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2009.10.03

裁判や事故調査に神の視点は避けるべきなのだ

サンケイ新聞より「『現代の赤紙』廃止を 制度反対の全国集会

裁判員制度に反対する弁護士らのグループ「裁判員制度はいらない!大運動」が2日、東京都新宿区で全国集会を開き、参加者は「被告に死刑や無期懲役を言い渡す国家活動に国民を駆り出す『現代の赤紙』の制度を廃止しよう」と宣言した。

集会には市民ら約450人が参加。基調講演したジャーナリストの斎藤貴男さんは「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」と制度を批判した。

グループの事務局次長を務める藤田正人弁護士は、これまでの裁判員裁判を分析し「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」と説明した。

この運動については、 最初の裁判員裁判 でも取り上げましたが、わたしには反対の原理が分かりません。

特に今回の報道に出てきたキーワードには非常に重大な問題がある、と強く感じます。

  • 「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」
  • 「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」
  • 「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」
  • 「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」

「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」

司法に権力があることは確かですが、それを市民が支持することは、罪なのでしょうか?
だとすると、市民による多数決原理を否定することになりませんか?

「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」

真実が解明できるとは限らない、と断定出来ないでしょう。
意見の対立があって、一方が真実を解明したとし、もう片方が真実を解明してはいない、と反論することはよくあります。
裁判において、真実が解明するとは限らない、というのは周知のことでしょう。
それを「事実だと認定する」のが裁判であるのですから、裁判制度を否定する他にこのような意見が成立する余地がありません。

「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」

従前から、裁判官は法廷で被告人質問として取り調べをしているわけで、個々の裁判員の質問がまずいというのなら、それについて具体的に指摘するしかないでしょう。
裁判官だから良くて、裁判員だからまずい、ということならそういう指摘をするべきでしょう。裁判員裁判を否定する根拠には全くならない意見だと思います。

おそらくは、「大衆によるリンチである」と言いたいのではないでしょうか?
であるのなら、「裁判員裁判は、選ばれた裁判官によらないのだから、大衆によるリンチだ」と明確に主張するべきだと思います。

「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」

これは、裁判員制度とどういう関係があるのですか?
被害者参加制度の問題ですよ。 まして、被害者参加制度はより重罰化することを間接的な目的にした制度ですから、結果が重罰化をもたらすのは当然であって、裁判員裁判とは関係ないでしょう。

というわけで、「何を主張しているのかさっぱり分からない」ことは代わりはないですが、何回も「分からない」と書いても進歩がありませんから、裁判員裁判反対運動の原理であろうことを推測してみます。

結論は「神を求めている」のだと考えます。

「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」

司法権力を認めつつ、市民はそれに触れてはならない。
触れてはならない権力とは、神の権力、神権と置き換えてもなんら違和感がないでしょう。
わたしは、司法権力をコントロールするのは市民の権利である、と考える者です。
だからこそ、司法への市民参加があるべきだとするのが、先進諸国の大勢であって裁判員制度がよいのか、陪審員制度にするべきなのか、という意見を戦わせるのは当然ですが、いずれにしろ裁判に市民が参加するのは、最終的には司法権力に市民がお墨付きを与えることそのものです。

司法権力は存在しないのですから、存在しないものに市民はお墨付きを与えてはならない、という意見であれば、まだ分かります。
しかしそれは、アナーキズムではないのでしょうか?

「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」

裁判とは、もともとそういうものですよ。
神の視点による真実に近づこうとすることは当然であっても、それはかなわないことである、という前提で成り立っているのが、近代の裁判制度です。
そして裁判では「事実認定」をするわけです。
これを「真実ではありませんから」とやっていたら、明らかに神学論争も同然の議論に陥ってしまいます。
どういう裁判像を考えるとこういう意見が出てくるのか?と考えた場合に「裁判とは神が決めるものであれば良い」ということなのかな?と思うのです。

結局、わたしには「裁判員制度はいらない!大運動」の主張は「神聖裁判」の要求以外には見えません。

ところが、日本ではしばしば「神のごときことを要求する」ことがあるように感じます。
その一つに「事故調査」があります。

事故調査において、刑事責任追及が優先されていますから、しばしば事故原因が隠されてしまうのですが、事故原因について詳細な情報を提供すると自分の刑事責任が重くなるというのでは、情報提供をするはずもないですよ。
これに対して「隠したから刑事責任」とやっていくわけですが、ここまで来ると事故原因の解明よりも刑事責任追及が主体になっています。

刑事責任追及が事故原因の解明には役立たない、というのはアメリカの航空機事故調査やボルボの自動車事故調査などの過程で明らかになっていることの一つです。日本がいまだに事故調査のシステムを確立できないのはなぜなのか?と考えてみますと、「事実認定は良くなくて、真実を見つけなければならない」に固執しているからではないでしょうか?

事故と対策を考えますと、「取りあえずの対策」でも許されるわけです。
そのための判断には「事実認定」が必要です。「事実認定で決めたから、対策はこうなる」という決定でよいのです。
これを「真実の追究」をやっていますと、そもそも時間が掛かりすぎて対策が遅れることもありますが、真実を追究する先は「こっちはまだ分からない部分だから」とドンドンと分からない方面に主眼が移ってしまいます。

「取りあえずの対策」とか言い出すと「それは真実に向き合っていない」などといった批判が出てきてしまいます。
分からないところに踏み込んでいきますから、分からないものの代表的なものである「個人の責任」に帰する意見は常に残ってしまって、けっかとして対策が「注意喚起」であったりします。

日本の中にある「神を畏る」という文化は美しいものだとは思いますが、社会で神を出し過ぎることの不具合は、第二次大戦での敗戦で学んだはずではないのでしょうか?
市民として、神に代わって責任を取る、という姿勢こそが必要なのではないのですか?

10月 3, 2009 at 10:06 午前 事故と社会, 裁判員裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.10.02

コンテナー内の荷物の片寄りぐらい計測できるはずだ

サンケイ新聞より「相次ぐトレーラー事故、中身分からず過積載や荷崩れ

コンテナを積んだ大型トレーラーの横転事故が相次いでいる。

海外から船で運ばれたコンテナの中身を運転手が知る手立てがないため、過積載や荷崩れを起こしているのが一因とみられる。
さらに狭い都市部を縫うように走る道路はカーブが多く、巨大化するコンテナを積むとバランスが難しい。

運転手の間で「ブラックボックス」と恐れられているコンテナ。国土交通省は中身の情報開示の義務化を検討し始めた。

今年2月、東京都板橋区の首都高5号線で大型トレーラーが横転し、運転手が閉じ込められて死亡した。
5月には名古屋市でコンテナが隣を走行中の乗用車に横倒しになり、3人が死傷する事故も起きている。

