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2009.05.02

東京スポーツの加護亜依報道から

紀藤弁護士がこんな記事を書いています「今日は韓国で会議です。

統一教会問題について、日韓で話し合われました。

日本の統一協会問題は、簡単にまとめると

1 詐欺脅迫的勧誘
2 正体を隠した浸透

の二つで、これらが複雑にからんで、霊感商法、違法伝道、違法な合同結婚式勧誘、家族問題などの被害を生みますが、韓国では統一協会は、異端中の異端で1ができませんから、2の問題しかありません。

今回の「加護ちゃん(加護亜依さん)の件」も、2の問題ですから、韓国でも大きく興味を持たれていました。

加護ちゃんは中卒だそうです。アイドルを優先させた結果だと思いますが、勉強したい気持ちが出てくるのも自然な成り行きだと思います。

僕は、本当に運よく、大学院まで行くことができ、大学・大学院では、いろいろ学ばせてもらいました。

加護ちゃんの勉強したい気持ちを利用する、統一協会=統一教会は、とても卑劣です。

ただ今回の報道、報道がなかったなら、加護ちゃんが、知らずに、統一協会=統一教会の懐に飛び込んでいった可能性があるだけに、大事に至らぬ今のうちになされて、本当に、よかったと思います。

加護亜依にまたトラブル、「通学中の学校母体が統一教会と関係」報道。
2009/04/28 23:21 Written by Narinari.com編集部

2006年と2007年の喫煙騒動や、今年1月の俳優・水元秀二郎との不倫報道、それに伴う元妻との裁判など、なにかと身辺が騒がしい状態が続く加護亜依に、またトラブルが降りかかった。加護亜依が通学中のアメリカンスクールに関連する米国の大学が、統一教会と密接な繋がりがあることがわかり、所属事務所が法的措置を検討していると、4月29日付けの東京スポーツが一面で報じている。

東京スポーツによると、トラブルの発端は加護亜依が高校卒業の資格を取るためにアメリカンスクール「青山インターナショナルアカデミー(AIA)」に通い始めたこと。この学校は米国の「ブリッジポート大学」の下部組織にあたる「ブリッジポートインターナショナルアカデミー(BIA)」の分校という位置づけで、加護亜依の所属事務所「メインストリーム」が留学事業を始めた2004年から業務提携を結んでいる関係だという。

ところが「ブリッジポート大学」は2002年まで統一教会から多額の寄付を受けていただけでなく、統一教会の幹部が大学幹部に名を連ねていた大学だった。このことは所属事務所側も把握し、また、ネットでも「ブリッジポート大学統一教会」と検索をするだけでさまざまな情報が出てくるが、東京スポーツは2002年以降も統一教会関係者が同大学で講演を行っていることを突き止め、統一教会の広報から「直接的関係はありませんが、友好関係にはあります」とのコメントを引き出したそうだ。そのため、もし加護亜依と所属事務所が2002年以降の両者の繋がりに気付かないまま「ブリッジポート大学」に留学することになっていたら、知らず知らずのうちに広告塔になっていたかもしれないと同紙は指摘している。

「AIA」を紹介しているオールアバウトの「留学・インターンシップ」ガイドによると、「ブリッジポート大学」はニューヨークとボストンの間にある大学で、「アメリカの中でも留学生の受け入れ率が一番高い国際的な大学として知られ、世界91カ国、全米34州から学生達が集まっています」とのこと。また、同ガイドによるインタビューで、加護亜依は「時間がうまく合えば、留学も経験してみたいですね」と将来の留学にも意欲をのぞかせていた。

加護亜依は今年1月から「加護亜依のアメリカンスクール卒業を目指して!」と題したブログを立ち上げ、「AIA」でのスクールライフをつづっている。東京スポーツによると、加護亜依の所属事務所は留学事業を始める際に「現在は統一教会とは関係ない」と大学側から説明を受けていたことから、法的措置も検討しているそう。そのため、「AIA」で勉強後、「ブリッジポート大学」に留学するというプランは完全に潰えたものと見られる。英語の習得に意欲を燃やし、留学も視野に入れていた加護亜依にとっては、なんとも気の毒な騒動となってしまった。

ちょっと前に「加護亜依」という記事がスポーツ紙で流れたように覚えていたのだが、それが実はこの事件だったわけだ。

そこで子細に読んでみると、

トラブルの発端は加護亜依が高校卒業の資格を取るためにアメリカンスクール「青山インターナショナルアカデミー(AIA)」に通い始めたこと。
この学校は米国の「ブリッジポート大学」の下部組織にあたる「ブリッジポートインターナショナルアカデミー(BIA)」の分校という位置づけで、加護亜依の所属事務所「メインストリーム」が留学事業を始めた2004年から業務提携を結んでいる関係だという。

ブリッジポート(Bridgeport )と言えば、わたしにはこちらの方がなじみ深いのだが、University of Bridgeport についてはこんなページにぶつかってしまった。


 <交流協定大学現況>                                                                          (2008. 5. 現在)

