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2009.12.03

裁判員裁判・初の無罪主張その3

サンケイ新聞より「無罪主張の裁判員裁判 実行犯「指示された」と証言

住宅に押し入って女性にけがを負わせ現金を奪ったとして、強盗致傷などの罪に問われた東京都墨田区の探偵業(33)の裁判員裁判の第2回公判が1日、さいたま地裁(中谷雄二郎裁判長)で開かれた。

被告は強盗に加わっておらず、実行犯との共謀が争点。
被告は共謀を否定し、無罪を主張している。

この日は強盗の実行犯の少年が証人として出廷し、検察側主張に添った証言をした。

検察側は少年への証人尋問で、共謀が成立したとされる東京都内のカラオケ店内での赤谷被告とのやりとりについて尋問。

少年は「手足を4本折るぐらいぶっ飛ばして金目のものを持ってくるよう指示された」などと述べた。

また、これに先だって行われた被害者の男性への証人尋問で、裁判員番号2番の女性が質問。

男性の声が聞き取りづらかったのか、「マイクの方に近づいていただけると、話が聞こえるんですが。お願いします」と丁寧に依頼する場面があった。

サンケイ新聞より「実行犯とのつなぎ役、共謀について「記憶ない」 裁判員裁判

埼玉県和光市の住宅に押し入って女性にけがを負わせ現金を奪ったとして、強盗致傷などの罪に問われた東京都墨田区の探偵業(33)の裁判員裁判の第3回公判が2日、さいたま地裁(中谷雄二郎裁判長)で開かれた。

赤谷被告に実行犯の少年を紹介したとされる男が証人として出廷。

男は赤谷被告が少年に犯行を指示したことについて「記憶にない」と証言した。

検察側冒頭陳述によると、男は赤谷被告に強盗の話を聞き、実行犯として少年を紹介。
赤谷被告は東京都内のカラオケ店内で少年に犯行を指示した。
男も同席していた。

男は弁護人からカラオケ店内での様子について質問され、

「少年に『おれたちだけにやらせるつもりなのか』と詰め寄られて恐怖感を感じていたので、ハッキリした記憶はない」
と証言した。

赤谷被告は強盗に加わっておらず、裁判では少年との共謀が争点になっている。
赤谷被告は共謀を否認し、無罪を主張している。

朝日新聞より「裁判員法廷@さいたま「ぶっ飛ばして金を」

◇「無罪」主張の強盗致傷事件/実行役少年が証言

強盗致傷事件をめぐり、さいたま地裁で無罪かどうかが争われている裁判員裁判は2日目の1日、実行役とされる少年の証人尋問が始まった。

被告が事前に犯行を指示したかどうかが争点で、少年は

「被告に『とことんぶっ飛ばして、金か金目のものを取ってきて』と言われた」
などと証言した。

審理されているのは、強盗致傷罪などで起訴された被告(33)。

少年は証人尋問で、「被告と知人の男から(強盗の)指示を受けた」と証言。

事件の2日前にカラオケ店で会った時、被告から「手足を折ってもいい」などと言われたと話した。

被告の様子を「過激で威圧的な話し方だった」と表現。
被告が、インターネットを使って被害者の口座から被告の口座に金を移す提案をしたとも指摘した。

弁護側は

「被告は店で知人と少年の話をすべて聞いていたわけではなく、強盗を指示していない」
と無罪を主張している。

少年は、弁護人から

「店を出た後、被告と連絡を取っていないのか」
と聞かれると、
「被告とは取らず、知人の男と取った」
と答えた。また、裁判員から
「あなたが実行役の中心か」
と尋ねられると、
「自分が他の少年を誘った」
と答えた。

けっこうややこしい話ですね。

実行犯の少年と、被告と、知人の3人が登場人物で、実行犯の少年は被告に指示されたとし、知人も聞いていたはずだ、というのが主張なのでしょう。

被告は指示していない、が主張なのですが、知人は「記憶にない」と証言しています。
しかし記憶にない理由が「少年に『おれたちだけにやらせるつもりなのか』と詰め寄られて恐怖感を感じていたので、ハッキリした記憶はない」では、ちょっと信用しがたい印象ですが、共謀犯というからには、それなりにはっきりと「襲って金を取って来い」という話は伝わっていないと共犯とは言いがたいでしょうね。
証言が信用できない場合に、他の証拠が優先するわけですが、この場合は会話しか無いようですから、非常に重要な証言だったと思います。

単に「痛めつけてこい」が指示だったとすると、強盗にはならない。
しかし、強盗傷害の共犯ですから、立証としては「襲って金品を奪ってくるという指示」が何らかの形で伝わっている必要があると思います。
なんらかのというのは隠語や符丁、動作でも良いようです。

しかし、この場合はその「指示の場」に知人が居たわけで、知人が「聞いていない、見ていない」ではいきなり証拠が極めて弱くなるし、「聞いたが指示とは思えない」となると、それだけでも相当に大変でしょう。

元もと、この事件では検察側は「聞いている」であって、弁護側は「全部は聞いていない」なのですから、知人の証言が「記憶にない」では、検察側はこの段階ではかなり厳しい状況に追い込まれたような印象を受けます。

12月 3, 2009 at 12:50 午前 裁判員裁判 |

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