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2009.06.18

LEC大・募集停止

朝日新聞より「LEC大、来年度の募集停止 日本初の株式会社立大

「株式会社立」の4年制大学として国内で初めて設立されたLEC東京リーガルマインド大学(本部・東京都千代田区)が、来年度の学生募集を停止することを決めた。

同大は札幌市から福岡市まで全国12カ所にキャンパスがあるが、入学者減による経営悪化から今年度は千代田区の本部キャンパスでのみ学生を募集していた。

募集停止後も在校生がいる間は授業を続け、大学院は引き続き募集を行うという。LEC大は18日、募集停止を在校生に説明する。

株式会社立大が募集停止した例は大学院大学で1校あるが、4年制大は初めて。

LEC大は04年4月に開校した。小泉改革の目玉だった規制緩和によって、「構造改革特区」で学校法人以外に株式会社でも大学が設置できるようになったのを受け、資格試験予備校などを経営する株式会社「東京リーガルマインド」(反町勝夫社長)が設置した。

通常は設置認可まで8カ月程度かかるところ、株式会社立大学に適用される特例で、3カ月という短期間の審査で設置が認可された。

当初は本部の千代田区のほか、札幌、宇都宮、千葉、新宿(東京)、横浜、静岡、大阪、神戸、岡山、広島、松山、北九州、福岡の計14カ所にキャンパスがあったが、新宿と北九州は廃止され、現在12カ所。
法律や会計学、都市政策などを学ぶ総合キャリア学部に459人が在籍する。

同社が今月15日、文部科学省に提出した報告によると、唯一、学生募集を行った千代田区のキャンパスでは、募集目標の60人(定員自体は160人)に対して入学者19人と大幅な定員割れとなっていた。

また、同社からの大学設置提案を受けて、国に特区の認定申請をした千代田区から、入学者数低迷を懸念され、今後の大学運営をどうするか報告を求められたことを説明。

「熟慮の結果、将来入学してくる学生よりも、在籍学生の適切な修学維持・向上のために経営資源を集中させることを決断した」と募集停止の経緯を明らかにしている。

LEC大の広報担当者は17日の朝日新聞の取材に「何も言えない」と話した。

株式会社立大学は全国に6校ある。特色ある教育で評価される大学がある一方、経営面や教育環境、内容が不安視される大学もあった。

大阪市のLCA大学院大学は06年に開設されたばかりだが、経営難から、今年度、すでに学生の募集を停止している。

LEC大も、「専任教員」の大半が、実態として専任とはいえない点などが大学設置基準に違反するとして07年1月、学校教育法に基づく初の改善勧告を受けた。

中央教育審議会(文科相の諮問機関)では現在、規制改革の流れで緩和されてきた大学設置基準を補強すべきだとの声が出ている。(青池学、葉山梢)

学校法人なら大丈夫で株式会社だから危ない、という理由は無いはずだが、参入障壁は株式会社の方が低いだろうから、結果として下手な経営も多くなるのだろう。

規制緩和が大学設置基準の全体的な緩和というのはナンセンスで、教育の本質から言えば、金融機関などと同じく事業の存続性についての保証を重要視するべきだっただろう。

簡単に作ることが出来るから、簡単に止めることが出来るという問題ではないことは明らかだ。

それにしても「小泉改革」の危なっかしいと言われていた面が次々と行き詰まるのは「やっぱりね」としか言いようがない。
別稿でも指摘しているが、小泉改革=新自由主義の主張は、あまりにも極端に単純化し過ぎているだろ。

そういう手法は所詮は無理なのであって、どこかで破たんして当然と言える、今回もその一つだと思う。
簡単に出来ることだからこそ、大変なのだといった一見矛盾したようなところに踏み出すことなのだという当たり前のことを見ないでやってきた結果ということだろう。

6月 18, 2009 at 07:00 午後 教育問題各種 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009.06.17

若者がんばってる

読売新聞より「女子高生スナックママ、年上ホステス8人使う…札幌で摘発

札幌市厚別区で無許可のスナックを開いたとして、札幌厚別署が「ママ」を務めていた女子高生(18)らを風営法違反容疑で逮捕、送検していたことが17日、わかった。

◆資格も取得、商才発揮◆

捜査幹部によると、この女子高生はホステスとして働きながら食品衛生責任者の資格を取るなど勤務態度を評価され、2年生だった今年1月、店長に昇格。
年上のホステス8人を使いながら店を切り盛りする“敏腕”ぶりで、売り上げが月200万円を超える時もあったという。