国家名

大学名

締結日

締結内容
Korea(16) 靑雲大学 2000-04-25 学術及び教育に関する協定
淸州科学大学 1998-09-08 連携教育
淸州大学 2002-04-13 学術教育協定
アジュ自動車大学(旧大川大學) 2002-04-13 学術及び教育に関する協定
韓国ポリテクⅣ洪城大学 2002-05-14 学術及び教育に関する協定
国立益山大学 2002-11-08 学術及び教育に関する協定
舟城大学 2002-12-12 学術及び教育に関する協定
金泉科学大学 2002-10-01 学術及び教育に関する協定
公州映像情報大学 2002-09-18 学術及び教育に関する協定
光州?子大学 2000-12-20 学術及び教育に関する協定
水原?子大学 2002-10-22 学術及び教育に関する協定
清心神学大学院大学 2005-03-02 学術及び教育に関する協定
光云大学 2005-12-15 学術及び教育に関する協定
弘益大学 2006-04-20 学術及び教育に関する協定
韓国ポリテクIV牙山大学 2006-09-25 学術及び教育に関する協定
韓国ポリテクIV大学 2006-05-10 学術及び教育に関する協定
Afghanistan(2) Bamiyan University 2006-05-23 学術及び教育に関する協定
Ningerhar University 2006-05-30 学術及び教育に関する協定
Australia(2) Monash University 2000-07-26 語学研修に関する協定
Griffith University 2001-09-24 語学研修に関する協定
Belarus Minsk Institute of Management 2003-02-07 学術及び教育に関する協定
Brazil Universidad Federal De Mato Grosso Do Sul 1997-08-05 学術及び教育に関する協定
Bulgaria Sofia University "St. Kliment Ohridski" 2005-03-10 学術及び教育に関する協定
Canada(4) St. Mary's University 2000-08-23 学術及び教育に関する協定
Memorial University of Newfoundland 2000-08-23 語学研修に関する協定
University of Regina 2001-09-24 語学研修に関する協定
World Education College of Applied Theology 2001-08-20 学術及び教育に関する協定
China(19) Dalian University 1995-09-28 学術及び教育に関する協定
Liaoning University 1996-04-24 学術及び教育に関する協定
Liaoning Normal University 1995-09-30 学術及び教育に関する協定
Heilonjiang University 1995-09-30 学術及び教育に関する協定
Shenyang University 2001-04-05 学術及び教育に関する協定
Shaanxi University 2001-04-07 学術及び教育に関する協定
Qufu Teachers University 2001-04-09 学術及び教育に関する協定
Shanghai Institute of Ceramics, Chinese Academy of Science 2001-09-24 学術及び教育に関する協定
Yantai Normal University 2002-10-01 学術及び教育に関する協定
Chongqing University of Posts and Telecommunications 2005-10-19 学術及び教育に関する協定
Sichuan University 2005-03-01 学術及び教育に関する協定
Shenyang Normal Universitiy 2005-06-02 学術及び教育に関する協定
Shandong University at Weihai 2005-05-17 学術及び教育に関する協定
Hangzhou Dianzi University 2006-01-09 学術及び教育に関する協定
Harbin Institute of Technology at Weihai 2006-10-16 学術及び教育に関する協定
Shanghai Normal University 2006-12-14 学術及び教育に関する協定
East China University of Science & Technology 2007-05-28 学術及び教育に関する協定
East China Normal University 2007-05-28 学術及び教育に関する協定
Shanghai University of Sport 2007-01-08 学術及び教育に関する協定
Cambodia Royal University of Phnom Pehn 2003-08-28 学術及び教育に関する協定
Colombia La Pontificia Universidad Javeriana 1998-06-29 学術及び教育に関する協定
Costa Rica Magister University 2000-02-14 学術及び教育に関する協定
Cote d'ivoire University of Bouare 2002-03-24 学術及び教育に関する協定
Estonia(2) Tallinn Technical University 2002-05-06 学術及び教育に関する協定
Tallinn College of Engineering 2004-03-16 学術及び教育に関する協定
India Rajagiri College of Social Sciences 2003-07-11 学術及び教育に関する協定
Indonesia(4) Universitas Kristen Indonesia 2000-01-18 学術及び教育に関する協定
Hasanuddin University 2000-07-24 学術及び教育に関する協定
Yogyakarta State University 2002-02-25 学術及び教育に関する協定
The State Institute of Islamic studies 2002-02-26 学術及び教育に関する協定
Japan Jumonji University of Japan 2005-10-25 学術及び教育に関する協定
Kazakhstan(2) Almaty Railway Institute of Engineering 1993-11-15 学術及び教育に関する協定
Kazakh State Academy of Architecture and Construction 1993-11-15 学術及び教育に関する協定
Kenya University of Nairobi 2002-09-23 学術及び教育に関する協定
Malaysia Universiti Kebangsaan Malaysia 2001-09-19 学術及び教育に関する協定
Moldova Ion Creanga State Pedagogical Univ. 2002-03-22 学術及び教育に関する協定
Mexico Universidad De Guadalajara 1999-10-14 学術及び教育に関する協定
Mongolia(4) National University of Mongolia 2000-10-16 学術及び教育に関する協定
Health Science University 2004-09-24 学術及び教育に関する協定
Chinggis Khaan University 2005-04-27 学術及び教育に関する協定
Mongolian State University of Agriculture 2007-09-04 学術及び教育に関する協定
Nepal(2) Tribhuvan University 1997-05-10 学術及び教育に関する協定
Kathmandu University 2002-02-14 学術及び教育に関する協定
New Zealand University of Otago 2000-01-22 学術及び教育に関する協定
Philippines(6) Polytechnic University of the Philippines 1999-11-25 学術及び教育に関する協定
Gregorio Araneta University 1999-11-24 学術及び教育に関する協定
Lyceum Northwestern University 1999-11-26 学術及び教育に関する協定
Philippines Women's University 2002-03-11 学術及び教育に関する協定
Comteq Computer College, Philippines 2005-11-28 学術及び教育に関する協定
University of Cebu 2007-06-12 学術及び教育に関する協定
Russia(9) Pacific National University 1995-12-12 学術及び教育に関する協定
Far Easten State University of Humanities 1998-10-14 学術及び教育に関する協定
Moscow State University of Technology STANKIN 1994-12-12 学術及び教育に関する協定
Moscow State Industrial University 1996-08-12 学術及び教育に関する協定
Tver State University 1992-12-10 学術及び教育に関する協定
Bauman Moscow Technical University 1999-06-07 学術及び教育に関する協定
Omsk Technical University 2001-10-07 学術及び教育に関する協定
Irkutsk Sate Linguistic University 2007-12-14 学術及び教育に関する協定
The Far Eastern State Transport University 2008-02-01 学術及び教育に関する協定
Suriname Anton de Kom University 2002-10-22 学術及び教育に関する協定
Taiwan(2) Chinese Culture University 2000-02-09 学術及び教育に関する協定
National Open University 1999-02-14 学術及び教育に関する協定
Thailand(2) Silpakorn University 2000-08-20 学術及び教育に関する協定
King Mongkut's Institute of Technology, Ladkrabang 2002-02-22 学術及び教育に関する協定
Turkey Hacettepe University 2002-03-18 学術及び教育に関する協定
Ukraine(4) Kiev Polytechnic Institute 1994-08-03 学術及び教育に関する協定
Ukrainian Institute of International Tourism 1995-08-21 学術及び教育に関する協定
Institute of Semiconductor Physics of Ukraine Academy  of Science 1996-07-02 学術及び教育に関する協定
European University of Ukraine 2003-07-11 学術及び教育に関する協定
U.S.A.(4) University of Bridgeport 1994-06-23 学術及び教育に関する協定
Unification Theological Seminary 1995-11-20 学術及び教育に関する協定
Hawaii Pacific University 2001-01-24 学術及び教育に関する協定
State University of New York New Paltz 2003-02-14 学術及び教育に関する協定
Uzbekistan(6) Tashkent State University of Oriental Studies 2001-07-19 学術及び教育に関する協定
Tashkent State Institute of Textile and Light Industry 2002-11-22 学術及び教育に関する協定
Tashkent State Institute of Culture 2002-11-22 学術及び教育に関する協定
Tashkent State University of Economics 2002-11-22 学術及び教育に関する協定
Termez State University 2002-11-22 学術及び教育に関する協定
Samarkand State Architectural and Civil Engineering Institute 2002-11-22 学術及び教育に関する協定
Vietnam(4) Vietnam National University, Hanoi 2000-10-26 学術及び教育に関する協定
Hanoi University of Technology 2001-09-28 学術及び教育に関する協定
Thai Nguyen University 2002-07-29 学術及び教育に関する協定
Vietnam National University - Ho Chi Minh City Social Sciences & Humanities 2003-11-27 学術及び教育に関する協定
Venezuela Universidad Simon Bolivar 2002-04-22 学術及び教育に関する協定
総計 35カ国、111大学 (情報機関及びその他の機関は除く)  

これは鮮文大学校のHPにある、交流協定大学及び機関のページにある表です。

University of Bridgeport は確かにこの中にリストされています。

東京スポーツの報道だと

発端は加護亜依が高校卒業の資格を取るためにアメリカンスクール「青山インターナショナルアカデミー(AIA)」に通い始めたこと。

この学校は米国の「ブリッジポート大学」の下部組織にあたる「ブリッジポートインターナショナルアカデミー(BIA)」の分校という位置づけで、加護亜依の所属事務所「メインストリーム」が留学事業を始めた2004年から業務提携を結んでいる関係だという。

ところが「ブリッジポート大学」は2002年まで統一教会から多額の寄付を受けていただけでなく、統一教会の幹部が大学幹部に名を連ねていた大学だった。

このことは所属事務所側も把握し、また、ネットでも「ブリッジポート大学統一教会」と検索をするだけでさまざまな情報が出てくるが、東京スポーツは2002年以降も統一教会関係者が同大学で講演を行っていることを突き止め、統一教会の広報から「直接的関係はありませんが、友好関係にはあります」とのコメントを引き出したそうだ。

そのため、もし加護亜依と所属事務所が2002年以降の両者の繋がりに気付かないまま「ブリッジポート大学」に留学することになっていたら、知らず知らずのうちに広告塔になっていたかもしれないと同紙は指摘している。

この部分こそが、紀藤弁護士の言う「2 正体を隠した浸透」だというわけですね。
そういう見方をすると、これほど多くの大学と協定を結んでいるのも何となく分かってきます。

もちろんこんなに大規模にことを行うのは、何をおいてもお金が必要となりますから、大企業だって容易に出来ることではない。
それが宗教だと出来てしまうと言うことでしょう。統一協会(教会ではない)の問題というかカルト宗教の問題というかではありますが、こんな実情はほとんどの人は知らないわけです。

5月 2, 2009 at 12:39 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (1)

著作権を読ませない権利としたい文化人

町村先生の Matimulog 4月29日の記事に「google和解に日本評論社も参加」があります。
ということで、日本評論社で本を出したり、執筆分担したことのある人は、下記のページを見るとよい。
弊社刊行書籍の著作権者の皆様へ

この問題について、当社は次のように考えています。

Googleがすでにデジタル化作業を行なった書籍には、当社が刊行した書籍も1400点前後含まれているようです。現在その詳細を調査中ですが、当社としてはこの和解に参加するつもりでおります。

和解を拒否して蚊帳の外に出るよりも、全世界を巻き込んだネット社会化の中で、著者と出版社の立場、権利を守りつつ、ネット上の書籍の展開についても前向きに取り組んでいくためにも、和解に参加することが必要だと考えたためです。

なお、デジタル化された個別の書籍のデータを2011年4月5日までに申し出て削除させる、あるいは時期を問わず個別の書籍の本文表示利用を止めるよう申し出るという手段を取ることについては、できるかぎりそのようにしたいと考えています。

ということで、グーグルブックサーチから本文表示利用をさせない、またはデータを削除させるようにしたいということなのだが、ブックサーチでヒットした方が著者としても出版社としても得ではないか?
なぜ、削除させなければならないのか、よく分からないところである。

上記サイトにリンクされたエクセルファイルに、グーグルブックサーチでデジタル化されている日本評論社の本が一覧されているが、私が執筆に加わった本も含まれているではないか!

