金コストを引き下げたことです。
これによって、輸出競争力を高めた。
現在のGDP上昇が「輸出によって支えられている」と言われるゆえんです。

現在の状況がデフレだとして国内経済による成長があるべきだ、と言われますが賃金を引き下げておいて、どうやって成長しろと言うのか?

さらには、わたしが強く主張している点ですが、派遣労働は本質的に貯金の取り崩しのようなものであって、訓練されている労働力を再生産することなく使用し消費するものです。
確かに労働力の訓練投資をしないのですから、コスト削減にはなりますが、優秀な労働力というプールを使い切ったらどうなるのか?

その不安が、ますます「現状維持指向」を強化して、新規投資のような「挑戦力」そのものを摩滅させ、さらに「現状維持の保守化」に向かうという悪循環になっていると見ています。

派遣労働によらずに、自社内で優秀な労働力を育てるといった「投資」を避けたのが、御手洗経団連であって、デフレになっていく大きな理由でしょう。

新自由主義は結果として「いかに投資せずに稼ぐか」=「経費削減」に向かったために、社会全体が成長しなくなってしまった。
成長の見通しが無いことが誰の目にも明らかになったから、当然投資は行われない。
お金は無駄に金融機関に滞留する。

これでは、パラダイムシフトしか無いです。
派遣労働の問題ではなくて、労働力の再生産が必要であり、そのためには人件費の傾斜配分が不可欠でしょう。
具体的には、派遣労働については時給1万円を最低限とする、といったことが必要です。
身分保障のない派遣労働の中で労働力が活性化するのは、リスクを取って派遣労働に挑戦した方が有利だとする、挑戦心を育てることです。

その一方で、お金を貯め込んでいるだけで何もしない金融機関の給与水準は最低限にするべきでしょう。
このような手法は、御手洗経団連が経費節減と称して先送りしてきたことを、一気に逆向きにすることで、短期的には明らかに輸出競争力が無くなります。
結果として、資金以外の技術力や労働力の質的向上といったところに投資できない企業は消滅するでしょう。

しかし、日本全体として将来の生き残り戦略が節約に無いことは明らかなのですから、色々な分野に挑戦するための投資、に誘導することが現在の最優先の課題であり、新自由主義が安直に「利益を高めるのには、まず節約」としたことを、ひっくり返すことが全てであると思います。

11月 27, 2009 at 10:19 午後 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

9メートル上から落下した10歳児を確保したのは若い女性らしい

サンケイ新聞より「校舎3階から小4男児転落…偶然通行中の女性がキャッチ!

27日午後3時ごろ、私立武蔵野東小学校(東京都武蔵野市緑町)の校舎3階から小学4年の男子児童(10)が転落し、偶然通りかかった女性が下で受け止めた。

男児は右ひざを負傷したが、命に別条はなかった。女性にけがはなかった。

警視庁武蔵野署や同校によると、男児は放課後、高さ約9メートルの3階の窓から出て、校舎の出っ張り部分に立って遊んでいたところ、足を滑らせて、縁の部分をつかんだ状態でぶら下がった。

近くを通りかかった女性が異変に気付き、男児の下に回り込んだところで、男児が落下。

男児は高さ約1.7メートルの壁にぶつかった後、女性の腕の中に収まった。

この女性は名乗らずに立ち去ったが、近くの仕出し店に勤める若い女性らしいという。

同校の市川智教頭(48)は「大事に至らず、本当に良かった。2度と起きないように、危険個所の確認を進めていきたい」と話していた。

いや~良かった良かった。

11月 27, 2009 at 07:34 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

赤ちゃんポストの結果

読売新聞より「「戸籍入れたくない」「不倫」で、赤ちゃんポストに?

「戸籍に入れたくないから」「不倫だから」。

慈恵病院(熊本市)が運営する「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、熊本県の検証会議は26日に公表した最終報告で、利用した親の理由を初めて明らかにした。

体面などを優先した身勝手とも言える内容が4割に上り、子育ての大切さを教えるべき福祉・教育関係者もいた。
一時保護という成果の一方で、匿名性が安易な子捨ての助長につながっている側面が浮かび上がった。