ここ数年、コンテナを積んだ大型トレーラーの事故が続発。
背景について、全日本トラック協会の担当者は「複雑な事情がある」と説明する。

コンテナのうち海外から来た国際コンテナは、荷主が運転手らに中身の情報を開示する義務がない。

国交省は、すでに情報開示のガイドラインを作成。情報伝達の徹底を図っているが、同協会担当者は

「浸透していないし、たとえ伝票があっても情報が外国語で書かれている場合は読み取れない」と話す。
重量をチェックする仕組みもない
という。

国交省が8月にまとめた運転手などへの調査では、「内容の分からない荷物を運んだ」と答えた運転手は26・2%に達した。

コンテナは長い輸送の過程で積み荷が崩れたり、積み込む際にバランスが悪く配置されているケースがある。
「重心が偏った荷物を運んだ」とする回答も55・3%と半分以上にのぼった。

こうした事情から、民主党はコンテナの中身情報開示を義務化する法案成立を公約に提示。
国交省も対応を始めた。

しかし、義務化には課題も多い。

海外からのコンテナは、船が到着すると十数秒単位で次々とトレーラーに積まれる。
チェックが義務化されれば、物流のスピードや船の出航に影響が出るケースも想像できる。
さらに、すべて開封して中身の配置状況を調べるとなれば、広大な検査場所の確保も問題になる。

一方、都市部の道路は幅が狭く、ビルを縫うように張り巡らされている。

2月の首都高の横転事故現場も「魔のカーブ」とされ、その半年前にも全面復旧まで2カ月かかる横転炎上事故が起きた。
同協会の担当者は、「構造上、不安定なトレーラーがスムーズに走れる環境が整っていない。コンテナは大型化が進み、ますます輸送は難しい」とこぼす。

国交省は制限速度を下回る「慎重走行」を指導、協会も運転手に順守を徹底するが、5月の名古屋の事故でも制限速度は守られており、対策は一筋縄ではいかない。

国交省自動車交通局の担当者は「コンテナの中身の問題のほか、道路事情も事故の一因だ。ただ、いずれも解決は難しく、関係者間の調整を図りたい」と話している。(森本充)

コンテナー内での荷物の片寄りが、トレーラーの転覆の原因になるというのはよく分かるが、それを現実的にチェックする手立てがない、というほどのことは無いだろうと思う。

トレーラーに積んだ状態で、重量全体を見るのであれば、これは秤に乗せるしかないわけで、時間のことを考えると、これはちょっと現実的では無いかな?と思います。
しかし、トレーラーが転覆する程の重心の片寄りがあれば、車体の揺れが転覆以前でも相当偏っているはずですから、これをチェックできれば良いとなります。

コンテナーは港から道路に出て行くのがほとんどでしょうから、ヤードの出口付近でトレーラーの揺れを計測すれば、危険性の判定は出来るだろうと思います。
幸いなことに、コンテナ自体は規格品ですから、計測対象としては容易な部類でしょう。
レーザー測定で揺れを調べることは出来ますから、ちょっとした技術開発で危険なコンテナーが市内に出て行くことを防止できるでしょう。

正体不明の路車間通信よりも、この方がよほど役に立つだろうと思うのですがね。

10月 2, 2009 at 12:38 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

アメリカの外交問題って???

朝日新聞より「子ども「連れ去り」事件 日米ルールの違いで解決難しく

離婚した日本人の元妻が米国から実家の福岡県に子どもと帰国したため、子どもを取り戻そうとした米国人の元夫が、警察に未成年者略取容疑で逮捕された事件が、米国内で報道され、高い関心を集めている。

米国では、子どもを勝手に海外に連れ去ることは犯罪行為とみなされ、米国側も元夫を支援する。背景に、国際結婚が破局した場合の日米のルールの違いがあり、問題解決は難航しそうだ。

混乱の背景には「ハーグ条約」がある。

「拉致された家族を救うための行動が逆に日本で犯罪に問われた」「釈放に向けて外交努力が求められる」。CNNは「拉致」という言葉を使いながら、連日、大きな扱いで伝えている。

逮捕されたのは、米テネシー州の男性(38)。

福岡県警柳川署によると、逮捕容疑は9月28日朝、柳川市内の路上で元妻と一緒に登校中だった長男(8)と長女(6)を無理やり抱きかかえて車に乗せ、連れ去ったというもの。

元妻が110番通報し、福岡市の米国領事館に来た男性を警察官が発見し、逮捕。

署は30日午前、男性を未成年者略取容疑で送検し、今も勾留(こうりゅう)中だ。男性は「子どもに会いたかっただけ」と否認しているという。

テネシー州で4月から男性の代理人を務める弁護士によると、夫婦は今年1月に離婚。

両親がともに親権を持ち、子どもは母親と一緒に、男性宅の近所で住むことで合意した。

男性は米国人女性と再婚した。
ところが母親は男性に告げず、8月13日に子どもと帰国したという。
弁護士は「日本は、米国の法律を破った母親をかくまうべきではない」と主張する。

一方、離婚調停時に母親の代理人だった弁護士は「米国の法律を守らない行為は支持できない」としつつ、「母親は、常に支配的な男性の態度に悩んでおり、家族で一緒に住むことを望んでいなかった」と説明。

夫婦は日本での結婚生活後、08年6月に渡米したが、男性は渡米の翌日に離婚の書類を示した。日本生活が長い子どもたちも米国暮らしに慣れなかったという。

米国務省は取材に「個別事案にはコメントしないが、この問題については承知している」と指摘。

「日本は大事なパートナーで友好国だが、子どもの連れ去りについては意見が異なる。
米国で取り残された親は大きな心理的負担を強いられ、子どもを取り戻せないでいる」と話している。

県警は「子どもを無理矢理連れ去った行為自体が犯罪で、離婚の経緯などは事件と関係ない」としている。(ニューヨーク=田中光)

■ハーグ条約

国際結婚が破局した場合、一方の親が勝手に子どもを国外に連れ出さないよう求めている。国境を超えた「面接権」を定め、米国やカナダなど80カ国以上が加入している。

日本は未加入であるため、日本人の親が子どもと日本に帰国した際に、外国人の親が子どもを連れ戻すことは極めて困難だ。
トラブルが相次ぎ、欧米諸国は条約に加わるよう、日本政府への圧力を強めている。

この記事だけだと、アメリカの主張と日本の主張が衝突する理由が、ハーグ条約にだけ集約されるかのように見えますが、CNNにはこんなニュースが

CNNより「福岡で逮捕の米国人父、日本への帰化が判明 弁護士は外交問題と

東京(CNN)
離婚した元妻と一緒にいた子供2人を誘拐したとして福岡で逮捕された米国人の父親が、4年前に日本に帰化していたことが、警察の調べで30日、明らかになった。