摘発されたのは同区厚別中央のパブスナック「ムーン」。
捜査幹部によると、女子高生は今年5月、経営者の男(34)とともに、北海道公安委員会の許可を受けずに同店を営業、女性従業員に接客をさせた疑い。

女子高生は親元を離れ、札幌市内で一人暮らしをしながら通信制高校に在学。生活費と学費を稼ぐため、市内の複数のスナックなどで働き、昨年10月、同店に移ったという。

ママに昇格した後も、飲み放題メニューを設定したほか、ホステスの誕生会を開くなど気配りも忘れない商才を発揮したが、学校は休学状態になっていた。

女子高生は現在、少年鑑別所に収容されており、「働いているうちに学校が面倒になってしまった。今はちゃんと高校を卒業したい」と反省しているという。

(2009年6月17日12時52分 読売新聞)

大したものだと思う。

経営者が、無許可だったのが悪い。

6月 17, 2009 at 01:49 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

最初の裁判員裁判

読売新聞より「東京地裁が裁判員候補「呼び出し状」発送作業

東京地裁は17日午前、8月3日に裁判員裁判の初公判が開かれる東京都足立区の路上殺人事件について、呼び出し状や質問票などを封筒に入れる作業を行った。

午後、発送する。

呼び出し状が送付されるのは、候補者名簿から抽出された100人から、70歳以上で辞退を希望していた人などを除いた73人。
初公判の日の午前中に選任手続きが行われ、裁判員6人と補充裁判員3人が選ばれる。

辞退を希望する候補者は質問票に記入して返送するが、ある刑事裁判官は
「夏休みの予定がすでに入っている人の辞退希望を、認めるかどうか悩ましい。実際に何人の候補者が裁判所に来てくれるのか不安だ」
と話している。

この事件では、無職藤井勝吉被告(72)が5月1日、向かいに住む女性整体師をサバイバルナイフで数回刺して殺したとして殺人罪に問われており、公判は8月3~6日の4日間が予定されている。
(2009年6月17日12時05分 読売新聞)

え~と、元の名簿は選挙と共通だから要するに、住民票があって成人の人は全員対象ということですよね?
無作為抽出で「今年の裁判員候補」の方々を選び出して、70歳以上の人は辞退できる、法曹関係者はダメなどと返事を受け取っているわけで、「候補者名簿」から100人を抽出したら裁判官の面接以前で書類上で辞退できる人が27人も居たということですか?

予想以上の高率ですね。

平成17年(2005年)の国勢調査のデータから調べると、70歳以上の人口比は14.3%ですから、20%前後は辞退者になるのでしょうか?

73人から9人が裁判員・補助裁判員に選出されるのですから、8人に一人の割合ですね。

当日(この場合は、8月3日月曜日)ドタキャンになってしまう人が居るだろうことを考えると、かなりギリギリの人数に絞り込んでいるということでしょうか?

手続の解説ビデオによると、裁判員の選任手続は以下の順序です。

  1. 事件概要の説明
  2. 当日用質問票に回答
  3. 裁判長から質問(検察官・弁護人が立ち会う)
    辞退希望者の辞退を認める。
    検察官・弁護人は理由を示さずに裁判員候補を拒否できる。
  4. 残った候補者から、裁判員と補助裁判員を抽選する

この事件は「足立区の隣人の女性整体師刺殺事件」で被害者参加裁判でもありますから、20年ぐらい前には想像も出来ない法廷です。

しかし、この事件は何で72歳の男がサバイバルナイフで隣人の女性66歳を刺したのか?が「口論の結果」というのはどういうことだ?と思います。

近隣トラブルで女性を刺殺しますかねぇ?

裁判所からの質問票には「報道で・・・・」とあるようで、先入観が過度にある場合はダメだという常識的なものでしょうが、裁判員候補になったら、このような不思議な事件については誰でも注意深く報道を読むでしょうねぇ。

最初の裁判員裁判がどのように進行するのか、注目してしまいますね。

6月 17, 2009 at 01:14 午後 裁判員裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

出口戦略が必要なのは金融以外ではないのか?

