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2009.05.09

SFCG(旧商工ファンド)元社長の破産を申し立て

朝日新聞より「SFCG元社長の破産を申し立て 隠し資産明らかに

商工ローン最大手で破産手続き中のSFCG(旧商工ファンド)の大島健伸元社長の自宅に、経営破綻(はたん)直前に親族会社が極度額(借金上限額)100億円の根抵当権を設定していたことがわかった。
債権者側は「高額な借金を装った資産隠しだ」とみている。

また、SFCGが大島元社長の親族会社に無償・格安で資産を譲渡していたことも破産管財人の調べで明らかになっており、「隠した資産の詳細を明らかにし、取り戻したい」として、同社の債権者らが8日、東京地裁に元社長の破産を申し立てた。

債権者側は「資産隠しで大島氏は債権者に損害を与えており、大島氏自身も補償する責任を負っている。同社の債務は利息の過払い分だけでも2100億円に達しており、大島氏にその支払いは不可能」としている。

新たな資産隠しが指摘されたのは、東京都渋谷区にある一等地の自宅。大島元社長の義弟が代表取締役を務める親族会社が所有している。

ところが、経営破綻(今年2月末)直前の1月30日、別の親族会社が、この土地・建物に対して極度額100億円の根抵当権を設定していた。
別の親族会社の代表取締役も義弟で、親族会社が別の親族会社から多額の借金をしている形になっている。

SFCGの破産管財人によると、この自宅はSFCGから賃料が支払われている。
建物の住居をゲストハウス、大島元社長の趣味である空手の道場を研修所名目で借りており、昨年9月まで月額1525万円支払っていたが、昨年10月から3150万円に引き上げられている。

一方、8日に破産を申し立てたのは、SFCGに約3億円に上る過払い金債権を持つ中小業者ら約70社。

申し立てによると、大島元社長は、同社の財産を親族会社に移すなどして債権者に損害を与えている。

実際、SFCGの破産管財人によると、同社に帰属しているはずの約2670億円相当の資産が元社長の親族会社など7社に、無償や格安で譲渡されていたことが判明。

さらに、同社による融資の担保物件約172億円分も格安で親族会社に売られていたとされる。(沢伸也)

4月21日(2009.04.21)に「SFCG(旧商工ファンド)破たんに際して財産隠し」を書いた時点で元会長の破産申し立てが出るの自明でありました。

報道されたときに「ここまであからさまにやれば、隠したことにならないだろう」とまで思いました。
これほど巨額であからさまな例はわたしの記憶にはなくて、どういう結末になるのか興味深いところです。

消費者庁が設置されますが、金融被害については消費者庁の管轄ではないことになっているのだそうです。
もちろん金融機関はすでに厳しく監督されているから、というのが理由ですが、消費者庁は企業と個人の取引などで商取引だから双方の立場はイコールである、という外形的な枠組みを重視しないという考え方から出てきています。

つまり、消費者庁を設置する考え方自体は、消費者庁の管轄を越えて役所を横断する形で適用されるべきだ、となります。

今回の「資産隠し」は、おそらくは「外形的に追求逃れれば結果OK」という考え方なのだと思いますが、消費者庁を設置することになる現在では、外形的な要件重視から実際面重視に判断の基準が変わっていく時代と見ることが出来て、この事件の収束がどのようになるのかは注視するべきでしょう。

5月 9, 2009 at 10:25 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.08

蟹江町の一家死傷事件の捜査は?・その3

中日新聞より「室内に不審な若い男 蟹江強殺、署員目撃

愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)と、次男(26)が自宅で殺された強盗殺人事件で、蟹江署員らが三男(25)を保護した事件発覚時、死傷した山田さんら3人とは別の若い男が室内にいたことが、蟹江署特別捜査本部への取材で分かった。