このため、国際的な誘拐問題ではなく、日本国内における犯罪と見て警察は捜査を進める模様。

一方、逮捕された男性の弁護士はCNN番組で、「米国政府に訴えかけて子供を連れ戻す」と、外交問題として扱う構えを見せている。

事件は28日朝、福岡市内で発生した。逮捕されたクリストファー・サボア容疑者が、登校中だった子供2人と元妻に車で近づき、子供を無理やり車に乗せて逃走。福岡の米国領事館でパスポートを取得しようとしたが、元妻の通報を受けて駆け付けた警官に逮捕された。

サボア容疑者と元妻は米テネシー州フランクリンで暮らしていたが離婚。
元妻はフランクリンで住むという合意があったが、夏休みの間に元妻が子供を連れて日本に帰国したため、同容疑者が追ってきたとされている。

米国の報道によれば、テネシー州の裁判所は子供が連れ去られたと認定してサボア容疑者の親権を認め、フランクリン警察は元妻の逮捕状を取って行方を追っていたという。

このため、サボア容疑者の行動は米国において、子供を連れ戻す「英雄的な」ものと報道されている。

しかし、日本の警察の調べで、サボア容疑者が4年前に日本に帰化し、東京に本籍を置いていたことが分かった。

また、2人の子供は日本のパスポートを所持。さらに、サボア容疑者と元妻は日本において離婚手続きをしていなかったという。

このため、今回の事件は婚姻関係を継続している夫妻間で、夫が子供を連れ去った事件として扱われる可能性が高くなった。

同容疑者の弁護士ジェレミー・モーレー氏は29日夜、

「子供を米国に連れ戻せる可能性はかなり低くなった」との見方を示す一方で、「この問題を国際刑事警察機構(ICPO)に持ち込むつもりだ。
外向的な圧力をかけたい。米国政府には、強固な態度で対応してもらいたい」
と、あくまで外交問題として争うと声高に述べた。

外交かねぇ?単なる内政干渉になってしまうわけですが・・・・・。
アメリカ世論は天動説なのですねぇ。

ハーグ条約に抵触するのは、この父親の方なのだが・・・・・・

第224条(未成年者略取及び誘拐)

未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する

10月 2, 2009 at 10:35 午前 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.10.01

参議院の一票の重さ、次回は憲法違反となるか?

毎日新聞より「参院選「1票の格差」訴訟:「選挙制度見直し必要」 最高裁、初の指摘

◇07年、格差4・86倍 定数配分「合憲」

選挙区間の「1票の格差」が最大4・86倍だった07年7月の参院選は、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、東京と神奈川の弁護士が各都県選管を相手に選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は30日、定数配分規定を合憲と判断し、原告側の上告を棄却した。

その上で「定数振り替えだけでは格差の大幅な縮小は困難で、選挙制度の仕組み自体の見直しが必要。
国会の速やかな検討が望まれる」と指摘した。参院の選挙制度見直しの必要性に言及したのは初めて。(11面に判決要旨、社会面に関連記事)

裁判官15人のうち竹崎裁判長ら10人の多数意見。中川了滋裁判官ら5人は「違憲」と反対意見を述べた。

判決は、「投票価値に著しい不平等状態が生じ、相当期間継続しているのに是正しないことが国会の裁量権の限界を超える場合は違憲」とする従来の枠組みを踏襲。その上で、

  • (1)06年の公職選挙法改正による「4増4減」の定数是正で、最大格差5・13倍の04年選挙より格差は縮小
  • (2)国会が参院改革協議会を設置
  • (3)選挙制度の大きな変更は時間がかかり、07年選挙までに見直すことは極めて困難
として、「定数配分を更に改正しなかったことが、国会の裁量権の限界を超えたとは言えない」と結論付けた。

一方、4・86倍の数字そのものについて合憲か違憲か明言しなかったが「憲法が要請する投票価値の平等の観点からは、大きな不平等がある」と指摘。

「選挙制度見直しには参院の在り方も踏まえた高度に政治的な判断が必要で、課題も多く時間を要する」としながら、国会に投票価値の平等の重要性を踏まえた早急な検討を促した。

金築誠志裁判官は補足意見で

「目安とすべき2倍の格差をはるかに超え、著しい不平等」と違憲状態を指摘。
反対意見の5人は「投票価値の平等を大きく損なう」などとして違憲と指摘したが、公益性を考慮し選挙は有効とした。
近藤崇晴、宮川光治両裁判官は抜本的な見直しがなければ、将来は選挙無効の判断があり得ることも指摘した。【銭場裕司】

◇真摯に受け止めて--原告団の話

選挙制度の仕組みを見直す必要があるとはっきり述べた画期的な判決。国会は、真摯(しんし)に受け止めてもらいたい

◆最高裁判決骨子◆

  1. 07年7月の参院選当時、選挙区選出議員の定数配分規定は憲法14条1項等に違反しない。
  2. 投票価値の平等の観点からは、この定数配分規定の下でも、なお大きな不平等がある状態。
  3. 国会において速やかに、投票価値の平等の重要性を十分に踏まえ、適切な検討が望まれる。

■15裁判官の意見■

 は合憲、×は違憲。-は06年判決後に就任。かっこ内は出身、◎は裁判長
判事名今回06年
◎竹崎博允(裁判官)
藤田宙靖(学者)
甲斐中辰夫(検察官)
今井功(裁判官)
中川了滋(弁護士)××
堀籠幸男(裁判官)
古田佑紀(検察官)
那須弘平(弁護士)×
涌井紀夫(裁判官)
田原睦夫(弁護士)×
近藤崇晴(裁判官)×
宮川光治(弁護士)×
桜井龍子(行政官)
竹内行夫(行政官)
金築誠志(裁判官)

毎日新聞より「参院選「1票の格差」訴訟:最高裁判決(要旨)

07年7月の参院選の定数配分を合憲と判断した30日の最高裁大法廷判決の要旨は次の通り。

■多数意見

憲法は、投票価値の平等を要求しているが、どのような選挙制度が国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させるのかの決定を国会の裁量に委ねている。

投票価値の平等は選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準ではなく参院の独自性など他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきだ。

参院議員の選挙制度の仕組みは、憲法が2院制を採用し参院の実質的内容や機能に独特の要素を持たせようとしたこと、都道府県が歴史的にも政治的、経済的、社会的にも意義と実体を有し一つの政治的まとまりを有する単位としてとらえ得ること、憲法46条が3年ごとに半数を改選すべきだとしていることに照らし、相応の合理性を有する。

しかし、人口変動の結果、投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、相当期間継続しているにもかかわらず是正する措置を講じないことが、国会の裁量権の限界を超えると判断される場合には、議員定数配分が憲法に違反すると解するのが相当だ。

最高裁は83年大法廷判決以降、参院選の都度、上記の判断枠組みに従い定数配分の合憲性について判断し、憲法違反に至っていたとすることはできないと判示してきた。

しかし、04年及び06年の大法廷判決では、投票価値の平等をより重視すべきだとの指摘や、格差是正のため国会における不断の努力が求められる旨の指摘がされ、不平等を是正するための措置が適切に行われているかどうかをも考慮して判断されるようになるなど、より厳格な評価がされてきた。

