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2009.06.27

痴漢事件・落とし所が難しい

サンケイ新聞より「痴漢認めた同大生を即釈放 1カ月後に現行犯逮捕 京都・伏見署

京都市内の地下鉄駅構内で今月5日、女子高校生の体を触ったとして京都府迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕された同志社大学2年の男(20)=同条例違反罪で起訴=が、この約1カ月前にも電車内で女性の体を触ったとして取り押さえられながら、伏見署が任意捜査にとどめてその日のうちに帰宅させ、起訴の1日前になって書類送検していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。

男は昨年10月にも電車内で痴漢行為をしたとして大阪府警に逮捕されていたが、伏見署は「逃亡などの意志はなく、捜査に問題はなかった」としている。

男は5日朝、同市上京区の市営地下鉄今出川駅で、改札口を出た高校1年の女子生徒(15)の胸をすれ違いざまに触ったとして、駆けつけた上京署員に現行犯逮捕された。

上京署によると、男は「以前からずっとやっていた。おとなしそうな女性を狙った」として約20件の痴漢行為を自供。さらに「電車内では逃げ場がなくて捕まった。今回は逃げられるように初めて車外でやった」と供述したという。

一方、男は5月8日朝、京阪電車の出町柳発中之島行き快速急行の車内で、隣に座っていた大阪府枚方市の女性会社員(33)の胸を触ったとして乗客に取り押さえられ、丹波橋駅(同市伏見区)で駅員を通じ伏見署員に引き渡された。

伏見署によると、このとき男は「間違いなくやりました」と痴漢行為を認め、男が述べた住所に間違いがないことも確認。男は昨年10月にも、枚方市内を走行中の京阪電車内で同様の痴漢行為をしたとして大阪府警に逮捕され、その後罰金30万円の略式命令を受けていたが、同署は逮捕要件に該当する逃亡や証拠隠滅の恐れはないと判断し、逮捕せず帰宅させたという。

男は今出川駅の事件をめぐり今月23日に起訴されたが、伏見署は前日の22日になって5月の事件を書類送検。今出川駅の事件と併せて起訴された。

一連の経緯について、伏見署の小林晃副署長は「(5月の事件は)逮捕の要件に当たらず、任意捜査で十分と判断した。当時の捜査に問題はなく、その後も捜査を続けていた」としている。

また、男が通う同志社大は、5月以前の事件について「把握できていなかった」とする一方、「あくまで個人の起こした事件だが、本人と面会して事実確認ができ次第、教授会で処分を検討したい」としている。

サンケイ新聞の記事のトーン「常習犯なのだから即釈放は問題だ」といったところなのでしょうが、今回「約20件の痴漢行為を自供」というのは厳しく取り調べられたからなのでしょう。

時系列を整理すると

  • 昨年10月 京阪電車内 罰金30万円
  • 5月8日 京阪電車内
  • 6月5日 地下鉄駅構内
  • 6月22日 5月の事件を書類送検
  • 6月23日 5月の事件で起訴。6月5日の事件でも起訴

まあ忙しいヤツです。

こんなのはちょっとでも長く留置場に入れておけ、という意見もあるとは思いますが、手続的には釈放で妥当でしょう。
確かに結果を見ると、何とかしろよ、という感じはありますが、それは結果論ですからね。

しかし本当にしょうもないヤツだな。

6月 27, 2009 at 05:26 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

日経新聞社説を元に論じる

日経新聞社説より「派遣労働者のためにならぬ民主改正案(6/27)

民主党は派遣労働者の身になって制度改革をしようとしているのか。そうした疑念を抱かざるを得ない法改正案が国会に提出された。

民主、社民、国民新の野党3党が26日、衆院に提出した労働者派遣法の改正案がそれだ。製造業への派遣や、仕事があるときに労働契約を結ぶ登録型派遣を事実上、禁止する内容である。

これは民主党が当初に示した改正案と異なる。昨秋の時点では、雇用契約の期間が2カ月以下の派遣は禁ずるが、製造業への派遣は認める内容にしていた。
民主党はこの法案を単独で国会に出す方針だった。

