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2009.12.25

子どもの携帯電話問題、全く改善しない

サンケイ新聞より「非出会い系サイトでも児童・生徒の犯罪被害急増

■子供に警戒心持たせ親子で使用ルールを

ゲームやプロフ(自己紹介サイト)などインターネットの一般サイト、いわゆる非出会い系サイトで児童や生徒が巻き込まれる犯罪が急増している。

ゲームを楽しんでいると親が安心していたら子供は見知らぬ相手と対戦後におしゃべりし、誘い出されて被害に遭ったケースも。親子で携帯電話を持つルールを見直してみたい。(牛田久美)

◆女友達と思ったら

小学生女児の裸の画像などをネットに掲載したとして横浜市内の専門学校の少年(19)が今年2月、児童ポルノ禁止法違反容疑で山梨県警に逮捕された。
県警によると、県内に住む女児の画像二十数枚を掲載し、不特定多数が見られるようにしたとされる。

少年はゲームサイトを通じて女児と知り合い、携帯電話のメールアドレスを交換。顔写真も送らせ、「言うことを聞かないと出会い系サイトに画像を載せるぞ」と脅し、裸の画像を送らせていたという。

このほか、別の事件では少女が「女の子の友達ができた」と喜んで駅で待ち合わせると、現れたのは男。
男はネット上で女になりすましていた。
少女は「知らない人にはついていかない」と幼少のころから親と約束していたが、メールで悩み相談に乗ってもらった親近感から意気投合した。しかし、性被害に遭った。

ここ数年、こうした一般サイトを悪用した犯罪が急増している。警察庁などの統計によると、出会い系サイトがきっかけの被害児童(18歳未満)数を上回っている。

◆フィルタすり抜け

犯罪の内訳はゲームサイトが最多。
プロフ、ブログ(日記風サイト)
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)
などが続く(平成21年上半期、北海道警調べ)。

ゲームサイトは、そのおもしろさから利用者が急増。ある大手サイトでは無料会員が1500万人で、全国で数千万人がゲームを楽しんでいる。

こうしたゲームサイトはチャット(おしゃべり)コーナーがあり、“出会いの場”ともなっている。

これを悪用するケースが増え、ゲームサイトの人気に比例するかのように、「犯罪被害が相当発生している」(捜査関係者)という。

趣味の交流やアイドル募集などのサイトも事件に巻き込まれるケースがある。

有害サイトを遮断するフィルタリング機能があるが、こうしたサイトはフィルタリングをすり抜ける。

出会い系サイトに『小学6年です。2万円で』『日曜に3万円で会って』などと書き込む少女たちと異なり、犯罪の意識がまったくない少女もいつの間にか被害に遭ってしまう。

ネット犯罪に詳しい田中博之・早稲田大学大学院教授は「犯罪のメカニズムは想像を超えるスピードで変化し、親や先生が把握して防ぐのは難しい。
犯罪に巻き込まれないために、子供たちに携帯電話は便利だが危険が伴うことを教えるのが一番。
警戒心を持つこと、規範の強化といった安全教育が最良の犯罪防止策」と話し、家庭で実践したいルール7カ条を提案している。

【携帯電話利用 家庭のルール7か条】

  1. 時間を決める(1日計1時間まで)
  2. 料金の支払い限度を決める
  3. 携帯電話を親に見せられる状態にある(監視しなくてもいいが、親が「見せて」と言ったとき通話記録やメールの内容を見せるよう話しておく)
  4. 学校のルールに従う
  5. 誰の心も傷つけない書き方を心がけ、相手や自分の命を守る
  6. 困ったらすぐ大人に相談する
  7. 約束を守れなかったら親が預かる

(田中博之著『ケータイ社会と子どもの未来』より)

■被害数 出会い系を上回る

警察庁によると、インターネットの一般サイトに関係した犯罪の被害児童(18歳未満)数は統計を取り始めた平成20年以降、出会い系サイトの被害児童数を上回っている 。

今年上半期の統計では、一般サイトでの被害児数は545人で出会い系(265人)の2倍。殺人事件は20年、21年上半期とも出会い系はなく、一般サイトがそれぞれ2人、1人だった。

