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2009.11.17

教育委員会は教員に大学院卒業資格を要求しない

毎日新聞より「教員養成:「6年制化」29教委が反対

民主党政権が掲げる教員養成の6年制化について、毎日新聞が全国の都道府県と政令市の計65教育委員会に賛否を聞いたところ、約45%の29教委が「反対」と回答した。6年制化は、医師並みに6年かけてじっくり育てることで「教員の質」の向上につなげるのが狙いだが、実際に教員を採用する教委側の理解が得られていない実態が浮き彫りになった。

今月上旬、全国の支局を通じて各教委の採用担当者らに聞き取りや書面で取材。
6年制に(1)賛成(2)どちらかと言えば賛成(3)どちらかと言えば反対(4)反対--の四つの選択肢を示して尋ねた。

その結果、秋田県や静岡県などの

  • 5教委が「反対」
  • 24教委が「どちらかと言えば反対」と回答
  • 「賛成」はなく、「どちらかと言えば賛成」も岩手県や京都府などの6教委にとどまった。
  • 残る30教委は「具体的な制度設計が不明」などとして賛否を示さなかった。

6年制化で経済負担が増えれば「教員志望者が減少する」と不安視する声は教育関係者の間に多く、アンケートでも最多の27教委が反対理由(複数回答)に挙げた。次いで、多様な人材確保が難しくなる(20教委)▽4年間でも質の高い教員養成は可能(18教委)▽受け皿となる大学院が不十分(17教委)--の順だった。

一方、「どちらかと言えば賛成」と答えた6教委のうち、4教委が「質の高い教員を養成するには4年間では不十分」を理由に挙げ、群馬県教委は「教師に求められる役割が多様化する中、教員志望者にはより充実した研修が必要」と指摘。

賛否を示さなかった教委は「現段階ではメリットとデメリットが不明」(石川県教委)などとして、来年度から議論が始まる制度設計に際して、広く教育現場の意見を聞くよう求める声が目立った。
【井上俊樹】

まあこんなものでしょうね。

全国の都道府県と政令市の計65教育委員会が対象ですから、基本的には直接管轄しているのが県立高校だとなります。
とは言え、人事は例えば東京都では教育委員会は各区にあって、小中学校の教員を監督していますが、教員の身分は東京都職員であり、区内では無くて都内の学校が転勤の範囲になっています。

どこをどうやると、教員資格に大学院卒業を義務づけると何かが変わるのか?という発想なのかが分かりません。

別に教員だけではなく、普通の会社員ですら学校での教育が職場のキャリアーに直接影響しているところは数える程ですよ。

法科大学院卒業は、いまや司法試験を受ける資格として不可欠にしましたが、法科大学院を卒業しても司法試験に合格を保証したり、法曹資格を得ることにはなりません。
実務教育が資格取得を保証するという観点で見ると、自動車教習所とか航空大学校のような、学校内でフルイに掛ける、予備検定を実施する方を主力とするべきだと考えますが、法科大学院はそのようなことをしていません。

教員に大学院卒業を義務づけるというのも、単に驚異になる手間を増やすだけの手続でしょう。
結果として、教員志望の学生がより勉強する可能性はありますが、保証にはならない。

では、一般企業では大学での教育をどのように評価しているのか?と言えば、20年ぐらい前は機械メーカーでは技術系の学生だけを採用して、その中から経理担当者を自社で十何年も掛けて養成するとか、ゼネコンでは建築士の数を外部に知らせるために、まず建築資格を優先して採用して仕事は全く建築設計には関係ない仕事をさせる、といったことをやってきました。
簡単にまとめると、企業は大学の教育を直接的には考慮していない。

逆に、大学での実務教育が「成果」を挙げているとされるアメリカでは、新卒者が持っている実務能力が高いからという理由で、勤続何年の社員が全く落ち度無しでも解雇される世界になっています。

学校での実務教育が、本当に会社に役立つのであれば、人事に直接影響して当然なのです。
しかし、上記のように日本では学校と社会(会社)を一種の絶縁状況に置いてきたのですから、突然「実務教育が必要」と言い出すのは、木に竹をつぐようなものでしょう。

法科大学院も、自動車教習所と同じで予備司法試験を実施して、卒業できないから放校という制度をさいようすれば実務教育と言えますが、現在のところ法科大学院も文科省のルールですから成績評価が相対評価になっています。

法科大学院が、全体として毎年必要とされるの法曹人口(の予測)の何割増しかだけ絞って、全法科大学院の共通テストで足切りをしてしまえば良いわけです。
法科大学院を法律を漠然と勉強する、法学部の延長であるとやっていると「法科大学院卒・法曹資格無し」の卒業生を量産することになります。

結局ところ、実務を考えないで、教育だけやっているのに、看板を実務教育に切り替えているというべきでしょう。

11月 17, 2009 at 11:23 午前 教育問題各種 |

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