運用開始からの約2年5か月で預けられた子どもは51人。置き手紙やその後にあった電話連絡などで39人の親が判明し、うち37人が回答した。

「生活の困窮」(7人)を抑え、一番多かったのは「戸籍に入れたくない」(8人)。出産した痕跡が戸籍に残ることを嫌がったためという。さらに「不倫だから」(5人)、「世間体が悪い」「未婚なので」(各3人)と続いた。子どもの障害が理由だったケースも複数あった。

母親の年齢は20代の21人を最高に、10代~40代までと幅広かった。

出産場所は医療機関を除き、自宅が14人、車内も1人いた。福祉・教育関係者は複数いたが、人数は明らかにされていない。

また、父親が出産後に姿を消したり、避妊を嫌がった揚げ句に妊娠の責任を取らなかったりした例もあった。

ゆりかごは「遺棄されて命を落とす新生児を救う」ことを優先し、匿名というシステムを採用した。

だが、当初の目的を離れ、福祉・教育関係者までが利用していた実態に、26日に記者会見した検証会議の柏女霊峰座長は「倫理観の低下を招いている」と指摘。

「匿名だからといって、親の身勝手で相談もせずに子どもを置いていくことは認められない。安易な預け入れは子どもの利益を最大限に守るという児童福祉の観点から、決して許されるものではない」と力を込めた。

設置を許可した熊本市の幸山政史市長は26日、「『多くの命がつながった』と意義を認められ、ほっとしている。ただ、匿名に伴う倫理観の低下との指摘は、重く受け止めたい」と話した。
(2009年11月27日02時36分 読売新聞)

実はこの記事は朝タイトルを見ただけで中身を見ませんでした。
毎日見ているブログに取り上げられていたので、改めて記事を見たら、グラフが載っていたのでそれを元に作ったのが以下の表です。

理由人数
戸籍に入れたくない15.76
不倫9.84
世間体5.92
その他17.77
   
   
生活困窮13.75
未婚5.92
養育拒否3.91
不明27.410

この表は、新聞のグラフに書かれていた%を回答者37人に割り当てて、人数として表示しました。
複数回答は無いものとしています。

上下に分かれているのは、記事中で問題にされている「匿名に伴う倫理観の低下」の問題とされている分類でしょう。
「その他」については、家族が育てることに反対した、といった例があるようです。

それにしても「戸籍に入れたくない」がトップというのはいかに何でも問題でしょう。
2年5ヶ月の間のデータですから「戸籍に入れたくない」という理由が、4~5ヶ月に一件の割合で起きていると言えます。

11月 27, 2009 at 05:45 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (5) | トラックバック (1)

2009.11.26

痴漢えん罪だが、誤解だという判決

サンケイ新聞より「痴漢行為認めず 賠償請求は退ける 痴漢誤認損賠訴訟の差し戻し控訴審

電車内で痴漢をしたとして逮捕された後、不起訴となった東京都国立市の元会社員(67)が、被害を訴えた女性に約1100万円の賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審判決が26日、東京高裁であった。

大橋寛明裁判長は「痴漢行為があったと認めることは困難」として、痴漢行為を認定した1審判決は誤りだったと認める一方、賠償請求は退け、控訴を棄却した。沖田さん側は再上告する方針。

差し戻し控訴審では、当時、女性が携帯電話で話していた知人男性が出廷。

女性の被害を訴える言葉を「聞いていない」と証言。

大橋裁判長は「女性の証言には疑問がある」と痴漢行為は認定しなかった。
一方で「記憶の正確さなどには限界がある」と虚偽の被害申告をしたとする沖田さんの主張を退け、賠償を認めなかった。

判決によると、沖田さんは平成11年9月、JR中央線の電車内で当時20歳だった女性に下半身を押し付けたとして、都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されたが、嫌疑不十分で不起訴となった。

1、2審判決では痴漢行為を認めたが、昨年11月の最高裁判決は知人男性の証人尋問が必要として2審判決を破棄、東京高裁に審理を差し戻した。

この事件は今も無茶苦茶な経過をたどってますね。
今回の判決で高裁の裁判長は、社会的な責任を果たしたとは言えないでしょう。

  1. 男性が電車の中で携帯電話で話していた「被害」女性に対して注意をした。
  2. 女性は、電話中の相手の男性に「ヘン親父が・・・」といった趣旨のことは話した
  3. 女性は痴漢と申告して、男性は現行犯逮捕・勾留。
  4. 痴漢事件は不起訴となり、勾留(20日)の後に釈放
  5. 男性は、女性に損害賠償請求で提訴
  6. 地裁・高裁は痴漢事実があったとして、請求を退ける
  7. 最高裁は、女性が当時電話していた相手の男性の証言が必要として、高裁に差し戻し
  8. 高裁でのやり直し裁判で、女性の電話相手の男性は「女性の主張する会話は無かった」と証言。
  9. 今日の高裁の判決は、女性の主張する痴漢事件は無かった(つまり男性の主張は認めた)が、虚偽申告ではないから、賠償責任はないと判決。