規制を大きく強める内容に変えたのは社民、国民新党との連携を重視したためだ。

この両党はもともと大幅な規制強化を唱えていた。今月に入り、3党幹部が共同提案することに合意し、民主党は

  1. 専門的な仕事を除いて製造業への派遣を禁ずる
  2. 26の専門的な仕事以外は常用雇用とする

の2点をつけ加えた。

規制強化が実現すれば、たとえば「働きたいときに働く」という選択肢を希望する人は困ることになる。

もちろん、自らの意に反して登録型派遣に甘んじている人を救う手立ては必要だ。

しかし、この働き方そのものを否定するのは労働形態の多様化という時代の流れに反する。

派遣労働者などでつくる労働組合のひとつ、人材サービスゼネラルユニオンは、登録型派遣を残すべきだと主張してきた。こうした声に耳を傾けるのが労組も支持母体とする民主党の役目ではなかったのか。

3党の改正案が今国会で成立するかどうかは微妙だ。だが成立しなくとも共同提出した事実は重い。
政権の座をねらう民主党の方針を今後も縛ることになるからだ。

労働者派遣の問題にかぎらない。
26日成立した日本政策投資銀行法の改正をめぐり民主党は、政投銀の完全民営化の撤回を主張した。
その後の与野党による法案修正で3分の1を上回る政投銀の株式を政府が持ち続ける選択肢が盛り込まれた。

政府系金融機関には日本政策金融公庫もある。政投銀の民営化路線の後退は、経営が悪化した大企業への公的支援を歯止めなく繰り返す危険にもつながる。
官僚の天下りの受け皿にならぬ保証もない。

郵政民営化でも同党は「ゆうちょ銀行」などの株式売却の凍結を打ち出すという。
ここでも反民営化を旗印に掲げる国民新党との選挙協力を優先した。
選挙をにらんだ民主党の社民、国民新両党への妥協路線には、危うさがつきまとっている。

日経新聞が産業界・財界よりだから社民、国民新党の天然とも言うべき資本・労働観に反発するのは当然としても、労働形態の多様化という時代の流れに反する。というのは正しいのか?

労働形態の多様化を促進すると日本の将来に希望が持てるのだろうか?

派遣労働が労働の質の著しい低下を招いているのが現実と言うべきだろう。
高度経済成長時代・終身雇用制度のもとで労働の質的向上が恒常的に続いてきたことが、主に製造業において世界をリードする品質を生みだしたといって間違えあるまい。

さらには、個別の業種の消長が次の業種を生み出すときにも、個人の優秀さが次世代産業への人材供給源にもなった。

世代を受け継ぐ貧困などというのは、19世紀のころの話であって社会全体としてどうやって質を高めるのか?と継続して努力する(強制すると言って良い)社会にするのか?が政治の最大の課題だろう。

それは、労働形態の多様化を前提にしてなり立つことなのか?

確かに、終身雇用制で自分に合わない仕事を障害続けるといったことは個人にとって地獄であるだろうが、そこを全くの自由にして、就職も退職も自由とした場合、平均すれば労働の質が向上する(労働者の個人スキルが向上する)ことは無いだろう。

労働の質を高めるために、各企業での教育訓練は欠かすことが出来ないし、それは派遣労働が持っている「一時的な労働提供」では成立しない。

逆に言えば、派遣労働に要求する労働の質(労働者の能力)は極めて高く、企業内訓練ではカバーできないような分野に限定してしまうことが、教育訓練を企業に強いる事になるだろう。
そうすれば、社会全体として質の高い労働力を維持できる。

つまり、「労働形態の多様化という時代の流れに反する。」といった論調では思考停止に陥っているというべきだ。

派遣労働者の最低賃金を時給1万円以上、とかにしたらどうだろう。

6月 27, 2009 at 11:47 午前 経済・経営 | | コメント (11) | トラックバック (0)

2009.06.26

787・6月の初飛行は実現せず

FujiSankei Business iより「787初飛行、5回目のお預け 納入時期未定、ボーイング株急落

米ボーイングは23日、今月30日を目標としていた次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の初飛行を延期し、航空会社への納入時期も向こう数週間未定だと発表した。

これを受け、23日の米株式市場で同社の株価は昨年11月以来最大の下げとなった。

同社民間航空機部門のカーソンCEO(最高経営責任者)はこの日の電話会議で、主翼よりも上の胴体部分に想定を上回る負荷がかかっている状況が判明したため、初飛行延期を決めたと述べた。

今回で初飛行の延期は5回目。

初延期となった2007年10月以降、ボーイングの株式時価総額は半分余り減少している。

カーソンCEOは今月16日、同日にも787が「飛行できる」との認識を示し、月末までに飛行実施する計画を強調していた。
同CEOはこの日、16日時点でボーイングは問題を把握していたが、19日まで飛行延期を決定しなかったと説明した。

