« 2009年5月31日 - 2009年6月6日 | トップページ | 2009年6月14日 - 2009年6月20日 »

2009.06.13

鳩山辞任

朝日新聞より「英断か暴走か 「鳩の正義」どう見る 鳩山総務相辞任

英断か、それとも蛮行なのか。数々の発言で話題を集めてきた鳩山総務相が12日、日本郵政の西川善文社長の人事をめぐる対立で「歴史が私の正しさを証明してくれる」とまで言い切って辞任の道を選んだ。同情や共感を寄せる人がいる一方で、冷ややかな視線を送る人たちもいる。

「世の中、正しいことが通らない時があるんだなと、今はそういう思いです」

官邸で辞表にサインをしたばかりの鳩山氏は、記者団の取材に応じた3分余の間に、9度も「正しさ」「正義」と繰り返した。
「正しいことが通用しなかったら、潔く去るべきだ」。うっすらと涙を浮かべながらも、そのたびに語気を強めた。

東京都内で祖父・鳩山一郎元首相の墓参りをした後、ある病院を訪れた。
「娘の子どもが生まれたんだよ」と報道陣に明かし、「名前はマサヨシがいいかな。『正義』」。

「正義」にこだわった形での辞任。

かつて鳩山氏の秘書を務めていたジャーナリストの上杉隆さんは「『自分が正しい』というスイッチが入ると止まらない性格」が影響したと考える。
「今回の問題でも、一貫して正しいと思っているから、一切妥協はしなかった」

上杉さんによると、この日、鳩山氏は周囲に「西川氏と刺し違えるつもりはあったが、自分だけが辞めることになるとは夢にも思っていなかった」と打ち明けたという。
「麻生さんには裏切られた気がしているだろう」と心中を推し量った。

アルピニストの野口健さんは鳩山氏の数々の「問題発言」も「確信犯的にメッセージを発したものも多く、『よく言った』と思ったものもあった」と受け止める。

環境問題の勉強会で知り合い、政界入りを勧められたこともある。
「今回の発言と辞任も、自民党内では『空気が読めない』感じかもしれないが、一般には鳩山氏に共感する人が多いのでは」

今回、辞任劇の発端となったのは、「かんぽの宿」の売却問題と、東京中央郵便局の再開発計画だった。

「あのとき、大臣は泣いていた」。

鳩山氏が再開発に異議を唱えた東京中央郵便局の保存運動にかかわった芝浦工大教授の南一誠さんは、3月に現地を一緒に訪れたときの姿を思い出した。
日本郵政の経営陣に不信感を持つ南さんは、鳩山氏の手腕を評価する。「国民目線で純粋な気持ちを持った政治家。辞める思いは理解できるが、郵政が今後どうなるか心配だ」

かんぽの宿を地域で活用するため、オリックス不動産への一括売却の撤回を求めていた有馬温泉観光協会(神戸市)の當谷(とうたに)正幸会長は「日本郵政の経営責任が明らかにならないままでは、問題がうやむやになってしまう」と気をもむ。
鳥取県岩美町のかんぽの宿は、1万円で購入した不動産会社が6千万円で社会福祉法人に転売。その法人の関係者も「鳩山氏は転売問題の解明に努めてくれていたので、辞任は気の毒です」。

一方で、冷ややかな声も少なくない。郵政民営化を推進してきた猪瀬直樹・東京都副知事は、都庁で辞任のニュースを生中継で見ながら、「かんぽの宿問題で、ろくに検証しないまま、鳩山さんは言い過ぎた。なぜ今辞任なのか理解できない。西川社長と協力して問題を一つずつ片づけるしかなかったのに」と首をひねった。

安倍、福田の両内閣で法相を務めた時代に、その発言に振り回された経験を持つ法務省幹部らの視線も冷たい。
「主張が通るはずがないのに、なぜあそこまで意地を張ったのか。また、目立ちたがり屋のクセが出たのか」

世論を味方に付ける政治的な勘には、省内でも一定の評価があった。
「かんぽの宿問題で世論から喝采を浴び、今回も世の中がついてくる、と思ったのだろう」。
ある幹部はこう分析した。

ドンキホーテを思い浮かべるところです。
そもそも、西川社長の再任だけを妨げれば全てOKとは普通の人には理解できないことで、それが正義だと言われても「はあ?」であります。

しかし謎なのは「どうしてこんなことになったのか?」ですが、読売新聞にこんな記事が出ています。「首相、当初は「西川交代」…竹中・小泉コンビが封じ込め

麻生首相は当初、日本郵政の西川善文社長を交代させる意向だった。

今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した。「ポスト西川」の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた。

首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に「首相は西川氏を代えるつもりだ」と伝え、「西川辞任」に向けた多数派工作を始めた。

しかし、直後から巻き返しにあう。

指名委員会は、委員長を務める牛尾治朗・ウシオ電機会長を始め、郵政民営化など、小泉元首相が進めた構造改革に積極的な財界人が名を連ねる。そうした委員を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった。

竹中氏は小泉氏に相談した。小泉氏は2005年、竹中氏を通じて西川氏と知り合い、社長就任を要請した経緯がある。すぐに指名委の委員を「西川続投」で説得して回り、首相や鳩山氏の動きを封じ込めた。

結局、指名委は5月18日、西川氏を続投させる方針を決めた。
(2009年6月13日01時49分 読売新聞)

こっちの方がよほど大問題でしょう。

かんぽの宿問題は、結局のところ財産収奪とも言える話であって、これはこれで解明するべき事柄であるでしょう。

一方で、わたしが最近主張している「新自由主義は失敗」という見方からすると、竹中・小泉路線の再検証を必要となります。
そしてそれらの「問題」が結実したところが西川社長の再任問題であって、木を見て森を見ずという言葉に当てはめるのなら、実にこだわって土地を見なかった、とでも言うべきでしょうか?