一般庶民にとって一番注目しているのは「どういう事件なのか裁判所は解明するべし」でありましょう。
そういう観点から見ると、痴漢事件は無かったが、痴漢事件と訴えた女性の行為が虚偽申告ではない、というのはどういう論理なのか普通の人には理解できないでしょう。
この裁判長は何を言いたいのだ?

これでは、再上告は仕方ないでしょう。
こういう想像しがたい判決をが出るから、裁判員制度は必要だとなります。

11月 26, 2009 at 05:50 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.11.25

アメリカのトヨタ車・アクセルペダルでリコールなのだが・追記あり

朝日新聞より「トヨタ、米で400万台ペダル交換へ 暴走事故受け

高級車レクサスが米国で暴走し、乗員4人が死亡した事故に関連し、トヨタ自動車は、アクセルペダルをフロアマットに引っかかりにくい形のものに交換するリコールを実施する方針を固めた。日本時間の25日夜にも米国で発表する。

対象は、米国で販売したトヨタブランドのプリウス、カムリ、アバロン、タコマ、タンドラと、レクサスブランドのESとISの計7車種約400万台になる見通し。9月29日にトヨタが暴走の危険を警告した際には約380万台としていたが、その後の販売車両も含める。

トヨタは当初、フロアマットを適切に固定しなかったり、二重に敷いたりしなければ問題は起きないと主張していた。
しかし、10月に入り、「事故が発生する危険性を減らすため、車両本体を改良する」との意向を米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に伝えていた。

リコールでは、アクセルペダルを短いものに交換。床板との距離に余裕を持たせ、フロアマットがずれたり、二重に敷かれたりしても、引っかからないようにする。
リコール費用は数百億円規模になるとみられる。

また、トヨタはアクセルと同時にブレーキがいっぱいまで踏み込まれた場合、電子制御でアクセルを解除し、ブレーキの作動を優先する装置の導入や、エンジンを緊急停止する操作を分かりやすくする方法についても検討しており、併せて対策に盛り込まれる可能性がある。

今回のリコールは、8月下旬に米サンディエゴ市郊外で、レクサス「ES350」が暴走し、4人が死亡した事故が契機となった。

ES350は07年にも同じ問題でフロアマットを交換するリコールを実施。

トヨタはあくまでもフロアマットの問題としていたが、今回は、車両本体の重要部分であるアクセルペダルをリコールせざるをえなくなった。

トヨタは、日本など米国以外で販売した車については、「北米のような厚みのある全天候型のフロアマットは販売しておらず、現時点で問題があるとは考えていない」(幹部)としており、リコールする予定はないという。

このニュースが伝わってきたときに、フロアマットを二重にするとペダルが引っかかるとはどういう事なのだろう?と思っていました。

ごく普通に二重にしても、そうそう厚くなるわけではないから「引っかかるものなのか、事故になるようなの極めて例外的な状況では無いのか?」とも考えていました。

Up

この写真を見ると、そういう「甘い考え」ではありませんでしたね。

フチ付きミゾ付きのマットとは・・・・・・。
こんなモノが、流行している土地では、アクセルペダルが引っかからないアクセルペダルが当然でしょう。
さらには、自動車用品の展示会や業界団体もあるわけですから、情報を取るなり、フロアマットの基準を定めるなりの行動は自動車メーカーの義務であったでしょう。

今のトヨタは、いささか以上に市場と距離があるのではありませんか?