787は来年1~3月期の納入が計画されている。

DAデービッドソンのアナリスト、J・B・グロー氏はインタビューで「初飛行延期で少なくとも納入開始が数カ月遅れる」と指摘し、「最良のシナリオでも開始は2010年半ばだろう」と語った。

787型機の複合材主翼のメーカーは三菱重工業で、同主翼と結合する胴体部品を製造するのは富士重工業。
問題となっている部分には両社とボーイング製品が使われており、これら3社が解決に向けて取り組んでいると、同機を担当するボーイングのゼネラルマネジャー、スコット・ファンチャー氏は説明した。
同氏によれば、初飛行の新たな時期は「向こう数週間以内に」明らかにする。

787は、材質を工夫することで同社の従来機に比べて20%燃費効率を高めた点が特徴。
今回、問題となっている部分について、同社は比較的修正は簡単で、飛行機全体の重量を増やすことにはならないとしている。

ノースウエスト航空と合併し世界最大の航空会社となったデルタ航空の広報担当者は、今回の初飛行延期を受け、「787の発注については何の変更もない」と説明した。
同社は787を18機発注しており、2013年に初めての納入される予定。
同氏は納入スケジュールについて、「ボーイングと緊密に連絡をとっている」とした。(Drew Benson)

Bloomberg

technobahnjapan より「B787構造欠陥問題、問題箇所は三菱重工の製造部品

009/6/26 00:25

ボーイングが開発中の次世代旅客機、B787で新たに見つかった構造上の欠陥(強度不足)は日本の三菱重工 (7011) が生産を請け負った主翼を機体本体とを接続する構造部分であることが24日までに明らかとなった。

英航空専門誌「フライトグローバル」によると、構造上の欠陥が見つかったのは具体的には、三菱重工が生産した「Section 12」と呼ばれている主翼構造部品。

「Section 12」には主翼構造を支えるストリンジャー(stringer)と呼ばれる梁が主翼の先端から付け根まで通っており、ストリンジャーキャップを通じて機体本体と接合が行われている。
しかし、規定値の120~130%の負荷をかけたストレステストの結果、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの一部に損傷が生じ、ストレス要件を満たすことができないことが判った模様だ。

ボーイングでは当初、主翼のストレステストの結果、ストリンジャーキャップに生じた損傷は軽微なもので深刻な問題ではないと判断をしていたが、その後、実施された詳細検査の結果、ストリンジャーキャップの強化が必要であるという判断に至ったとしている。

「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化を行う場合、既に完成した飛行テスト用の2機(ZA001/ZA002)に関しては再び製造工程に戻して主翼部分の接合をし直す必要が生じる。また、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化は単に強化を施せば良いという性格のものではなく、強化を実施した場合には再び、主翼のストレステストまで戻って品質検査をやり直す必要性が生じることとなり、B787の製造開発は大幅な後退を余儀なくされることとなる。

今のところ、新たに見つかった機体の構造問題に関連してボーイングからは納期再延長の正式発表は行われていないが、状況的に顧客納期が数ヶ月から半年程度の遅延が生じるのは必至な状況だ。

製造・製法のミスであれば作り直せば良いわけですが、荷重を掛けたら破損したというのでは、設計の失敗なのでありましょうか?

日本でも、自衛隊の新型輸送機C-Xが似たような強度不足で2007年7月にロールアウトしましたが、現在に至るまで飛行せずに改修中です。

あまりにギリギリなところを狙って、設計上の見逃しや検討不足が現物を作ってから明らかになる、といったところがあるのでしょうか?

787は軽量化による大幅な燃費向上がウリなので、あまりに極端な重量増加は787の商品価値そのものを下げることにもなり、ポーイングとしては厳しい局面に至ったというべきでしょう。

6月 26, 2009 at 08:48 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.06.21

チベット写真展

知人を介して写真展の案内が来ました。

祈りは武器より美しい ~チベット潜入 2人の写真展~

チベット問題は、一言で言えば中国がチベットを侵略してダライラマを追放してしまった、と言えるでしょう。
もちろん、チベット文化と漢文化は別物で、以来ずっと争いが続いています。

北京オリンピック(2008年)の時に全世界で「フリーチベット」の声が挙がりました。
このあたりのことを題材にした映画が「雪の下の炎」(楽(ささ)真琴監督)で、わたしは知人の紹介で上映初日に見てきました。