サンケイ新聞より「景気下げ止まりで、早くも「出口戦略」が浮上

景気の下げ止まりの動きが広がる中、政府・日銀が百年に一度の経済危機に対応して発動した超異例の緊急措置をどのタイミングで正常化するのかという「出口戦略」が課題に浮上している。

政府の大規模財政出動や日銀による過剰な金融緩和といった強力なカンフル剤を投与し続けると、財政悪化で長期金利が上昇したり、銀行や企業に甘えの意識が広がるなどの副作用が起きるためだ。

ただ、正常化のタイミングや方法を誤ると、せっかくの景気回復の芽を摘んでしまう恐れもある。

■長期金利上昇

14日にイタリア南部のレッチェで開かれた主要8カ国(G8)財務相会合の共同声明は、「出口戦略」を重要課題に位置付けた。特に懸念されているのが、各国の積極的な財政出動に伴う長期金利の上昇だ。

すでにその兆候は出ている。
財政出動で大量の国債が発行されることを嫌気し、債券市場で国債が売られ、金利が上昇。
日本では先月下旬に、年初の1・2%台から約半年ぶりに1・5%台を付け、その後も高止まり傾向にある。

景気の回復過程で過度に金利が上昇すると、企業や家計の利払い負担が増えるほか、設備投資や住宅投資の意欲も冷え、回復の足を引っ張る。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相はG8後の会見で、「考える時期で、実行しようとする時期ではない」と、“出口”はまだ遠いとの考えを示した。

ただ、政府としては、経済対策で大盤振る舞いした分、「その後の財政再建の道筋をきちんと示す必要がある」(与謝野財務相)との思いも強い。

政府が16日の経済財政諮問会議に提示した「骨太の方針2009」の原案でも、「国際的な長期金利の上昇傾向が見られる」と懸念を表明。
「健全化への中長期的な取り組み姿勢を明確に示すことが不可欠」と強調した。

さらに、「安定財源の確保」の必要性を強調し、消費税率の引き上げを強くにじませた。

ただ、歳出削減や増税路線に対して与党内からは、「選挙が戦えない」との猛反発が起きており、歳出増大圧力は逆に強まるばかりだ。
衆院選で政権交代の可能性がある民主党も積極財政が色濃く、財政政策の正常化の前途は多難だ。

■モラルハザード

日銀の金融政策でも、企業の資金繰り支援のため、社債やCP(コマーシャルペーパー)を買い入れるという「極めて異例の措置」(白川方明総裁)が相次いで打ち出された。
発行先の企業が破綻(はたん)すれば、日銀が損失を負うことになり、中央銀行としての信認を失いかねない“禁じ手”だ。

さらに、銀行や企業が日銀の支援に甘え、経営のモラルハザードを招く恐れもある。

白川総裁は16日の会見で、出口について、「企業金融の動向、効果なども点検し、(買い入れ措置の期限である)9月末までの適切な時期に判断していく」と述べるにとどめた。

ただ、金融危機による市場の混乱が沈静化する中、CPの買い取りでは、応札額が購入予定額に満たない「札割れ」が続き、今月5日の入札はついに「ゼロ」となった。
社債も大手企業を中心に「発行ラッシュ」(同)となっており、自力で資金を調達できるようになってきた。

このため、水面下で解除のタイミングを模索し始めているもようだ。

日銀には出口戦略で苦い経験がある。平成12年8月に「ゼロ金利」の解除を強行したが、その後、景気が悪化し、政府から激しい批判を浴び、さらに異例の措置である「量的緩和」へと追い込まれた。

かつての経験を生かしスムーズな正常化を果たすためにも、入念な準備が必要になりそうだ。

金融や直接的には金利を適正水準にコントロールし財政を健全化することは政府・日銀にとっては非常に明確な目標ですが、本来の経済政策の目的は経済だけではなく、社会全体を将来とも健全に維持することです。

日本の現状は少子高齢化であり、人口減は免れないわけですから人口減によって経済規模は縮小するはずです。

ところが、政策は基本的に成長路線のままであって、特に公共投資では作ったけど使われない施設が沢山あったりします。
特に地方自治体で何かを企画するときに「誘致する」と良く言いますが、人口減・経済規模縮小の日本では誘致するとは誘致されたところが空き地になるのに等しい。
地方都市では、マンションが新しく建つと、その隣のマンションが空き家になる、といったことは十何年前から言われています。

