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2009.09.12

日本航空の大混乱

日経新聞より「日航再建、思惑が交錯 デルタとの提携、国交省後押し

日本航空が米デルタ航空から出資を打診された。日航再建を監督する国土交通省は提携を後押ししており、日航が本格交渉の土俵にのぼる可能性はあるが、関係者の思惑は交錯している。

日航とデルタの提携報道が流れた11日夜、日航の社内には困惑が広がった。「デルタから出資の打診があったが、何も決めていない」(役員)

デルタがこのタイミングで日航に接近した背景には、日米の政府間で「オープンスカイ」交渉が進む見通しになったことがある。民主党はマニフェストに、国際的に航空市場を開放し合うオープンスカイ政策の推進を盛り込んだ。日米間でオープンスカイが成立した場合、日航は同じ航空連合ワンワールドに所属しているアメリカン航空と、全日本空輸はスターアライアンスに所属するユナイテッド航空と大型提携に踏み切る見込みだ。 (09:13)

突然「デルタ航空が日本航空に出資」という報道が流れて、ビックリしていたらこんな記事が出てきました。

日本航空は先日、社員有志が街頭でチラシをまいて宣伝したという報道があって「経営陣が先頭に立たないのかよ」と思っていたら、ちょっと間を置いて「社長がチラシをまいて」との報道になりました。けっこう強い批判があったのでしょうね。

今回も「デルタが言ってきたが、知らない」というわけでしょう。

チラシ営業と、デルタの提携打診は国交省が演出したことは間違えないでしょう。
記者クラブを通じて、日本航空を無視して公表したと理解した方が話が分かりやすいです。

国交省はこれで良かれと思っているのでしょうが、問題は日本航空に当事者意識が皆無な所じゃないでしょうか?

当事者能力が無いと、飛行機の運航なんてことを任せるわけにはいきませんが、国交省が日本航空の頭脳役をやっているから、日本航空の経営陣には考える力ないのだと思う。

その結果が、社員有志の後から社長が出てくる。デルタから提携と出資を持ちかけられても、全く用意ができていない。

完全に危機管理を適用するべき経営状態だと思うのですが、危機管理の重要なポイントである、BCP(Business Continuity Plan =事業継続計画)ができていないのでしょうね。
親方日の丸、国がなんとかしてくれる、でやっていることがはっきりしてしまいました。

9月 12, 2009 at 10:24 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2009.09.11

統一教会・印鑑販売事件・初公判

共同通信より「印鑑販売で「霊感商法」認める 統一教会信者らの初公判

「先祖の因縁」に結び付けて不安をあおり印鑑購入を迫ったとして、特定商取引法違反(威迫・困惑行為)の罪に問われた統一教会信者で印鑑販売会社「新世」(東京)の社長(51)は10日、東京地裁(秋葉康弘裁判長)での初公判で起訴内容を認めた。

共犯として起訴された営業部長(40)と、法人としての同社も認めた。

検察側は冒頭陳述で、新世が統一教会の組織を背景に、宗教活動として通行人を勧誘。電話や訪問で接触を続けて洗脳、信者にして販売員を増やしていたと指摘した。

被告らは、販売員を「前線部隊」、販売成功を「勝利」と呼び、印鑑購入者は331人、契約総額は約2億3千万円に上るとした。

起訴状によると、被告らは2007年10月~09年2月、JR渋谷駅前で声を掛けた女性5人に「先祖の行いが因縁となり、あなたの運気を悪くしている」と不安をあおり、因縁を振り払うためと称して印鑑の購入を迫った、としている。5人は1本13万~40万円の印鑑計13本を購入した。

時事ニュースより「「新世」社長ら、起訴内容認める=高額印鑑販売事件-東京地裁

鑑定と称して不安をあおり高額な印鑑を購入させたとして、特定商取引法違反罪に問われた印鑑販売会社「新世」社長(51)、同社役員(40)両被告と、法人としての同社の初公判が10日、東京地裁(秋葉康弘裁判長)で開かれ、被告らは「間違いありません」と起訴内容を認めた。

検察側は冒頭陳述で、被告らは、入信していた世界基督教統一神霊協会(統一教会)の宗教活動として、通行人らを洗脳し、献金として全財産を拠出させていたと指摘。

印鑑販売を洗脳の初期段階と位置付け、相手を威迫して売りつけることを繰り返し、購入者は判明分だけで331人、契約金額は約2億3000万円に上ったとした。(2009/09/10-12:41)