参院では04年判決の指摘を受け、当面の是正措置を講ずる必要があり、定数格差の継続的な検証調査を進めていく必要があると認識された。
06年の公職選挙法改正は、こうした認識の下に行われた。

07年7月29日の参院選は法改正の約1年2カ月後に現在の定数配分の下で施行された初の選挙で、選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大格差は1対4・86だった。
改正前の04年7月の前回選挙の最大格差1対5・13に比べ縮小した。

07年選挙後には参院改革協議会と、その下に選挙制度に係る専門委員会が設置され、定数格差の問題について今後も検討を行うとされている。

そして、現行の選挙制度の仕組みを大きく変更するには相応の時間を要することは否定できず、07年選挙までにそのような見直しを行うことは極めて困難だった。

以上の事情を考慮すれば、07年選挙までに定数配分規定を更に改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたものとはいえず、定数配分が憲法14条1項等に違反していたとすることはできない。

しかし、法改正によっても残った格差は、投票価値の平等という観点からは、なお大きな不平等があり、選挙区間の有権者の投票価値の格差縮小を図ることが求められているといわざるを得ない。

ただ、現行の選挙制度の仕組みを維持する限り、各選挙区の定数を振り替える措置だけでは、最大格差の大幅な縮小を図ることは困難で、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できない。

このような見直しを行うには、参院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が必要で、課題も多く、その検討に相応の時間を要することは認めざるを得ないが、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤で、投票価値の平等が憲法上の要請であることにかんがみると、国会において速やかに投票価値の平等の重要性を十分に踏まえ、適切な検討が行われることが望まれる。

<藤田宙靖裁判官の補足意見>

4増4減措置は暫定的と推認されるが、現在に至るまで更なる定数是正の本格的検討を行っているように見受けられず、07年選挙当時に定数配分が違憲状態にあったと考える余地もないではない。

ただ、憲法判断は次回選挙で行うのも一つの選択肢と考える。

多数意見は、選挙制度の抜本的改革を行うにはある程度の時間的余裕が必要となることを一つの理由として、定数配分を違憲とはいえないとしたが、そのことを口実に立法府が改革の作業を怠ることを是認するものではない。

早期の結論を得ることが困難であるというならば、その具体的な理由と作業の現状とを絶えず国民に対し明確に説明することが不可欠で、いたずらに現状を引きずるようなことがあるならば、立法府自らの手による定数是正措置に向けての残された期待と信頼とが消失してしまう事態を招くことも避けられないというべきだろう。

<竹内行夫裁判官の補足意見>

2院制の下で選出基盤が両議院で同じ必要性はなく、異なって当然。衆院選は厳格な投票価値の平等が求められる一方、参院選は多角的民意反映の考えに基づいて、厳格な人口比例原理以外の合理的な政策的目的や理由を広く考慮することが、2院制の趣旨に合致する。選出基盤が同じなら、参院は「第2衆院」ともいうべきものとなろう。

多様な民意は人口比例原理だけでは国政に十分には反映され難い。
地方分権に関する議論等が高まっている現状にかんがみれば、地方の実情と問題に通じた者の国政参画が必要。

単なる数字上の定数配分の是正ではなく、国権の最高機関である国会につき2院制が採用されている趣旨を踏まえた統治機構の在り方についての高度の政治判断に基づく検討が求められるものと考える。

国会が、衆院とは異なった参院の在り方にふさわしい選挙制度の仕組みの基本となる理念を速やかに提示することが望まれる。

<古田佑紀裁判官の補足意見>

竹内裁判官の補足意見に同調。

<金築誠志裁判官の補足意見>

選挙区間の最大格差は、目安と考えるべき2倍をはるかに超え、憲法上合理的範囲内として是認するには、よほど強い明確な理由が存在しなければならない。

■反対意見

<中川了滋裁判官>

都道府県単位の選挙区設定及び定数偶数配分制は憲法上に直接の根拠を有するものではない。

定数改正にもかかわらず、1対4・86の最大格差が生ずる選挙区設定や定数配分は、投票価値の平等の重要性に照らして許されず、国会の裁量権の行使として合理性を有するということはできない。不平等状態は違憲と考える。

<那須弘平裁判官>

投票価値については、選挙区と比例代表を一体のものとして計算するのが自然で、最も投票価値の低い神奈川県を1とした場合、最大格差は鳥取県の2・83。少なくとも1対2未満に収める必要があるが、比例代表を合わせて計算すれば縮小することは可能。

私は06年判決で憲法違反を否定する多数意見に賛同したが、これは対象選挙が04年判決から6カ月しかたっておらず、4増4減の改正が実現したことを重視した。今回は改正を再度評価の材料とすることは相当でなく、国会の審議に見るべき進展や真摯(しんし)な努力が重ねられた形跡も見受けられないから、憲法違反があったと判断せざるを得ない。

<田原睦夫裁判官>

47年の参院議員選挙法制定以後、社会、経済構造は著しく変革し、人口動態も大きく変動したにもかかわらず、制度の見直し作業は長らく放置され、選挙区選挙の改正が行われるのは94年まで待たなければならなかった。
しかも、既存制度への影響をできるだけ抑止しつつ最大格差を5倍以下に抑えるとの方針の下で行われたにすぎず、単なる弥縫(びほう)策との評価を受けてもやむを得ない。

何らの合理的理由もなく4倍を超える投票価値の格差が多数の選挙区で生じる違憲状態が長期間生じ、その解消には選挙制度の抜本的改正が必要であると96年判決で指摘されたのに、抜本的な改正がないまま施行された07年選挙は憲法に反する違法な選挙制度の下で施行されたものとして無効であるといわざるを得ない。しかし、選出議員への影響などにかんがみ違法と宣言するにとどめるのが相当。

<近藤崇晴裁判官>

最大格差は、投票価値の平等がほぼ実現されているといえる最大2倍未満の格差を著しく逸脱。
投票価値の著しい不平等が生じていたというほかなく、定数配分は全体として憲法14条1項に違反していたと考える。

なお、国会においては、4年後に施行される次々回の参院選までには、憲法の要求する投票価値の平等を他の政策的目的ないし理由との関連で調和的に実現するため、例えば選挙区割りの見直しなど参院議員の選挙制度の抜本的見直しを行うことが、憲法の要請にこたえるものというべきである。次々回選挙も抜本的見直しを行うことなく施行されるとすれば、定数配分が違憲とされるにとどまらず、事情判決の法理で選挙無効の請求を棄却することの是非が検討されることになろう。