以下、2009/11/26追記

毎日新聞より「トヨタ:信頼回復に全力 大規模ペダル無償交換

フロアマットが原因で米国で販売した車が暴走事故を起こしたとされる問題で、トヨタ自動車が400万台以上にのぼる大規模な自主改修に踏み切るのは、ブランドイメージの決定的な悪化を避けるためだ。

アクセルペダル交換など、改修には数百億円規模の費用が必要で10年3月期も3500億円の営業赤字を見込む業績への影響は小さくない。

しかし、世界新車販売首位まで上り詰めたトヨタ車を支えてきた「高品質・安全」のブランドイメージを守るには「背に腹は代えられなかった」(トヨタOB)ようだ。【大久保渉、米川直己】

◇米市場への影響重視

「原因がどうであれ、事故が起きたのは事実。ユーザーの不安を取り除くために必要な措置は取らなければならない」--。トヨタ幹部は大規模な部品改修を決断した理由をこう説明。
問題長期化によるトヨタブランドへの深刻な影響を回避するギリギリの判断だったことを強調した。

発端は、今年8月、高級車「レクサス」に乗った一家4人の死亡事故。

事故を起こした車はかなりの高速で走行していたうえ、異なる車種のフロアマットが取り付けられていた。このため、トヨタは問題表面化後も「車両に欠陥はない」と主張してきた。

しかし、米テレビなどマスコミでは「レクサス運転中にアクセルペダルがマットに引っかかり戻らなくなった」という部分がクローズアップされ、死亡事故を重大視した米道路交通安全局(NHTSA)内では強制力の強いリコール(無償の回収・修理)など抜本的な対応を求める圧力が強まっていた。

ただ、車両の欠陥を認めるリコールでは、米国でのブランドイメージへの深刻な打撃は避けられなくなってしまう。
そこでトヨタは希望者にアクセルペダルの無償交換をする踏み込んだ措置を取る一方、あくまで自主的な安全対策としての位置付けは譲らない「実は捨てても、名を取る措置」作戦に出た。

米国トヨタとしては過去最大規模の400万台以上の改修には、数百億円にのぼるという費用がかかる。

トヨタ幹部は「引当金などを約4300億円積んでおり、その範囲で対応可能」というが、昨秋以降の自動車不況の病み上がりのトヨタにとって、目先の収益への影響は小さくない。それでも、トヨタにとってユーザーの不安を解消する措置を一刻も早く打つ必要があった。

ただ、トヨタ流の手厚い対応がどこまで消費者に受け入れられるか。巨額赤字の元凶となった米国事業の立て直しはトヨタ復活に不可欠だが、今回の問題はその作業を厳しくさせる可能性もある。

◇日欧は改修対象外

米国で無償交換を行う8車種約400万台のうち、プリウスなど4車種は日本国内でも販売されている。

車体の設計に違いはないものの、トヨタは北米以外で販売された車両での無償交換は行わない方針だ。ただ、日本や欧州などのユーザーの不安解消には、全社的な丁寧な説明が求められそうだ。

トヨタによると、今年8月に起きた高級車レクサスのES350による一家4人死亡事故の際に、運転席に敷かれていたフロアマットは、米国だけで販売されている厚さ2~3センチの全天候型の商品。

米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いといい、上部のマットが定位置から前方にずれると、アクセルペダルの下部がマットの縁に引っ掛かり、アクセルが全開のまま戻らなくなる可能性があるという。

このため、トヨタは当初「車の構造に欠陥は無く、マットを正しく使用すれば問題はない」(幹部)との姿勢を示していた。

しかし、4人死亡事故が度々米国のテレビで報道されたうえ、問題を長期化させれば、米消費者の間にトヨタ・レクサスブランドに対する深刻なイメージダウンを引き起こしかねないため、米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

この毎日新聞の記事は、トヨタの言い分だけで書かれたのではないだろうか?

トヨタの主張は、アメリカだけで引っかかるフロアマットを使っているのだから、アメリカ国民はトヨタのやり方に合わせるべきだ、と言っているわけです。

では問題のフロアマットが非常識なものであったり、非常識な使い方であるのか?と写真を見てみると、会っても不思議は無い品物です。
そしてそれは米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いのだから、アメリカ国民の使い方に合わせるのは当然でしょう。

にもかかわらず、400万台を改修しなければならないほど長期間放置したと言えます。
普通に考えて「これほどの長期間放置する問題か?」となりますが、それでもなおかつ

米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

などと言っているのだとすると「供給者の論理」から一歩も出ていない。と評価せざるを得ません。
この事自体が、以前のトヨタとは大違いではないのだろうか?
トヨタのやるべき事は、こんな状態にまで放置したことについて、責任を明確化することだと思う。