毎日放送ニュースより「高額印鑑販売、社長ら起訴内容認める

「先祖の因縁がある」などと不安をあおって、声をかけた女性らに高額の印鑑を購入させた事件の初公判が東京地裁で開かれ、特定商取引法違反の罪に問われた印鑑販売会社の社長らは、起訴内容を認めました。

東京・渋谷区の印鑑販売会社「新世」の社長(51)と営業部長(40)は、おととし10月から今年2月にかけ、JR渋谷駅前で声をかけた女性5人に「先祖の行いが因縁となってあなたの運気を悪くしている」と不安をあおり、印鑑13本をおよそ420万円で購入させたとして、特定商取引法違反の罪に問われています。

10日、東京地裁で開かれた初公判で、被告らは「間違いありません」と起訴内容を認めました。

一方、検察側は冒頭陳述で、「被告らは入信している統一協会の組織を背景に、宗教活動として通行人を勧誘し信者化させ販売員を増やしていた」と指摘。その上で「相手を威迫し困惑させながら販売するマニュアルを作成し、少なくても331人に販売、契約総額は2億3000万円に上った」と主張しました。(10日18:50)

FNNニュースより「高額印鑑販売事件初公判 印鑑販売会社社長ら、起訴事実認める 東京地裁

不安をあおって高額の印鑑を購入させたとして、特定商取引法違反の罪に問われている印鑑販売会社社長らの初公判が東京地方裁判所で開かれ、社長らは起訴事実を認めた。

東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長(51)らは、2007年から2009年2月にかけて、都内で女性らに声をかけ、「先祖の因縁が運気を悪くしている」などと不安をあおり、印鑑を高額で購入させたとして、特定商取引法違反の罪に問われている。

被告は「間違いありません」と述べ、起訴事実を認めた。

検察側は、冒頭陳述で「被告らはいずれも統一教会(世界基督教統一神霊協会)の信者で、印鑑販売を一連の感化・洗脳の最も初期の段階に位置づけ、困惑させる行為を繰り返した」と指摘した。

統一教会の事件については、紀藤弁護士が長年取り組んでいるもので、今回の裁判の対象になった事件についても「警視庁頑張れ!ついに警視庁が霊感商法店舗の一つ「新生」に家宅捜索に入りました。東京では初摘発ではないかと思います。」と丁寧な記事を書いています。

つまりは、特定商取引法違反事件として手続きの不備あるいは、手続きについて被害者を欺(だま)した、とする趣旨での立件・裁判ということも十分にあり得るわけです。
紀藤弁護士らが長年にわたって「霊感商法の問題」として取り上げている範囲にまで検察が踏み込むのか、踏み込むとするとどの範囲まで踏み込むのか、を注目していました。

多くの報道を集めてみたのは、報道の内容が微妙に違っていることと、実際に傍聴した方のお話によると、検察はかなり踏み込んだ冒頭陳述をしたと考えたからです。
赤字のところに注目しました。

  1. 統一教会の宗教活動である
  2. 洗脳である
  3. 信者獲得のための勧誘である
  4. 信者にしてから販売員に仕立てて、さらに拡大を狙った
  5. 「前線部隊」「勝利」といった、組織・用語を特定している
  6. 献金として全財産を拠出させていた
  7. 印鑑販売は洗脳の初期段階
  8. 相手を威迫し困惑させながら販売するマニュアルを作成
  9. 印鑑販売を一連の感化・洗脳の最も初期の段階と位置づけていた

検察側は思い切り踏み込んでいる、と言えるでしょう。

考えようによっては、宗教弾圧になってしまうわけですが、カルト宗教で大変な被害を生み出している、というところまで踏み込まないと、問題を解明できないというのは霊感商法事件で被害者・弁護団が以前から強く主張されていたことです。

今回、検察の行った冒頭陳述は、霊感商法全体に網を掛けるぞという意思表明であり実行である、と見るべきなのでしょう。
この裁判の今後の展開には注目しなければなりません。

報道は比較的地味ですが、東京地裁は直前で傍聴券の抽選を決め、3倍ぐらいの倍率になったとのことでした。

9月 11, 2009 at 09:39 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.09

肝臓切除手術で傷害致死事件?