これにはわたしもコメントしていて

コメント

    ということで、グーグルブックサーチから本文表示利用をさせない、
    またはデータを削除させるようにしたいということなのだが、
    ブックサーチでヒットした方が著者としても出版社としても得ではないか?
    なぜ、削除させなければならないのか、よく分からないところである。

この部分が一番のナゾでして、突き詰めると「著作権」とは「読ませない権利」となるのかな?と考えたりして。

投稿: 酔うぞ | 2009/04/30 11:36

現実的な対応としても、

全く不思議ですよね。

でも法的には、おっしゃるとおり、「著作権」とは「コピーさせない権利」が基本ですので、それを大事にする余り、あちこち手を伸ばして、ついには読ませない権利と化してしまう傾向にあります。

こうやって自分たちの首を絞めていることを、一部の著作者は気付いておらず、気付いている著作者は流通事業者の権利保護追及で読まれる機会が損なわれることに苦々しい思いをしていることでしょう。

投稿: 町村 | 2009/04/30 13:03

なんてやり取りをしていました。そうしたら朝日新聞にこんな記事が「米グーグルへ怒りと危機感 詩人・谷川さんらが会見

インターネット検索最大手の米グーグルが進める書籍検索サービスについて、詩人の谷川俊太郎さん、作家の三木卓さんらが30日、東京都内で記者会見し、著作権侵害の恐れがあると危機感を訴えた。

谷川さんは「利用に応じてどれだけの著作権料が支払われるのかが不透明。グーグルはやり方が一方的で、グローバリズムのごうまんさを感じる」。
三木さんは「ネットは公共のものというイメージがあるが、ネット上でどう作品を扱うか決めもしないのは納得がいかない。一種の文化独裁だ」と怒りをあらわにした。

このサービスを巡っては、著作権侵害を訴える米国の作家らが起こした集団訴訟が和解で決着。
この効力が日本にも及ぶことになった。

これに対し、谷川さんら日本ビジュアル著作権協会に属する会員180人が和解集団からの離脱を通知した。
代理人の鈴木淳司・米カリフォルニア州弁護士は「和解すれば、なし崩し的に商業利用される恐れがある。ゼロベースで交渉したい」と述べた。

離脱通知の期限は当初、5月5日だったが、ニューヨーク連邦地裁は28日、申請期間を9月4日までに延長した。

一方、日本文芸家協会は会員らに意思確認の調査を行い、4月27日の時点で回答者の8割強に当たる2197人が「和解した上でグーグルの書籍データベースからの著作物の削除を望む」と回答している。(小山内伸)

どう考えても、ネットは情報の流通手段に過ぎないのだから、ネットによって文化の流通が促進されるのは文化独裁の逆だろう。

結局は

谷川さんは「利用に応じてどれだけの著作権料が支払われるのかが不透明。グーグルはやり方が一方的で、グローバリズムのごうまんさを感じる」。

という問題に過ぎないということになるが、これは「発信するだけ」の意見であって、需要家というか受け取る側の意見の反映ではない。

ましてや、文化が商業の範囲でしか成立し得ないという主張であるのなら、印刷機が発明されてから商業出版が成立したという事実からすれば、それ以前には文化は無かったということになる。

作家・文化人が先人に対してそこまで非礼な主張をして良いものか?
紫式部や清少納言を「素人の書いたものが当たったのだから、ブログ文化と同じだ」とでも言うのか?

町村先生は主に「商業的な側面」での「削除は損」とのご意見で、これは非常に分かりやすいが、わたしには「商業出版(報道)はネットよりも常に上位」という固定的な観念の方が、人類の文化というものに対して非礼な考え方であり、広い意味で文化を貶めていると感じています。

5月 2, 2009 at 11:13 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

クライスラー破たんとヘッジファンド

朝日新聞より「クライスラー倒産、ヘッジファンドに矛先 オバマ大統領

金融機関や自動車の救済を続け、「弱腰」ともみられてきたオバマ米大統領。就任101日目の4月30日、「大きすぎてつぶせない」と言われ続けた米自動車3位クライスラーの「倒産」を決めた。
しかも、その「犯人」として、金融資本のヘッジファンドを厳しく責めた。

「一部の投資会社やヘッジファンドが、税金による(クライスラー)救済を期待して譲ろうとしなかった。ほかの債権者の2倍の額を要求する者までいた」。
労働組合が退職者向け医療費の削減を受け入れ、大口債権者が債権残高を3分の1以下まで減らすことに応じていたのに、「強欲」な金融資本が再建策の結実を阻んだというのだ。

ヘッジファンドは、リスクの高い投資を続け、結果的に世界的な金融危機をもたらした主犯の一角と目される存在だ。
世界中で批判を浴びる金融資本が「犯人」となれば、「倒産」に反対してきた労働組合など民主党の支持基盤から理解を取り付けやすい。

また、クライスラーへの80億ドル(約7920億円)の追加融資とひきかえに、経営陣を辞任に追い込んだ。

「ヘッジファンド」は金融危機を、「クライスラー」はそれに伴う実体経済の不振を共に象徴する存在だ。

国民に雇用不安を与えかねない「倒産」会見にもかかわらず、大統領はその両方に強い態度を示す舞台に仕立てた。

米財務省関係者は朝日新聞に「ウォールストリート(米金融街)を怒らせることになったが、いい打ち出し方だった」と話す。「タフに」(米政府高官)対処する今後の姿勢を強調したとも言えそうだ。
(ワシントン=尾形聡彦)

新自由主義からケインズへといった論調が大半で、ブッシュ時代の「脳天気な新自由主義」はどこに行った?といった感じです。

確かに、ヘッジファンドは「お金を回すための仕組み」を作ることだけに集中しすぎていて「必要資金を調達する」といったところを無視していた。落語に出てくる花見酒そのものをやっていたと言うべきでしょう。
オバマ政権は「今さらそれを主張するなら」とやったのが今回のクライスラーの破たん処理で朝日新聞の記事の通りだと思います。

しかし、アメリカが1940年代から世界をリードしてきた理由の大きな部分が、ドルと生産力のバランスをアメリカに有利に機能させて半世紀以上に渡って強国を維持できた、と見るべきではないかと思います。

そして、近年は日本や中国などに生産性で追い抜かれつつあるところを、ドルの操作で切り抜けてきた。
その結果が、ヘッジファンドもOKという経済体制になり、製造業の革新が遅れて金融は世界企業であるのに、自動車産業は国内専用、のようなことになってしまった。

金融業の中からヘッジファンドのようなあまりに高リスクな会社を追い出すとして、その分を自動車産業の拡大で補えるのか?と考えると、いまやアメリカの自動車文化が特殊に過ぎてアメリカ以外では通用しない状況にしてしまった、という問題が出てきます。

自動車に燃費規制をして燃料税を安くしたまま据え置いた、しかも燃費規制からトラックを除外したものだから大型SUVブームとなり、現実に燃料代が高騰したら自動車が売れなくなってしまった・・・・・。

新自由主義が標榜する「規制緩和による経済活性化」とは「不安定化による活性」なのであって「不安定の行きすぎ」という問題が出てくるのは当然です。
言い換えると「バランスの取れた政策」こそが大事なのであって「規制緩和」=「完全自由競争・自己責任」ではバランスが取れているとは言えない。
同様に、ヘッジファンドを規制したから問題解決でもない。

新自由主義の猛威の跡に整然とした社会を組み立てるのは、極めて大変なことだし叡智が今ほど必要な時代はこの100年間で初めてなのかもしれない。

5月 2, 2009 at 10:43 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.05.01

クライスラーが破たん

クライスラーが連邦破産法11条(日本では民事再生法=会社更生法)を申請しました。
日本時間の午前0時にオバマ大統領の発表があり、その前後のニュースを報道期間の発表順に並べました。

各紙が着目している点を挙げると

  • ゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた
  • 大統領は、「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになるかもしれない。
  • ゼネラル・モーターズ(GM)再建の行方にも影響を与えそうだ。
  • すでに全米自動車労働組合(UAW)や債権(69億ドル)の7割を保有する大手金融機関などの大口債権者、提携するフィアットから再建計画への同意を得ており、あらかじめ再建計画を固めてから破産法11章の適用を申請する「事前調整型(プレパッケージ型)」の手続きに入る見通しだ。
  • クライスラーの申請が認められれば、30~60日間で破産手続きを終了し、裁判所の管理下から抜け出せる
  • 親会社の米投資会社サーベラスは約8割を持つ株式のすべてを放棄し、約2割を出資する独ダイムラーも資本関係を解消する。新生クライスラーでは、人件費の大幅削減などに同意したUAWが株式の55%、フィアットが35%、米国とカナダ政府が計10%をそれぞれ取得する。
  • ヘッジファンドなど一部の債権者が(債務削減などの)譲歩に応じなかった。
  • ゼネラル・モーターズ(GM)についても、5月末までにリストラや債務削減策をまとめられなければ、政府支援が打ち切られることになっている。こちらも債権者やUAWとの交渉が難航していると伝えられており、あと1カ月余りが正念場だ。
  • フィアットの出資比率は当初20%で、将来は35%まで引き上げる。
  • ビッグ3の一角が破綻に追い込まれた衝撃は小さくなく、同様に経営危機に陥り公的支援を求めている米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方に影響を与える可能性がある。