<宮川光治裁判官>

衆院及び参院議員を選挙する権利は、国民の最も重要な基本的権利である。人口は国民代表の唯一の基礎で、投票価値の平等は憲法原則である。人口に比例して選挙区間の投票価値の比率を可能な限り1対1に近づけなければならない。衆院に対する抑制、均衡、補完の機能を通じ、国会の審議を慎重にする参議院の役割、独自性などを十全に機能させるべく、国会が考慮できる事柄があり得るとしても、最大格差が2倍を超えることがないようにすべきだ。

人口の移動、都市化、産業構造の変化に対応し、国会は奇数配分区の設定や、行政区にとらわれず大規模な区割りを試みる等、選挙制度を抜本的に改革すべきだったし、その試みは遅くとも94年の公選法改正時ころまでに実現すべきだった。

私は、定数配分は違憲無効の状態にあったと考える。将来、選挙結果を無効とすることがあり得ることを付言すべきだと考える。

現行の参議院議員の定員は

選挙区(都道府県単位47区)146人
比例代表選出(全国単位)96人
となっています。参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選ですから一つの選挙区に2名が最小定員です。選挙区は2~6名でその内訳は

北海道4人東京都10(9)人滋賀県2人香川県2人
青森県2人神奈川県6人京都府4人愛媛県2人
岩手県2人新潟県4人大阪府6人高知県2人
宮城県4人富山県2人兵庫県4人福岡県4人
秋田県2人石川県2人奈良県2人佐賀県2人
山形県2人福井県2人和歌山県2人長崎県2人
福島県4人山梨県2人鳥取県2人熊本県2人
茨城県4人長野県4人島根県2人大分県2人
栃木県2(3)人岐阜県4人岡山県2人宮崎県2人
群馬県2(3)人静岡県4人広島県4人鹿児島県2人
埼玉県6人愛知県6人山口県2人沖縄県2人
千葉県6(5)人三重県2人徳島県2人65

これで調整では無理ということは、都道府県を単位とする選挙区制度を崩して、隣接する県が2名ずつの選挙区をあわせて2名、余った2名を都市部の定員とする、ということになってしまいます。

さすがにこれは簡単に出来ることではないですが、その一方で裁判官の指摘には「時間切れだ」との意見もあって、次回の選挙がすでに1年以内になってしまいしたが、次の裁判では憲法違反の判決が出る可能性はかなり高くなったと言えるでしょう。

なによりも「5倍以内だから・・・」が否定されているところが大きいです。

10月 1, 2009 at 10:49 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.30

前原国交省・日航は大丈夫と・・・・・

NHKニュースより「日航再建 政府支援方針を確認

前原国土交通大臣は、深刻な業績不振に陥っている日本航空の再建問題について30日午後、緊急の会見を行い、「日本航空の自主再建は十二分に可能だ」と述べ、鳩山総理大臣との間で、政府として日本航空の再建を支援する方針を確認したことを明らかにしました。

深刻な業績不振に陥っている日本航空の再建問題をめぐっては、前原国土交通大臣が、抜本的な経営の立て直しを検討する専門家チームを9月25日に設置し、10月末までに、再生計画案の骨子を固めることにしています。

日本航空の再建について、前原大臣は30日午後、総理大臣官邸で鳩山総理大臣と会談したあと、国土交通省で緊急の記者会見を行いました。

このなかで前原大臣は、

「海外で旅行会社向けの保険について、日本航空だけを適用除外にしたり、クレジットカードによる航空券の発券を停止したりする動きが出ており、風評被害というか、過度に日本航空に対する心配が広まりすぎている」
と述べました。

そのうえで、前原大臣は、

「日本航空は、いまの資金繰りには問題なく、自主再建は十二分に可能だ。専門家チームが10月末をめどに再建計画を立てる政府の方針には揺るぎがない。鳩山総理との会談でも、政府として日本航空を支援していくことを確認した」
と述べ、政府として、日本航空の再建を支援する考えに変わりがないことを強調しました。

読売新聞より「日航の信用不安、海外金融機関に広がる 前原国交相、会見で打ち消し

経営再建中の日本航空をめぐり、海外の金融機関などで信用不安が広がってきた。
前原誠司国土交通相が30日、記者会見で明らかにした。

前原国交相は

「日航の自主再建は十二分に可能だ。
10月末をめどにタスクフォースが再建計画の骨子をまとめる政府方針に揺るぎはない」
と述べ、信用不安を懸命に打ち消すとともに自主再建を目指す考えを改めて強調した。

前原国交相によれば、

海外の金融機関の間では、日航を旅行会社向けの保険適用除外の対象としたり、クレジットカードによる発券の取引を停止したりする動きが出ているという。このほか株式市場では、海外投資家の間で日航株を手放す動きが広がっている。

こうした状況について前原国交相は

「過度に日航に対する心配が広がりすぎている」と指摘。「鳩山総理に政府として日航を支える方針を改めて説明したが、『しっかり頑張ってほしい』といわれた」
と説明した。

最初は、記事のタイトルで「政府が日航支援」と読んだモノですから、けっこう驚きましたが、海外で日航がすでに死に体であると認定されている、ということですね。

今までも、色々な企業のききにおいて政府が大丈夫、などと言うと「本当に危ないのだ」と一気に危機が実際のものになってきましたが、日航も同じ展開になるだろうと感じます。

そもそも、市場から相手にされない企業は生き残りようが無いですよ。

9月 30, 2009 at 06:21 午後 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (0)

LiveLeak の影響でトヨタがリコールなのか?

日経新聞より「米トヨタ、380万台リコールへ 「プリウス」など過去最大

【デトロイト=小高航】
トヨタ自動車の米国法人は29日、フロアマットを正しく固定していない場合、アクセルペダルがマットに引っかかり事故につながる恐れがあるとして、「カムリ」など380万台の保有者に対し、マットを取り外すよう求めた。

正式なリコール(回収・無償修理)手続きに入る可能性が高いとしている。
トヨタの米国でのリコール台数としては過去最大となる。

対象は「プリウス」やレクサス「IS」など最新モデルも含めた7車種。

運転席でフロアマットを重ねて敷くような場合、アクセスペダルがマットに引っかかり、加速する恐れがあるとしている。 (08:02)

9月28日に LiveLeak に投稿された、911 Tape of Fatal Crash as it Happen's に911がドライバーから受けた電話がアップされています。LiveLeak の説明

This happened near San Diego.
A CHP Officer was driving with 3 of his in laws in his Lexus and the accelerator was stuck from the floor mat.
The car was going 120 when it crashed at an intersection where the freeway comes to an end.
Unsure why he didn't just turn the car off or throw it in neutral

これでトヨタがリコールに動いた可能性は大きいかと思いますが、LiveLeak の解説にもあるように、スイッチ(エンジンキー)をオフにするか、シフトをニュートラルしなかったのか?という話になるわけで、これはリコールと言っても説明書に注意書き追加するか、ステッカーでも配付することになるのでしょうか?