現在、国も地方も政治がやっていることは「目の前に見えることの対策」だけであって、本来は政治や行政の最大の使命である民間企業ではできない長期的な対策は、以前の成長路線のままかあるいは「成長路線の一時停止」と言えるでしょう。

先に挙げた地方政治での「誘致」案件では、将来の人口減社会の現実の到来の時にどうするのか?と発案者に聞くと「その頃には我々は死んでいますよ」が返事だそうです。
もう、今が通り過ぎればよい、というレベルでのぶんどり合戦で、こんな将来像の国が信用されるわけがないです。

アメリカは、人口増加の国であり原理的に成長段階での金融資源の配分を自由にした方が効率が良い、ということで新自由主義に意味があったのでしょう。しかし、新自由主義は結局は新しくなくて旧来の自由主義と同じことになり、破たんしてケインズに戻らざるを得なかった。

日本は、何十年も一貫して少子高齢化社会であり、現実に人口減社会になれば経済は縮小するのが当たり前なのに、小泉・竹中に代表される日本の新自由主義者は「アメリカが世界標準」と称して、全く似合わない服を強引に日本に着せた、というべきでしょう。

少子高齢化社会から人口減社会になることは、何十年も前から言われていたことで現実に合うはずがない「改革」などに時間を使わなければ、今はもうちょっとマシだったのではないだろうか?

人口という資源不足のために、企業や学校・家庭といった各セクターが自分自身に必要なところを人に強く要求する、ようになってしまった。
その代表が派遣労働の大幅拡大であり、このまま行けば「解雇制限の撤廃」などになっていくでしょう。

政策が政策になっていない、と強く感じるのです。

6月 17, 2009 at 09:00 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

厚労省の証明書偽造事件のいきさつは?

東京新聞より「偽証明書入手前にDM契約 凜の会、厚労省に発行急がす

郵便制度悪用に絡む公文書偽造事件で、「凜の会」(現・白山会)が障害者団体の偽造証明書を厚生労働省から得る前に、初のダイレクトメール(DM)の割引発送契約を広告主と結んでいたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。

割引発送できる低料第3種郵便物制度の利用には証明書が必要で、大阪地検特捜部は、契約が早く成立してしまったため、凜の会側が前局長らに発行を急がせたとみている。

複数の関係者の供述によると、凜の会は2004年2月ごろから、国会議員が電話したり、同会設立者(73)が訪問したりして発行を依頼。

厚労省側は、議員の電話を受けた当時の障害保健福祉部長(57)が障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長)に対応を指示したとされる。

捜査関係者によると、凜の会はその後、専門学校のDMの格安発送を同年6月から開始する契約を締結。

しかしこの時点で証明書はなく、低料第3種制度の承認も得られていなかった。

このため同会設立者は障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長)に発行を再三催促。同省係長は、上司(障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長))から「正式な決裁はいらない」と発行をせかされ、発送開始直前の6月上旬、証明書を偽造したとみられる。

(共同)

この記事の通りだとすると、分かりやすいですね。

  1. 郵便料金割引を利用してDM発送を請け負うビジネスを考案した。
  2. 厚労省に証明書を発行させることにした。
  3. 先にDM発送の注文が取れてしまった。
  4. 至急・証明書を発行させる必要が生じた。
  5. 国会議員・部長などに早急な発行を依頼した。
  6. 係長は、障害者団体の実態がないなどを課長(当時)に報告した。
  7. 課長(当時)が「正式な決裁はいらない」と係長を押し切った。

この通りだとすると、係長の報告を押し切った障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長)に指示した、当時の障害保健福祉部長や国会議員の「圧力」がどのようなモノであったのか?が問題になりますね。

6月 17, 2009 at 08:20 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.16

骨太の大転換とは言いがたいが

サンケイ新聞より「骨太2009 社会保障費抑制を弾力化へ

政府は15日、月内に決定する経済財政の指針「骨太の方針2009」に、社会保障分野の歳出抑制を緩和する事実上の弾力条項を盛り込むことで与党と調整に入った。

骨太09の素案では、社会保障費について「骨太06等を踏まえ、歳出改革を継続」と明記されている。
平成22年度予算では、社会保障費の自然増分を毎年2200億円削減する目標が残るため、与党から不満が出ていたが、経済情勢を踏まえて、社会保障関係の施策拡充への歳出を可能にする考えを盛り込む方向だ。