妥協点を探るではなくて、妥協の余地がない事態に追い込まれている、と言うべきだし毎日新聞も朝日新聞も、トヨタの宣伝費の問題とは別に企業文化の問題としてキッチリとした評価記事を書くべきだと強く思う。

11月 25, 2009 at 07:30 午後 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (0)

日航・販売力がないから負けた

ZAKZAK より「JALよ、アナログへ帰れ! 元部長が経営再建へ提言

経営再建問題に揺れる日本航空(JAL)。ナショナルフラッグキャリアーの凋落については、さまざまな要因が挙げられるが、元JAL経営企画室副室長で航空評論家の楠見光弘氏は「販売力の低下」が経営悪化の一因と指摘。

回復の切り札として「IT至上主義からアナログへの原点回帰」を唱えた。そのココロは-。

「JALの再建は、突き詰めれば単純。唯一にして最大の商品である『座席』をとことん売ればよいのです。ところが、いまはそれがまったくできていない」

こう断言する楠見氏は、ワシントン支店長や国際部長なども歴任したJALのOB。

同氏は、座席販売の実情が分からない幹部が経営権を握ったことがJAL迷走の発端という。

「JALは欧米系航空会社の二番せんじでチケット販売のIT化に多額の資金を投じる一方、マンパワーで座席を販売していた旅行代理店への手数料をカットしました。

その結果、代理店の担当者と丁々発止で交渉できるベテラン社員もいなくなった。

日本での航空座席の販売は、機材やシーズン、団体受注状況など、さまざまな要素を勘案し、オーバーブック(超過予約)を恐れずに最後の1席まで売り切る職人技が求められる。

画一的なIT化で済むものではないのです」

楠見氏とは別のJAL元支店長もやはり、販売力の低下が凋落の原因とみている。

元支店長が米国方面の料金設定を担当していた十数年前、同路線でのJALのロードファクター(座席占有率)は90%超だったが、現在は最下位。

その黄金時代を支えていたのは全国の旅行代理店で、総座席の8割以上を代理店が売り上げていたという。

ところが、JALはIT化と経費節減の名目で代理店を次々カット。

現在、代理店の座席売り上げは3割程度まで低下しているという。コミッション(手数料)は百数十億円削減されたが、逆にシステム管理費やこれまで代理店が抱えていた顧客のクレームや広告関連の経費が膨らみ、逆に数百億円の支出を迫られることになったとみる。

「燃油高騰や高い人件費、旅行市場の冷え込みなども経営悪化の要因ではあります。しかし最大の問題は座席を売る力を失ったことでしょう。

現在のJAL社内に自力で座席を売り切れる社員は皆無です。

赤字路線からの撤退などの再建策は、本質的な解決策ではないのです」(元支店長)

都内の中堅旅行代理店社長も「最近は代理店への卸売価格よりサイトでの直販価格の方が安いことが多い。強い販売力で市場価格を安定させてきた代理店を排除した結果、投げ売り同然の価格でしか販売できなくなっている。本末転倒ですよ」と語る。

これらの指摘に対し、JAL広報部は「代理店へのコミッションカットやIT化による自社販売は相当の費用削減効果があり、世界のほとんどの航空会社もゼロコミッションに移行する流れの中の経営判断です」と話している。

今の時代、代理店が売れば何とかなるとも思えないのだけれども、「とりあえず代理店カット」「とりあえずIT化」といった調子でやっていては、気が付いたら全然儲からない会社になっていた、というのは大いにあり得る事でしょう。

記事中にあるように「赤字路線から撤退」で債務超過が解消するわけがない。
ごく普通に考えて「ずっと以前にやるべき事だった」に過ぎないわけです。つまりは「全く再生策になっていない」

代理店を切っても、ネット通販などでもどうやって売り切るか、満席にするのか?は当然ついて回るはずで、それが会社として出来ないのなら、経営者を入れ替えるためにも法的整理が一番妥当だと思いますね。

11月 25, 2009 at 06:10 午後 経済・経営 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.11.24

郵便不正事件・元局長やっと保釈

サンケイ新聞【郵便不正】厚労省の元局長を保釈 5カ月ぶり、否認のまま

郵便制度悪用に絡む厚生労働省の公文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪で起訴された同省の元局長(53)=官房付=が24日、保釈保証金1500万円を納付し、逮捕から約5カ月ぶりに保釈された。

いくらなんでも、近代的な捜査とは言えないだろう。
こういう「取り調べ」が出来ること自体が問題だろう。おそらくは、弁護側が何度も保釈請求をしたのだろうが、裁判所も認めなかった。
こうなると、なぜ裁判所が何度も保釈請求を認めないのか?この点については、今になってなぜ認めたのかを明らかにして当然だと思う。

そもそも、公文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使というのは部下の証言があったはずで、その上でさらに勾留するとは何を探していたのだろうか?
単に半年も閉じ込めておくことの方が重要だったのではないだろうか?