国民皆保険を拒否するアメリカ国民なのですから、フロアマットを重ねることを禁じることに反対、とか出てきても不思議じゃないような気もします。

9月 30, 2009 at 09:43 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.09.28

事故調査委員会が関わる事件は、免責するべきだ

共同通信ニュースより「補助ブレーキ28日から義務化 エレベーター事故防止で

扉が開いたままエレベーターが動いた場合、自動的に運転を止める補助ブレーキの取り付けを義務付けた改正建築基準法施行令が28日、施行された。

同日以降に着工する建物から適用される。
欧米や中国、韓国では既に義務化されており、消費者団体は「安全のために必要な取り組み」と評価。
適用対象は既設のエレベーターにも拡大される見通しで、新たなコスト負担に戸惑う声も出ている。

改正は2006年、東京都港区のマンションで男子高校生=当時(16)=がシンドラーエレベータ社製のエレベーターに挟まれ死亡した事故がきっかけ。ブレーキ不良で扉が開いたまま急上昇したのが原因だった。

国土交通省は昨年9月に政令を改正し、扉が開いたまま動いたことをセンサーが感知すると、補助ブレーキが作動して停止させる仕組みを義務付け、メーカー各社は新製品開発に乗り出した。

日本エレベータ協会(東京)によると、エレベーターかごをつるロープを挟んで急停止させる「ロープブレーキ」を取り付けたり、ロープ巻き上げ機の電磁式ブレーキを二重化するなどの対策を取った機種が国交省の認定を受けた。

しかし技術面や開発コストの問題から、中小エレベーターメーカーの中には認定が間に合わない社もあるという。
新機種は1基当たり数十万円から数百万円高く、新規にビルやマンションを造る場合、施工経費は増えることになる。

今ひとつ分からないのですが、メカニカルインターロックを義務づけるという理解で良いのでしょうか?

港区で高校生が死亡した事故は、ブレーキが解放されないまま運転を続けたために、ブレーキシューが摩耗してしまって、制動力が無くなったことが事故の原因でした。

ブレーキが解放されない状態で運転が続けられた、というのに驚くところで、ブレーキが解放端まで移動しないと、作動しないようにインターロックを付けるのは当然だと思っていましたが、その機能が無かったようです。

上記のニュースは28日の配信なのですが、直前の25日に港区の事故で有名になってしまったシンドラーエレベーター社が国交省に抗議したそうです。
サンケイ新聞より「事故の調査報告書に意見言えない シンドラーが国交省に抗議

東京都港区のマンションで平成18年、都立高生がシンドラーエレベータ製エレベーターに挟まれ死亡した事故をめぐり、国土交通省の昇降機等事故対策委員会が今月8日にまとめた「設計や品質に問題があった」とする調査報告書について、同社は25日までに「事前協議の場で意見を述べる機会が与えられなかった」と国交省に抗議した。

同社は「日本では平等な競争条件の下で製品を販売できず、事実上の保護貿易主義」と批判。
内容の削除などの主張が認められなければ法的な措置を取るとしている。

同社は報告書について、エレベーターの所有者の港区にメンテナンス情報を提供していることを盛り込んでおらず、事故原因と無関係と判明している障害が関係しているかのように書かれているなどと主張している。

直前にJR西日本が、福知山線脱線事故について事故調査委員会に接触し、内容の変更を求めていた、という問題がありました。
この問題については、山口利昭弁護士のブログ「ビジネス法務の部屋」のエントリー「JR西日本事故報道から探る不作為の過失(立件方針その1)」と「JR西日本事故報道から探る不作為の過失(立件方針-その2)」や、落合洋司弁護士のブログのエントリー「浮かび上がった「国鉄一家」の癒着 福知山線脱線情報漏洩」で広範に論じられています。

いずれも、国鉄一家といった閉鎖された組織内の価値観としてコンプライアンスの遵守が強うしないことが問題、といった論点で書かれています。

山口利昭弁護士は記事中に、郷原信郎弁護士

(元検事、桐蔭横浜大学法科大学院教授、名城大学教授・コンプライアンス研究センター長)
の著書「検察の正義」を取り上げて説明しています。

最近、元検事でコンプライアンス問題に詳しい郷原信郎先生が「検察の正義」(ちくま新書)を出稿されましたが※1、そのなかで鉄道事故に関する日米の刑事司法の在り方の差について触れておられます。

アメリカの場合は再発防止のために事故の真相究明が第一とされ、関係者には司法免責を付与して、事故に関する供述を最大限引き出すことに全力を挙げるそうであります。

いっぽう日本の場合には、航空・鉄道事故においても、一般の事件と同様に業務上過失致死被告事件として立件して、真実の発見も刑事司法が担うことになる、とのことで、ここが日米の大きな違いである、とされております。(上記著書61頁)

また、郷原先生は、公正取引委員会へ出向されていた経験から、独禁法違反事件の告発に関しては、公取委と検察との間には根本的な考え方の違いがあったとして、たとえば独禁法違反について公取委は法人単位、事業者単位、つまり企業その組織全体の行為として明らかにすればよく、個人の行為を特定することはほとんど行われなかった、しかし検察の考え方は事業者や法人企業ではなく、個人の行為につき成立するものであり、それを具体的に明らかにすることが刑事処罰の必要条件だとする伝統的な刑事司法の在り方に基づいていた、と述懐されておられます。(上記著書48頁以下)

このあたりの記述内容は、本件を(被告人に対する刑事追及の在り方を)検討するにあたり、とても参考になろうかと思います。

要するに、事故調査をどういうものと考えるのか?というところで、アメリカと日本では違ってしまっているし、日本では将来の事故の防止よりも起きた事故の刑事責任の追及が事故調査の目的になってしまっている、と言えます。

こうなると、シンドラーエレベータ社が港区の事故当時にノーコメントで押し通したのも無理はない、となってしまうわけで、事故原因の解明に協力すると、自分の刑事責任が重くなるというのでは、メーカーサイドは事故調に協力しなくて当然、と言えます。

一方、メーカーやサービス提供業者であるシンドラー社やJR西日本が、社会と会社の関係性をキチンと理解していれば、問題にならないことも、あまり考えていないだろうJR西日本は「事故調の調査を内偵しよう」などとやり出して、コンプライアンスを当然とする弁護士の皆さんを驚かせるわけです。

読売新聞より「内偵のつもりだった 福知山線漏えいで元委員

JR福知山線脱線事故の最終調査報告書案の漏えい問題に絡み、JR西日本の幹部と接触していた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の鉄道部会長だった佐藤泰生・元委員(70)が28日午前、記者会見し、

「(JR西の内情を)内偵するつもりで会っていた。誤解を招く行動で、大変反省している」
と述べた。

佐藤元委員は、2006年8月から報告書が公表された07年6月にかけ、国鉄時代の後輩だったJR西の鈴木喜也・執行役員東京本部副本部長(55)と都内の中華料理屋などで10回前後、会食していた。