素案では予算編成をめぐり、「現下の経済状況への必要な対応等を行う」とし柔軟姿勢を示しているが、社会保障分野で弾力的な予算運用が可能になるように明確化する考えだ。
社会保障で必要な施策を手当てできることを明示し、与党の反発に配慮する。

一方、政府は骨太09に社会保障、経済、国際的貢献の3分野を「最重点項目」として加える方針だ。

最重点項目には予算を重点配分する。
職業訓練の支援強化や、少子化問題に対処する政府組織を拡充する方向を盛り込む。
雇用や年金、医師不足問題などへの不安が高まっていることを背景に、社会保障分野に力点を置く姿勢を鮮明にする。

また、低炭素社会への移行を促す研究開発の支援や、国際的なリーダーシップを発揮するためアジア各国への金融面での協力も重視する。政府は16日に骨太09の原案を経済財政諮問会議に提示、23日に最終決定する。

東京新聞より「大合併打ち切り答申へ 地方制度調査会が首相に

政府の第29次地方制度調査会(会長・中村邦夫パナソニック会長)は16日の総会で、国主導で1999年から推進してきた「平成の大合併」を来年3月末で打ち切ることを柱とする麻生太郎首相への答申案を審議する。同日中に答申を決定、提出する予定だ。

調査会の専門小委員会がまとめた答申素案では、市町村数がほぼ半減した市町村合併について、現行の市町村合併特例法の期限の来年3月末で「一区切りとすることが適当」として、国の財政支援などで誘導してきた合併推進方針の転換を提言している。

一方で「合併は行財政基盤の強化に今後も有効」として、特例法期限後も自主的な合併を支援する新たな特例法を制定すべきだとした。

また、人口1万人未満の市町村が全体の4分の1以上を占めることを踏まえ、小規模自治体の行政サービスを確保するため福祉や保健などの事務を都道府県が補完できる仕組みや、周辺市町村との広域連携など多様な選択肢を用意する必要性を指摘した。

このほか地方議会制度の見直しや、自治体の監査機能の強化を提言。地方自治法で定めている議員定数の上限撤廃や、複数の市町村で監査委員事務局を共同設置できる制度の検討などを求めた。
(共同)

この2本の記事は、微妙に小泉・竹中=新自由主義からの転換を図る意図があるように見えます。

医療費や社会保障費などが増加する理由は、少子高齢化社会の到来に原因があるわけですが、新自由主義論者は「アメリカではこうだ」と日本との比較を無視してコトを進めてきました。

いわば、医療費や社会保障費の削減こそが少子高齢化からの脱出に有効であり、経済が復興するとの論理です。
さすがにこれでは「絵に描いた餅」であって誰もが「そんなにうまく行くわけがない」と感じていても、与野党を通じて「改革こそが正義」であり、その改革とは「削減すれば良い」ですから対案の出しようがなかった。

今回の方針変更は「もうこれ以上の「改革」は無理」ということでもあるでしょう。
しかし、ではどういう社会像を描いているのか?となると、この2本の記事では分かりませんね。

特に「大合併打ち切り」は打ち切ってどうするんだ?であります。
そもそも自治体と成り立たない規模と内容(高齢化)の地域が出てくるわけです。

統計局のデータで生成17年(2005年)の自治体別の人口統計をみると

人口自治体数
1000人以下25
1000~200067
2000~300074
3000~400091
4000~5000104

となっています。

この規模では、すでに行政事務を行う人手を確保すること自体が難しいというべきで、実質的に自治体としては独立して運営は出来ないでしょう。

この段階まで行くと、いわば国の直接管理しかないわけで、これまた「大合併すればなんとかなる」という方針が無理であった、という証明です。

結局のところ、アメリカも含めて新自由主義が結局は弥縫策であったということであり、特に少子高齢化対策なんてものが緊急で何とかなるものではない、長期的な国家戦略として将来の国民が豊かに生活するための施策を明示せずに「改革すればOK」やってきたことがダメであった。という結論でしょう。

