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2009.08.29

半球形ディスプレーシステム・14万円

technobahn より「14万円台で180度パノラマ型ディスプレイ、米社が販売を開始

カリフォルニア州に本拠を置くTOOB社というベンチャー企業が180度パノラマ映像を描写可能なディスプレイの販売を開始した。

180センチx90センチのドーム型パネル込みで販売価格は1440ドル(約14万円)と従来型の業務用ドーム型パノラマディスプレイと比べると価格は10分の1以下ということもあり、ゲームマニアの間では早くも注目を集めている。

このパノラマ型ディスプレイは半円形のドームの後ろ側から市販のプロジェクター(別売)を使って映像を入力し、それをディスプレイの前面に設置したドーム型ミラーに反射させることでパノラマ映像をドーム型パネルに映写するというものとなる。

TOOB社では市販のプロジェクターを利用できるようにすることで販売価格の大幅な低下を可能としたと述べている。

プロジェクターには民生用製品を使っているということもあり、プロジェクターが対応する限り、どんな映像入力であっても360度パノラマに変換することができるという利点は、3Dシューティングゲームやフライトシミュレーターなど幅広いエンタテイメントの領域に活用ができそうだ。

下の動画の場合、映像が歪んでいるように見えるが、ドームの手前中央部から見る限り、映像は正しく見える。

コロンブスの卵とでも言うべきなのかもしれませんが、動画にある通り半球形のスクリーンと対になっている半球形の反射鏡を用意して、普通のプロジェクターで投影すると半球形の動画が映し出されるというものです。

スクリーンと反射鏡で1440ドルはかなり微妙な価格だと思いますが、用途次第では色々使えそうです。

筑波科学博あたりでやっていたことが家庭レベルで実現することができるようになった、ということでしょうね。

8月 29, 2009 at 09:25 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.26

新型インフルエンザと厚労省

イザ!ブログ・宮田一雄記者の記事より「2010 どうしてこうなるのでしょうか 新型インフルエンザ

どうも言い出したら止まらないというか、はずみがついちゃっているというか。よく分からない勢いのようなものに乗ってばたばたとモノゴトが決められていく印象です。
麻生太郎首相が25日の閣議で新型インフルエンザ対策について、万全の態勢を取るよう指示し、舛添要一厚生労働大臣は不足するワクチンを輸入する考えを表明したそうです。

しかも、《新型インフル輸入ワクチンの治験専門家ら集め決定》という記事によると、舛添厚労相は閣議後の会見で「明日にも専門家や薬害被害者などを集めた会合を開き、治験(臨床試験)をするかどうかを決めたい」と述べています。
「治験するかどうか」ということは、治験をすっとばしてワクチン接種を始めてしまうこともありうるということでしょうか。
こうなると、明日、つまり26日に急遽、集められる専門家の意見は重要です。大臣の鼻息についつい押され、安全性の確認は外国まかせで構わないから、できるだけ速くワクチンを輸入して接種を開始しようといった意見に落ち着いてしまう。
そんなことにはまさか、ならないでしょうね。

1000万単位の人を対象に接種を行うインフルエンザのワクチンでは、極めて小さな割合ではあっても、副作用を訴える人が出てくるのは避けられません。問題はその程度です。重篤な副作用が多数の人に見られるようだとしたら、感染拡大の防止効果や感染した人の重症化回避といった利益よりも、副作用の不利益の方が大きくなり、ワクチン接種は行わない方がよかったということになります。

今回はインフルエンザという旧知の病気であるとはいえ、病原体のウイルスは新しいタイプのウイルスであるうえ、欧米のワクチンと国産のワクチンでは製造法や用量などが異なるといった事情もあります。おまけに《海外メーカー側は緊急に作られたワクチンであることを理由に、副作用が出た際の免責を求めており》というような状態です。少なくともワクチンの安全性に関しては、治験をしっかりと実施し、従来の季節性インフルエンザのワクチンの場合も参考にして、副作用は許容限度の範囲内にとどまるのかどうかといったことを判断する必要があります。

そうした手続きもすっ飛ばしてまで、ワクチンを輸入するようなことには、とうてい賛成はできません。場合によっては、自らの将来を賭してもというぐらいの覚悟で、専門家の皆さんには苦言を呈していただきたい。

それにしても、舛添さん、どうしてそんなに輸入に固執し、しかも、これほどまでに急ぐのか、理解できません。新型インフルエンザの拡大に対して、必要な手を打っていくことはもちろん必要ですが、それは社会としての総合力の勝負です。
ワクチンがすべてではありません。
新型インフルエンザのワクチンは誰も受けていない現状でも、感染した人の大多数は、重症化することなく、一週間程度で回復しています。
ただし、重症化のリスクが高い人もいるので、そうした人たちが死亡しないようワクチンや治療の提供を考えていく。何度も書いているように、これが対策の基本です。