朝日新聞より「不要手術で傷害致死容疑 奈良県警、医師を家宅捜索へ

診療報酬を不正受給したとして逮捕、起訴された医療法人雄山会「山本病院」(奈良県大和郡山市、休止)の前理事長で医師(51)らが、男性入院患者に不必要な肝臓の手術を実施し、失血死させていた疑いのあることが、病院関係者らへの取材でわかった。

奈良県警は近く、傷害致死容疑で、前理事長と、手術に立ち会った男性医師の自宅などを家宅捜索する方針を固めた。

医師の手術を巡って、医療過誤の結果、患者を死なせたとする業務上過失致死容疑ではなく、故意に傷つけ死に至らしめたとする傷害致死容疑を適用した強制捜査は極めて異例。
亡くなった患者の遺体は火葬されており、県警は立件の可否について奈良地検と協議を進めて判断する。

病院関係者らによると、前理事長と男性医師は06年6月ごろ、50歳代の患者を肝臓がんと診断し、必要のない手術をして大量失血で死亡させた疑いが持たれている。医師は当時、山本病院に勤務していた。

県警が、外部の複数の専門医らにこの患者の患部のCT(コンピューター断層撮影)画像や血液検査の結果などを見せたところ、「肝臓の腫瘍(しゅよう)は良性で、手術は不要だった」との証言を得た。

前理事長らは手術前にCT検査などをしただけで詳細な病理検査を怠った疑いがあるという。前理事長らは心臓血管外科が専門で、肝臓がんの手術は不慣れだったとされる。

県警は、前理事長らから手術に至った経緯について事情を聴く。

県警は、別の入院患者らに対し、心臓の血管を広げる金属製の筒「ステント」を挿入するカテーテル手術をしたように装って、診療報酬を不正に受給したとする詐欺容疑で7月に前理事長を逮捕。
山本病院への家宅捜索で、男性患者の死亡診断書やCT画像などを見つけた。

診断書に死因は「心筋梗塞(しんきんこうそく)」と記載されていたが、病院関係者らから「不必要な手術で亡くなった」との内部告発を受けるなどしたため、捜索に踏み切る。

県内のある救急医は「肝臓のがんの切除は特殊な技術を要し、専門外の医師が手術するのは考えられない」と指摘する。

診療報酬詐欺で逮捕された前理事長が金もうけに以前から奔走していたように報道がありました。
その意味で、ステントを挿入したことになっていたのに、レントゲン撮影をしたら入っていなかったというのは、以下にも詐欺という感じでした。

医療関係の詐欺では、ニセ薬が非常に多いのですが、多くの場合は全く効き目がない物質をクスリと偽っていますから、バイアグラのニセ薬などでは、ニセ薬は危険がないなど言われています。

それが、ステントの挿入となると専門的な手術ですから、事故もあるようで詐欺の対象としては危険なことだとは思っていました。

それが肝臓切除とは驚きました。

詐欺目的の手術だったのでしょうかね?常識的に考えて、詐欺として成立しないのではないかと思います。

青戸病院腹腔(ふくくう)鏡事件と似ているような気がします。

慈恵医大青戸病院で、腹腔(ふくくう)鏡手術の経験のない医師チームが「手術経験を積みたい」と実施して患者が死亡した事件です。

手術経験を積みたいから、肝臓切除をやったというのでは論外だと思うのですが、これが詐欺目的であるのならば、ステントを挿入しないの同じことで、肝臓切除手術したフリをして済ませることもできたと思います。

肝臓切除の危険性を知らないとはとうてい思えませんから、青戸病院事件と同じような「興味でやったみた」なのでしょうか?

被告の前理事長には、若いころから問題視されていたとの報道もあり、その時点で現場から排除できればこれほどの事件にはならなかったとは思います。
医師や弁護士などの職能団体は、厳しく業界内を律することが必要であると強く感じます。

9月 9, 2009 at 09:02 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.08

これはビックリ、左側通行に変更・サモア

NHKニュースより「サモア 左側通行へ変更

南太平洋のサモアで、車の通行がこれまでの右側から左側へと変更され、7日、新たな交通ルールでの通行が始まりました。

政府は、この変更によって、オーストラリアや日本から安い車を輸入することができ、国民の利益になると説明しています。

サモアの首都アピアでは、7日早朝、これまでの右側通行で走っていた車が停車し、交通ルールの切り替えを待ちました。
そして、午前6時、ツイラエパ首相がラジオ放送を通じて右側通行から左側通行への変更を宣言すると、道路の右側に止まっていた車がゆっくりと左の車線に移りました。