といったところが気になります。
アメリカ政府としてはGMが本命であり、GMの交渉でゴネると破たん処理に持ちこむぞ、と見せつける意味合いが大きかったのだと思いますが、クライスラーの規模が小さいからこのような対応が可能であったとも見えます。
一ヶ月後に迫るGMの交渉期限に向けて、どのような展開なるのかをクライスラーを前例として考えるのは間違えかもしれません。

サンケイ新聞より「クライスラー破綻処理へ GM破綻に現実味」2009.4.30 22:10
サンケイ新聞より「クライスラー破産申請、スピード再建めざす」2009.5.1 00:49
読売新聞より「米クライスラーが破産手続き、オバマ大統領が発表」2009年5月1日01時20分
朝日新聞より「クライスラー破綻 政府支援は継続、再建へ資金援助」2009年5月1日2時49分
毎日新聞より「クライスラー:経営破綻 フィアットが資本提携で救済へ」5月1日3時17分
FNN ニュースより「クライスラー経営破たん クライスラーの従業員からはさまざまな反応」05/01 06:18

クライスラー破綻処理へ GM破綻に現実味

ビッグスリー(米自動車3大メーカー)の一角が初めて破綻(たん)処理に追い込まれる見通しとなった。オバマ政権は破綻処理と伊大手フィアットとの資本提携の“2点セット”が再建の近道と判断したとみられ、これで6月1日に抜本再建策の提出期限を迎えるゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた。

「生き残り可能な自動車メーカーとして期待している」

4月29日夜、就任100日の会見でオバマ米大統領はクライスラーについてこう語ったが、その処方箋(せん)に破綻処理も含まれていることを否定しなかった。

ミニバンを生み、「ジープ」など人気ブランドを有するクライスラーは、ビッグスリーの中で最小とはいえ従業員数は約5万4000人に上る。その破綻は、20世紀初頭からの大衆車時代をリードしながら、近年は日本勢などの攻勢にシェアを減らしてきた米自動車産業の決定的な「転換点」となるだろう。

ビッグスリー再建に取り組んできたオバマ政権は、車種がSUV(スポーツ用多目的車)など大型車に偏り、開発力も劣るクライスラーについて、「単独再建は無理」と早々に見切りをつけていた。すでに融資した40億ドルの血税を無駄にしないためにも、フィアットとの提携を実現させるには、破綻処理も「有効な選択肢」(政府関係者)と見てきた節もある。

米財務省は破綻を回避するため、債務削減について期限直前まで債権者と交渉を続けたが、一部債権者が最後まで抵抗し時間切れとなった。しかし結果的には、スピード再建を可能にするプレパッケージ型(事前準備型)破産の条件が整う形となった。あらかじめ債権者から債権放棄などの同意を得てから、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きに持ち込む手法だ。

フィアットにとっても実はメリットが大きい。日産自動車を再生させた仏ルノーのゴーン会長と比較されることの多いマルキオンネ最高経営責任者(CEO)は、クライスラーの生産・販売拠点を事実上掌握し、世界有数の自動車メーカーに脱皮して世界同時不況を勝ち抜く野望を抱く。

全米自動車労働組合(UAW)は29日夜、クライスラーの退職者向け医療費負担の大幅圧縮を承認。UAWと主要債権者の譲歩を勝ち取ったうえで、短期間の破綻処理に持ち込む-。オバマ政権の描く再建の青写真だが、成否の行方は定かでない。

今後の焦点はGMの行方に移る。GMは4月27日に発表した追加リストラ策で、約270億ドルの債務の株式化に加え、政府支援の返済や労組への医療費関連の支払いも半分以上を株式で行う案を提示。債権者が同意しなければ、破産法の適用を申請する考えだ。破綻の脅しをかけて債権者に譲歩を迫る戦略だが、果たして通用するのか。

「米経済の象徴的存在」と米自動車産業の再建に力を入れてきたオバマ大統領は、「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになるかもしれない。(ワシントン渡辺浩生)

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クライスラー破産申請、スピード再建めざす

【ワシントン=渡辺浩生】ビッグスリー(米自動車3大メーカー)の一角が初めて破(は)綻(たん)に追い込まれた。オバマ政権は破綻処理と伊大手フィアットとの資本提携の“2点セット”がクライスラー再建の近道と判断した。これにより、6月1日に抜本再建策の提出期限を迎えるゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた。

「生き残り可能な自動車メーカーに生まれ変わることを期待している」

4月29日夜、就任100日の会見でオバマ米大統領はクライスラーについてこう語ったが、その処方箋(せん)に破綻処理も含まれていることを否定しなかった。

ミニバンを生み、「ジープ」など人気ブランドを保有するクライスラーは、ビッグスリーの中で最小とはいえ従業員数は約5万4000人にのぼる。その破綻は、20世紀初頭からの大衆車時代をリードしながら、最近は日本勢などの攻勢でシェアを減らしてきた米自動車産業にとって決定的な転換点となりそうだ。

ビッグスリー再建に取り組んできたオバマ政権は、車種がSUV(スポーツ用多目的車)など大型車に偏り、開発力も劣るクライスラーを「単独再建は無理」と見切りをつけていた。フィアットとの提携を実現させるため、破綻処理も「有効な選択肢」(高官)として念入りな準備を重ねてきた。

米財務省は債務削減について期限直前まで債権者と交渉を続けたが、一部債権者が最後まで抵抗し時間切れとなった。だが、結果的にはスピード再建を可能にするプレパッケージ型(事前準備型)破産の条件が整う形となった。あらかじめ債権者から再建計画の同意を得てから、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きに持ち込む手法だ。

販売網のスリム化などフィアットにとってもメリットは大きい。マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は、北米市場の生産・販売拠点を手中に収め、自動車産業の「ローマ帝国」を再興する野望を抱く。

全米自動車労働組合(UAW)は29日夜、クライスラーの退職者向け医療費負担軽減を承認。負の遺産一掃のメドをつけて破綻処理とフィアット提携に持ち込む-。「成功した解決策」と政府高官も満足する再建の青写真だが、成否の行方は定かでない。

今後の焦点はGM再建の行方に移る。GMは4月27日に発表した追加リストラ策で、約270億ドルの債務の株式化に加え、政府支援の返済や労組への医療費関連の支払いも半分以上を株式で行う案を提示。債権者が同意しなければ、破産法の適用を申請する考えだ。破綻の脅しをかけて債権者に譲歩を迫る戦略だが、果たして通用するか。

「米経済の象徴的存在」と米自動車産業の再建に力を入れてきたオバマ大統領は「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになったが、再生の行方にはなお多くの困難が待ち受けている。

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米クライスラーが破産手続き、オバマ大統領が発表

【ニューヨーク=池松洋】オバマ米大統領は30日正午(日本時間5月1日午前1時)、米大手自動車メーカー、クライスラーが米連邦破産法11章の適用を裁判所に申請すると発表した。

クライスラーは申請後、裁判所の管理下で巨額の債務削減を進める一方、近くイタリアの同業大手フィアットと資本提携を結び、米政府の追加支援も受けながら経営危機からの早期脱却を目指す。

オバマ大統領は、「破産法の適用は後ろ向きではない。米政府はクライスラーを支えていく。フィアットとの提携で生き残り、成功するはずだ」と述べた。

米政府は、破産法適用を回避するため、クライスラーに同日までに人件費や債務の大幅削減を決めるよう求めていたが、一部債権者の同意が得られなかった。昨秋に起きた米金融危機は米新車市場を急速に冷え込ませ、米自動車大手3社(ビッグスリー)の一角が初めて破産手続きに追い込まれる異例の事態に発展した。

クライスラーの破産法適用は、米ゼネラル・モーターズ(GM)再建の行方にも影響を与えそうだ。

クライスラーは、すでに全米自動車労働組合(UAW)や債権(69億ドル)の7割を保有する大手金融機関などの大口債権者、提携するフィアットから再建計画への同意を得ており、あらかじめ再建計画を固めてから破産法11章の適用を申請する「事前調整型(プレパッケージ型)」の手続きに入る見通しだ。

米政府は、クライスラーの申請が認められれば、30~60日間で破産手続きを終了し、裁判所の管理下から抜け出せると見ている。

米メディアによると、米国、カナダ両国政府は運転資金をクライスラーに供給して経営を支える方針だ。

クライスラーが破産手続きに入ると、親会社の米投資会社サーベラスは約8割を持つ株式のすべてを放棄し、約2割を出資する独ダイムラーも資本関係を解消する。新生クライスラーでは、人件費の大幅削減などに同意したUAWが株式の55%、フィアットが35%、米国とカナダ政府が計10%をそれぞれ取得する。

資本提携するフィアットはクライスラーを事実上傘下に収め、世界6位の自動車グループを形成する。両社合計の2008年の世界販売台数は約420万台だ。

(2009年5月1日01時20分 読売新聞)