いやしくも、政治家がやることは土地を整備することであって、個々の実の評価にこだわるべきではありませんでした。
その意味では鳩山氏(兄弟そろって)の視野の狭さには目まいがするほどです。

小泉・麻生・鳩山とこれほど識見のない政治家に政治を任せている現在の日本国民は不幸のどん底にある、とでも言うべきです。

6月 13, 2009 at 08:35 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.06.12

警視庁が統一教会を家宅捜索・その2

東京新聞より「霊感商法で高額印鑑販売 統一教会捜索 社長ら7人逮捕

根拠のない姓名鑑定で不安をあおる霊感商法で高額な印鑑を販売したとして、警視庁公安部は十一日、特定商取引法違反(威迫・困惑)などの疑いで、印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)社長(51)と同社販売員ら七人を逮捕した。

公安部は今年二月に同社などを家宅捜索し、容疑者が世界基督教統一神霊協会(統一教会)の南東京教区(渋谷区、世田谷区など)の教区長から業務や従業員の賞与額について指示を受けたり、同教区の献金活動にかかわっていたことを裏付ける資料を押収したとして、新世が「統一教会と密接な関係がある」と判断。同日、渋谷区などにある統一教会の教会三カ所など関連先を家宅捜索した。

逮捕容疑は、二〇〇七年十月~今年二月、渋谷区内の街頭で根拠のない姓名鑑定で勧誘した三十~六十代の女性五人を同社に連れて行き、「良くない運勢が出ている」「このままだと命がなくなる」などと不安をあおり、十六万~百二十万円の印鑑十三本を計四百十六万円で販売したとされる。

公安部は新世の売上金が統一教会側に流れているとみて捜査を進めている。

◆「新世」との関係 統一教会は否定

統一教会広報部は「当法人は宗教法人であり、いかなる営利事業も行っておりません。当法人と『新世』とは関係がありません。なお、信者がその個人的な活動において問題となることがないよう、さらに指導に努めていきたいと思います」とのコメントを出した。

<世界基督教統一神霊協会(統一教会)>

韓国人の文鮮明氏(89)が1954年、韓国ソウルに創設した宗教団体。184カ国に宣教師を置く。文氏が信者の先祖の因縁などを見抜きカップルを決めるという「合同結婚式」で知られる。

日本本部は東京都渋谷区松濤にあり、64年に宗教法人として認可された。
日本本部広報部によると、国内の信者は約56万人。

朝日新聞より「印鑑販売拡大、統一教会幹部が指示か メールを押収

東京都渋谷区の印鑑販売会社「新世」が、根拠のない姓名鑑定で不安をあおって印鑑を売りつけていたとされる事件で、新世社長(51)=特定商取引法違反容疑で逮捕=が世界基督教統一神霊協会(統一教会)の幹部から、印鑑の販売拡大を指示されていたことを示すメールの記録を、警視庁公安部が押収していたことがわかった。

捜査関係者が明らかにした。公安部は、統一教会が印鑑販売を通じて信者を集めていたとみて調べている。

公安部によると、逮捕された容疑者らは容疑について否認しているという。

捜査関係者によると、メールの記録は新世の関係先から押収された。

それによると、社長は、渋谷区などでの布教を担当する統一教会南東京教区の教区長(50)と一日に何度もやりとりしていた。

社長からは教区長に印鑑の販売状況を報告したり、社員の賞与額について指示を仰いだりしていた。
教区長はたびたび売り上げを伸ばすよう指示していた
という。

さらに、印鑑の売り上げが少なかった際に新世の販売員が書いたとみられる「反省文」が押収された。

社長が取りまとめて教区長に提出していたとみられる。

公安部によると、押収資料から、社長が同教区の運営部長を務めていたことが判明。

運営部長は「特別伝道部隊」と呼ばれる信者獲得活動や献金集めを担うチームのまとめ役で、公安部は、新世が特別伝道部隊の拠点だったとみている。

NHKニュースより「印鑑販売会社に入信の手引書

不安をあおって高額の印鑑を購入させたとして東京の印鑑販売会社の社長らが逮捕された事件で、会社の事務所から印鑑の購入者を統一教会=世界基督教統一神霊協会に入信させるためのマニュアルが押収されていたことがわかり、警視庁はこの会社と統一教会が密接な関係にあるとみて捜査を進めています。

この事件は、東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長(51)らが、渋谷駅前の路上で女性5人に声をかけ、「このままでは命がなくなる」などと不安をあおり、印鑑13本をおよそ420万円で購入させたとして、特定商取引法違反の疑いで逮捕されたものです。調べに対し、社長は容疑を否認しているということです。

警視庁の調べによりますと、「新世」の販売員は統一教会の信者で、統一教会の幹部が印鑑の販売実績について報告を受けていたほか、販売の拡大を指示していた疑いがあるということですが、警視庁がことし2月、新世の事務所を捜索した際、印鑑の購入者を統一教会に入信させるためのマニュアルが押収されていたことがわかりました。