男はすぐに山田さん方から姿を消しており、特捜本部は、事件の詳しい事情を知っているとみて捜している。

特捜本部によると、蟹江署員と次男の上司ら3人が2日午後零時半ごろに山田さん方を訪ねると、両手を電気コードで縛られた上、首などを刺された三男が玄関から出てきた。

三男は「強盗です、助けてください。(室内に)あと2人残っています。犯人は逃げました」と話した。

署員は三男を近くに待機させ山田さん方の確認に戻ったところ、玄関ドアのわずかなすき間から、室内でうずくまっている不審な男を目撃。黒っぽい服装の若い男だった。

その後、署員が事件概要の連絡などをするうちに、男は室内からいなくなったという。

玄関先路上には次男の上司らがおり、男は玄関以外の出入り口から抜け出したとみられる。

三男は特捜本部の事情聴取に、男については「見覚えがない」と話している。
犯人は長時間にわたり室内にとどまっていたとみられ、特捜本部は男の行方を追っている。

一方、鈍器で頭や顔を殴られて殺害された喜保子さんの遺体は着衣がなく、体の血をきれいにふき取られた状態だったことが、捜査関係者への取材で分かった。

特捜本部は、喜保子さんを執拗(しつよう)に殴った手荒な手口と相反する犯人の行動とみて詳しく調べている。

遺体は1階和室押し入れの下段で発見され、肌着が掛けられ毛布に包まれていた。

同じ1階にある洗濯機の中や水を張った浴槽からは、血が付いた毛布やタオル、衣服などが見つかっており、特捜本部は、犯人がこの一部で喜保子さんの遺体の血をふき取り、付着した血を洗い流そうとしたとみて血痕の鑑定を進めている。

これは想像外ですね。

事件もナゾですが、捜査もナゾですよ。

どこをどうやれば、書院が目撃していたという過去形の情報になるのでしょうか?

この情報は、東京新聞・中日新聞にしか出ていませんが、それもナゾです。

【追記】

NHKニュースにも出ました。

愛知県蟹江町の住宅で一家3人が殺傷された事件で、当初、警察官が現場に駆けつけた際、住宅の中に不審な男がいたことが警察への取材でわかりました。

男は、警察官が現場から離れたすきにいなくなったということで、警察は事件にかかわっていた疑いがあるとみて捜査しています。

この事件は、愛知県蟹江町の会社員、山田喜保子さん(57)の住宅で、今月1日から2日にかけて山田さんと次男(26)の2人が殺害され、三男(25)が首にけがをして両手を縛られた状態で見つかったものです。

警察の調べによりますと、事件が発覚した今月2日の午後0時半ごろ、現場に駆けつけた蟹江警察署の地域課の警察官が住宅の中を確認したところ、被害者のほかに玄関付近にうずくまっている不審な男がいたことがわかりました。

警察官が「大丈夫ですかと」と声を掛けたところ、男は少し顔を上げただけで何も答えなかったということです。

その後、警察官は無線が鳴ったため、現場を2~3分間離れましたが、戻った際には男はすでにいなくたっていたということで、住宅裏側の勝手口から逃げたとみられています。

男は黒っぽい上着姿で、警察官は「男は被害者だと思った」と話しているということです。

警察は、男が事件にかかわっていた疑いがあるとみて行方を捜査しています。

これについて、蟹江警察署の倉知孝副署長は「警察官の行動は正しい職務執行だったと思う。
捜査上の重要な情報で、犯人にプレッシャーを与えることができると考え、公表を差し控えた」と話しています。

多くの場合、公表するでしょうが。公表しないとプレッシャーになる、ってそれは犯罪捜査というのか?

5月 8, 2009 at 10:23 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

実物経済の復権が必須だと思う。

FujiSankei Business i より「富裕層増税「もうウンザリ」 英国脱出決めるバンカーら

ヘッジファンドのトレーダーでロンドン暮らし約20年のデメトリス・エフスタシウ氏(38)は、英国を去ることに決めた。ダーリング英財務相が高額所得者対象の増税策を明らかにしたからだ。

キプロス出身で1990年にロンドンに移った同氏は「もはや、ここにとどまる理由はない。今回の増税にはもう我慢できない。英政府は金融街シティーへの関心がなくなったようだ」と語る。