佐藤元委員は、鈴木副本部長との接触を繰り返した動機について、

「日勤教育が事故の最大の問題だと思っていたが、JR西日本は認めようとせず、内情がよく分からなかった。
内偵のつもりで話を聞いていた」と説明。
鈴木副本部長との関係については、「古い知り合いで、東京で昔の友達と会うという場に行って、1時間ほど話を聞いて帰るということをしていた」
と述べ、あくまで独自調査の一環という認識を示した。

一方で、「情報漏えいは絶対にしないようにと気を使い、共通の知人の1人を横に置いていた」と釈明し、報告書の内容の漏えいについては否定した。

ただ、鈴木副本部長が聞きたい内容をメモにした紙を持参して質問し、「これはマルだね」「バツだね」と、審議の状況について答えたことがあった。また、「日勤教育のことは報告書に載りますか」と質問されて、「当たり前だろう」と答えたこともあり、「探りが入っているな」と感じたという。

会食の食事代は、「ウーロン茶と焼きそばくらいしか食べていないので、先に帰る時に同行者に2000円程度を渡していた」と述べた。

結局、事故調査なのか犯人捜しなのか、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の鉄道部会長ですら、キチンと定義できていないのでしょう。

では、直ちにアメリカ型の事故調査委員会に代わることが出来るのか?となると、一朝一夕にはいかないでしょう。

福知山線事故については想像できる事故原因には

  1. 運転士の個人的な過失(速度オーバー、ブレーキの遅れなど)
  2. 運転士を追い込んだ勤務態勢・管理体制
  3. ATSの未設置
  4. ダイヤの厳守のやりすぎ
  5. 線路の曲率変更
などが、すでに挙げられています。

刑事責任の追及となると、事故原因が複合的であるとしても、責任者は一人を追求することになりますから、上記のバラバラの事故要因については、いわば放置されるところが出てきます。
それでは事故調査ではないでしょう。

責任ではなくて、事故に至る経過を明確にすることで、より上流で事故防止が図ることができるようになるでしょう。
エレベータの問題でも、鉄道や航空機の事故についても、キチンとした事故調査がなされない、できる体制がない、ことが大問題だと思います。

9月 28, 2009 at 04:13 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2009.09.27

飛行昆虫形ロボット(?)の動画

Live Leak より「Remote Control Cyborg Insects Now A Reality

By using direct optical lobe stimulation, the bugs can be steered left and right and up and down, and they also respond to stop and start commands. Basically, everything you could want in a remote control bug.

REMOTE-CONTROLLED insects may sound like the stuff of science fiction, but they have already been under development for some time now. In 2006, for example, the Defense Advanced Research More..Projects Agency (DARPA, the Pentagon's research and development branch) launched the Hybrid Insect Micro-Electro-Mechanical Systems program, whose ultimate aim is to turn insects into unmanned aerial vehicles.

Such projects provide proof of principle, but have met with limited success. Until now, that is. In the open access journal Frontiers in Integrative Neuroscience, a team of electrical engineers led by Hirotaka Sato of the University of California, Berkeley, report the development of an implantable radio-controlled neural stimulating device, with which they demonstrate, for the very first time, the accurate control of flight in freely flying insects.

The miniaturized system developed by Sato and his colleagues is mounted onto the pronotum (the dorsal, or upper, plate of the exoskeleton), and consists of electrodes implanted into the brain and wing muscles and a microbattery. Flight commands to start and stop flight and control the insect's elevation and turning were generated on a personal computer running specialized software, and transmitted to a microcontroller equipped with a radio transceiver.

The device is much simpler to program and use than similar ones developed previously, because it makes implicit use of the beetle's own flight control capabilities. The researchers found that flight could be initiated by simply applying a single pulse of electrical stimulation via the electrodes implanted into the left and right optic lobes. A single pulse from the same electrodes was also sufficient to stop the wing beats. Exactly how this occurs is unclear; it is known that visual inputs can initiate flight in locusts and fruit flies, and the researchers speculate that stimulation of the optic lobe activates large diameter "giant fibre" motor neurons which project from the brain to the wing muscles.

Once initiated, flight continued in the absence of further stimulation. The beetle powers its own flight, and levels with the horizon on its own, so that the neural and muscle stimulators are only used when a change in orientation or elevation is required. Turning could be initiated by asymmetrical stimulation of the muscles at the base of the wings, with a left turn being triggered by an electrical pulse to the right flight muscle, and vice versa. The stimulator could also be used to modulate the frequency of wing oscillations, which caused changes in altitude.

Electrically-controllable insects have obvious military applications. They could be used as micro air vehicles for reconnaissence missions, or as couriers which deliver small packages to locations that are not easily accessible to humans or terrestrial robots. The beetles used here (Mecynorrhina torquata) are among the largest of all insect species, and are capable of carrying addditional loads of up to 30% of their 8g body weight. But they could also be very useful to researchers who study insect mating behaviour, the foraging behaviour of insect predators, and flight dynamics and energetics.

昆虫形のロボットが飛んでいるのですが、ものすごい。
まあ、軍事開発だと言われると「ここまでやるのは軍事かな」とは思ってしまいます。
小説の世界が現実化してきた、というところですね。

飛行をリモコンで技術的にコントロールしているのですからロボットなのですが、

implantable radio-controlled neural stimulating device, with which they demonstrate, for the very first time, the accurate control of flight in freely flying insects.

植込み型の無線神経刺激制御装置は、素早く正確に昆虫の飛行を制御します。(かな?)

ロボットと書きましたが、Remote Control Cyborg Insects スレーブマスタータイプ・昆虫形サイボーグが適切ですかね?

しかし、飛び立ったり、カーテン着地(?)するところは、昆虫の動作そのものであって、なおかつ飛行方向は制御しているのですね。
良くもこんな事をやったものだ、と感心しますが「フランケンシュタイン」という単語がちらつきます。
Hirotaka Sato of the University of Californiaとはこの方のようです

BIOGRAPHY

Hirotaka Sato received his B.S.(2000), M.S. (2002), and Ph.D. (2005) in Applied Chemistry from Waseda University (Tokyo, Japan) for his work on nano/micro fabrication for MEMS using electrochemical processes including electrodeposition, electroless deposition, electrochemical etching under Professor T. Homma (Applied Chem.), Professor S. Shoji (EECS) and Prof. T. Osaka (Applied Chem.). Dr. Sato was a research associate in Waseda University from 2004 to 2006. Dr. Satos current research interests include micro bio-interface as well as nano/micro fabrication. He joined Professor Michel M. Maharbiz group to work on Hybrid Insect MEMS project in 2007 and has been developing cyborg beetles, the worlds first tetherless, neurocontrolled insects.