舛添厚労相の会見では、《国がワクチンの必要量としてきた5300万人分の内訳》も公表されたそうです。

ぜんそくなどの持病を持つ人約1000万人
妊婦約100万人
乳幼児600万人
小中校生約1400万人
65歳以上の高齢者約2100万人
医療従事者約100万人

地域的な流行状況をにらみつつ、ぜんそくなどの持病を持つ人、妊婦、乳幼児、医療従事者らに優先的にワクチン接種を進め、ワクチンが不足する分は、重症化する前の早期の治療提供などで対応する。

特定の医療機関に一時期に患者が集中してしまい医療現場が混乱するようなことさえなければ、これから先の半年くらいは、こうした態勢で乗り切ることができるのではないでしょうか。あわてて1日か2日のうちに結論を急がなければならない理由はありません。あるとすれば、それは何か別の政治的な理由(あるいは思惑)ということなのかもしれませんね。今回の新型インフルエンザの流行は、日本の社会が、いま使えるリソースを活用して対応することが十分に可能な病気だということを基本にして対策は考えるべきでしょう。

宮田記者の記事を読んで、なんとも言えない違和感を感じました。

確かに「とりあえずワクチンを輸入すればOK」といった調子で突っ走っているように見える政府の「対策」には、宮田記者の指摘の通りに問題ありだとは思うのですが、それが

今回の新型インフルエンザの流行は、日本の社会が、いま使えるリソースを活用して対応することが十分に可能な病気だということを基本にして対策は考えるべきでしょう。

と断言できる根拠が分からない。

宮田記者は、予防と治療をゴッチャにしているのではないだろうか?

新型インフルエンザのワクチンは誰も受けていない現状でも、感染した人の大多数は、重症化することなく、一週間程度で回復しています。

それはその通りで、確かに人がバタバタ死ぬような状況にはなっていない、近い将来、強毒性に突然変異して大量の死者が出る可能性も高くはないだろう。

しかし、強力な伝染性があることは確かで、予防は極めて重要だと言えます。
一週間で回復するのだから、社会にとって問題ないとは言えないです。

NHKニュースより「米“半数が感染のおそれも”

アメリカ、ホワイトハウスの専門家委員会は、新型インフルエンザについて最悪の場合、アメリカの人口の半数が感染するおそれがあるとの見方を示すとともに、感染のピークが当初の想定よりも早い10月の中旬に訪れる可能性を指摘し、政府に態勢の整備を急ぐよう求めました。

ホワイトハウスの専門家委員会がオバマ大統領に提出した報告書によりますと、アメリカ国内ではこの秋から冬にかけて新型インフルエンザに感染する人の数が、人口の30%から50%、およそ9000万人から1億5000万人にのぼるおそれがあるということです。

さらにこのうち180万人が入院し、死者の数は子どもや若年層を中心に、3万人から9万人にのぼる可能性があるとしています。

ただ、アメリカ国内では、季節性のインフルエンザでも毎年3万人から4万人が死亡しており、今回の新型インフルエンザは、1918年に始まった「スペイン風邪」のようには致死率は高くないとしています。

また、報告書は新型インフルエンザの感染が学校の始まる来月から拡大し、当初の想定よりも早く10月の中旬にピークを迎えるおそれがあるという見方を示したうえで、10月の中旬からワクチンの接種を始めようとしていたアメリカ政府に対し、来月中旬にはワクチン接種が行えるように態勢の整備を急ぐよう強く促しています。

日本では従来型のインフルエンザ(季節性インフルエンザ)での死者数は年間に1000人前後です。
決して軽視できない伝染病であることは明らかです。

新型インフルエンザが、重篤化する可能性が季節性インフルエンザに比較して低いのは、明らかになってきていますが、社会にとってはインフルエンザで活動できなくなる人が出てくる方が明らかに被害は大きくなります。

人口の半数が感染するといった事になると、一週間で回復するのだとしても人口の5%~10%の人が社会活動が出来ないかもしれません。

これは明らかに大問題でしょう。
一週間すれば治るから、といっても交通機関・行政組織・日常的なビジネスといったものが普通に運営できない可能性は極めて大きいでしょう。

アメリカが注目しているのは「社会を動かすこと」であって、そのためにワクチンを必要としている、はずなのです。

宮田記者の意見は、予防よりも治療や、ワクチンの副作用といったことに中心があるようですが、新型インフルエンザが大流行した時に社会活動をどうやって維持するのか、そのために何が必要なのか、といったことには触れていません。

この点については、厚労省が何もしていないし、戦略的に考えていないから、今ごろになってもワクチン不足といった事になっているのは、明らかですが、宮田記者は厚労省や政府を批判するのであれば、この面からの追求を強くするべきだと思うのです。

8月 26, 2009 at 09:28 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2009.08.24