≪まるでレーニン≫

ブラウン英首相は15万ポンド(約2240万円)を超える所得を対象に、40%から50%への税率引き上げを提案。
ロンドンの新聞各紙1面には「階級闘争」といった見出しが躍り、産業界からは英国の競争力が落ち、金融業界から優秀な人材が流出するとの懸念が出てきた。
同首相は、英紙デーリー・テレグラフの1面の漫画で旧ソ連の建国者レーニンにたとえられた。

会計事務所KPMGの調査では、来年実施予定の所得税引き上げで、英国の最高税率はスペインやイタリア、ドイツ、フランス、米国を上回る。また、アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)によれば、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中、税率の高さが19位だった英国は7位に急浮上する。

税率引き上げは、GDP(国内総生産)の12.4%に達する見込みの財政赤字抑制に向けた動きだ。
この比率は戦時下以外では英国で過去最高。2014年3月までの5会計年度の赤字は7030億ポンドとなる見通しだ。

≪アジアも選択肢≫

政府のオンライン上の税計算式によると、新たな税率の下、35万ポンドを稼ぐ金融機関関係者は所得税と国民保険で16万ポンドを支払う。
これは現在の支払額を2万2600ポンド上回る。英財政研究所(ロンドン)によれば、年収15万ポンド超の英人口は約35万人。

UBSのアナリスト、フィリップ・ウショワ氏は増税策には「富裕層には重税を課すという大衆迎合的な側面がある。国家が銀行や金融業界に対する怒りをあおっている」と指摘する。

英ポピュラスが成人518人を対象に実施し、今年4月24日に発表した世論調査によれば、約57%が増税に前向きな見方を示した。

ただ英国を脱出する金融関係者は、行く先々でも税金が上がる現実を目の当たりにするかもしれない。
オバマ米大統領は最高税率の35%と33%を39.6%と36%にそれぞれに引き上げたい意向だ。この最高税率は37万2950ドル(約3710万円)以上の所得が対象となる。

それでも、ヘッジファンド運用者のエフスタシウ氏は「10年には景気回復が見込まれ、魅力的な国はほかにもある。スイスやキプロス、あるいはアジアにだって行くことも可能だ。英国に残れば、手元に残せると思っている以上の金を政府に持っていかれてしまう」と語った。(Svenja O’Donnell、Mark Deen)

経済学に詳しいとは言えないが、新自由主義は経済の自由化が投資の活発化になるということであった。
この時に「投資は実物経済を豊かにする」と根拠無く楽観視したのだろうと、今になると思う。

大ざっぱな言い方をすると、投資をコントロールする金融業界が金融業界に投資するだけの話であったのではないのか?
要するに実物経済と隔絶した「投資」であった。そのために「バブル」になってしまって、それがはじけた。

上記の通りだとすると、金融業界が金融業界に投資するという連鎖から、実体経済であるモノやサービスの構築といった方向に、投資を抜け出させる必要があると言える。

投資の基礎原理は、物を作る工場を建設するための資金が必要、といったところから始まっているはずで、工場になってしまったらお金ほどフットワークが良くないから、短期的には利潤は上がらない。
いわゆる「回転率」であるが、あくまでも投資した資金がそこからは動かないから回転率が計算できるわけで、動いてしてしまうという前提だと回転率も良く分からない。
おそらくは、そこにメリットがあるとすると、実物経済に投資することを避けるようになるのではないか?

こんな事を繰り返しているのは、落語の花見酒そのもので、そうそう続くものではない。

結局、新自由主義・改革路線は、入口と出口のどちらか分からないが「片方を開けっ放しすれば、もう片方は自然とバランス取る」という根拠無き楽観論の上に構成された架空の構想だったのだと思う。

確かに、以前は「投資資金は実物経済に回る」だったから、金融を自由化すれば実物経済に市金が回ると考えたのだが、結果は実物経済がどんどん金融経済化してしまった、と評価するべきだろう。

以前、製造業などから金融中心になるのが先進国だ、などと声高に主張した人たちが何人もいたが、社会を金融だけでどうやって支えていくのか?という疑問は当時も投げられていた。
それに対する「新自由主義者」の反論は、基本的に「お金があれば実物経済に反映する決まっている」といういわば思考停止の回答であった。