今回の変更にあわせて方向を示す標識は書き換えられ、道路では警察官が交通整理にあたっています。
しかし、バスの多くは、右側に乗降口があるこれまでのもののままで、子どもなど利用者は、車の行き交うところで注意しながらの乗り降りを余儀なくされていました。

サモア政府は、混乱や事故を避けるため、初日から2日間を休日としたほか、制限速度を引き下げたり、アルコール類の販売を3日間禁止する措置をとっています。

政府は、この変更によって、同じ左側通行で近隣のオーストラリアやニュージーランド、それに日本から安い車を輸入することができ、国民の利益になると説明しています。

今のところ、大きな混乱は起きていないということですが、交通の安全が確保できるのか、心配する声も上がっています。

これはビックリですね。

わたしは、沖縄県が日本に復帰(1972年)した後に、アメリカ式の右側通行を左側通行に切り替える時の大騒動(1978年)をリアルタイムで見ていたので、今ごろになって、さらに右側通行から左側通行に変更するというので、大変にビックリしました。

ウィキペディアにまとめてるデータによると

ナミビア・ナウル1918
カナダ1920代
ポルトガル1928
チェコ・ハンガリー1930-40年代
オーストリア1938
台湾1945
パラオ1945
フィリピン1945
中国大陸1949
スウェーデン1967
沖縄1978
ミャンマー1980
ジブラルタル1990年代

ほとんどが左側通行から右側通行への変更です。スウェーデンがヨーロッパ大陸ということで、右側通行に変更した例を、沖縄では参考にしたようです。

わたしには、第二次大戦で自動車交通なんてのものが無くなってしまった時に、アメリカ軍が占領していたのだから、右側通行にならなかった理由が分かりません。
実は、人と車の対面交通を実現するために、戦後になって人は右側通行に変更したのですね。
この時に、自動車は右側通行でも一向に構わなかったようにも思います。

そんな感覚のところに「左側通行に変更」ですから、大変に驚きました。
どんなものでしょうかねぇ?

9月 8, 2009 at 05:33 午後 海外の話題 | | コメント (6) | トラックバック (0)

日本航空は・・・・・・

サンケイ新聞より「日航、不採算路線を大幅廃止・減便へ 人員削減も

経営再建中の日本航空は7日、国際線を中心に不採算路線について大幅な廃止・減便に乗り出す方針を固めた。

それに伴う人員削減にも踏み切る構え。日航は日本の航空会社として最大の路線網を維持してきたが、事業規模をいったん縮小して再出発を図る。

日航は既に国内・国際の計26路線の廃止、減便を決めているが、大幅に上積みする。

具体的には関空-大連、関空-杭州など、関空発着の国際線を中心に縮小を検討しているもようだ。
国内線の一部についても整理を進める方針で、計数十路線が廃止・減便の対象となる見通しだ。

景気悪化の影響で、日航は採算ラインとされる搭乗率60%を割り込む路線を多数抱えている。
特に中国路線は搭乗率が40%台、国内も30~40%台に低迷している地方路線が多く、大規模な路線の見直しで運航コストの軽減を図る。

路線の縮小に伴い、余剰となる人員の削減も行う。

採用抑制などによる自然減や早期退職制度の活用により、約4万8000人のグループ社員のうち一部を削減したい考えだが、労働組合との協議が難航することが予想されるため、削減規模についてはさらに詰めの作業を行う。

日航は国土交通省の監督下で経営改善計画を策定中で、国交省は有識者懇談会を設けるなどして同社に抜本的なリストラを迫っている。

国交省は従来、国策として「航空路線網の維持」を日航に求めてきたが、同社の経営悪化を受けて方針を転換。
「企業の存続、再生が第一。路線網を縮小し、収益力が回復した後に再度ネットワークを構築してもらう」(幹部)と路線縮小を求めている。

日経新聞より「日航、国際線運航に出資要請へ 子会社株を旅行大手や商社に

経営再建中の日本航空は国際線の運航業務について、外部企業に出資を要請する検討に入った。

全額出資子会社でリゾート路線のジャルウェイズ(東京・品川)の株式売却や、ハワイなどの路線を分社化して株式を売却する案を検討しており、大手旅行会社や商社などに買い取りを要請する。