この中では、購入者を統一教会の「ビデオフォーラム」と呼ばれる施設に連れていき、段階的に教義を学ぶ本やビデオを見せたりすることなどが書かれていたということです。

被害者の女性は「渋谷フォーラムというところで勉強すると真理がよくわかるので、勉強しませんかと言われました。私を信者にしようとしたことが許せません」と話しています。

警視庁は、「新世」と統一教会が密接な関係にあるとみて、捜査を進めています。これについて、統一教会は「新世とは一切かかわりがない」と話しています。

三つの報道記事から、注目点を赤で示しました。

印鑑販売が、統一教会の活動であったことを裏付ける資料と、統一教会は関係ないと主張しているのですが、統一教会の組織の中に印鑑販売が組み込まれていたことを示す証拠が発見されたのが大きな点でしょう。

NHKニュースでは被害者の声がありますが、ビデオフォーラムに連れて行くとはっきり述べているのは結構重要な点で、今までの統一教会問題の被害者がビデオフォーラムへの参加して、一気に信者になってしまう、という報告は有名です。

ホームオブハート事件でも、このビデオフォーラムのような「閉じられた空間での短時間の洗脳」で信者になってしまったという話を聞いていますし、明らかにカルト宗教の信者獲得=被害者の発生の一つの手段としてビデオフォーラムのようなものが使われており、知らない人にとっては「ビデオを見るくらいなら」と抵抗なく参加してしまうことが、被害を拡大させている大き理由であるとされています。

今回、報道レベルとは言え、占い・印鑑(グッズ)販売・ビデオフォーラム勧誘、という一連の動きを警視庁が証拠として確保したのは非常に重要な点だと言えます。

6月 12, 2009 at 08:40 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.11

WHO新型インフルエンザでパンデミック宣言

日経新聞より「WHOが「世界的大流行」宣言 最高度の「6」に、深刻度は「中」

【ジュネーブ=藤田剛】 世界保健機関(WHO)は11日、新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)を最高度の「6」に引き上げ、世界的大流行(パンデミック)を宣言することを決めた。

チャン事務局長が同日に世界各国の専門家で構成する緊急委員会を招集し、南半球を含めた地球規模の感染が始まったとの認識で一致した。

WHOによると、新型インフルエンザの世界的大流行は1968年に発生した「香港風邪」以来41年ぶり。

ただ、今回の新型インフルエンザは弱毒性のため、渡航制限や国境封鎖の勧告は出さない。
現段階では経済や社会に与える影響は限定的なものになりそうだ。

WHOは地理的な広がりを示す警戒水準を引き上げると同時に、健康被害の「深刻度」に関する基準を発表。

深刻度は強度(シビア)、中度(モデレート)、弱度(マイルド)と3段階あり、北米などでやや重症者が目立つため、中度とした。 (21:53)

オーストラリアでの急拡大を受けての決定ですね。
日本ではこの決定によって、どのような施策が行われるのでしょうか?

6月 11, 2009 at 10:25 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)

白浜で見た、赤外線カメラモジュール

白浜シンポジウムに協賛企業からの製品展示があり、珍しいもの毎回多いのですが今回は特に興味を惹いたのがNECが展示していた「非冷却形赤外線製品(PDF)」というものでした。

赤外線センサーを冷却しないで運用できるというもので、デモではテレビカメラでそこに立っている人を写していました。
すぐ隣にコーヒーサーバーが置いてあったので、紙コップのホットコーヒーを持っている手を写したところ、当然ですが真っ白に写りました。

説明を求めたところ、環境温度として60度ぐらいまで作動するそうですから、人間が居ることが出来ない高温でも冷却しなくても良いとなります。

モジュール価格は数十万円とのことですから、まだ気楽に使うわけに行かないですが、何分の一かに価格が下がれば、用途は非常に広がるのではないか、と感じました。

6月 11, 2009 at 06:08 午後 新商品やお買い物 | | コメント (0) | トラックバック (0)

第13回サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム

先週の木曜日(4日)から第13回サイバー犯罪に関する白浜シンポジウムに参加してきました。

元は「コンピューター犯罪に関する白浜シンポジウム」と名乗っていて、わたしは1999年の第3回から、ずっと参加していましたが、ここ2回ばかりは行っていませんでした。

この間に、若干組織の変更などもあったようですが、今回は「ウイルスとマルウェアの脅威」~あなたの生活が狙われている~をテーマにして開催されたのですが、なかなか考えるところが多々ありました。