11月 24, 2009 at 09:27 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

日航・1000億のつなぎ資金

日経新聞より「日航が政府に支援要請 政投銀と1000億円のつなぎ融資枠契約

経営再建中の日本航空は24日、つなぎ融資を受けるための支援を国土交通省に要請し、「資金不足で日航の運航が止まれば利用者に支障が出る」との認定を受けたと発表した。

これを受けて同日、日本政策投資銀行と約1000億円の融資枠に関する契約を締結、当面の資金繰りにめどを付けた。

今後は企業年金の減額や企業再生支援機構から支援を受けるための再建案作りが焦点になる。

つなぎ融資の支援策は今月10日に発表された国交相ら5閣僚による日航支援の確認文書に盛り込まれた。

政投銀の融資枠には当初、政府保証は付かないが、事後的に政府保証が付く予定。

民間の3メガバンクも航空機材購入費として国際協力銀行の保証が付いた計250億円規模の融資を実行する見通し。

今回のつなぎ融資で「来年1月末までは運航に支障は出ない」(日航関係者)が、それ以降は再び資金不足の懸念が再燃する可能性がある。

抜本的な経営再建のため、できるだけ早く企業再生支援機構の支援決定を取りつけたい考えだ。 (19:42)

「資金不足で日航の運航が止まれば利用者に支障が出る」と言うが、法的整理などでは一時的に業務が止まることはほとんどの会社であることで、業務が止まることが絶対的にまずいのはある程度の長期に渡る場合だけでしょう。
航空会社の業務が止まってはいけない、というのならストライキなんてのは法律で禁止せざるを得ないはずです。

国交省の「認定」は明らかに説明不足だし、そもそも会社更生法の申請などで業務が止まるとは必ずしも言えない。
日々の運用資金が手当て出来ないのは、別の問題と言うべきで、本来ならもっと早期に法的整理をするべきだった、としか言いようがない。

前原国交相も、日航が債務超過であると認めているわけで、法的整理は債務超過に陥ると身動きが取れなくなるから、それ以前に整理をしようという話であって、現実に債務超過が確実で清算してもマイナスになってしまうようなケースに後から資金供給とはどういう事なのだろう?
潰れても大丈夫です、とするのでは経営者が責任を持つはずもない。

単純に、日航は債務超過だから国有化します、と受け取るのが良いのかもしれないが、今度はなんで日航だけがそれほど特別扱いなのか?となるだろうし、そもそも現段階で当面の資金繰りに成功したとしても、経営再建できるものなのか?
国交省と日航は再生可能性についてキチンと説明する義務がある。

11月 24, 2009 at 09:16 午後 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

日航問題・理解できないのは国交相の主張だ

日経新聞より「日航再建「年金保護に税金は理解されない」 前原国交相

前原誠司国土交通相は24日の閣議後の記者会見で、
日本航空の経営再建問題に関連して「破綻を避けなければならない」とした
うえで「年金の保護に税金が使われることは国民目線からすればもっとも理解が得られない。
まずは(JALによる)自助努力で方針を決めてもらうことが大切」との考えを改めて示した。

経営陣に対しては「OBに会社の存続と経営再建に、心の底から協力をお願いしてもらいたい」との考えを示した。

JALへのつなぎ融資を巡っては「具体的な話はない」と述べるにとどめた。

前原国交相が何を言いたいのかさっぱり分からない。
「日航の破たんは避けなければならない」ってどういうこと?