株売却で得た資金を航空機購入や借入金の返済に充てるほか、外部企業の協力で営業力などを強化し収益改善につなげる。

国際線運航への出資要請は路線縮小や企業年金の給付水準引き下げなどと並び、9月末をメドにまとめる経営改善計画の柱とする方針。具体的には

  1. 観光客中心の路線を本体からジャルウェイズに移管した上で同社の株式の一部を売却する
  2. ハワイやグアムなどの路線を本体やジャルウェイズから分社化して株式の一部を売却する

などの案を検討している。 (06:00)

国交省が、ようやく「国策としての路線維持から転換」というのには驚きましたが(ずっと以前に転換していて当然)日経新聞記事を読んでも「日本航空は特別」という意識がチラチラしているように見えて仕方ありません。

今やなのか、今だけなのか、ずっと以前からなのか、は別にして航空輸送はいまや消費者にとって会社を気にするものではなくなって来ています。
サービスが「空を飛ぶ」のだから本質的には差が付きません。まして、いまや機材もほとんど同じ。

このような、同じサービスで価格競争になってしまって、倒産企業がゾロゾロ出たのが、1980年代後半に起きた消費者金融倒産です。

確かに、上限金利の制限といった法改正があったのですが、なぜ倒産する消費者金融と存続する消費者金融があったのでしょうか?
金融業の本質が、安く仕入れた金を高く貸して、利ザヤを稼ぐのは、銀行も消費者金融も全部同じですから、この部分が金融業が倒産する理由にはなりません。

結局は、コスト倒れだったわけです。

消費者金融の利用者にとっては、どの会社からでも金を借りるのは同じですから、回収コストの差が消費者金融倒産に至る途への違いだったわけです。
では、なぜそれが見えなかったのでしょうか?

銀行も同じですが、貸し出しの総額で商売の優劣を競ってきました。
これは単純に量を見ているだけで、回収できるのか?という質を見ていなかったわけです。

今回の、日本航空の「再建策」を見てみますと、質的な改善を図ると言えるのでしょうか?
出資を募るといいますが、それは資本市場で競争するわけで、元もと競争力のない航空会社が低コストで資本調達が出来るものでしょうか?

ここにも「日本航空は特別だ」という所が見えると思います。
消費者金融の例からして、最優先するべきは、質の向上であって、今回の「改善計画」で質が向上する物なのでしょうか?
消費者金融倒産で明らかになったのは、与信管理であり大変な情報システムを構築していた会社が生き残りました。
強引な回収などではコストをまかなえなかったのです。当時、事前の与信管理システムがうまくいくのかなんてことは、分からなかったわけで、銀行はその後にリスク管理を消費者金融に頼るようになったのが、最近の消費者金融問題になっていくのですが、質的な向上とは「今までやっていないことをやる」しかないのでしょう。

規模を縮小しても質が変わらないことは明らかで、日本航空の将来には大いに疑問があります。

9月 8, 2009 at 09:16 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.07

アメリカの国民医療保険問題から考える

ロイターより「オバマ米大統領側近、公的保険制度導入案で妥協の可能性示唆

[ワシントン 6日 ロイター]
アクセルロッド大統領上級顧問とギブズ大統領報道官は6日、公的保険制度を導入する案を大統領が依然として支持しているとしながらも、大統領は妥協する可能性があることを示唆した。

オバマ大統領は9日夜、上下院合同会議で医療保険制度改革に関する重要な演説を行う予定。
そのなかで同大統領が、医療保険制度改革の目玉とされる保険業界と競合する公的保険制度の導入案を維持するかどうかが注目される。

この件に関しては、民主党リベラル派のペロシ下院議長は、どのような改革案になったとしても公的保険制度は必ず含まれなければならないとの立場をとっているものの、民主党穏健派およびその他の大多数の民主党議員は公的保険制度の導入は支持していない

こうしたなか、アクセルロッド大統領上級顧問は6日朝のNBCの「ミート・ザ・プレス」で、オバマ大統領は公的保険制度の導入は競争促進と経費削減に向けた医療保険制度改革の重要な部分であると考えているとしながらも、この制度の導入問題が「医療保険制度改革の議論そのものではない」と述べた。

またギブズ大統領報道官はABCの「ジス・ウィーク」で、オバマ大統領は医療保険制度改革に公的保険制度の導入が含まれることを望んでいると述べた。
しかし、オバマ氏にとり医療保険制度改革法案を支持するためにこの件が重要になるかとの質問に対しては明確に答えなかった。