結果は、投資で得た資金は実物経済に回るよりも、新たな投資に向かい実物経済に反映しなかった。
世界総バブル状態にしてしまった。

少なくとも、主に金融による富裕層を課税強化するだけでは、この状況から次の世界を作ることにならないのは明白だと思う。

どうも、投資という仕組み自体を考え直す必要があるのかもしれない。

5月 8, 2009 at 09:18 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

蟹江町の一家死傷事件の捜査は?・その2

毎日新聞より「蟹江3人殺傷:洗濯機に血の付着したTシャツ

愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、現場の脱衣場内の洗濯機に血の付いたTシャツが投げ込まれていたことが分かった。捜査関係者が明らかにした。

洗濯はまだされておらず血は洗い流されていないという。

被害者の血が付いた犯人のものか、負傷した犯人の血が付いた被害者のものである可能性が高く、県警蟹江署特別捜査本部は犯人につながる有力な物証とみて血などの鑑定を急ぐ。

捜査関係者によると、新たに洗濯機に入っていたのが分かったのは、ともに血が付いたTシャツとタオル。
これまで浴室と脱衣場からほかにもタオルと毛布、衣類が見つかっていたが、大半は洗い流された状態だった。

けがをした三男(25)は特捜本部に対し、2日未明に男に襲われた際にもみ合いとなり「男が持っていた包丁を奪ったら、相手の足に当たった」などと話しているという。

このため特捜本部は犯人が返り血を浴びた衣類を脱いだり、負傷した自分の血が付いた被害者の衣類を脱がし浴室や脱衣場の洗濯機に入れた可能性があるとみている。【福島祥、山口知、中村かさね】

【関連記事】

「蟹江町の一家死傷事件の捜査は?」で書いたのは、遺留品の発見情報が順々に出てくるから、本当に順に発見されていたのだとすると、捜査不十分以外の何ものでもないだろう、と感じるからでその象徴的なことが、遺体が押し入れから見つかったという現実です。

誰がなんと言おうと「押し入れを調べなかった」ことが不十分な捜査以外の何かをあらわしているとは言えないだろう。

百歩譲って「押し入れの遺体についてだけ、捜査しなかった」のだとすると、今度は遺留品の情報がダラダラと報道されるのは、報道機関への情報提供をコントロールしているということになる。
公表できない情報があることは犯罪捜査では大いにあり得ることだろうが、ダラダラと情報が出ることになるのか?異常だと思う。

これでは警察の捜査能力そのものが疑われてしまうではないか。

5月 8, 2009 at 08:46 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.05

通貨というのものが信用されなくなりそうだ

DIAMOND online より「米銀の黒字決算が「うまく作り上げた」とされるこれだけの理由」 辻広雅文(ダイヤモンド社論説委員)

世界的金融危機の震源地を、各国金融当局は注視している。
米国大手金融機関の第1四半期決算が、先週発表された。予想されていた通りに、好業績である。

だが、日本の金融当局幹部は、「実力以上の決算をうまく作り上げた。内実は苦しいはずだ。第2四半期は厳しいだろう」と分析する。

「うまく作り上げた」とは、どういうことだろうか。どれほど「内実は苦しい」のだろうか。

世界の注目を最も集めたのは、窮地が伝えられるシティグループの決算である。

結果は2007年第3四半期以来の黒字に転換、16億ドルの利益を上げた。この5四半期は赤字を垂れ流し、その合計は285億ドルにも上っていただけに、世界中の金融関係者にとって朗報となるはずであった。

ところが、市場の反応ははかばかしくない。それは、「うまく作り上げた」黒字だからである。

この第1四半期では、「負債評価益」という特殊な会計処理によって、シティグループは25億ドル、バンク・オブ・アメリカは22億ドル、JPモルガン・チェースは4億ドルの利益をかさ上げしているのである。

「負債評価益」とは、何か。

  1. シティが10億ドルの社債を発行したとする。
  2. ところが、金融危機に直撃され信用度が低下し、社債の価値が9億ドルまで低下した。
  3. この時点で社債を時価評価する。