プログラムは以下のようになっています。

6月4日(木)
13:00~13:30開会オリエンテーション
13:30~15:00講演「セキュリティトレンドについて」
株式会社ラック取締役西本逸郎氏
15:00~15:30コーヒーブレイク
15:30~17:00講演「マルウェアと法的責任」
大阪弁護士会弁護士岡村久道氏
17:00~19:00ディナータイム
19:00~20:30BOF分野別会合(ご興味のあるBOFにご参加くださいませ)
文教分野、行政分野、警察分野
(※警察BOFは警察関係者のみに限ります)
6月5日(金)
9:20~9:30開演挨拶
9:30~10:30講演「お財布ケータイが狙われるかも」
トレンドマイクロ㈱CTOレイモンド・ゲネス氏
10:30~11:30講演「シン・クライアント化によるセキュリティと利便性の両立」
和歌山県企画部企画政策局情報政策課稲住孝富氏
11:30~13:00講演ランチタイム&協賛企業PRタイム
13:00~14:30基調講演「マルウェアに対する研究者達のチャレンジ」
東京電機大学教授佐々木良一氏
14:30~15:30警察講演「マルウェアと脅威の傾向」
警察庁情報通信局情報技術解析課理事官國浦淳氏
15:30~16:30講演「情報セキュリティってそもそも何だっけ?」
総務省総合通信基盤局電気通信事業部事業政策課課
長補佐高村信氏
16:30~18:30ディナータイム
18:30~19:00参加者交流会ご挨拶白浜町長立谷誠一氏
19:00~20:30ナイトセッション「マルウェアに立ち向かおう」
コーディネータ:日本経済新聞社坪田知己氏
パネリスト:監査法人トーマツ丸山満彦氏
大阪弁護士会岡村久道氏
カーネギーメロン大学日本校教授武田圭史氏
21:00~23:00ミッドナイトセッション
6月6日(土)
9:30~11:00 講演 「マルウェアの脅威に対する対策」
IPAセキリティセンター小門寿明氏
11:00~11:40 「情報危機管理コンテスト」 結果発表審査委員長三輪信雄氏
講評および表彰 講評和歌山大学泉(川橋)裕氏
表彰状授与経済産業省商務情報政策局審議官
木村雅昭氏
11:40~12:00 ご挨拶 和歌山県知事仁坂吉伸氏
12:00~12:10 閉会 閉会のご挨拶
元防衛省官房長西川徹矢氏
6月6日(土) 同時開催 和歌山県立情報交流センターBig・Uにて
9:30~17:00 セキュリティキャンプ セキュリティ道場in白浜(フォレンジックに関する研修)
※参加資格は警察官を含む公務員です

今回は、6月5日(金曜日)のナイトセッションまで居て、22時前に白浜を発ちました。

テーマであるマルウェアとは悪意あるソフトというほどの意味ですが、従来のウイルス対策とは何が違うのか?ということと、現状はどうなっているのか?が大きな話題でした。

マルウェアが表に出てきたのはボットネット問題からで、話がどんどんややこしくなってきて説明しがたくなってきた、というのは今回のシンポジウムに参加しても変わらず、参加者の一致した意見として「怪しいモノに近づくな」といった技術的ではない対策の重視が必要で、それには主に若い人たちの教育が重要といった話になってしまいました。

非常に興味深かったのは基調講演である佐々木良一先生の「マルウェアに対する研究者達のチャレンジ」で、ウイルスの歴史を振り返ってその「進化」を概観し、「マルウェアに対する疫学的アプローチ」の説明でした。

一言で言うと、コンピュータウィルスも身体に病気をもたらす実際のウィルスと同様に扱える、という研究でもちろんコンピュータウイルスも弱毒化しつつ感染力は強くなる(発見しにくくなる)方向に「進化している」とのことでした。

このために、対策も決定的なものではなく、社会全体が病気を警戒し予防するように、コンピュータウイルスに対しても、社会としての情報の共有、多段階の追跡システムの必要性など、正に現実の病気と同様のアプローチが良いのではないか、という提案がありました。

他の分野でも非常に気になっているのですが、現在の日本では社会全体がデジタル指向といいますか、結果には原因がある、で終わりといった極めて単純化した「対策」ばかりがよいとされているところがあると感じています。

それが「インフルエンザだからマスクをする」として電車から降りてくる人が全員マスク姿で外国メディアで報道されるなど、ある種の「考え無しの決断」のようなことが続いていますが、後になってからどれほど有効か?と議論するのは無視するようなところがあります。

そのために、各種の資格や認定の大ブームになっていますが、警察講演の「情報セキュリティってそもそも何だっけ?」では、

  • 最大限の努力をしています」と言わないと許してもらえない雰囲気。
  • プライバシーマーク、ISMS取得企業数はうなぎ登り
  • (ISMSを取得している企業数は実はほとんどが日本企業だけ)

なんて報告がありました。

これらをまとめますと、何年か前には「こんな事件」「こういう対策」「必要な法律」といった具合に分かりやすく説明できたことが、現実社会で起きるわけの分からない事件と同様に複雑なことが起きていて「こうすれば大丈夫です」とはまるで言えない無くなってしまった、というのが極めて印象的でありました。

6月 11, 2009 at 05:56 午後 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

警視庁が統一教会を家宅捜索

NHKニュースより「高額印鑑販売に関与か 捜索

東京・渋谷で女性に声をかけ、「このままでは命がなくなる」などと不安をおったうえ、高額の印鑑を購入させたとして、警視庁は、特定商取引法違反の疑いで東京の印鑑販売会社の社長らの取り調べを始めました。

容疑が固まりしだい逮捕するとともに、統一教会・世界基督教統一神霊協会の幹部が販売にかかわっている疑いがあるとして、都内にある統一教会の施設の捜索を始めました。

取り調べを受けているのは、東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の51歳の社長や販売員の女らで、警視庁は容疑を裏付けるため、関連先として、渋谷や世田谷にある統一教会の施設の捜索を始めました。

警視庁の調べによりますと、新世の社長らは、おととしからことしにかけて、渋谷駅前の路上で30代から60代の女性5人に「あなたの運勢を鑑定します」と声をかけて事務所に連れて行き、「このままでは命がなくなる」「のろいから家族を守るために印鑑が効果がある」と不安をあおったうえ、十数万円から100万円余りの印鑑を購入させた疑いが持たれています。