6月 16, 2009 at 09:24 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.15

厚労省の公文書偽造事件

FNNNニュースより「障害者団体証明書偽造事件 逮捕された局長の当時の上司「野党の国会議員から依頼」

厚生労働省の局長が障害者団体の証明書を偽造したとされる事件で、逮捕された局長の当時の上司が、問題の証明書について、「野党の国会議員から依頼を受け、障害者自立支援法の成立を視野に承諾した」と証言していることが、捜査関係者の話でわかった。

特捜部は、局長以外の職員の関与の有無や、事件の背景について、さらに解明するため、2度目となる厚労省の捜索を15日朝から行っている。

局長(53)は、係長(39)に指示して、障害者団体「凛(りん)の会」に証明書を偽造したとされている。 局長は、容疑を完全否認している。

証明書は、障害者団体用の制度を悪用したダイレクトメール不正送付事件につながった。

証明書について、凛の会の当時の代表が「局長に直接依頼した」と供述しているが、この代表は、野党の国会議員のかつての秘書だった。

また、捜査関係者の話によると、局長の上司だった障害保健福祉部元部長は、「国会議員本人から依頼され、局長に伝えた」と話しているという。

そして元部長は、依頼を承諾した理由について、「障害者自立支援法の成立を視野に、野党対策の意識があった」という証言をしていることが、捜査関係者の話で新たにわかった。

自立支援法は、2004年の事件当時、局長ら障害保健福祉部職員が法案をつくっていて、翌2005年に国会審議を控えていた。 特捜部の任意の聴取に対し、ほかの複数の職員も、「国会議員に対し、自立支援法への理解を得たいという意識があった」という証言をしているという。

特捜部は、部全体のこうした意識が事件の背景にあったとみている。

日曜日に検察が事情聴取したのですから、逮捕も当然かと思いますが、公文書の偽造というのはとんでもない話ですが、そもそもその公文書とは何で、どこの部署が発行するものだったのか?と気になりました。

というのは、正式に公文書を発行できる部門であれば別に偽造しなくても良いだろうと思うからです。

そこで元の事件はなんだったのか?検索してみました。

4月17日の読売新聞の記事「偽造証書?で障害者郵便割引 白山会代表供述「活動実態ない」/大阪地検」で証明書偽造と出てきます。

◆郵便不正 偽造証書?で障害者割引

障害者団体に適用される郵便料金の割引制度が悪用された郵便法違反事件で、大阪地検特捜部は16日、郵便料金約2億4300万円を不正に免れたとして、東証1部上場の大手家電量販店「ベスト電器」(福岡市)元販売促進部長(51)や自称障害者団体「白山会」(東京都文京区)幹部ら10人を同法違反容疑で逮捕した。白山会幹部が、制度適用のため日本郵政公社(現・郵便事業会社)に提出した厚生労働省発行の障害者団体証明書を偽造した疑いも浮かんでおり、特捜部は証明書発行の経緯を調べている。

(中略)

問題発覚の昨秋以降、郵便事業会社が特別調査し、保管されていた証明書を調べ、厚労省に照会。同省には発行記録が残っていなかった。

同省では過去の申請書類すべてを保管しているが、凛の会からのものはなかった。

郵便事業会社から凛の会の証明書を見た同省担当者は「当時の企画課長の役職名と公印が押され、一見して本物だったが、発行された形跡はなく、本来の手続きを踏んだものとは考えられない」としている。

一方、自称障害者団体「健康フォーラム」は05年2月設立。社会福祉協議会にボランティア登録し、同年6月に東京都港区が障害者団体としての証明書を発行した。
活動実態はほとんどなかったが、港区障害者福祉課は「ボランティア登録していたので活動実態を詳しく調べなかった。審査に問題がなかったか検証したい」としている。

つまり厚労省の文書管理規定に従って発行された公文書ではないから、公文書偽造となっていて、それを逮捕された局長が指示したらしい、ということのようです。

そうなると、厚労省が正式に発行した公文書ではどうなのだろうか?と思うわけです。
もちろん「活動実態がない団体に証明書を発行してはまずいだろう」となりますが、その場合には「よく調べなかった」でウヤムヤになっていたでしょう。

つまり厚労省(局長 & 係長)がなぜあえて文書規定に反してニセ書類を作る危険を冒したのか?という全く別の興味が出てきます。

6月 15, 2009 at 04:15 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)