具体的には、市場価格で買い戻すとしよう。購入価格は9億ドルだから、発行額の10億ドルとの差額1億ドルが発生する。それを利益として計上できる、という会計処理方法である。

これは、米会計基準「FAS159」が認める合法的処理である。

企業の資産を再評価する場合、社債などの負債もその対象とするべきだという主張は、一見論理が通っている。

だが、現実的には成り立たない、無理筋の解釈であろう。

業績が悪化すれば手元資金が細り、社債などを買い戻すにはリファイナンスが必要となる。
だが、応じてくれる金融機関はないはずだ。

そもそも、業績が落ち、信用を失えば失うほど利益が上がるという会計処理が、健全な基準であるはずがない。

シティグループの決算から負債評価益の25億ドルを差し引くと、9億ドルの最終赤字に転落していたことになる。市場が良い反応をしないはずである。

18億ドルの利益を上げたゴールドマンサックスの決算も、その利益水準が持続可能だとはとても言えない。

ゴールドマンは米政府から公的資金を投入される際、銀行業に業種転換するのに伴い、決算期を変更した。

  1. 四半期決算を従来の12月~2月から1 月~3月にしたのである。
  2. 1か月後ろにずらすことによって、12月の月次決算は反映されていない。
  3. ほとんど報道されていないが、12月単月決算は1~3月決算書に小さく注記されていて、実は10億ドルの赤字である。決算月の変更で、この赤字は巧みに捨象されているのである。

1月~3月の好決算は、市場部門の好調に支えられている。1~3月の金利、為替、債券などの市場は、実に読みやすい動きを繰り返す「素人相場」であった。
素人相場とは、素人でも勝てるようなわかりやすい相場のことである。
このチャンスに元来リスクテイカーとして有名なゴールドマンは、可能な限りポジションを膨らませた。
そして、賭けに勝った。「決算をうまく作りあげた」のである。

加えて、ベアスターンズもなく、リーマンもなく、バンカメに吸収されたメリルリンチも信頼を失うというライバル不在のなかで、顧客はゴールドマンとJPモルガンに群がった。その優位も存分に生かした。

したがって、ゴールドマンらしさを存分に発揮したともいえるが、市場の動きが鈍くなったり、あるいは複雑化して読みにくくなればトレーデイングの機会は激減してしまうから、とても経営を安定させる戦略が展開されたとは言えないのである。

JPモルガンもゴールドマンと同様の理由で、トレーデイング部門が21億ドルの利益計上に貢献した。

だが、JPモルガンには商業銀行としての不良債権問題がのしかかる。実際、この第1四半期でも消費者金融への引当金を大幅に積み増している。

シティグループに話を戻せば、クレジットコストが103億ドルで前年同期比76%増である。

主にはクレジットカード部門の不良債権処理費用である。各行ほとんどが貸倒引当金の繰入額を増加させており、今後は個人、法人問わずデフォルトが急増し、あらゆるローンが不良債権化する危険が、決算書から読み取れるのである。
米国大手金融機関で唯一赤字であったモルガンスタンレーの商業用不動産処理も、その兆候の一つかもしれない。

「黒字をうまく作り上げた」要素を、もうひとつ挙げよう。
今四半期決算から、時価会計ルールが変更されている。

これまで金融機関を悩ませ続けてきた証券化商品の評価方式が時価会計から、各行の内部モデル評価に変更されたのである。
例えば、市場価格が1ドルであっても、内部モデルによれば2ドルという違いがあり得る。

市場は時にオーバーシュートする。

今回の金融危機ではいまだ証券化商品の買い手が現れず、市場が機能不全に陥っていて、適正価格が形成されない。こうした異常時には、内部モデルによる評価も選択肢としてはありえるだろう。

だが、現時点では各行の内部モデルの妥当性がわからない。
当局がチェックしているかどうかも不明だ。
したがって、決算には不透明感が付きまとう。
少なくとも、内部モデル評価と時価評価を両方記載すべきであろう。
そうでなければ、投資家あるいは市場に対して極めて不誠実であり、信頼は取り戻せない。