警視庁は、ことし2月、新世の事務所を捜索して押収した資料を調べた結果、販売員の女はいずれも統一教会の信者で、統一教会の幹部が印鑑の販売実績について報告を受けていたうえ、販売の拡大などを指示していた疑いがあることがわかりました。

このため、警視庁は、統一教会の施設や幹部の自宅の捜索に踏み切ったもので、容疑が固まりしだい、新世の社長らを逮捕して、印鑑販売の実態や統一教会のかかわりについて捜査を進める方針です。

2月に新世の事務所を捜索した結果ということですが、

販売員の女はいずれも統一教会の信者で、統一教会の幹部が印鑑の販売実績について報告を受けていたうえ、販売の拡大などを指示していた疑いがあることがわかりました。

というところがずいぶんと力強いメッセージだと感じます。

2月に新世の事務所を捜索とは、紀藤正樹弁護士のブログに紹介されています。
「警視庁頑張れ!ついに警視庁が霊感商法店舗の一つ「新生」に家宅捜索に入りました。東京では初摘発ではないかと思います。」

警視庁は、先週木曜日(2009年2月5日)のL&Gへの強制捜査、波和二会長らの逮捕の次に、昨日(2009年2月10日)、統一協会が、その信者を駆使して全国的組織的に行っている霊感商法店舗への家宅捜索に入りました。普段から多忙な上に、取材が殺到し、更新が遅れましたm(_ _)mが、重要なことなので、速報であげておきます。

ちなみに朝日新聞の報道では「統一教会関連団体?」とありますが、「?」ではありません。「統一協会」と断定的に報じてほしいと思います。

今回捜索を受けた有限会社新世の本店所在地は、東京都渋谷区渋谷1丁目24番7号 渋谷宮下パークビル601、代表取締役の田中尚樹は、6500双(1988年の合同結婚式参加組)の古参信者です。
僕が所長をつとめるリンク総合法律事務所には多くの相談があります。

警視庁は、この機会に、20年以上にわたり長年放置してきた霊感商法、すなわち「統一協会の組織的悪徳商法」に、抜本的なメスを入れてほしいと思います。

なお最近、統一協会問題で、原稿を書きました。→消費者法ニュース最新号 78号 2009年1月発行

内容
消費者庁設置を求める-統一協会裁判外高額和解報告・・・紀藤 正樹(弁護士[東京])
統一協会の責任を認めた判決の一覧(2008年11月25日時点)
・継続中の霊感商法等訴訟一覧表(2008.9.10現在)
全国霊感商法対策弁護士連絡会がICSAからローズデール賞を受賞した件についてのご報告・・・山口 貴士(弁護士[東京])
申入書(風水総合鑑定フェアについて)・・・全国霊感商法対策弁護士連絡会

ぜひ統一教会の知識を、メディアの皆さんも含め、皆さん、お読みください。

[参考]

朝日新聞:姓名判断で高額印鑑販売容疑 統一教会関連団体?に捜索 - 社会-2009年2月10日12時20分

 姓名鑑定で根拠のないことを言って印鑑を高額で売りつけたとして、警視庁公安部は10日、東京都渋谷区渋谷1丁目、印鑑などの販売会社「新世」の事務所や代表者の自宅など数カ所を特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで家宅捜索した。同社は、霊感商法被害対策に取り組む弁護士の団体から、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の関係団体と指摘されており、公安部が背後関係を調べている。

 公安部によると、新世の販売員の20代と30代の女性2人が07年10月~08年7月、渋谷駅前の路上で50代の女性3人に声をかけ、事務所で姓名鑑定を受けさせ、「よくない運勢が出ている。命がなくなる」などと根拠のないことを言い、それぞれ数十万円で印鑑を販売した疑いがある。

 販売員の女性らは、路上で通行人に「いい相が出てますね、詳しく見てあげますよ」などと声をかけ、事務所に連れて行っていたという。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、新世については、同様の手口による被害相談が04年以降で14件寄せられており、被害総額は843万6千円にのぼるという。

[参考]

高額の印鑑販売会社を家宅捜索 産経新聞2009.2.10 12:40

 10日午前、東京都渋谷区

 「このままでは命がなくなる」などと不安をあおって高額の印鑑を購入させたとして、警視庁公安部は10日、特定商取引法違反(不実告知、書面不交付)の疑いで印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)など関係先を家宅捜索した。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、新世は世界基督教統一神霊協会(統一教会)系の企業という。

 統一教会は「当法人は、宗教法人であり、その規則に従っていかなる営利事業も行っておりません。したがって、『新世』とは関係ありません」とコメントしている。

 公安部の調べによると、新世の20代と30代の女性販売員2人は平成19年10月から20年7月にかけて、JR渋谷駅前の路上で50代の女性3人に「あなたの運勢を鑑定します」などと持ちかけて事務所に連れて行き、「先祖の影響が出ている。転換期だ」「このままでは命がなくなる」「のろいから家族を守るために印鑑が効果がある」などと不安をあおり、それぞれ数十万円程度の高額の印鑑を購入させた疑いが持たれている。 公安部では、新世が同様の手口でこの数年にわたり印鑑の販売を繰り返していたとみて、押収した資料の分析を進めるとともに関係者から事情を聴き、販売実態の解明を急ぐ。

