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2009.03.13

行政の基本は法治なのか放置なのか

神奈川新聞より「放課後キッズクラブの暴力指導員は研修未受講/横浜市

横浜市の「放課後キッズクラブ」事業で元男性指導員(55)が児童に暴力を振るっていた問題で、本来常勤指導員が受講するはずの事前研修をこの元指導員が受けていなかったことが十二日、明らかになった。

また、昨年あった暴力行為について、今年になって新たな暴力行為が発覚するまで運営主体の特定非営利活動法人(NPO法人)「ウッドクラフト」から市に対し報告はなかったことも判明。研修体制の整備の遅れなど、事業の問題点が浮き彫りになった。

十二日の市会予算特別委員会で、斉藤達也氏(自民党、緑区)の質問にこども青少年局が答えた。

こども青少年局によると、元指導員は今年一、二月の事前研修を受講するはずだった。
同局は「対象者が多かったため三月開所のクラブの指導員だけを受講させた」と説明。
元指導員は七、八月の研修に参加させる予定だったという。

クラブの常勤指導員に対しては、市と運営法人が計百二十七時間の事前研修を課す。研修は新設クラブ開所前の二カ月間で行われ、中途雇用の指導員は直近の研修に参加することになっている。

しかし、三月は開所施設が多く、「会場の広さが足りない」(こども青少年局担当者)などの理由から元指導員ら中途雇用の指導員は受けられなかった。
市は指導員の研修未受講期間を短縮するため、研修機会を増やしていくという。

昨年の時点で市への報告がなかったことについて、ウッドクラフトの野本実顧問は「子ども同士の事故報告書はあるが、指導員の暴力を報告する規定はないと思った」と説明。
一方、市は「当然報告されるべき内容」と主張し、意見は食い違っている。

こども青少年局は「情報開示・連絡の重要性をさらに周知する」としている。
しかし、子どもを含む関係者の聴取を基本とする「体罰に関する報告書」(市教委作成)に準じた「指導員による事故報告書」策定は考えていないという。

なんでこんな事が事件になってから、議論になるのでしょうかね?

それにしても、NPO関係者の発言

「子ども同士の事故報告書はあるが、
指導員の暴力を報告する規定はないと思った」

というのはどういう意味なのだろう?
しかも市の言い分に寄れば報告がなかった理由として「規定がないから」と主張していることになるが、これでは論外でしょう。

それにしても開設と研修の関係がキチンと運営できないとは、行政のやることとしては失格だと思います。

3月 13, 2009 at 09:51 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.11

小学生の転落死亡事故でドライバーが有罪判決

読売新聞より「小5バス転落死に有罪…運転の元サッカー・コーチ予見可能

少年サッカーチームのマイクロバスから男児が転落死した事故で、運転中にドアをロックしていなかったなどとして自動車運転過失致死罪に問われたチームの元コーチ(34)の判決が11日、さいたま地裁であった。

田村真裁判長は「事故は予見可能で、鍵をかけるなどの実行可能な措置を怠り、事故を引き起こした過失は軽くない」として、禁固1年6月、執行猶予3年(求刑・禁固1年6月)を言い渡した。

判決によると、被告は2007年12月24日夕、車体中央のスライド式ドア(センタードア)をロックせず、手動で開閉できる状態にしたまま、児童24人が乗ったマイクロバスを運転。
東京都練馬区の外環自動車道を走行中、ドアステップでサッカーボールに座っていた少年(当時11歳)が、開閉レバーに触れるなどして開いたドアから路上に転落し、後続のトラックにひかれて死亡した。

公判では、事故の予見可能性が争点となり、弁護側は「児童がドアステップに入り、レバーに触れることは予見できなかった。
様々な偶然が重なった事故」と無罪を主張していた。

判決後、記者会見した男児の父親(43)は「(主張が)ほぼ全面的に通ったと思う。子供には一つの区切りがついたと話したい」と語った。

◆事故を受けドアを改良◆

このバスのセンタードアの開閉は、ドアステップの足元付近にあるレバーで「自動」と「手動」を切り替えられる仕組みだった。
「自動」にすると運転席のスイッチでしか開閉できないが、「手動」だと走行時でもロックを外し、ドアレバーを回せば開けることができる。

さいたま地検が検証した結果、「手動」の場合、ドアレバーは2キロ余りの力で回転したという。

バスの製造元のトヨタ自動車は今回の事故を受け、同車種のバスについて、ドアレバーの周りに囲いを設け、肩や背中がレバーに触れても、ドアが簡単に開かないよう改良した。

ストレートな感想としては、運転手に過酷な判決だと感じます。

確かに、ドアのモードを自動にして、運転席だけ開くことができるようにするべきだったという結果論は分かるのですが、これは普通の自動車ではチャイルドロックに相当する機能です。