逆に言えば、日本航空は幾ら大赤字を作っても潰れない特別な会社というわけですか?
国民が理解できないのは、年金の保護がどうのこうの以前に、なんで日本航空は特別だと前原国交相がこだわっているのか?でしょうよ。

11月 24, 2009 at 11:21 午前 経済・経営 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.11.23

八幡製鉄所から高炉が無くなる日

朝日新聞より「八幡製鉄所第1高炉、解体へ 停止後、再稼動めど立たず

新日本製鉄が八幡製鉄所(北九州市)の戸畑第1高炉を解体することが分かった。

1959(昭和34)年に稼働し、98年に停止した後も予備として保存されていたが、再稼働のめどがつかず廃炉を決めた。

現在、同製鉄所で唯一操業している第4高炉は数年後に2カ月程度かけて改修する見込みだが、代替の炉がなくなるため、この改修期間中は長年続いた「高炉の火」が消えることになりそうだ。

解体作業は今夏から始めており、11年度前半までに更地にする。

八幡の総務部は「屋外設備の腐食や劣化が進み、安全性も考えて解体を決めた。
第4高炉の改修時は、スラブ(鉄の半製品)などを他の製鉄所から運んでくることになる」と説明している。跡地の利用方法は未定という。

第1高炉は高さおよそ100メートル、炉容積4千立方メートル余り。鉄鉱石とコークスを主原料に、鋼に精製する前の銑鉄(せんてつ)をつくる。

八幡製鉄所は1901(明治34)年に操業開始。一番多い時で12基の高炉があったが、新鋭製鉄所への生産移管や合理化で徐々に削減された。

まあ、時代の流れそのものですが、高炉は鉄鉱石から鉄を作りますが、すでにある鉄のスクラップを再生するのには、電炉を使用します。
なぜなのか分からないのですが、日本では高炉メーカと電炉メーカに別れていて、一つの会社で両方をやってはいないようです。

電炉の方がエネルギーコストが格段に安くなるので、現在の日本では電炉の方が向いていると言えますね。
そもそも高炉メーカーと電炉メーカーが別れていること自体が今の時代には意味がないでしょう。

明治時代に出来た各種制度や設備なども100年を超えてさすがに同じことを続けることが出来ない、と言うかのが続々と出てきています。
教育制度や法律なども「100年に一度」の改変をする必要が出てきていて、取りかかっていますがどうも抜本的にやり直し、と改修を主張する派が衝突しているところがありますね。
官営八幡製鉄所から高炉が無くなる時代が来たというのは象徴的です。

11月 23, 2009 at 09:06 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.11.22

北朝鮮とアメリカ外交

サンケイ新聞より「【朝鮮半島ウオッチ】飢餓も発生 体制脅かす北のデフレ

世界同時不況の影が北朝鮮経済を苦境に追い込んでいる。核・ミサイルへの制裁包囲網がこれに追い打ちをかけ、餓死者の報告も出始めた。北朝鮮当局は穀倉地帯から強引に食糧を供出させているため、南部の農村地帯に飢餓が発生する異常事態が起きているという。

極度に疲弊した経済環境は北朝鮮権力機関を維持する資金を圧迫しており、国際孤立の長期化は金正日政権の体制維持を脅かしている。

12月から始まる米朝協議の行方には、こうした北朝鮮の内部事情が反映しそうだ。(久保田るり子)

「飢餓の恐怖が拡散している」

北朝鮮の青年たちを記者として育成、内部情報を世界に発信している日本人ジャーナリスト、石丸次郎氏(47)によると、いま北朝鮮内はデフレの大不況に見舞われている。

世界的な資源価格下落で北朝鮮随一の茂山鉱山(鉄鉱石)が昨秋、対中輸出の中断に追い込まれた。
5月に再開したが、電力不足で精錬できず、原石を送っている。

北朝鮮富裕層のカネ回りが極端に悪くなり、中下層が国境警備兵にわいろの根回しの準備もしないまま危険を顧みず現金を求め中国に越境するケースも増えたという。

「中国からモノは入っているが軍用米の横流しなど軍や党の組織的な闇商売が目立つ。中朝国境の鴨緑江では密輸が大々的に行われている。また当局は、2年ほど前から農村に手を付け、首都米、軍糧米と称して米を供出させ、監視・検査態勢を強化している。(北朝鮮南部の)黄海南道、北道などの穀倉地帯が収奪の対象で飢餓も起きている。経済統制など政治で経済を動かそうとしているが引き締めで状況は悪化し、貧困層に影響が一番出ている」(石丸氏)

韓国メディアの伝える食糧逼迫報道が増えている。

脱北者ルートから入ってくる北内部の「農場の脱穀所で襲撃事件の頻発」、「兵士が強盗行為」といった犯罪増加の情報や、90年代半ばの大量飢餓再来への恐怖など、社会不安の増大と拡散だ。