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クライスラー破綻 政府支援は継続、再建へ資金援助

【ワシントン=尾形聡彦、デトロイト=山川一基、ニューヨーク=丸石伸一】経営難に陥っていた米自動車3位クライスラーは30日、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条を申請し、経営破綻(はたん)した。ただし、米政府は経済への悪影響を最小限に抑えるため、クライスラーの工場の操業などが続けられるように資金支援を実施。同業大手のイタリア・フィアットとも資本・業務提携を結び、短期間での経営再建を目指す。

オバマ米大統領が同日、「ヘッジファンドなど一部の債権者が(債務削減などの)譲歩に応じなかった。私は、クライスラーによる破産申請を支持する」と語った。

クライスラーが破綻に追い込まれた直接の原因は、米政府が支援継続の条件としていた債務の削減ができなかったためだ。だが、不況下で大手企業を倒産させるのは景気をさらに悪化させる恐れがある。このため、あらかじめ大半の関係者と債務や労務費の削減を決め、政府も支援を続ける「事前調整型」と呼ばれる異例の破綻処理策に近い手法を選んだとみられる。

これにより、米政府は、クライスラーが通常の破産法下と比べると大幅に短い30~60日間で再生を完了する見通しという。破産法下でディーラー網の削減などを進める「外科手術的な手法」(政府高官)で、収益力を高める。

提携するフィアットは当初、クライスラー株の20%を所有し、その後35%まで出資比率を引き上げる権利を持つ。米政府は今後、クライスラーに対し追加融資30億~35億ドル(約3430億円)を実施する方針。政府がクライスラー株の一部を取得して少数株主になる予定で、今後も事実上の公的管理を続ける。

1925年に創業したクライスラーは70年代以降、日本車の攻勢に押されて何度か経営危機に陥ったが、米政府の救済や同業他社との合併などで乗り切ってきた。戦前から世界の自動車産業を主導した「ビッグ3」の一角が崩れ、米国の大手3社体制は百年に一度とされる経済危機にとどめをさされるかたちで、事実上幕を下ろす。

クライスラーは昨年12月、米新車販売の急激な落ち込みで資金繰り難に陥り、米政府から40億ドル(約3920億円)の「つなぎ融資」を受けた。米政府に義務づけられた経営再建計画を今年2月に提出した際には、資金繰りが一層悪化したため、さらに50億ドル(約4900億円)の追加融資を要請していた。

これに対し、米政府は3月末、クライスラーは「単独では生き残れない」と判断。支援を続ける条件として、4月末までに、基本合意に達していたフィアットとの提携に最終合意し、抜本的なリストラや債務削減についても全米自動車労組(UAW)や債権者と合意するよう求めていた。

その後の交渉で、UAWとは労務費の削減などで合意し、大口債権者とも債務削減で基本合意していた。だが、残る一部の債権者との交渉が決裂し、政府の条件を満たすことが難しくなったため、自力再建を断念したものとみられる。

フィアットとの提携で誕生する米欧大手による新連合は、新車販売台数が08年実績の合算で425万台で、世界6位の規模になる。小型の大衆車に強みを持つフィアットの技術提供を受け、小型車強化で生き残りを図る方針だ。

一方、クライスラーと同じく経営危機に直面している米最大手ゼネラル・モーターズ(GM)についても、5月末までにリストラや債務削減策をまとめられなければ、政府支援が打ち切られることになっている。こちらも債権者やUAWとの交渉が難航していると伝えられており、あと1カ月余りが正念場だ。

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クライスラー:経営破綻 フィアットが資本提携で救済へ

【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領は30日、経営危機に陥っていた米自動車大手クライスラーが、ニューヨーク市の破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると発表した。また、クライスラーがイタリアの自動車大手フィアットとの資本提携で合意に達したことも明らかにした。既に全米自動車労組(UAW)や債権者ら大半の利害関係者との間で協議が進展しており、クライスラーは破産法申請後、1~2カ月で再建協議を終了する見通しという。

クライスラーは、米政府が支援の条件としていた設定された4月30日の期限に向け、銀行やファンドなど債権者団との債務削減交渉を進めていた。クライスラーと米政府側が計69億ドル(約6800億円)の債務を22・5億ドルに削減する案を提示し、28日までに大手金融機関など主要債権者と合意していた。しかし、一部のヘッジファンドが難色を示し、29日深夜に交渉は不調に終わった。米自動車大手3社(ビッグ3)では初めての経営破綻(はたん)となる。

今回の破産法申請はその後の再建支援体制を用意した上での「事前調整型」の破綻に当たる。申請でクライスラーの債務は法的枠組みを通じて大幅にカットされる見通しで、米政府も最大80億ドルの公的資金による支援をする方針。フィアットの出資比率は当初20%で、将来は35%まで引き上げる。クライスラーはフィアットから小型車の技術供与や新車供給を受けて再建を急ぐ見通しだ。

しかし、ビッグ3の一角が破綻に追い込まれた衝撃は小さくなく、同様に経営危機に陥り公的支援を求めている米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方に影響を与える可能性がある。

クライスラーは98年、ドイツのダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)と大西洋をまたぐ“世紀の合併”を実現。「ダイムラークライスラー」として成長を目指したが、商品力の弱さから販売不振に陥り、07年に合併を解消。米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントの傘下で再生を目指したが、ガソリン価格の高騰や米国の金融危機などで経営危機に陥った。

今年2月には米政府に50億ドルの資金支援を要請したが、オバマ政権は3月末に「単独での生き残りは困難」と判断。4月30日までに債務の大幅圧縮や労務費削減、今年1月から続けていたフィアットとの提携交渉を完了させることを抜本支援の条件として通告した。

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クライスラー経営破たん クライスラーの従業員からはさまざまな反応

アメリカの自動車大手「クライスラー」の経営破たんを受け、デトロイト郊外の工場で働くクライスラーの従業員は、さまざまな反応を見せている。

工場従業員は

  • 「会社のためになるなら良い」
  • 「(破産法を)今、申請すれば、市場でもっと力強い会社になる」
  • 「きょうはアメリカにとって悲しい日だよ」

と話した。

一方、破産法に基づく再建手続きだが、アメリカ政府は1~2カ月の短い期間で終了するとの見通しを示している。

今後、アメリカ政府は、クライスラーに最大80億ドルの公的支援をする方針。

また、フィアットは、まずクライスラーの株の20%を取得し、小型低燃費車の技術などを供与することになる。 しかし、ビッグ3の一角の破たんで、同じく経営再建中のゼネラル・モーターズの経営不安が一段と高まる可能性がある。

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5月 1, 2009 at 09:23 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.30

民法大改正

サンケイ新聞より「民法1世紀ぶり改正へ 「市民のため」分かりやすく

法務省が着手する民法・債権(契約関係)分野の大改正が注目されている。

1世紀以上にわたって手つかずで、契約ルールなどの現代化により実社会の要請に応えにくくなっていたものを再編成。

条文や項目数は大幅に増える可能性もあるが、目指すのは「市民のための民法」。
早ければ今秋にも法制審議会に諮問され、本格的な作業が始まる。

改正をめぐっては、学者や法務省担当者も参加する「民法(債権法)改正検討委員会」が改正の参考にもなる試案をまとめ、29日、シンポジウムで公表した。

改正の対象は、第一編「総則」と第三編「債権」のうち、契約に関する約400条。

民法については近年、変化する社会や経済に対応させ、「読んで分かる法律に近づけたい」として見直しが検討されていた。

試案では、現行法で条文に盛り込まれていない「契約の自由」などの基本原則や、条文にないが判例で一般に通用しているルールを明記する。
例えば、見込みのない契約交渉を継続する不誠実な対応で相手に損害を与えた際は賠償義務を負う-などを盛り込む。

また、民法関係の特別法である消費者契約法が定めている「不当な勧誘・契約条項」の不実告知、不利益事実の不告知は、民法の「契約の無効・取り消し」事由にも取り込むなどし、「民法を読めば同種のルールが一覧できる」ようにする。

試案を検討すると、最終的には600条前後のボリュームになる可能性がある。
試案も参考に改正に着手する法務省では「市民社会の基本法」という趣旨を重視し、国民に分かりやすくなるよう臨む方針だ。

■民法 明治29(1896)年に「総則」「物権」「債権」の財産法部分、31年に「親族」「相続」の家族法部分が公布され、いずれも31年に施行。
家族法は昭和22年に新憲法制定に伴い全面的に見直し、平成16年には片仮名文語体が現代語化された。
現在の全体の条文数は1044条で、欧州諸国の2000~4000条超に比べ少ない。