A Cyborg Beetle: Insect Flight Control by a Neural Stimulator [BPN451]

Despite major advances, performance of micro air vehicles (MAV’s) is still limited in terms of size, payload capacity, endurance, and controllability. Various species of insects have as-yet unmatched flight capabilities and increasingly well understood muscular and nervous systems. Additionally, some of these insects undergo complete metamorphosis making them amenable to implantation and internal manipulation during metamorphosis. In light of this, we attempt to create implantable bio-interface to electrically stimulate nervous and muscular systems of alive insect to control its flight. Our first target is beetle for the insect platform, and we would like to call it 'cyborg beetle'.

9月 27, 2009 at 01:03 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

ブラックベリーを子供に与えるという選択

サンケイ新聞より「【社会部オンデマンド】ブラックベリーなぜフィルタリングできないの? 海外プロバイダー対象外 今後導入も

「娘が誕生日プレゼントに携帯電話『ブラックベリー』が欲しいというのでNTTドコモの販売店に家族で出かけましたが、この機種はフィルタリングが利用できないというのです」
=埼玉県新座市、主婦(匿名)

オバマ大統領も愛用

インターネットが利用しやすく、複数のメールアドレスを管理できるなどの機能を備える携帯電話はスマートフォンと呼ばれ、ビジネスマンらに人気だ。高解像度のスクリーンとキーボードが特徴のブラックベリーはドコモが販売するスマートフォンの1機種で、オバマ米大統領が愛用していることでも知られる。

質問を寄せた女性は、中3の娘がオバマ米大統領のファンでもあることからブラックベリーの購入を希望していたが、アダルトサイトや違法行為を誘発するサイトに接続できないようにするフィルタリング機能がないことから、購入を断念したという。

携帯電話各社には18歳以下の利用者に対し、アダルトサイトや違法行為を誘発するようなサイトに接続できない「フィルタリングサービス」を提供する義務が法律で定められているのに、こうした事態はなぜ起きるのだろうか?

ドコモスマートフォン事業推進室の松野亘さんによると、携帯電話でインターネットサイトを見る場合、必ずインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)を通って接続される仕組みになっている。フィルタリング利用が申し込まれた携帯電話は接続先のISPで識別され、見られるサイトに制限がかけられる。

松野さんは「パソコンにはそれぞれにフィルタリングソフトを入れることでアクセス制限がかけられますが、携帯電話の小さな端末にはソフトを入れられないため、ISPでフィルタリングをかけます」と話す。

ドコモでは、「i-mode」「moperaU」という2つのISPで携帯電話のフィルタリングを管理。しかし、ブラックベリーは機能の特殊性から製造元であるカナダのリサーチ・イン・モーション社(RIM社)のISPに接続するため、ドコモでフィルタリングをかけることができない。また、世界各国の携帯電話がアクセスするRIM社のISPで、日本の携帯電話の一部だけにフィルタリングをかけるには技術的ハードルも高いという。

18歳未満の利用30人程度

今年4月、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が施行された。この法律では、インターネットに接続できる携帯電話の使用者が18歳未満の場合、フィルタリングサービスを提供しなければいけないと定めている。

総務省の担当者は「青少年が有害情報を閲覧する機会が少ないものは、利用実態を踏まえて判断するよう政令で定めています」と話す。そのため、「ブラックベリー」については、(1)ISPをカナダのRIM社が管理しているため法律の適用ができない(2)ビジネス向けのモデルで青少年の利用は少ない-ことから、フィルタリング規定の対象外と判断しているという。

一方、ソフトバンクが米国から輸入しているスマートフォン「アイフォーン」については、(1)ソフトバンクのISPを通ってネット接続している(2)アプリも豊富で青少年に人気-などの理由から、総務省と協議した結果、フィルタリングサービスを提供している。

ドコモによると、「ブラックベリー」は平成18年9月から法人向けに発売を開始。その後、自営業など個人のビジネスマンのニーズが高まったことを受けて、今年2月からは店頭でも販売を開始した。ドコモの調べでは、18歳未満の利用者は全国で約30人(0・1%未満)だが、“オバマ効果”で問い合わせが増えており、今後は18歳未満の利用者の増加も見込まれる。

ドコモ経営企画部の東原弘さんは「国内で法律ができたことや、顧客層を広げるためにもフィルタリングは必須。RIM社とは、日本の顧客向けにフィルタリングを提供できないか検討中です」と説明。店頭では現在、フィルタリングの対象外であることを説明し、フィルタリング機能の希望者にはほかの機種を勧めている状況だ。(石川有紀)

産経新聞はマイクロソフトのポータルサイト「MSN」内に設けられた『相談箱』と連携し、「社会部オンデマンド」を始めました。
日常生活や日頃触れるニュースの中で感じた疑問点などをお寄せください。
取材のプロである社会部記者が徹底調査し、報告します。

窓口は、MSN産経ニュース(http://sankei.jp.msn.com/)から「産経新聞『社会部オンデマンド』」▽社会部Eメールnews@sankei-net.co.jp▽社会部FAX 03・3275・8750。

記事の表題にある【社会部オンデマンド】とは、読者の投稿(相談)を元に取材し記事にするという、会話型の記事作りですからネット上で賛否を闘わせるのは当然でありましょう。

今回の「子供にブラックベリーを買ったら・・・・」というのは、わたしが以前から主張している「学校が子供用携帯電話を指定するべし」との対策を実施した場合には、ブラックベリーがフィルタリングできないではなくて、スマートフォンはすべて対象外になるはずですから、問題にならなかった。

フィルタリングが子供の携帯電話問題の解決に一番有効なのか?と考えると、違うだろうと強く思うのです。
だから子供用電話(実物がある)にしてしまった方が有効でしょう。

そういう前提で記事を読んでみると、面白いです。

ドコモ経営企画部の東原弘さんは
「国内で法律ができたことや、顧客層を広げるためにもフィルタリングは必須。
RIM社とは、日本の顧客向けにフィルタリングを提供できないか検討中です」
と説明。店頭では現在、フィルタリングの対象外であることを説明し、フィルタリング機能の希望者にはほかの機種を勧めている状況だ。

  1. 顧客層を広げる
  2. フィルタリングが必要
  3. 子供用電話は二の次

という論理ですね。

逆に言えば、この記事の元の質問をした「埼玉在住の主婦の家庭」は、この携帯電話会社の戦略に踊らされている、とも言えるでしょう。

  1. 子供用携帯では無くて
  2. フィルタリングが掛かる機種を指定せず
  3. ブラックベリーが良いとして
  4. 後からフィルタリングをすれば良いと考えた

ですよね、これはなんというか「全体を考えてのことですか?」と聞いて見たいところです。
子供にどういう携帯電話が良いのかではなくて、ブラックベリーが欲しいというのでは、結果は別にしても、スタートの方向性としてかなり危うい選択になっている、と感じるところです。

9月 27, 2009 at 10:47 午前 教育問題各種 | | コメント (1) | トラックバック (0)