同報道官は、公的保険制度の導入が含まれていない医療保険制度改革案が提案された場合、オバマ大統領が法案の通過を阻むかとの質問に対し「9日の演説で、拒否権に大きく言及することはないだろう」と指摘。「問題の解決に近づいているため、何ができるかについて話す予定だ」と述べた。

保険業界は公的保険制度の導入に反対しており、導入阻止に向けたロビー活動に多大な資金を投入している。アナリストの間では、オバマ大統領は公的保険制度の導入案を縮小せざるを得なくなるとの見方が出ている。

アメリカで医療保険が大問題になっているのは有名ですから、オバマ大統領が民主党の大統領として公的保険制度を作るという公約に、ここまでの反対が出てくるとは想像していませんでした。

共和党が反対するのなら分かりますが、民主党も大多数が反対というのでは、国民の大半が反対なのか?となってしまいますが、2009年は014日付けの読売新聞の記事「オバマ米大統領、医療制度改革に奔走 保守派が批判強める」には、わたしがビックリした報告がありました。

【ワシントン=黒瀬悦成】
オバマ米大統領は、内政の最大懸案と位置づける医療保険制度改革法案の年内成立に向け、国民に直接理解を求める対話攻勢に乗り出した。

法案を審議中の議会が7日から夏期休会に入ったのを受け、民主党議員も動員して各地で市民との対話集会を開いているが、法案が目指す国民皆保険を「政府支配の強化」と見なす保守勢力は、集会に乗り込んで騒ぐなどの抗議運動を活発化。

財政赤字拡大を懸念する民主党の一部議員の間でも反対論はくすぶり、法案成立への道のりは険しさを増している。

オバマ大統領は11日、ニューハンプシャー州ポーツマスの高校で開かれた対話集会に自ら出席し、民間の保険会社による高額の保険料が「家計や事業者を破綻(はたん)に追い込んでいる」と批判、約1800人の聴衆に対し法案成立の重要性を訴えた。

大統領は14日にモンタナ州、15日にはコロラド州と、選挙遊説さながらのペースで市民集会を開き、改革実現に向けた世論を盛り上げたい構えだ。

大統領が自ら国民の説得に乗り出したのは、かつてクリントン政権の医療保険改革が保険業界や共和党の抵抗で頓挫したのは国民世論を味方に付けられなかったのが原因との反省があるのに加え、共和党や保守派勢力が今月に入り、草の根レベルで展開している法案への反対運動に危機感を強めているためだ。

保守系の市民団体や論客は、公的保険の導入は「政府の市場介入で、自由競争を阻害し、保険、医療の質の低下を招く」などと主張、法案を「社会主義的」と決めつけて市民の嫌悪感をあおる作戦に出た。

これを受け、保守派の市民が、法案成立を訴える民主党議員の集会に殺到し、ヤジと怒号で法案賛成派市民を威圧したり、議員を面罵(めんば)したりする事態が続発している。

米国では元々、政府の権限拡大は個人の権利の制限につながるとの考え方が強く、ギャラップ社が12日に公表した世論調査では、オバマ政権の医療保険政策を「支持しない」とする回答は49%で「支持する」43%を上回った。

いやはや、公的保険制度そのものを、個人の権利の侵害と捉えるというのは、すごいことですが、健康保険の意味をアメリカは理解していないのではないのか?

Up

これはOECD諸国の医療費とGDPの比率を示したグラフです。
アメリカは16%で日本が8%です。それでアメリカの医療の質が日本の倍も優れているのか?というと、どう考えてもそんな事はない。

平たく言えば、アメリカの医療コストは非常に効率が悪い、とは言えるでしょう。
しかし、ここで「医療のコストとは何なのか?」を考えないと、話が分からなくなります。

この色分けされたグラフは、医療費の内の公的支出も示していますが、オーストラリアの次ぐらいで15位になります。
つまり医療費は世界最高だが公的支出はごく普通の国だとなります。

国家にとって、医療費はコストであってそれをなぜ公的に負担するのか?は、医療費を公的負担にして早期に治療を開始した方が国家全体としてはコストが下がるからに他なりません。

アメリカがこの国民医療保険制度の原理を忘れた結果が、グラフに現れているわけで、単純にアメリカの医療は高コストになっていると言って良いでしょう。
問題はだれがそれを負担しているのか?