この時に今回の写真展の二人の片方である西條五郎氏と楽真琴監督のトークライブを聞いて、チベット問題の現状を知りました。

国際政治問題など色々な思惑が積もり積もって現在に至っているというのは分かりましたが、これを簡単に説明することは出来ません。
そういった複雑さを写真という媒体ではっきりした視点で見せてくれるのではないかな?と思っています。

■写真展示

日時6月2(火曜)~21日(日曜)
場所パクチーハウス東京(世界初のパクチー料理専門レストラン)
世田谷区経堂 1-25-18 2F
http://paxihouse.com/tokyo/
電話03-6310-0355
営業時間月曜定休
(火-金)18:00-23:00(LOは22:00)
(土)13:30-17:00 18:00-23:00(LOは22:00)
(日)13:30-17:00 18:00-22:30(LOは21:30)

1959年の14世ダライ・ラマ法王亡命以降、50年にわたって中国の統治下におかれているチベット。
昨年3月、中国政府に宗教弾圧などに反発したチベット人が各地で蜂起したが、多数の死者・逮捕者を出した後、通信や外国人の立入が制限され、外界から遮断されてしまった。

そんなチベットに、中国軍による厳重な警備をくぐり抜けて繰り返し潜入するフォトジャーナリスト・野田雅也とジャーナリスト・西條五郎。中国人に変装したり、身を隠して軍の検問所を迂回したり、それでも私服警官による備考や密告により、強制退去させられることもある。

それでもなぜチベットを撮るのか?カメラが捉えたのは、武器を向けられても一心に祈り続ける人びとの深遠な眼差しだった。

■トーク & パーティ

6月14日(日曜)
16:00~トーク 野田雅也×西条五郎
18:00~パーティー
料理3000円(ドリンク代別) ※チベット人は料理代無料

6月 21, 2009 at 10:00 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

F1の行方

CNN.co.jp より「F1参戦の8チーム、来季から新シリーズ開催へ

(CNN) 自動車レースのフォーミュラ・ワン(F1)シリーズに参戦するフェラーリやトヨタなどの8チームが18日、来季から導入が予定されているコスト削減案に反対し、F1シリーズとは別の新シリーズ開催を目指すと発表した。

新シリーズ開催を打ち出したのは、参戦チームでつくるF1チーム協会(FOTA)所属の8チーム。

フェラーリとトヨタのほか、BMW、ブラウンGP、マクラーレン・メルセデス、レッド・ブル、ルノー、スクーデリア・トロ・ロッソ。

コスト削減は、F1を統括する国際自動車連盟(FIA)が導入を進めている。
チームの年間予算を4000万ポンド(約58億円)に制限し、この予算内に収めたチームにはエンジン回転数の制限をなくすなどの技術面におけるアドバンテージを与えるとの内容。

しかし、フェラーリを筆頭に各チームは競技ルールが二つ存在することになるとして削減案に反発。再三の折衝が行われたが、平行線に終わっていた。

FIAはすでに、来季の参戦リストを発表し、今季の10チームに新規の3チームが加わった13チームがエントリーする予定となっている。
ただ、一部チームは条件付きの参戦となっていた。

あらま、F1オワタ、なのでしょうか?

6月 21, 2009 at 10:09 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

エールフランス機は空中分解?

CNN.co.jp より「エールフランス機、空中分解か 遺体の損傷状態から推測

パリ(CNN) ブラジル沖の大西洋上で6月1日に起きた、エールフランス航空のエアバス330─200型旅客機の墜落で、収容された遺体の損傷状態から機体が空中分解した可能性が高いことがわかった。

原因解明にあたるフランス航空事故調査局が18日、ブラジルの検死官から得た情報として明らかにした。

ブラジル側の検視官が収容された遺体を確認したところ、遺体は腕や脚、腰などが骨折しており、衣服がほとんど残っていなかった。
これまで、約50遺体が回収されている。

また、ブラジル紙報道によると、遺体の95%に見られた足や腕、腰の骨折は、非常に高い場所から落下した場合に生じる傷と似る一方で、頭蓋部分に外傷が余り見られなかった。
もしも機体がそのまま海水面に突っ込んでいれば、頭蓋部分の負傷が多いはずで、このことからも空中分解した可能性が高いという。