この話自体は、ちょっと前に法学者から直接聞いていて「へ~そうなんだ」と感じた事そのものが記事になった、というところです。

法学をちょっとかじると、なかなか面白い話にぶつかるもので、一番面白かったのが阿部泰隆先生の持論でした。阿部泰隆の研究の略歴と特色

行政法学の再生  2004年 神戸大学卒業生の同窓会への寄稿 他学部出身の社会人にもわかるように書いたつもり

凌霜の皆さんは、法律の基本というと、六法だと思っているでしょう。

経済・経営学部出身者ならもちろん、法学部出身者でも、それどころか、法学部教授のかなりも、「六法」を最重要科目と思いこんでいる。

筆者の専攻する行政法学は、「『六法』に入れて貰えぬ行政法」という川柳(高木光)があるほどで、辺境科目扱いである。

司法試験では、行政法は選択科目に甘んじていたが、その試験委員は、誰も勉強しない変わった問題を出して、受験生の行政法離れを招いた。
選択科目出題者は、受験生という顧客を集める営業も兼ねているのに、独占企業のつもりで、身勝手な問題を出していたのである。
そのため、行政法選択者が受験生の六%くらいに低下して、どうせ学ぶ者も少ないし、刑訴と民訴が選択では司法研修がやりにくいとかで、司法試験法改正により、二〇〇〇年度の司法試験から、両訴を必修にする代わりに、選択科目が廃止された。
かつての行政法試験委員は、行政法学界に対しては、「背任罪」を犯したに等しいといいたい。

しかし、これは行政法の重要性を知らない愚行である。

試みに、「六法」を見てください。小六法やポケット六法は、「基本六法」中心に編集しているから別であるが、有斐閣の大六法を見れば、憲法と民法の間の大部分、労働法の後のかなりは、行政法である。

分量的には、「六法の半分分捕る行政法」(阿部泰隆作)なのである。「犬も歩けば行政法に当たる」のである。

 これに対して、六法科目は、民法、刑法といった一つの法典があるのに、行政法には、行政法というまとまった法典がなく、雑多な法の集まりだから、「基本科目」を学んだら、あとはその関係の法律だけを見れば済むと思っている人が少なくない。

たとえば、不動産関係の業務にかかわっていて、都市計画法や建築基準法を必要とするなら、その注釈書を見ればよいというわけである。
そこで、公務員にも、行政法の講義は役立ちましたかと聞くと、昇進試験で役立ちましたという答えが返ってくる始末である。

しかし、法の体系は、憲法を頂点に、私人間の権利関係や紛争のルールである民事法と国家の刑罰権の発動ルールである刑事法のほか、国家と国民の関係のルールである行政法が基本である。

基本三科目というべきなのである。

労働法、独禁法、租税法、知的財産法、社会保障法など、先端科目はこれらの応用で、それには行政法的なしくみが組み込まれている。

行政法は、行政手続法、行政不服審査法、情報公開法、行政事件訴訟法などの一般法のほか、都市計画法、地方自治法、環境法、運輸法、教育法、社会保障法等々無数にある。
1800以上といわれる現行法のおそらくは七、八割は行政法関連法律であろうと推測する。会社や官庁で活躍される凌霜出身者も、民法や商法関連科目のほか、実は密林のような行政法関連法規と役所の解釈、指導の中で喘いでいるはずである。

そして、行政法のルールは、法治国家など、共通のシステムで作られている。

行政法は、形式的に「行政法」という法典がないだけで、重要性がないわけではない。前記の都市計画法も、行政法の一般理論を理解しないと、正しく理解できない。

私は、行政法が司法試験から追放されたときに強い反対運動を行った。

その結果、その「改正(改悪?)」を阻止することはできなかったが、最高裁、法務省当局からは、行政法の重要性を認識し、司法研修所ではしっかり教えるという国会答弁を得た。

その後、法科大学院が設置され、新司法試験制度が立案されるに当たり、この阿部の主張の骨を拾う形で、小生よりも若い学界実力者が動いて、行政法は憲法と統合されて「公法」として必修科目になったのである。

そこで、新司法試験では、これまでの六法科目に行政法を入れた七科目が必修となり、公法系、民事法系、刑事法系という三つの法系が基幹科目となった。

したがって、法典化された六法科目だけが重要だという錯覚を起こしかねない「六法」という言葉は死語にすべきであり、基幹三法群というべきである。

そこで、一部の法科大学院では困ったことが起きている。

学生は、完全な未修者以外は、基本「六法」は沢山勉強してきているが、行政法は学んだことがない。

それなのに、学部では少なくとも八単位の勉強させる行政法に四単位くらいの時間しか与えられていない。
これで複雑な事例を解決させる論文式問題を解けるように教育するのは至難である。

こうした事情を理解しない学生は、行政法は難しい、やさしく教えろと要求するし、他の同僚も、なぜやさしく教えられないのだと非難しかねない。

行政法の重要性をやっと理解したが、依然中途半端であるという、制度設計のミスのつけが回ってきたのである。

行政法学者としては、基本科目に値するだけの研究を行い、すでに世間から見捨てられた感のある行政法学を再生しなければならない。
私は来春定年になるので、次世代の方には、しっかり研究してほしいと願うところである。

6、行政法学の再建

 行政法学は、これまで、六法に入れてもらえないことから、司法試験の選択科目でもなくなり、辺境科目扱いされたが、実は国家の法体系は、憲法を頂点に、私人間の法律関係を扱う民事法と、国家の刑罰権の行使に関する刑事法のほか、国家と国民などの法律関係に関する行政法の3つからなるので、行政法は基幹科目である。それ以外の知的所有権法、労働法、社会保障法、経済法、租税法、環境法などはこれらの応用科目である。

この阿部泰隆の年来の(しかし、行政法学者としても斬新な)主張は、今般の司法改革の中で取り入れられつつある。

法科大学院でも、基幹科目として、行政法を含む公法、民事法、刑事法の3科目を教える。したがって、「六法」という言葉は死語にすべきである。

 そうすると、行政法学者は、その責任の重大さを理解して、行政法学をもっと深く正確に研究しなければならない。
そこで、私は、行政法学再建のため「行政法研究フォーラム」を創設しようと努力した。2002年7月6日にその第一回研究会が開催された。

これは来春から、研究会として恒久組織とするという合意がなされている。2004年は7月24日午後、後楽園にある中央大学で、今回の改正行訴法をテーマとして論議された。

なぜ、行政法に素人のわたしが関心を持ったのか?は、プロバイダ責任制限法の施行の時でした。ネットワーク管理者として「どう考えれば良いのだ?」というところで「プロバイダ責任制限法は行政法なのだ」と聞いたことががある種の衝撃を持って入ってきました。

この時期から、法律の構造といったものに強く興味を持つようになりました。
法律の専門家は、弁護士など実務の方と、法学者として法律を作ったり教育したりする側の方に大きく分かれるのですが、わたしには両方に親しくおつき合いいただいている先生がいるので、なかなか楽しいです。

そのよう状況で、今回の「民法の大改正」が出てきたわけですが、大きな流れとして阿部先生の主唱する「法典化された六法科目だけが重要だという錯覚を起こしかねない「六法」という言葉は死語にすべきであり、基幹三法群というべきである。」に近づくのではないか、と思うところです。

六法とは、憲法、民法、商法、刑法、刑事訴訟法、民事訴訟法とされていて、文字通りに解釈すると、社会生活上では、企業(法人)と個人とか大人と子供といった社会上の力(影響力)の差などは法律上は考慮しないとなります。

わたしは、ここらヘンの「活用」が恫喝訴訟とか、モンスターペアレント、行政の門前払いなど「社会の実情に照らしてヘンだろう」という法律的な行為が出てくる遠因ではないのか?と感じています。
「法律には反していないかもしれないが、社会的にはマナー反しているだろう」と言いにくい社会はヘンだと思うのです。
そんな点からも、行政法から公法としてまとめた方が現実的だ、と阿倍先生はおっしゃっているは当然であるとも感じています。

法律が出来て100年以上が経ち、何度も取り上げている名誉毀損の基本的な考え方は時代にそぐわないのではないか?とか、著作権法の元々の権利とは何なのか?といった事についても、今後は話題になっていく時代になってきた、と考えています。

4月 30, 2009 at 10:29 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.29

消費者庁の設置

サンケイ新聞より「【イチから分かる】消費者庁誕生へ トラブル解決の「司令塔」

消費者行政を一元化する消費者庁設置関連法案は参院での審議が始まり、年内にも消費者庁が発足する見通しとなった。

「産業重視」とされた日本の行政にあって、消費者の視点に立った初めての行政機関となる。偽装表示、悪質商法、製品事故…トラブル解決の「司令塔」としての役割が期待される

日本の省庁は「殖産興業」を掲げた明治期以来、生産者側の目線で施策を展開してきた。
しかし近年、食品偽装、悪徳商法、欠陥商品といった消費者を巻き込む重大な問題が起きるたび、行政の対応は後手後手に回った。