社会人講師として学校に行くようになってそろそろ数年になりますが、いかに効率よく勉強するのかが受検競争での成果に直結しているとして「何をするのが良い」「何をしていけない」といったハウツーばかりを追求するような傾向が教育全体を覆っていると感じます。
まさに「【正論】社会学者・加藤秀俊 文化芸術は実利主義では育たず」 出紹介したような「無駄の排除」に突進しています。

しかし、携帯電話問題のように「社会の変化そのもの」が受験勉強のように「ルールに合わせれば何とかなる」ものではないのは明らかで、必要なのは「なぜそうなるのか?」ということを子どもたちに理解させることでしょう。
つまりは、ハウツーではなくてノウハウの教育です。

これは明らかに受験に見られる回答数を競うといった観点からは、マイナスになる教育訓練ですが考え直してみると、受験技術に長けている子どもとは「受験専用アンドロイド」とでもいうべきであって、社会人になる訓練を放棄したからこそ受験技術だけを高度化することが出来る、というべきでしょう。

そこで、子どもの携帯電話問題を教育するという観点で見直して見ると、ハウツー的な対処は

  • 出会い系サイトはダメ
  • 知らない人のメールに返事をしてはいけない
  • ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  • ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とキリがありません。ではノウハウ的な視点から小学生などに教育できるのか?と考えると、ネットの世界では大人と子どもの区別がないのですから、小学生に大人の判断力を身につけろと言うことに等しいわけで、これまた絶対に無理です。

このため,子どもの携帯電話問題は、「子どもにインターネットを使わせない」という方向に向かわざるを得ないわけで、子供用携帯電話だけを使わせるべきだとわたしは主張します。

大人が使う携帯電話と同じ物にフィルタリングすれば子どもが使っても大丈夫、という発想自体が異常だと思いませんか?
さらには、携帯電話利用についての教育を通信会社に任せていては、常に現実の後追いにしかならないでしょう。
どうすればより良くなるのか?ということは、教育行政の中で考えるべき事なのに、文科省はずーと放置したままです。

田中博之先生は「学校のルールに従う」とおっしゃっていますが、学校のルールで社会に認められているのは「学校内では携帯電話を使わない」というのが一番強力なものであって、せいぜい「授業中携帯電話を使わない」ぐらいが平均です。
これに従っていることが、どれほど携帯電話問題に対して安全策になるのか?とも言えます。

実際問題として、子どもの携帯電話問題についても「ハウツー的な解決策」を社会は求めすぎているのではないでしょうか?
文科省が子どもの携帯電話問題に触れない遠因が、ずっと以前に国会の質問で「文科省は、携帯電話が教育に必要な物とは考えない」と答弁したことが「文科省は携帯電話問題が無いことにしている」という現状につながり、その結果として先生は携帯電話問題を指導できないし、機種を限定する事も出来ない、となったと思います。

一部の教育委員会で「携帯電話禁止」といった決定が出て来ることも、この文科省の態度が大きな原因だろうと思っています。

今からでも、文科省は責任を持って「子どもの携帯電話問題」について、学校教育として行うべき事を定めるべきでしょう。
それが、基準になってネット上での児童保護行政も強化されると考えています。

12月 25, 2009 at 09:33 午前 教育問題各種 |

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コメント

うーん、やっぱり「携帯によって生じている害悪に一つ一つ」対処するより、その根本を何とかした方がいいんじゃないかと・・・。

あえて仰々しい言葉を使えば、情報にアクセスする権利ってやつも、それ相応の分別がついてないと認められる前提が欠けるはずで、、、まさに子供に大人の判断力を求めているに等しい。

投稿: そ。 | 2009/12/25 22:13:52

ブログを読ませていただきありがとうございます。
来年も良い年になりますように。

投稿: 出会いってスバラスぃ | 2009/12/26 21:41:06

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