国連食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)は、今年の食糧事情について米・トウモロコシ生産量は170万~180万トンの大幅な不足(最低必要量は480万トン)と予想している。

日本にも飢餓情報が入り始めており、「餓死者発生を最初に聞いたのは今春だった」(日本の脱北者支援団体)。

カネはどこから…

北朝鮮への資金パイプは急速に細まっている。

金大中・盧武鉉政権で韓国は毎年、食糧・肥料を各30~40万トンなど10年間で総計69億ドル(約6580億円)に上る支援を実施したが、李明博政権はこれを中止した。

今夏、対話路線に転換し韓国に対しても融和的なアプローチを始めた北朝鮮は10月中旬、韓国に初めて人道支援を要請した。これに応えて李政権は1万トンのトウモロコシ供出を提案したが、北朝鮮は「ケチで心の狭いやり方だ」(祖国統一平和委員会の宣伝サイト)などと露骨に不快感を示し、支援の受け取りを拒否した。

核・ミサイル外交で緊張緩和を演出し大型支援を獲得してきた北朝鮮には支援依存体質が染みついている。

しかし、政権交代した韓国、独自制裁継続を継続する日本、粛々と金融制裁を行う米国と、日米韓の対北資金ルートはほぼ閉鎖状態だ。

「北朝鮮のドル決済は相当、厳しくなっている」(日朝関係者)。状況は米国が北朝鮮の資金洗浄(マネーロンダリング)に関与したとして、マカオの金融機関バンコ・デルタ・アジア(BDA)にかけた金融制裁(2005年)当時に近づいている。

韓国紙「朝鮮日報」によると、米韓情報当局は北朝鮮の資金源として麻薬、偽造通貨のほかアフリカからの象牙密輸、偽バイアグラ販売などで外貨を稼ぎ、ロシアのマフィアに資金洗浄を依頼していたとみて調査した。

米国務省は対北朝鮮制裁担当、ゴールドバーグ調整官を今夏、ロシアに派遣し、ロシア政府にマフィア取り締まりを依頼。
ロシア政府は、米情報に基づいて北朝鮮口座の洗い出しをロシアの金融機関に指導したという。

日本政府関係者は「夏すぎから制裁がじわじわと効いている」と語った。

「金正日総書記は人民を見殺しにした」

北朝鮮では94年から本格化した北朝鮮の食糧難で90年代後半までに250万人から300万人が餓死したと推定されている。

長年の失政からの絶対的なモノ不足に天災が加わり、無策による農業衰退で配給制が崩壊したのが原因だった。商売の才覚のないものや弱者が犠牲となったが、金正日政権はこうした住民の悲劇を無視した。

では今回はどうなのか。石丸氏はこう分析する。

「90年代のような大量餓死にはならないだろう。配給制はすでに崩壊、人々は生き延びるための市場経済のなかで生活しているからだ。

だが、国家保衛部(住民を監視する秘密警察)維持にもカネが必要だ。
電気も1日に1時間の送電では、体制は持たない。飢餓で人が倒れている。首脳部にとって最優先はロイヤルファミリーの安全であろうが、体制維持の機能不全がはじまっている」

北朝鮮内部の流動的な動向が、米朝の駆け引きを左右する有力なカギとなりそうだ。

いくら何でも「北のデフレ」ってのはヘンでしょう。
需要不足で原材料が値下がりするのは確かにデフレ傾向ですが、北朝鮮内の問題はどう考えても世界的に北朝鮮内で生産される原材料の需要がちょっとぐらい増えたとしても、電力不足が解消するとも言えないでしょう。
石炭生産国ですから、エネルギー資源をの輸入量は多くはない。にも関わらず電力不足なのはメンテナンスなどの問題であって、それは主に社会情勢の問題だから金融危機でなければなんとか手当てが出来た傷を塞ぐことが出来ない、というほどの意味でしょう。

記事中に指摘があるように、すでに配給制度は崩壊し自由市場経済になっていますから、経済問題(未完の問題)では北朝鮮の困難は解決しない。
しかも政権交代システムがないから論理的な帰結としてはクーデターしか残っていないですね。

アメリカが北朝鮮当局と積極的に接触している意味が今ひとつ分からないのですがアフガニスタンとイラクを終結させるまでの時間稼ぎかな?と感じます。

11月 22, 2009 at 11:59 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)