米国財務省は今、金融機関のストレステスト(資産査定)を進めている。ストレステストの結果、資本不足に陥っていると判断した金融機関には、再び公的資本注入を行わなければならない。だが、公的資金枠の残りは少なく、追加出資を議会は容易に認めない、という厳しい状況にある。

国際金融市場と米銀経営に詳しい倉都康行・RPテック代表は、米銀の第1四半期決算を、「(会計ルールの変更を認めた)政府と市場の二つに救われた」と総括し、「実力だけで決算をすれば、各行ともに赤字だったろう。
だが、それがむき出しになれば、マーケットが混乱、暴落しかねない。
そうなれば、比較的健全な銀行も自力増資が難しくなる。財源が乏しくなってきている財務省にすれば、何としてもマーケットに持ちこたえてほしい。だから、あらゆる“支援 ”をする」と解説する。

だが、本格的な不良債権の増加を、財務省が阻むことはできない。第2四半期以降の決算は、決して楽観できないものとなる可能性が高い。

片方で、GMが倒産か?という状況で、いきなり黒字と出てきたので???であったのですが、こんな仕組みであったとは、知りませんでした。

個人的には、すでに経済と貨幣が離れてしまったのではないのか?という超根本的な疑問を持っています。

この記事に紹介されている「そもそも、業績が落ち、信用を失えば失うほど利益が上がるという会計処理が、健全な基準であるはずがない。」といった処理までが認められしまっては、取引そのものや経済の尺度しての貨幣の価値とは言えないのではないか?

現時点では他に評価のしようがないから、ドル、ユーロ、といった国際的に通用する貨幣で経済の規模などを評価しているわけだが、投資と金利が実際の物の生産やサービスの拡大などに無関係に発生しても、それではいわば帳面の上の計算と言えるのではないのか?

保有している通貨が経済の価値を示す物だとするのであれば、評価の対象となる「経済」とは何なのか?
良く言われることであるが、原油先物の取引量は生産量をはるかに上回っています。
そうなると、物理的に商売が成り立たないところでやっているわけだから、全体として取引量ではなくて生産量で評価しないと分からない、とも言えるでしょう。

こんなことあらゆる場面で拡大したのが「新自由主義」だと感じるわけです。

こんなことを重視していたら、人材投資なんて出来ませんな。
投資姿勢に、超短期的から超長期的なところまでも漏れなくカバーすることが必要なのに、新自由主義は投資姿勢そのものまで投資の評価にするようなことにしてしまった。
派遣労働者の方が人件費が高いが長期投資よりは安全だ、というのが派遣労働を企業が使う理由ですが、肝心の人材育成は超長期の投資行動であって「企業はそんなことは知らないよ」と言った良いのか?という評価がない、のが現状ですね。

5月 5, 2009 at 09:50 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

蟹江町の一家死傷事件の捜査は?

朝日新聞より「財布と通帳奪わず 洗面台に包丁 愛知・強盗殺人

愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)方で、喜保子さんと次男(26)が殺害され、三男(25)がけがをした強盗殺人事件で、自宅のものとみられる包丁が殺害に使われ、洗面所に残されていたことが4日、県警特別捜査本部への取材でわかった。

特捜本部は、それぞれ3人分の通帳と財布が室内で見つかったと発表。金銭目的とともに、家族に対する恨みによる犯行の可能性も視野に、犯人像の絞り込みを急いでいる。

4日の司法解剖では、事件発覚翌日の3日に自宅1階和室の押し入れから見つかった喜保子さんの死因が、頭を鈍器で複数回強打されたことによる外傷性脳障害だったこともわかった。

背中にあった刺されたような傷は鈍器による擦り傷で、後頭部などを繰り返し殴った際にできたとみられる。首にひも状のもので絞められたことを示す跡も残っていたという。

発表によると、通帳はそれぞれ喜保子さん、次男のケーキ店店員の次男、三男の会社員の名義で、財布も3人のものと確認した。複数の財布に現金が残されていたという。

三男が襲われたという玄関では、三男の財布と1万円札が裸の状態で落ちていたのが見つかっている。

捜査関係者によると、自宅台所にはふだん、包丁数本があったが、事件後、1本がなくなっていた。

一方、洗面所の包丁は洗面台にあり、血を洗ったような跡が残っていた。
刃の形状が次男が負った傷の形と対応していることから、特捜本部は次男殺害に使われた凶器と判断した。

