鳩山辞任
朝日新聞より「英断か暴走か 「鳩の正義」どう見る 鳩山総務相辞任」
英断か、それとも蛮行なのか。数々の発言で話題を集めてきた鳩山総務相が12日、日本郵政の西川善文社長の人事をめぐる対立で「歴史が私の正しさを証明してくれる」とまで言い切って辞任の道を選んだ。同情や共感を寄せる人がいる一方で、冷ややかな視線を送る人たちもいる。
「世の中、正しいことが通らない時があるんだなと、今はそういう思いです」
官邸で辞表にサインをしたばかりの鳩山氏は、記者団の取材に応じた3分余の間に、9度も「正しさ」「正義」と繰り返した。
「正しいことが通用しなかったら、潔く去るべきだ」。うっすらと涙を浮かべながらも、そのたびに語気を強めた。東京都内で祖父・鳩山一郎元首相の墓参りをした後、ある病院を訪れた。
「娘の子どもが生まれたんだよ」と報道陣に明かし、「名前はマサヨシがいいかな。『正義』」。「正義」にこだわった形での辞任。
かつて鳩山氏の秘書を務めていたジャーナリストの上杉隆さんは「『自分が正しい』というスイッチが入ると止まらない性格」が影響したと考える。
「今回の問題でも、一貫して正しいと思っているから、一切妥協はしなかった」上杉さんによると、この日、鳩山氏は周囲に「西川氏と刺し違えるつもりはあったが、自分だけが辞めることになるとは夢にも思っていなかった」と打ち明けたという。
「麻生さんには裏切られた気がしているだろう」と心中を推し量った。アルピニストの野口健さんは鳩山氏の数々の「問題発言」も「確信犯的にメッセージを発したものも多く、『よく言った』と思ったものもあった」と受け止める。
環境問題の勉強会で知り合い、政界入りを勧められたこともある。
「今回の発言と辞任も、自民党内では『空気が読めない』感じかもしれないが、一般には鳩山氏に共感する人が多いのでは」今回、辞任劇の発端となったのは、「かんぽの宿」の売却問題と、東京中央郵便局の再開発計画だった。
「あのとき、大臣は泣いていた」。
鳩山氏が再開発に異議を唱えた東京中央郵便局の保存運動にかかわった芝浦工大教授の南一誠さんは、3月に現地を一緒に訪れたときの姿を思い出した。
日本郵政の経営陣に不信感を持つ南さんは、鳩山氏の手腕を評価する。「国民目線で純粋な気持ちを持った政治家。辞める思いは理解できるが、郵政が今後どうなるか心配だ」かんぽの宿を地域で活用するため、オリックス不動産への一括売却の撤回を求めていた有馬温泉観光協会(神戸市)の當谷(とうたに)正幸会長は「日本郵政の経営責任が明らかにならないままでは、問題がうやむやになってしまう」と気をもむ。
鳥取県岩美町のかんぽの宿は、1万円で購入した不動産会社が6千万円で社会福祉法人に転売。その法人の関係者も「鳩山氏は転売問題の解明に努めてくれていたので、辞任は気の毒です」。一方で、冷ややかな声も少なくない。郵政民営化を推進してきた猪瀬直樹・東京都副知事は、都庁で辞任のニュースを生中継で見ながら、「かんぽの宿問題で、ろくに検証しないまま、鳩山さんは言い過ぎた。なぜ今辞任なのか理解できない。西川社長と協力して問題を一つずつ片づけるしかなかったのに」と首をひねった。
安倍、福田の両内閣で法相を務めた時代に、その発言に振り回された経験を持つ法務省幹部らの視線も冷たい。
「主張が通るはずがないのに、なぜあそこまで意地を張ったのか。また、目立ちたがり屋のクセが出たのか」世論を味方に付ける政治的な勘には、省内でも一定の評価があった。
「かんぽの宿問題で世論から喝采を浴び、今回も世の中がついてくる、と思ったのだろう」。
ある幹部はこう分析した。
ドンキホーテを思い浮かべるところです。
そもそも、西川社長の再任だけを妨げれば全てOKとは普通の人には理解できないことで、それが正義だと言われても「はあ?」であります。
しかし謎なのは「どうしてこんなことになったのか?」ですが、読売新聞にこんな記事が出ています。「首相、当初は「西川交代」…竹中・小泉コンビが封じ込め」
麻生首相は当初、日本郵政の西川善文社長を交代させる意向だった。
今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した。「ポスト西川」の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた。
首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に「首相は西川氏を代えるつもりだ」と伝え、「西川辞任」に向けた多数派工作を始めた。
しかし、直後から巻き返しにあう。
指名委員会は、委員長を務める牛尾治朗・ウシオ電機会長を始め、郵政民営化など、小泉元首相が進めた構造改革に積極的な財界人が名を連ねる。そうした委員を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった。
竹中氏は小泉氏に相談した。小泉氏は2005年、竹中氏を通じて西川氏と知り合い、社長就任を要請した経緯がある。すぐに指名委の委員を「西川続投」で説得して回り、首相や鳩山氏の動きを封じ込めた。
結局、指名委は5月18日、西川氏を続投させる方針を決めた。
(2009年6月13日01時49分 読売新聞)
こっちの方がよほど大問題でしょう。
かんぽの宿問題は、結局のところ財産収奪とも言える話であって、これはこれで解明するべき事柄であるでしょう。
一方で、わたしが最近主張している「新自由主義は失敗」という見方からすると、竹中・小泉路線の再検証を必要となります。
そしてそれらの「問題」が結実したところが西川社長の再任問題であって、木を見て森を見ずという言葉に当てはめるのなら、実にこだわって土地を見なかった、とでも言うべきでしょうか?
いやしくも、政治家がやることは土地を整備することであって、個々の実の評価にこだわるべきではありませんでした。
その意味では鳩山氏(兄弟そろって)の視野の狭さには目まいがするほどです。
小泉・麻生・鳩山とこれほど識見のない政治家に政治を任せている現在の日本国民は不幸のどん底にある、とでも言うべきです。
6月 13, 2009 at 08:35 午前 国内の政治・行政・司法 | Permalink | コメント (1) | トラックバック (1)