一例が、昭和60~平成17年に21人が死亡したパロマ工業製の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故だ。
経済産業省内で都市ガスとプロパンガスなど所管する課が分かれていて情報が共有されず、積極的な対策が打てなかった。遺族からは「業者を守るために消費者をないがしろにした」という声も漏れた。

そうした反省から、消費者保護のため、各省庁にまたがる法律や権限を一元化する省庁が消費者庁だ。

所管する法律は29本。

  • 食品表示にかかわるJAS法
  • 悪質な訪問販売を取り締まる特定商取引法
  • 対マルチ商法の武器となる出資法
  • 不当表示などを規制する景品表示法

など生活に密着する法律がずらりと並ぶ。

内閣府を筆頭に、農林水産省、経済産業省などから約200人の職員が集まる見込みで、業者の不正などに対応できるよう警察OBらを非常勤職員として雇用する。

事案に対して対応が不十分な場合は、各省庁に改善を求める勧告をするほか、重大事案は直接業者に立ち入り調査する。「より悪質と判断した場合は捜査当局への刑事告発も辞さない」(内閣府)

窒息事故で平成7年以降17人の犠牲者を出している「こんにゃく入りゼリー」のように、規制する法令がない「すき間事案」についても、積極的に立ち入り調査などを行う。

消費者への直接のメリットもある。全国共通の電話番号が設置され、不満などを感じた消費者が掛けると、最寄りの消費生活センターに転送される。
窓口が一つになることで、「たらい回し」にされることもなくなる。

こうした一連の新しい消費者行政は、有識者の独立組織「消費者委員会」で監視する。

関係省庁との協議を進めていた内閣府は「縦割りだった消費者行政の大きな受け皿となる。これまでの視点と百八十度変わる省庁ができる意義は大きい」と自信をのぞかせている。

≪課題は… 被害者の救済 相談態勢の充実≫ 

課題も多く残されている。悪徳商法で業者が得た不当利益を没収し、被害者に還元する「救済制度」は導入が見送られ、法施行3年後をめどに検討することになった。
消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士は「業務停止や勧告も重要だが、お金を取り戻すことが消費者救済に直結する」と早期の法整備を訴える。

また、野田聖子消費者行政担当相が「インパクトのある船長を選びたい」と強調する長官人事も注目だ。
「これまでの霞が関にない役所なだけに行政運営の際、各省庁からの抵抗も予想される。能力のあるトップでないと動きが鈍くなる」(紀藤弁護士)

急務なのが相談態勢の充実だ。全国の消費生活センターは586カ所(20年4月現在)。都市部に偏在し、地方には相談員が1人だけという窓口も多い。

センター業務自体は地方自治体の管轄なだけに、首長の“やる気”が問われる。73の消費者団体で作る「消費者主役の新行政組織実現全国会議」の原早苗代表幹事は「消費者庁ができても、窓口が薄いのではどうしようもない」と拡充を呼びかけている。

この記事は、なかなか丁寧に分かりやすく書いてあると思います。

各種の事故でも、事故調査よりも刑事責任の追求を優先するのものだから、事故対策が進まないという指摘は何十年も前からありますが、航空機事故ですら刑事責任追及があるために事故原因そのものがウヤムヤになってしまう、のは今でも続いています。

刑事責任は元もと限定的に負わせるべきものであるけど、賠償に代表される民事責任はより幅広く対応できるようにするべきだし、将来の事故防止といった観点では社会的な責任を明らかにするといったことも重要です。

現在は刑事責任については社会を代表して国家が追求するわけですが、賠償など民事になると「民事不介入」として「ご自身でどうぞ」となってしまいます。
食品偽装などは一種の詐欺ですが、被害者が賠償を求めて裁判を起こすというのは、コストの面で実現不可能です。

結果として、民事的責任も社会的責任も負わないです済む場合が出てきます。
確かに市場経済で市場の評価は下がるでしょうが、社名を替える、ブランドを替えるなどといった事故原因に対策しない対応も出来るし、決してこれは少なくない。

ここらひっくるめて、「被害者救済」であろうし、何よりも「将来の被害防止」の観点で事故原因の解明にも範囲を広げて欲しいものです。

4月 29, 2009 at 11:18 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

クライスラーとGM

クライスラーがフィアットとの資本提携で破産を逃れること出来るという報道と、GMが事実上の国有化になるという記事を集めました。

財務省による圧力の結果、26日には退職者向け医療保険をUAW運営の信託基金に移管する際の拠出額約100億ドルの一部削減で暫定合意。

この部分が一番大きいかと思いますが、クライスラーだから何とか合意したという面もあるでしょうね。
これがそのまま、GMにも適用されてUAWが全面譲歩となるのか?ということころが注目でしょう。

GMが債権の株式転換をしても、本質的には帳簿上の対策でしょうから、体質転換が出来るのか?という問題は残ります。
ブランドの縮小やディーラー網の縮小は「背に腹は替えられない」というところかと思いますが、必要なのは新時代向けの製品開発力の維持や向上のための投資であって、一方で縮小しつつ一方で拡大するというの極めて難しいことの一つですから、この情報だけでGM安泰とは言えないし、アメリカ政府がGMの発表をそのまま受け入れるかどうかも分からないですね。

さらには、クライスラーが合意したとされる、UAWとの交渉もGMにまとめる力があるのか?となりますから、こうなるとGMが大きいから対策が出来ないという構図とも見えます。

クライスラー破産回避へ 債権者と米財務省が合意 米紙報道

【ワシントン=渡辺浩生】
米紙ワシントン・ポスト(電子版)など米主要メディアは28日、経営危機に陥っている米自動車大手クライスラーの債務圧縮について、米財務省と債権者グループの交渉が合意に達したと報じた。

26日には退職者の医療費負担軽減で全米自動車労働組合(UAW)と暫定合意に達しており、公的支援継続の期限とする今月30日までに、イタリアの自動車大手フィアットとの資本提携が実現し、破綻(はたん)回避の見通しが高まったとみられる。

同紙などによると、債権者グループは、約69億ドル(約6600億円)の債務を20億ドルまで圧縮することで合意した。再建後のクライスラー株式の55%をUAWが保有し、フィアットは35%、政府と債権者が残り10%の株式を分け合うことになるとしている。ただ、破綻の可能性は依然残っているとの報道もある。

政府は支援継続の条件として、今月末までにフィアットとの資本提携合意、債権の大幅圧縮、人件費の大幅削減を要求。しかし交渉は難航し、連邦破産法適用を今週内に申請するとの観測も一時高まっていた。

しかし、米市場再進出を狙うフィアットのマルキオンネ最高経営責任者(CEO)の粘り強い交渉や、破綻を回避させたい財務省による圧力の結果、26日には退職者向け医療保険をUAW運営の信託基金に移管する際の拠出額約100億ドルの一部削減で暫定合意。最も強硬だった債権者も債権放棄の額を引き上げる歩み寄りの姿勢を見せていた。

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クライスラー債務削減合意 破綻回避の可能性強まる

【ニューヨーク28日共同】
経営危機に陥った米自動車大手クライスラーの債務圧縮をめぐる債権者団と財務省の交渉が合意に達した。米政府高官が28日、共同通信の取材に対し、合意を確認した。

クライスラーは今月末までにイタリア自動車大手フィアットとの資本提携交渉で最終合意できないと、破産法の適用申請を迫られる恐れがあった。債権者団との合意で経営破綻を回避できる可能性が強まり、フィアットと詰めの交渉を急ぐ。

高官は「非常に大きな成果だ。クライスラーの経営再建を成功させるため、すべての利害関係者が犠牲を払うという大統領の固い方針に沿っている」と合意を歓迎した。

米メディアによると、交渉はクライスラーに代わって財務省が主導、債権者団は69億ドル(約6600億円)の債務のうち約7割の削減に応じることになった。フィアット首脳は、30日にクライスラーとの交渉結果について発表する方針という。

政府はクライスラーへの支援継続の条件として、今月末までを期限にフィアットとの資本提携交渉の完了を示したが、大幅な債務削減を求められた債権者との交渉が難航していた。

26日に労務関連費をめぐる労働組合との交渉が暫定合意に達したほか、ドイツ大手ダイムラーも保有する約20%のクライスラー株の放出を決め、期限を間近にフィアットとの提携実現への環境が整いつつある。ただ破綻の可能性は依然残っているとの報道もある。

クライスラーとフィアットの資本提携が実現すると、2008年の世界新車販売台数で6位となり、大西洋を挟んだ大型自動車連合が誕生。政府は提携が完了すれば、クライスラーに最大60億ドルを追加支援する方針を示している。

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GMが追加リストラ策発表、人員削減やブランド廃止

(CNNMoney)
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は27日、破綻回避に向けた追加リストラ策を発表した。人員削減や主要ブランド「ポンティアック」の廃止、440万ドルの債務削減策を盛り込んでいる。同社は米政府から追加融資を受ける条件として、2月に提出した再建計画の見直しを求められていた。