三男は特捜本部の事情聴取に対して、「犯人に襲われた際、口を粘着テープでふさがれた」と話しているという。
テープは意識を回復した際に自力で外したと説明しており、室内の現場検証でもテープは見つかった。

血のついた衣類も室内に散乱しており、特捜本部は殺害された喜保子さんや次男らの衣類なのか、犯人が犯行後に脱ぎ捨てたものなのか、調べている。

三男は1日午後7時50分ごろまで勤め先の清涼飲料関係会社で仕事をして、同8時ごろに帰宅。
服を着替えて友人との飲食に出かけ、2日午前2時過ぎまで飲んだ後、同2時半ごろ帰宅。玄関で靴を脱いでいたときに、男に背後から襲われた。たくし上げられた上着をかぶせられ、電気コードのようなもので手首を緊縛されたという。

喜保子さん、次男、三男は3人暮らし。

事件は、次男が2日朝に出勤しないことから、同日正午前、店長が「店に出てこない」と蟹江署の交番に届け出て発覚。

店長と警察官が自宅に駆けつけた際は玄関が施錠されており、三男が中から鍵を開けて、警察官が首を刺された三男の体の前に巻かれていた手首のコードをほどいた。
次男は1階和室の布団のうえで背中を刺されて死亡していた。玄関の鍵は、自宅敷地内の玄関先から見つかった。

喜保子さんは1日夜から翌日にかけて殺害されたとみられる。喜保子さんの遺体発見が3日になったことについて、特捜本部は「犯人の遺留品の証拠収集に神経を使い、優先したため」と説明している。

この事件は、5月2日に発覚していますが、遺体発見が5月3日であり、凶器の発見がそれ以降というのは犯罪捜査の速度としては遅すぎるのでは無いだろうか?

当初の報道のトーンは「母親が行方不明」であって、まるで母親が息子らを刺して逃走したかのようなトーンであった。
ところが翌日の3日になって、押し入れから遺体が出てきたから、強盗殺人事件として特捜本部を設置した、そうしたら今度は財布が取られていないからとして、怨恨説が浮上してきた。

まるで「世田谷の一家殺人事件」の時の展開とそっくりではないか?と感じてしまう。

少なくとも、翌日になって遺体を発見する捜査というのはおかしくないか?
特捜本部は「犯人の遺留品の証拠収集に神経を使い、優先したため」と説明している。と言うが、それが押し入れの中を確認しなかった理由の説明になっていないのは自明だろう。

今後の捜査の進展を予測してみると、色々と考えられるところではあるが、現段階まではヘンな推測の下に特定の方向に捜査を進めて、ひっくり返されているように見える。
捜査と言うからには、幅広く捜査するのが本筋ではないのか?科学捜査がどうのこうのと言う以前に、犯罪捜査の基本的なところで何かがヘンだと感じます。

【訂正】

まるで「杉並の一家殺人事件」の時の展開とそっくりではないか?と感じてしまう

と書いてますが、世田谷の勘違いでした。読み直して気づいたので訂正します。

5月 5, 2009 at 09:03 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.05.04

ネパールの政情は?

朝日新聞より「ネパール政情不安 毛派が国軍トップ解任

【ニューデリー=武石英史郎】
ネパール共産党毛沢東主義派(毛派)が率いるネパール政府は3日、かつて内戦で戦火を交えた国軍のトップである陸軍参謀長の解任を決めた。しかし、連立を組む他の与党各党は反発し、うち2党が政権離脱を決定。
毛派中心の連立政権は発足からわずか8カ月で、崩壊の瀬戸際に立たされている。

毛派は06年に10年間に及んだ武装闘争をやめ、内戦が終結。
その後、毛派と各政党の協力で選挙の実施や王制廃止などが実現した。
毛派は08年の制憲議会選挙で勝利して連立政権を組織したが、両者の亀裂が再び深まれば、新憲法制定などの重要課題が頓挫する可能性もある。