結局、2月の家宅捜索から今日(2009年6月11日)の逮捕と統一教会への家宅捜索となったわけです。

警視庁がこれだけ力を入れて掛かっているのですから、相応に厳重な捜索をすると期待したいです。

6月 11, 2009 at 11:34 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

温室効果ガス対策と、新自由主義の争い

サンケイ新聞より「経済空洞化加速の懸念 温室ガス削減目標に広がる反発

温室効果ガス削減の中期目標で政府が10日、「2005年比15%減」を決めたことに、日本経団連が「4%減」を求めるなど緩やかな目標を主張していた産業界には、反発の声が広がっている。

日本はすでに、大幅な削減を実施しており、さらなる削減は、コスト面での負担が他国より重く、「国際的に不公平」というのが産業界の主張だ。省エネ家電やエコカー“特需”への期待はあるものの、削減負担の重くない途上国への生産拠点の移転が相次ぎ、国内経済の空洞化が加速するとの懸念が高まっている。

■重厚長大産業

「国内生産の削減を迫られかねない」

国内製造業が排出する二酸化炭素(CO2)の約4割を占める鉄鋼業界は、危機感をあらわにする。

省エネ化が進んだ日本の場合、排出量を1トン削減するのにかかる費用は、政府原案の「14%減」のケースで、最大130~187ドル(1万2700~1万8300円)と、欧米諸国に比べ2~4倍にもなる。

また鉄1トンを製造するのに必要なエネルギー量は、00年時点で日本の「100」に対して、中国は「129」、インドが「132」と約3割も多く、それだけ余分にCO2を排出している。

日本が目標達成のため、生産量を減らせば、その分、中国やインドの生産が増えることになりかねない。鉄鋼連盟の市川祐三専務理事は「世界全体の排出量は結局、増大する」と警告する。

鉄鋼業界は、鉄鉱石と一緒に燃やす石炭に代わり、水素を投入する新技術などの開発を進めているが、「目標の2020年には間に合わない」という。途上国の製鉄所に省エネ技術を供与するなどで自らの排出枠を取得する取り組みにも限界がある。

すでに汎用品工場の海外移転を進めてきた化学メーカーは「ハードルが高くなれば、さらなる移転を議論せざるを得ない」(化学大手)との悲鳴が上がる。

石油業界も、ガソリン消費の減少に伴い、国内で9つの製油所が不要になる懸念があり、「安定供給の責務が果たせなくなる」(天坊昭彦・石油連盟会長)と訴える。

■自動車・電機

高い目標の達成には、ハイブリッド車(HV)などのエコカーや省エネ家電の普及が欠かせないため、自動車、電機メーカーには追い風となる。
ただ、製造過程でのさらなる削減を迫られるため、差し引きでの恩恵は不透明だ。

国内で初めて電気自動車(EV)の量産に乗り出した三菱自動車の益子修社長は「自社の排出量削減には挑戦的な目標を掲げて取り組みたいが、政府の目標は国際競争力に配慮すべきだ」と指摘する。

日産自動車の志賀俊之COOも「どんな対応でもできるが、それはお金をかけることが前提」と、コスト増への懸念を隠さない。

また高い目標設定により、燃費規制の強化などが導入されることへの警戒感も強い。深刻な自動車不況の中、人気のHVでもトヨタ自動車とホンダが激しい価格競争を繰り広げており、規制強化によるコストアップは死活問題だ。

電機メーカーでは、エコポイント制度による省エネ家電への買い替え特需への期待は大きい。シャープの森本弘環境安全本部長は「削減目標が高いほど太陽光発電や省エネ家電が重宝がられる」と話す。

ただ、世界的に需要が急増しても、国内での製造を増やせば、排出量が増えてしまうだけに、「日本での事業拡大は難しい」と、産業活性化の効果は限定的とみている。

この種の話題になると、いつも出てくる「反論」で個人的には「またか」としか思わないのですが、ニュースにする価値があるのでしょうかね。

鉄鋼など金属資源についてはリサイクルではエネルギー使用量はかなり減らすことが出来ますから、鉄鉱石から製鉄する割合を減らすのが効果的なはずです。

これは一言でいえば、コストの問題ですから、結局のところコストを上げる事で製法をシフトさせることが出来るわけで、逆に言えばコストに触らないで製法を変えることは出来ない、とも言えます。

石油価格を上昇させたことが、クライスラーとGMの破たんの引き金になったように、コストの変化こそが社会の変化を促すものでしょう。
その意味では「現在の製法では・・・」という反論は意味がないわけで、こういう記事は、わたしから見ると古典的であり誤誘導になりかねない、と思います。

ところで、最近の風潮を見ていると、新自由主義について多くの人が「間違えだっただろう」との意見だと感じますが、政府と財界は改革重視 → 新自由主義の堅持といった意見から変わっていないように思います。

新自由主義の一番の問題は、社会問題の極端な単純化にあったのではないか?と思っています。

それまでの世の中が複雑で、その複雑な状況を安定させるための機構が増えて・・・とどんどんと複雑度が増してきたことに対して、「自由にやった方が物事が素早く動くからより良くなる」というのが新自由主義の考え方でしょう。

しかし、幾ら枠組みを外して、完全自由にしたとしても、全ての物事が同じ速度で動くことは出来ない。
若者と年寄り、日常の買い物と住宅購入、事業の創業と人材育成といったように、似たような場面でもどうにも掛かる時間がまるで違うということはいくらでもあります。

それを「自由にすれば・・・」とやっても、付いてくることができないセクターが出てきます。
そういうセクターは社会において脱落していく。
この部分を大阪府知事の橋下氏は「事故責任の社会ですから」と言い放っていますが・・・。