結論から言えば、アメリカ以外の国民がアメリカ人の医療費を負担している、と原理的になります
アメリカは、長年にわたってドルが基軸通貨であることを利用して、いわば差益で稼いできました。
実業が破たんするまで気が付かなかったのが自動車産業の破たんです。

こんな事を考えるときに、国民保険が個人の権利の侵害だと考える国とどう向き合えばよいのか?クビをひねってしまいます。
国民医療保険に民間保険会社が反対するのは分かりますが、国民が反対する言うのでは国際社会はさじを投げるしかないように思うのです。

9月 7, 2009 at 01:24 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.06

プラント技術のライセンスビジネス

サンケイ新聞より「【すごいぞ!ニッポンのキーテク】温暖化の元凶を樹脂原料に 旭化成のウルトラC

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)。旭化成は、その元凶を回収し、CDやDVDなどの光ディスクに使われるポリカーボネート(PC)樹脂の原料として活用する画期的な製法「ノンホスゲン法」を編みだし、世界展開に取り組んでいる。

一石四鳥の利点

PC樹脂は透明度が高いのが特長で、光ディスクのほか、自動車のテールランプカバーや家電部材向けで広く使われており、今後も中国などの新興国の需要拡大を背景に、市場の成長が見込まれている。

地球温暖化防止が急務となるなか、CO2を原料とするノンホスゲン法への期待は大きい。

ノンホスゲン法は、CO2を他の化学物質と反応させることで一酸化炭素と酸素に分離。PC樹脂と衣料品に使うポリスエステル繊維の原料になるエチレングリコールを生成する。

通常の製造法で必要な猛毒ガスのホスゲンを使わずに済むことに加え、CO2排出量の削減にもつながる“一石二鳥”の製法だ。

しかも、ホスゲンを使う従来の製造法では、ガス漏れを防ぐための設備や、塩素系の有毒廃棄物が含まれた排水を浄化する処理装置が必要だ。しかし、ホスゲンを使わなければ、こうした大がかりな設備も不要になる。環境対応に優れているだけでなく、プラントを建設する際のコストも割安になる。

利点はまだまだある。旭化成の林善夫取締役は「アルミの膜と組み合わせて作る光ディスクの製造にノンホスゲン法のPC樹脂を使うと、製造過程で塩素を使う必要がないため、アルミの劣化も防げる」とし、品質面でのメリットを強調する。一石二鳥どころか、四鳥の大収穫だ。

実用化に25年の歳月

同社がノンホスゲン法の開発に着手したのは、昭和52年までさかのぼる。63年に実証プラントを稼働させ、平成14年に台湾の化学メーカーと合弁でプラントを建設し、25年の歳月をかけて商業生産にこぎつけた。

苦労に苦労を重ねた独自技術だが、実は旭化成ではPC樹脂の生産は行っていない。製造技術を供与して対価を受け取るライセンス契約をPC樹脂メーカーと結び、ノンホスゲン法を世界に広げるという戦略をとっている。

自らPC樹脂生産に乗り出さないのは、後発の立場で参入するよりも、市場動向に左右されないライセンス契約で事業を展開した方が収益性が高いと判断したためだ。林氏は「環境対応に優れた製造法として、世界のPC樹脂メーカーに向けて技術を広めたい」と意気込む。

全世界に広がる

現在、ノンホスゲン法によるPC樹脂の年産能力は、世界全体の1割弱を占める33万5000トンに達する。海外では台湾のほか、韓国、ロシア、サウジアラビアの4カ国・地域で5プラントが稼働している。さらに来年には、サウジアラビアで年産能力26万トンの大型プラントが動き出す。

林氏は「ライセンス契約の拡大を通じ、2015~20年をめどにノンホスゲン法による生産能力を100万トン以上に高め、約25%のシェアを確保したい」として、今後は欧州や中国の化学メーカーとも積極的に契約を結んでいく考えだ。

本来なら生産能力を増やせば、CO2の排出量も増えてしまうが、ノンホスゲン法なら排出量削減に貢献できる。今後も各国で旭化成の独自製法が広がりそうだ。(山田泰弘)

化学方面の知識はさっぱりなので、紹介されるまで知りませんでした。
ちょっと検索してみると、メルト法とも言うようですが、CO2を原料(出発物質)として製造する、というところがポイントのようです。

総合的に、プラントにしてそれをライセンスにして、世界中に製造プラントを作るところが、特に注目するところなのでしょう。

ビジネス展開として楽しみですね。

9月 6, 2009 at 09:42 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)