裁判員裁判とパワーポイント

奥村弁護士のブログより「法廷プレゼン研究チーム」

元記事は読売新聞の記事「法廷でPC 弁護士研究会検察「対抗」裁判員制度視野に

京都弁護士会所属の若手弁護士11人で作る「法廷プレゼン研究チーム」が、裁判員裁判の弁護に役立てようと、パワーポイントを使った弁護活動の研究を始めた。

地裁でのこれまでの模擬裁判では、検察側がパソコンを駆使し、裁判員役の市民から好評を得たことから、これに〈対抗〉することにした。

同チームは「わかりやすい立証で、被告の権利擁護という使命を全うしたい」と意気込んでいる。

中京区の京都弁護士会館で開かれた7月の研究会には弁護士約20人が参加し、同チームを支援するNPO法人「国際プレゼンテーション協会」(東京)の八幡紕芦史理事長が、タイトルの配置や色遣いなど、スクリーンに映すスライド資料の作成ポイントを解説。

続いて、弁護士3人が検事、弁護人役を務め、架空の傷害致死事件を題材にパワーポイントを使った冒頭陳述や最終弁論に挑戦した。

この後、参加者全員が意見を討論。この中では、弁護人がスクリーンを見ながら話したことについて、参加者から「自信がないような印象を裁判員に与えてしまう」との意見も出され、八幡理事長も「自分で作った資料を頭に入れ、逆に裁判員の反応を観察することが必要」と指摘した。

このほか参加者は、事件の経過表をどのタイミングでスクリーンに映すかや、機器が作動しなくなった際などの対策、スライド資料に合わせた手ぶり、身ぶりの使い方なども学んだ。

同チームはこうした研究会を定期的に開く予定で、10月には比叡山延暦寺(大津市)で東京の弁護士と合宿も実施。
リーダーの辻孝司弁護士は「検察庁は早期にパワーポイントを使いこなすようになった。弁護士も進化していかなければ」と話していた。

(2009年8月24日 読売新聞)

を取り上げているのですが、ちょっとどこに向いての意見なのかよく分かりません。
もうちょっと丁寧に説明しないと、誤解されてしまうように思います>奥村さん。

 罪を犯したからじゃなくて、弁護人のプレゼンが下手だと有罪になったり、重くなったりする感じですか?

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20090823-OYT8T00900.htm

「法廷でPC」弁護士研究会検察「対抗」裁判員制度視野に

 京都弁護士会所属の若手弁護士11人で作る「法廷プレゼン研究チーム」が、裁判員裁判の弁護に役立てようと、パワーポイントを使った弁護活動の研究を始めた。地裁でのこれまでの模擬裁判では、検察側がパソコンを駆使し、裁判員役の市民から好評を得たことから、これに〈対抗〉することにした。同チームは「わかりやすい立証で、被告の権利擁護という使命を全うしたい」と意気込んでいる。

変わったなぁ

この「変わったなぁ」がどこに掛かっているのか?分かりにくい。

最初は、

  1. 罪を犯したからじゃなくて、弁護人のプレゼンが下手だと有罪になったり、重くなったりする感じですか?
  2. 変わったなぁ

と受け取ったのですが、それだと罪を犯したことについて、神の視点で明確であるのが普通だ、ということになってしまいます。
罪は明確なのに、プレゼンで判決が変わる、と受け取れるからです。

こんな意見を奥村さんが持っている、とはちょっと思えないので、新聞記事との関係を考えてみると、

この中では、弁護人がスクリーンを見ながら話したことについて、参加者から「自信がないような印象を裁判員に与えてしまう」との意見も出され、八幡理事長も「自分で作った資料を頭に入れ、逆に裁判員の反応を観察することが必要」と指摘した。

このほか参加者は、事件の経過表をどのタイミングでスクリーンに映すかや、機器が作動しなくなった際などの対策、スライド資料に合わせた手ぶり、身ぶりの使い方なども学んだ。

同チームはこうした研究会を定期的に開く予定で、10月には比叡山延暦寺(大津市)で東京の弁護士と合宿も実施。

リーダーの辻孝司弁護士は「検察庁は早期にパワーポイントを使いこなすようになった。弁護士も進化していかなければ」と話していた。

このあたりのことを奥村さんは問題にしたのではないだろうか?

確かに、ここまでパワーポイントごときに振り回されるようでは、問題でしょう。

というよりも、弁護活動においてパワーポイントなど使わないでも、証拠を出す順序や尋問する順序などで、法廷で印象を与える、つまりプレゼンテーション能力は必要であり、判決もそれによって変わる事があり、弁護士の上手下手として評価されています。

そこにパワーポイントが乗っただけの話であって、パワーポイントだけで判決の結果が左右するわけがないし、まして機器が故障したから負けました、正常に作動していれば勝ってました、なんてのは言い訳として成立するわけがない。

ところが、新聞記事では「パワーポイントで判決が決まる」のように読めるし、この弁護士の研究会がそのように考えているかもしれない、と取れるのだから、奥村さんならずとも「パワーポイントごときで、それほどの変化はないだろう」と突っ込みを入れたくなりますね。

8月 24, 2009 at 10:06 午前 裁判員裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)