新自由主義の「極端な単純化」はこの「脱落したセクターをどうするか?」を考えないことで成り立っているのだと思います。

しかし、脱落しなかったセクターは脱落したセクターについて全く無視することが出来るのか?と考えると、これは単純に「明日は我が身か?」と思いますよ。
つまりは、脱落するセクター(社会層)が出てくるような社会は、心理的な不安が高まるに決まっています。

わたしは、極端な単純化の果てに「そこから先は無いことにする」といったことが社会不安の根源であるのだとすると、今必要なのは「そうは言っても色々あって複雑なのだよ」という理解の共有こそが一番重要なことだと思います。

あまりに単純化し過ぎる決定は、派遣労働の拡大とか安易な事業廃止などに見られると感じますが、確かに事業そのものは状況の変化に速く対応できるし決定を単純ですが、マーケットというよく分からないものについても影響しているはずなのです。
ヘンリーフォードが従業員に高賃金を支払ってマーケットを作る、としたことの逆だと言えますが、ヘンリーフォードだって本当に高賃金を支払ったらマーケットが出来るのかはやってみなければ分からないことだったでしょう。
同様に賃金を抑制すると本当にマーケットに影響が出るのかは証明不可能な問題です。

新自由主義の真髄は「分からないことはとりあえず無視」なのだと思いますが、長期的には必ず利いてくるはずだし、マーケットなどが「同じ速度で動くようになる」ことがあり得ないのは、先に並べた通りです。

結局のところ、新自由主義とそれがもたらした「極度に単純化した論法」は社会を分断する方向にしか働かない、と言えると思っています。

今回のサンケイ新聞の記事にも「温室ガス削減の是非」的なトーンになってしまっているところが、問題だと感じました。

6月 11, 2009 at 09:15 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.10

山口県美祢(みね)市ホテルでの一酸化炭素中毒事件

山口県美祢(みね)市の一酸化炭素中毒事件について、mimonさん(悪徳商法系の掲示板などで良く存じ上げています)からトラックバックをいただきました。

毎日新聞の記事が紹介されていました。「山口・美祢のCO中毒事故:旧型のボイラー稼働 ホテル、故障後も撤去せず

山口県美祢(みね)市の山口秋芳(しゅうほう)プラザホテルで起きた一酸化炭素(CO)中毒事故で、事故当時に稼働していたボイラーは約2年前に故障で一度撤去が決まったもので、ホテルに2系統ある排気管の古い方につながれていたことが分かった。

県警は排気管の亀裂からCOが漏れたのが事故原因との見方を強め、5日も現場検証を続行。

いったんは撤去が決まったボイラーが古い排気管につながれた経緯についても調べている。

ボイラーの製造会社によると、事故時に使われていたボイラーは

99年に納入された。
07年2月にホテル側から「故障して動かなくなった」と連絡を受け、新型機と置き換え、故障機はホテル側が撤去するとしていた。
しかし、同社社員が今年4月末、新型機の修理にホテルを訪れた際、故障機が使われていることに気づいたという。

ボイラー製造会社などによると、

07年に導入した新型ボイラーは、
99年にホテルがボイラーを替えた際に、同社が据え付けたステンレス製の排気管(直径約20センチ)を使用。
古い排気管(直径約23センチ)は82年にホテルが大幅改修をしたころからあったとみられ、
99年に設置された古いボイラーも当初は新しい排気管につながれていたが、
事故時は古い排気管につながっていた。

【諫山耕、中尾祐児】

mimonさんは次のように整理しています。

ということで、少し分かりにくいので整理しますと、排気管は、

A:'82年以前に設置されていたφ230の古い物
B:'99年に敷設したφ200のステンレス製の物

の二本があり、ボイラは、

1:'99年に設置してその後故障した物
2:'07年に1のボイラの代わりに設置した物

の二台があって、
以前は、1がBに接続されていたのですが、1が故障して、2をBに接続して使うようにしていたようです。

ところが、どういうわけか、故障している1をもっと古いAの排気管に接続した所、排気が漏れて、今回の事故につながりました。

ボイラだけでなく、排気管も寿命がありますから、'99年当時使えないと判断された物に、故障しているボイラを接続したら、事故が起きて当然でしょう。しかも、口径が違いますし。

昔、山中湖あたりで、排気管から排気が漏れて、7人が一酸化炭素中毒で死亡する事故があって以来、機器を取り替えるときには、排気管も、それに適合した物に取り替えるのが当然とされています。

普通は、使えなくなった排気管は、撤去するのですが、たぶん、壁の中にあったりして、撤去できなかったのでしょう。

現時点で、今ひとつ分からないのが2台のボイラーのどちらを稼働していて事故が発生したのか?です。
警察の実験では「燃焼を開始した直後に致死量濃度の一酸化炭素が発生した」とのことなので、これは旧ボイラーが旧排気管に?がった状態で運転したときなのではないかと思いますが、その時に新ボイラーは稼働していたのか居なかったのか?が記事からは分かりません。

山口秋芳(しゅうほう)プラザホテルは廃業してしまいました。

排気ダクトの屋根側にはフタがあったとされますが、使っていない排気ダクトに雨よけのフタをするのは理解できるところで、どうも「当初は使わない」のは計画通りに進んだのでしょう。
それが、どこかで「旧型ボイラーを稼働し、排気ダクトを余っている方の吸排気ダクトに接続したようです。

そもそも、廃棄処分するはずのボイラーが数年経って稼働したのだとすると、廃棄予定であることを知らなかったとなります、もちろんもっと古い排気管にはフタがしてあることも当然知らない。

こうなると「何かをやるのに、知らないでやっていた」という恐ろしいことになります。
なんでこんなことになったのでしょうか?