さらに、遺体の粘膜部分には窒息状況に陥った場合に見られる赤斑が見られたことからも、酸素濃度の低い上空で遺体が機外に投げ出されたことが伺えるとしている。

以上の結果から航空専門家は、約3万5000フィード(約1万670メートル)の上空で機体が分解したとの見方を強めている。

同機には、乗員・乗客228人が搭乗していた。

う~ん・・・・・
今のところ、速度計が故障して、自動操縦が解除され、速度不適正になった。
と伝っていますが、速度不適正とは基本的には失速したと言うことでしょう。

飛行機が速度過剰で空中分解するのは、急降下した場合で失速の場合には無理な荷重がかかった場合に空中分解します。

どちらにしても、今どきの旅客機が空中分解にいたるというのが驚きです。

6月 21, 2009 at 10:04 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

高温ガス炉発電所をカザフスタンに建設?

東京新聞より「カザフ、日本の新型原発導入へ 18年完成目指す

【セメイ(カザフスタン北東部)20日共同】
カザフスタン北東部にある旧ソ連のセミパラチンスク核実験場に接する、かつての軍事閉鎖都市クルチャトフに、日本の技術を導入して発電効率の高い原子炉「高温ガス炉」による新型原子力発電所の1号機の建設が計画されていることが分かった。

カザフスタン国立原子力センターのカディルジャノフ総裁が19日、共同通信に明らかにした。

同実験場は旧ソ連最大の核実験場で、1949~89年に450回を超す実験が繰り返された。

1号機は2018年に完成、22年ごろ稼働する計画。

核兵器の被ばく問題を抱える両国が、原子力の平和利用で協力を深める象徴的な共同事業になりそうだ。

総裁によると、茨城県大洗町に研究用の高温ガス炉を持ち、世界最先端の実証試験を行ってきた日本原子力研究開発機構の技術を基礎に、東芝やカザフ国営原子力企業カザトムプロムなどと合弁企業の創設を協議中。

日本側は半分程度を出資する方向で、ロシアとスロバキアも参加の意向を示しているという。

1号機の発電能力は5万キロワットで、暖房用の温熱も供給する方針。

予算は5億ドル(約480億円)以上で、カザフ側は日本の国際協力銀行(JBIC)に資金協力を要請しているという。

本当かよ?としか思えないニュースですが、日本の高温ガス炉については独立行政法人・日本原子力研究開発機構・大洗研究開発センターのHPにある、「HTTR」に詳細が出ています。

HTTRの構造と特徴

HTTRの構造と特徴について説明致します。

  1. 燃料について
    燃料には、仁丹粒の大きさの約半分ほどの被覆燃料粒子を用います。この被覆粒子燃料は、小さなウラン燃料の球状の粒子をセラミックで4重に包むことで、高温に耐え放射性物質が燃料粒子の外にでるのを防止する構造になっています。
  2. 炉心構造材について
    炉心構造材には昇華点が約3700℃の黒鉛を使いますので、耐久温度が極めて高く、かつ熱容量の大きな炉心になっています。
  3. 冷却材について
     冷却材にはヘリウムガスを使用します。ヘリウムガスは化学反応せず、放射性を帯びることもない非常に安定なガスで、また相変化もしません。

HTTRの主要仕様

熱出力30MW
一次冷却剤ヘリウムガス
一次冷却剤圧力4MPa
原子炉入口温度395度C
原子炉出口温度最高950度C
炉心構造物黒煙
燃料セラミック被覆した、二酸化ウラン微粒子
国外の動向を見てみると、発電プラントとして実用にはなっておらず、研究炉止まりのようですから、日本も競争力があるということのようです。
気になる記述としては

海外で高温ガス炉の開発を積極的に進めた国にアメリカとドイツがあります。
これらの国の発電用原型炉は、財政的理由等から運転を終了していますが、
その成果は日本、中国や南アフリカなどの計画に引き継がれています。

実用化するためには、投資可能なコストの範囲で元が取れなくては絵に描いた餅になってしまうわけで、実用になっている原子力発電は100万キロワット以上ですから、HTTR では1桁は出力が少ない。

以下は、各国の計画です。

南アフリカPBMR400MW
ロシア、アメリカGT-MHR600MW
アメリカNGNP600MW

こうなると、ニュース記事の「1号機の発電能力は5万キロワット」というのはどういう意味があるのだろう?
なんかよく分かりません。

高温ガス炉は、比較的安くできるのだそうですが、それでも出力がどのくらいにするのが適切のか?と感じます。

6月 21, 2009 at 09:55 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)