現地からの情報によると、毛派議長のダハル(通称プラチャンダ)首相が率いるネパール政府は3日の閣僚会議で、かねて毛派政府の意向を無視し続け、クーデターの企ても報じられた国軍トップのカタワル陸軍参謀長の解任を決め、後任に毛派寄りとみられる副官を指名した。

毛派と国軍は、06年に包括和平協定が成立した後も、約1万9千人の毛派軍兵士の扱いをめぐり、火種を抱えていた。
毛派が、毛派軍兵士全員を国軍に統合させる方針を示したのに対し、毛派に嫌悪感を抱く国軍は今年に入って毛派以外からの新兵募集を強行し、毛派の怒りを買った。

国軍はさらに、毛派出身のタパ国防相の承認を得ないまま軍幹部の任期を延長したり、師団長会議を勝手に招集したりするなど独自色を強め、毛派は命令に従わないカタワル参謀長の解任手続きに入っていた。

4月24日には地元紙が、参謀長解任の動きに対し国軍がクーデターを計画していたと報じるなど、国軍側の反発は強かったが、毛派が解任を強行した形だ。今後、毛派と国軍との間にしこりが残るのは必至だ。

一方、連立与党内では、毛派を除く全4党が参謀長解任に反対して3日の閣僚会議をボイコット。
与党第2党の統一共産党など2党が政権離脱を発表した。

同党の事務所にはその後、最大野党のネパール会議派を含む「非毛派」の17政党が集まり、対応を協議した。

毛派は昨年4月の制憲議会(定数601)選挙で220議席を獲得し、第1党になったとはいえ、過半数には届かなかった。さらに連立からの離脱が続けば政権は崩壊し、「非毛派政権」が誕生する可能性がある。

毛派対非毛派」の構図になれば、和平以前の状況への逆戻りになりかねない。毛派の議席が3分の1を超えている以上、3分の2以上の賛成が必要な新憲法の制定も一筋縄ではいかなくなる。

首都カトマンズでは、解任に対する抗議デモが始まった。一方、地元紙の電子版は、国内28カ所の駐屯地で国連監視下にある毛派部隊に対し、同派指導部から緊急態勢を敷くよう指示が下りたと伝えた。

■ネパール内戦

毛派が96年、王制打倒を目指して武装闘争を開始。
06年4月、当時のギャネンドラ国王の強権政治に対する主要政党による抗議運動が成功し、国王は下院を復活せざるを得なくなった。
これを受け、新政権と毛派が制憲議会選挙の実施などで合意。同年11月、両者が和平協定に署名して内戦が終結した。

■ネパール政局を巡る主な動き

96年毛派が王制打倒を目指す武装闘争開始
01年王宮内でビレンドラ国王ら9人射殺。実弟のギャネンドラ王子が国王に即位
02年国王が下院解散
05年国王が全閣僚解任。直接統治に
06年抗議運動が広がり下院復活。新政権が毛派との内戦終結
07年暫定憲法に共和制移行を明記
08年制憲議会で王制廃止。選挙で第1党となった毛派中心の連立政権発足

2008年に王政廃止を決めて、それなりに安定するのかと思っていたら、政権与党内の対立が激化したと言うことなのでしょうか?
ネパールの地域情勢までは理解していないので、地域間対立がどの程度のものか分かりませんが、

毛派が、毛派軍兵士全員を国軍に統合させる方針を示したのに対し、毛派に嫌悪感を抱く国軍は今年に入って毛派以外からの新兵募集を強行し、毛派の怒りを買った。

と言うのでは、地域間対立の激化か?とも思ってしまいます。

2001年の宮廷内ので射殺事件もナゾのままで、当然王室の権威は大きく傷つき、2007年の共和制移行、2008年の王政廃止の流れになっても、それ自体が各派の妥協の産物であった様子で、いまだに安定にはほど遠いのかな?と感じるところです。

5月 4, 2009 at 09:37 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)