6月 10, 2009 at 07:18 午後 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.06.08

学校裏サイトの監視を業者に委託

読売新聞より「「学校裏サイト」監視、民間任せの自治体相次ぐ…教師多忙で

同級生への誹謗(ひぼう)中傷など「ネットいじめ」の温床になる学校裏サイト。その監視を民間業者に委託する自治体が相次いでいる。

東京都、北海道、三重県、札幌市、宇都宮市、北九州市、東京都江東区の7自治体で、教師が多忙で裏サイトの監視やサイト管理会社との折衝に費やす時間を割けないためだ。
ただ、識者には教師自体がネットを見守る力をつけ、指導していくことが大事と指摘する意見もあり、教育現場で論議を呼びそうだ。

学校裏サイトの監視委託は、2007年頃から一部の私立中高で始まったという。
東京都は6月初め、入札を行い、都内のIT関連企業が初年度分として約1900万円で落札した。
今月中にも都下の公立小中高約2200校を対象に監視活動に入る。

江東区では独自予算を組み、この4月から先行実施している。予算は年347万円。全区立の中学(22校)の学校裏サイトが対象で、都内のIT関連企業「ガイアックス」に委託した。
同社は福岡県に置く監視センターで毎日、裏サイトへの書き込みを監視している。

同区によると、4月だけでも、「死ね」「きもいし!チビデブ」などの悪質な書き込み48件を発見。同社はそのほとんどについて、サイト運営会社に削除要請し、すでに消されたという。
見つかったものは区教委に報告される仕組みで、同区立中の男性教諭(49)は「監視してもらえれば、こちらはデータを基に、生徒指導に専念できるから助かる」と委託を歓迎する。

このほか、札幌市で5月から、市立約320校を対象に委託業者による監視が始まった。他の4自治体も秋頃までに相次いで業者委託に乗り出す。都内の区教委の担当者によると、昨年頃から「監視を請け負いたい」と業者からの売り込みが絶えないという。

「サイトをかぎ回っている」。学校裏サイトで悪口の書き込みをされた生徒の相談を受け、サイト管理会社に削除依頼をした横浜市の市立中学の教諭は昨年、同じサイト上でこんな中傷をされた。悪質な書き込みから生徒を守ろうとする教諭まで中傷の標的になることを示したこの問題は、学校関係者に衝撃を与えた。「学校だけでは対処できない現状がある」(江東区教委)との危機感が、業者委託が相次ぐ背景にあるようだ。

一方、業者委託に否定的な自治体もある。石川県教委は4月から、金沢市内の県教育センターにパソコンと携帯を2台ずつ設置。教員8人を含む対策チームで監視活動を始めた。同県教委は「民間に比べると、技術や効率で劣るかもしれないが、『先生が見ている』と生徒に感じてもらうのが大切。民間に丸投げはできない」と話す。

元群馬大教授で、ネット時代の教育を考えるNPO法人・青少年メディア研究協会理事長の下田博次さん(66)も、「ネットの書き込みは子供たちの本音。教師自身がネットを見守る力を伸ばし、子供たちを指導していくべきだ」と指摘している。

◆学校裏サイト◆

在校生らが運営するインターネット掲示板。本来は情報交換のために使われているが、匿名で級友の悪口を言い合ったり、特定の個人を中傷したり、いじめに直結することが問題になっている。文部科学省の調査によると、学校裏サイトなどを使った「ネットいじめ」は2007年度、全国で5899件(前年度比2割増)確認された。
(2009年6月8日15時00分 読売新聞)

問題点を何ヶ所も指摘できるようで、少なくとも新聞記事のタイトルが臭わせる「教師が管理するのが本来の姿だ」という主張は間違えだろう。

そもそも学校裏サイトと呼ばれる物は、非公式掲示板であって、それ自体が誹謗中傷のために作られているわけではないから、大問題に発展するような書き込み自体はそうそう見かけるものではない。
さらにこの新聞記事が取り上げているように「単語で引っかける」と言ったことでは、なかなかまともな結果がでないわけで、ちゃんと見張るのにはかなりの手間を割かなくてはならない。

そうなると、ある程度の技量がないとやってられないわけで、そこを業者に依存するというのは仕方ないところかもしれないが、どのようなところまで業者が対処するのか?という問題は簡単には決まらない。

おそらくは、この「簡単には出来ない」ということ自体を学校側が了解していないのではないか?と思う。
大変な暴言が単なるコピペであったり、何気ない一言が大事件の予兆であるなど、質的な面では学校が見ないと分からないのは確実です。
ところがそのこと自体が分からないのではないのか?と強く感じるのです。

学校裏サイトが非常に混沌とした世界を作っているのは間違えないところで、それを「チェックすれば大丈夫」と本当に思いこんでいる人たちが居るであろうところが、怖いです。

ところで、実際に事件になった例を研究した報告がありましたが、始まったのが20時で終了したのが午前3時とかで、深夜の6時間であった。というのがありました。
これでは、明らかに学校では対応不可能ですよ。

問題に対応ではなくて、予防という意味でのネットリテラシーの向上こそが重要でしょう。

6月 8, 2009 at 05:35 午後 ネットワーク一般論 | | コメント (0) | トラックバック (0)