わたし自身も、昨年11月にマイクロバスにかなり近いハイエースグランドキャビンをレンタルして7人で移動しました。

Up

ハイエースですから、ドアロックの機構は普通の乗用車と同じで、さらにスライドドアはパワードアでした。
運転席からドアを開けることができますし、ドアハンドルを引くだけで自動でスライドドアがフルオープンします。

わたしは運転手をやっていて、乗降の時のドアの開閉もやっていたのですが、同乗者(乗客?)もドアの操作をしますので、どうもタイミングが合わないのです。

今振り返っても、ある種の緊張感がありました。
普通の乗用車でも乗り慣れない人が後席に乗った場合などに、ドライバーはある種の緊張を感じますが、7人乗りで運転席から見てかなり後方のスライドドアから何人もが出入りするのは、はるかに大きな緊張を感じました。

わたしが運転したときも、潜在的にこの事件と同じで走行中に同乗者がドアを開けてしまったから転落する可能性がありました。

これを防止するために、チャイルドロックをするべきだとなりますが、大人を乗せているときにチャイルドロックをしてドライバーだけがドアを開閉できる、とすることが現実的な選択なのか?というと結構迷うところです。

少なくとも普通の乗用車では、大人を乗せる場合にチャイルドロックをすることはないでしょう。
一方、路線バスなどでは乗客が度を開けることができるのは非常ハンドルを引いた場合であって、そもそも乗客が扱えるドアハンドルがありません。

このようなバランスをどこに取るのが正しいのか?という問題になりますし、同乗者(乗客)の年齢によってどのような行動を取るべきなのか?という問題も出てくるでしょう。

亡くなった少年が、ステップに置いたボール上に座っていて、故意か偶然かドアハンドルを引く、という状況についてドライバーに全責任があるのか?となりますと、小学校5年生がそういう行動を取る事は、普通にあり得ることと見るのか?といったことになるように思います。

というわけで、総合的に考えてこれほどスッパリと割り切った判決が出せる事件なのか?という印象が強く残ります。

3月 11, 2009 at 09:20 午後 事件と裁判 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2009.03.10

タバコ強奪事件

サンケイ新聞より「タスポないから盗んだ たばこ21カートン窃盗の少年逮捕

コンビニエンスストアでたばこを大量に万引したとして、警視庁少年事件課と亀有署は窃盗の疑いで、東京都葛飾区の無職の少年(19)ら17~19歳の少年4人を逮捕した。同課によると、4人はいずれも容疑を認めており、「タスポの導入で自販機でたばこが買えなくなったため盗んだ」などと話しているという。

同課の調べによると、4人は昨年12月8日午前3時過ぎ、葛飾区南水元のコンビニで、たばこ21カートン(6万4100円相当)を盗んだ疑いがもたれている。

同課によると、少年らは盗んだたばこのうち、吸わない銘柄を転売することを計画。埼玉県三郷市のコンビニで、「銘柄を間違えたので、父親から返品を頼まれた」などとうそをついて、3カートンを約9000円に換金したという。

4人はたばこを盗む実行役、搬送役、店員を誘いだす役などと役割を分担し、「ガスコンロのボンベのサイズは1種類しかないんですか」などとアルバイト店員(22)を店の隅に呼び出し、そのすきにレジの後ろにあったたばこを盗み出したという。

同課は少年らが千葉県松戸市のコンビニでもたばこを盗んだ疑いがあるとみて調べている。

まるっきりアメリカの禁酒法の再現といった感じですね。

下手な規制は別の問題、それもより重大な犯罪に近づくという実例でしょう。

その一方で日本では「改革」と称する「新自由主義」が今も跋扈しております。
先日、NHKでやっていた「高校中退」という番組で取り上げられた、高校生と橋下大阪府知事との対談で知事が「今の世の中は自己責任です」と言い放っているように放送されましたが、実際に高校生である苦学生に「自己責任だから自治体は援助を減らす」というのは言い訳にすらならないでしょう。
(現実にこれだけしか言っていないのかはいささか疑問です)

俯瞰してみると、新自由主義と裏腹のヘンな規制の強化をやって、社会のバランスが非常に不安定になって、将来展望がないというのが現状でしょう。

とりあえず「セーフティネットが機能していない」といった状況の時に、直感的に理解しがたい規制なんてものは良くないとしか言いようがないと思いますね。

3月 10, 2009 at 03:02 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)