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2009.12.26

千葉法相、民法の夫婦別姓改正案を提案へ

東京新聞より「夫婦別姓法案を来年提出へ 法相意向、次国会成立図る

千葉景子法相は26日までに、夫婦が同姓か別姓かを選択できるようにする「選択的夫婦別姓制度」導入を柱とする民法改正案を来年の次期通常国会に提出し、成立を目指す意向を固めた。

離婚後6カ月間と定めている女性の再婚禁止期間の短縮も盛り込む方針だ。既に首相官邸に伝え、関係閣僚とも折衝を始めている。年明けから政府、与党内での調整を本格化させる。

法相は法務省政策会議の同意を得た上で、3月ごろに改正案を閣議決定したい考えで、閣僚の一人は「2010年度予算案の審議が終わるころに改正案が提出されると思う。鳩山由紀夫首相も『選択的夫婦別姓制度は良いと思う』と言った」と述べた。

改正案ではほかに婚外子への遺産相続分を嫡出子の2分の1とした「差別規定」が撤廃される見通し。

別姓夫婦の子どもの姓は、夫婦どちらかに統一する方向だ。再婚の禁止期間は、民主党が野党時代にまとめた改正案で示した「100日」を軸に検討が進むとみられる。

(共同)

民法を改正するとはどういうことなのか?と調べてみると、

民法 第750条(夫婦の氏)

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

を改正しようということでしょうね。
ところが「婚姻の際の定め」とは、戸籍法で

戸籍法 第16条〔婚姻による戸籍の変動〕

婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍を編製する。
但し、

  • 夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
  • ②前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
  • ③日本人と外国人との婚姻の届出があつたときは、その日本人について新戸籍を編製する。ただし、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。

となっていますから、民法だけを改正すると

戸籍上は夫の姓であるが、民法上は妻の旧姓を称することが出来る
という意味になります。

要するに、現在も企業などが認めている、旧姓の使用を民法上も認めるとなります。
韓国などの、結婚によって姓を統一しないと言う仕組みとは違いますし、そもそも戸籍法がいわば「家思想」で作られていて、本人が決められないという仕組み自体が外国にはありません。

戸籍法は、家系の追跡を可能にしているものですが、諸外国では家系の追跡は教会の記録などによります。
この戸籍法の部分が、非常に強力であるために、夫婦別姓問題では戸籍法には手の付けようがないわけで、その結果民法改正となるのでしょうが、それって法律を改正することにどれくらい意味があるのでしょうかね?

民法750条違反で、事件になった例はあるのかな?

まあ、改正してもどうということもない、とも言えますが、逆に言えば民主党政権が大騒ぎするほどの意味もない、と言えますし、戸籍法が改正されないのだから(しかもとてもじゃないが、改正できない)根源的には結婚の法的な意味合いが民法での夫婦別姓を認める改正で満足するとも思えないのです。

むしろ、婚外子の相続権とか、事実婚者の権利と義務といったことの方が重要視されるでしょう。
ここまで行くと、法律的に結婚とは何か?となってきますね。

12月 26, 2009 at 08:48 午後 国内の政治・行政・司法 |

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コメント

>この戸籍法の部分が、非常に強力であるために、夫婦
>別姓問題では戸籍法には手の付けようがないわけで、
>その結果民法改正となるのでしょうが、それって法律を
>改正することにどれくらい意味があるのでしょうかね?

民法改正であれば、当然戸籍法も同時に改正するのかと思っていたのですが。96年段階の要綱は、それを予定しています。

http://www.moj.go.jp/SHINGI/960226-1.html

もしそれをやらないのだとすれば、ご指摘のように「通称使用の法制化」であって、「選択的夫婦別姓」とは別物だということになりますね。

投稿: ROMですが | 2009/12/27 15:05:37

ROMですが さん

戸籍法は改正できないと思いますよ。

というか、戸籍法を廃止しないと無理でしょう。

投稿: 酔うぞ | 2009/12/27 17:01:41

>となっていますから、民法だけを改正すると
>戸籍上は夫の姓であるが、民法上は妻の旧姓を称することが出来る
>という意味になります。
>要するに、現在も企業などが認めている、旧姓の使用を民法上も認めるとなります。

?????
(子の姓出世時の場合)必然的に戸籍法改正を伴う。
(子の姓出世時の場合)戸籍法改正しなければ「婚姻前の姓」を選ぶ時、戸籍から抹消?
一般的な意味の「選択的夫婦別姓」に必要なのは「民法上の姓」じゃなく「戸籍上の姓」だ。

↓参考

「選択的夫婦別姓(子の姓婚姻時)」早期実現を:「失われた21年間」から脱却を(shinoshiホームページ)
http://botsubo.publog.jp/archives/41662137.html

今の世の中、当たり前の話ですが、旧姓続称制度相当(法務省C案~子の姓変更無しのA案)の早期導入が必要です。
(法案のレベルより速度を重視した方が良い)

・「女性が輝く社会の実現」のための政策(上川陽子公式HP)
http://www.kamikawayoko.net/wp/wp-content/uploads/cadd6c1094ff474163fa8df13b18e744.pdf

・松島みどり法務大臣記者会見(2014年09月05日)
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00566.html

・高市早苗総務大臣記者会見(2014年09月16日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000321.html

<ポイント>
・戸籍名
ここで言う戸籍名とは、世間一般で言う戸籍名
(一部に置いて、婚姻前の姓を本名、婚姻後(配偶者)の姓を戸籍名と言う慣習が存在)

<更新履歴>
・2014/11/14 暗号名を世間一般的な名称に変更
・2014/11/19 ポイント「戸籍名」追加

今、衆議院を解散してしまったら:「失われた21年間」から脱却を(shinoshiホームページ)
http://botsubo.publog.jp/archives/41978146.html

安倍晋三が衆議院解散を計画している報道がありますが、常識的に考える場合、今の議席数で衆議院を解散する馬鹿はいない。

若し政権に行き詰まった場合、
・安倍首相退陣
・内閣総辞職
・自民党解散(民主党解散も一つの手段)
・全党党議拘束無し
等の措置が適切。

今、安倍晋三が衆議院解散する場合、安倍晋三が「選択的夫婦別姓(子の姓婚姻時)」を嫌がっている様に見える。

そんな理由で衆議院解散していては、松宮勲先生・滝まこと先生・平沼赳夫先生・稲田朋美先生・高市早苗先生・あべ俊子先生・山谷えり子先生・上川陽子先生・小宮山洋子先生・亀井静香先生・小池百合子先生の他、それを待ち望む多くの日本人をどう思っているかな。

投稿: shinoshi | 2014/11/26 23:17:00

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