追加リストラ計画では、工場を閉鎖して2011年までに米国で2万3000人を削減。ディーラー網も2010年までに40%削減する。

債務圧縮に向け、債権者には債務の株式化に応じるよう求めた。米財務省にはこれまでに融資を受けた約100億ドル(約1兆円)を返済する代わりに、GM株の保有を提案。全米自動車労働組合(UAW)が運営するファンドにも株式保有を提案した。これにより、財務省とUAWで合わせてGMの89%を保有することになる。

フリッツ・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は同日記者会見し、新計画に基づき早ければ2010年にも黒字化を目指すと表明。ただし5月31日の期限までに債権者が債務の株式化に応じない場合、破産法の適用申請に踏み切る公算は依然として大きいと強調した。

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米政府、GM筆頭株主に 新再建計画、ディーラー網半減

米自動車大手GM(ゼネラル・モーターズ)は、同社が27日に発表した再建案を計画通りに実施した場合、米政府が少なくとも半数の株式を保有することになる。

同社は27日、負債を440億ドル(約4兆2400億円)圧縮する計画の下で債務の株式への交換を債券保有者に提案、ディーラー網のほぼ半分の規模への縮小を含む再建計画を示した。米オバマ政権がこれを受け入れれば、米財務省は再編後のGM株の少なくとも半分を保有することになる。

センター・フォー・オートモーティブ・リサーチの労働アナリストでエコノミスト、ショーン・マカリンデン氏は「政治経済学は今や米経済の一部になった」として「米政府のGMの持ち分はドイツのニーダーザクセン州のフォルクスワーゲン持ち分や仏政府のルノー持ち分より大きくなる」と指摘した。

米政府がGMへの融資100億ドルの債権を株式に転換すれば、政府はGMの筆頭株主となる。政府の融資は担保付きのため、米政府はGMの無担保社債保有者に比べ優遇される。

オバマ政権が前任のリック・ワゴナー氏を更迭して就任させたヘンダーソンCEO(最高経営責任者)は、破産申請回避に向け負債圧縮と経費削減を図っている。政府が設定した期限は6月1日。政府は昨年12月のGM救済以来、1億ドルを超える同社の支出について拒否権を持ち、CEOに加え会長も指名している。

GMによれば、6億1050万株を持つ既存株主は再編後の同社株を実質ベースで約1%保有することになる。GMは債務再編案に基づき約600億株の新株を発行する。新株のうち10%は現在の社債保有者が持つことになる。

ヘンダーソンCEOによると、残り89%は米政府と全米自動車労組(UAW)が保有し、米政府の持ち分は少なくとも50%となる。

ギブズ大統領報道官は27日、「自動車会社の日々の経営に携わることは本政権の意図ではない」と述べた。GMが自立して政府支援なしに存続できるような計画の立案に、政府はかかわると説明した。

GMは既に受けた政府融資154億ドルに加え最大でさらに116億ドルの借り入れが必要だとしている。既存融資の保持と新規融資獲得のためには負債を圧縮する必要がある。米政府が検討中のGMの最新提案は、政府融資のうち100億ドルを再編後会社の株式に転換することで債務圧縮を図る内容。

ヘンダーソンCEOは27日のアナリストとの電話会議で、米政府の目的は政府融資が全額返済されるか、株式に転換した場合は十分な株主利益が上がることだとし、政府の立場はプライベートエクイティ(未公開株)投資会社と同様になると説明した。

4月 29, 2009 at 10:55 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.27

ウナギの産地偽装事件・これでは軽すぎる罰だろう

読売新聞より「中国産ウナギの産地偽装、魚秀社長らに有罪判決

中国産ウナギかば焼きの産地偽装事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)罪に問われたウナギ販売業「魚秀(うおひで)」(大阪市)社長(45)、水産物卸売業「神港魚類」(神戸市)元担当課長(40)ら5被告の判決が27日、神戸地裁であった。

佐野哲生裁判官は、両被告に懲役2年6月、罰金200万円、執行猶予4年(いずれも求刑・懲役2年6月、罰金200万円)の有罪判決を言い渡した。

このほか、魚秀福岡営業所長(42)、高知県南国市の水産加工会社元専務(40)の両被告は懲役2年6月、罰金200万円、執行猶予4年(同)、高松市の水産物卸販売会社元役員(44)被告も懲役2年6月、罰金400万円、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月、罰金400万円)の有罪判決だった。

魚秀と親会社「徳島魚市場」(徳島市)も、求刑通り罰金1000万円、神港魚類に罰金500万円(求刑・罰金1000万円)の有罪判決が言い渡された。

判決によると、5被告らと3社は昨年2~4月、魚秀の在庫の中国産かば焼き約256トンを「原料原産地・愛知県(三河一色産)」などと印刷された段ボール箱に詰め替えて偽装。京都府内などの9社に1545箱(約15トン)を納品した。
(2009年4月27日15時09分 読売新聞)

この事件が報道されたのは、2008年6月25日ですから大がかりな事件の割に早く地裁判決があったと言うべきなのかもしれません。

5被告と2社に総額2700万円の罰金であり、個人に対する刑事罰として懲役は執行猶予になりました。

ところがサンケイ新聞2009年2月7日の記事は「三河一色産 ウナギ偽装、9日初公判 3億円の行方闇の中」と題して

中国産ウナギが「愛知県三河一色産」と偽装表示して販売されていた事件で、不正競争防止法違反罪に問われた水産物輸入販売会社「魚秀」(大阪市)社長(44)や仲卸の水産物卸売会社「神港魚類」(神戸市)の元ウナギ担当課長(40)ら5人と両社など3法人の初公判が9日、神戸地裁で開かれる。

架空のダミー会社を経由させ、巨額の現金決裁で証拠隠滅をはかるなど、これまでにない悪質な偽装工作はどのように計画され、利益はどこに流れたのか。
公判での全容解明に注目が集まる。

ほかに審理されるのは、魚秀の非常勤役員で水産物加工会社「土佐海商」(高知県南国市)元専務(39)▽魚秀福岡営業所長(41)▽水産物加工会社「大洋水産」(高松市)元専務(44)の各被告。法人としての魚秀と親会社の「徳島魚市場」、神港魚類の3社。

起訴状によると、被告らは共謀し、昨年2~4月、魚秀が輸入した中国産のウナギかば焼き計約256トンを高松市内の倉庫で「愛知県三河一色産」などと印刷された段ボール箱約2万5700箱に詰め替えたうえ、昨年3~6月に神戸市内や大阪市内などの卸売会社8社に対し130回にわたって1545箱(約15トン)を販売した。

弁護人によるとすでに両被告は起訴事実を認める意向を示しているというが、一連の偽装工作で、魚秀が不正に得たとみられる3億円に上る差益の行方はまだ明らかになっていない

今回のような産地偽装を取り締まる日本農林規格(JAS)法では業者側が農水省の是正命令に従う限り刑事罰が科されず、抑止効果が低い。このため、相次ぐ産地偽装事件を受けて自民党内の小委員会は先月までにJAS法の改正案を作成。
原産地を偽装した違反業者に、個人では1年以下の懲役100万円以下の罰金、法人には最高1億円の罰金を科せる「直罰制度」を導入するなどの実効力を持たせるとしている。

これが事実であるとすると、3億円を上回る不正な利益を上げたことに対して、2700万円の罰金では、ずいぶんと割の良い犯罪である、となってしまいます。

結局、罰金としても「ちゃんと商売をしない(不正競争防止法違反)」に対する罰であって、不正な利益を上げたことについては、直接は何もしていないわけです。

このよう事が、悪徳商法、産地偽装といったことが無くならない理由だとする意見があります。
悪事を働いて、捕まっても得た金を隠してしまえば、やり得という構図だとの指摘です。

原理的には、本来の市場価値よりも不当に高い商品を買ったのですから、消費者は損害賠償請求訴訟を起こすことが出来るし、間違えなく買ったと証明する事が出来れば裁判でも勝訴できるでしょう。
しかし普通に考えて、「蒲焼きで損害賠償請求訴訟は起こしてもコスト割れ」です。
この事が「やり得」となって、円天の波会長のように「マルチ商法の塊」のように繰り返す人が絶えないと言われています。

このような問題を根本的に解決できるかもしれないと、紀藤弁護士が提起しているのが消費者庁が父権訴訟で不当利得を国が没収してしまう。
その後に、被害者に配当する。という方式です。

今回の、ウナギの産地偽装では2700万円の罰金とは別に、不当利得とされる3億円を取り上げてしまうわけです。簡単に言えば「バレたら大損」としてしまおう、というものです。

やはりこの位のことをやらないと、この手の商売は無くならないでしょう。

4月 27, 2009 at 05:05 午後 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)