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2009.11.25

アメリカのトヨタ車・アクセルペダルでリコールなのだが・追記あり

朝日新聞より「トヨタ、米で400万台ペダル交換へ 暴走事故受け

高級車レクサスが米国で暴走し、乗員4人が死亡した事故に関連し、トヨタ自動車は、アクセルペダルをフロアマットに引っかかりにくい形のものに交換するリコールを実施する方針を固めた。日本時間の25日夜にも米国で発表する。

対象は、米国で販売したトヨタブランドのプリウス、カムリ、アバロン、タコマ、タンドラと、レクサスブランドのESとISの計7車種約400万台になる見通し。9月29日にトヨタが暴走の危険を警告した際には約380万台としていたが、その後の販売車両も含める。

トヨタは当初、フロアマットを適切に固定しなかったり、二重に敷いたりしなければ問題は起きないと主張していた。
しかし、10月に入り、「事故が発生する危険性を減らすため、車両本体を改良する」との意向を米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に伝えていた。

リコールでは、アクセルペダルを短いものに交換。床板との距離に余裕を持たせ、フロアマットがずれたり、二重に敷かれたりしても、引っかからないようにする。
リコール費用は数百億円規模になるとみられる。

また、トヨタはアクセルと同時にブレーキがいっぱいまで踏み込まれた場合、電子制御でアクセルを解除し、ブレーキの作動を優先する装置の導入や、エンジンを緊急停止する操作を分かりやすくする方法についても検討しており、併せて対策に盛り込まれる可能性がある。

今回のリコールは、8月下旬に米サンディエゴ市郊外で、レクサス「ES350」が暴走し、4人が死亡した事故が契機となった。

ES350は07年にも同じ問題でフロアマットを交換するリコールを実施。

トヨタはあくまでもフロアマットの問題としていたが、今回は、車両本体の重要部分であるアクセルペダルをリコールせざるをえなくなった。

トヨタは、日本など米国以外で販売した車については、「北米のような厚みのある全天候型のフロアマットは販売しておらず、現時点で問題があるとは考えていない」(幹部)としており、リコールする予定はないという。

このニュースが伝わってきたときに、フロアマットを二重にするとペダルが引っかかるとはどういう事なのだろう?と思っていました。

ごく普通に二重にしても、そうそう厚くなるわけではないから「引っかかるものなのか、事故になるようなの極めて例外的な状況では無いのか?」とも考えていました。

Up

この写真を見ると、そういう「甘い考え」ではありませんでしたね。

フチ付きミゾ付きのマットとは・・・・・・。
こんなモノが、流行している土地では、アクセルペダルが引っかからないアクセルペダルが当然でしょう。
さらには、自動車用品の展示会や業界団体もあるわけですから、情報を取るなり、フロアマットの基準を定めるなりの行動は自動車メーカーの義務であったでしょう。

今のトヨタは、いささか以上に市場と距離があるのではありませんか?


以下、2009/11/26追記

毎日新聞より「トヨタ:信頼回復に全力 大規模ペダル無償交換

フロアマットが原因で米国で販売した車が暴走事故を起こしたとされる問題で、トヨタ自動車が400万台以上にのぼる大規模な自主改修に踏み切るのは、ブランドイメージの決定的な悪化を避けるためだ。

アクセルペダル交換など、改修には数百億円規模の費用が必要で10年3月期も3500億円の営業赤字を見込む業績への影響は小さくない。

しかし、世界新車販売首位まで上り詰めたトヨタ車を支えてきた「高品質・安全」のブランドイメージを守るには「背に腹は代えられなかった」(トヨタOB)ようだ。【大久保渉、米川直己】

◇米市場への影響重視

「原因がどうであれ、事故が起きたのは事実。ユーザーの不安を取り除くために必要な措置は取らなければならない」--。トヨタ幹部は大規模な部品改修を決断した理由をこう説明。
問題長期化によるトヨタブランドへの深刻な影響を回避するギリギリの判断だったことを強調した。

発端は、今年8月、高級車「レクサス」に乗った一家4人の死亡事故。

事故を起こした車はかなりの高速で走行していたうえ、異なる車種のフロアマットが取り付けられていた。このため、トヨタは問題表面化後も「車両に欠陥はない」と主張してきた。

しかし、米テレビなどマスコミでは「レクサス運転中にアクセルペダルがマットに引っかかり戻らなくなった」という部分がクローズアップされ、死亡事故を重大視した米道路交通安全局(NHTSA)内では強制力の強いリコール(無償の回収・修理)など抜本的な対応を求める圧力が強まっていた。

ただ、車両の欠陥を認めるリコールでは、米国でのブランドイメージへの深刻な打撃は避けられなくなってしまう。
そこでトヨタは希望者にアクセルペダルの無償交換をする踏み込んだ措置を取る一方、あくまで自主的な安全対策としての位置付けは譲らない「実は捨てても、名を取る措置」作戦に出た。

米国トヨタとしては過去最大規模の400万台以上の改修には、数百億円にのぼるという費用がかかる。

トヨタ幹部は「引当金などを約4300億円積んでおり、その範囲で対応可能」というが、昨秋以降の自動車不況の病み上がりのトヨタにとって、目先の収益への影響は小さくない。それでも、トヨタにとってユーザーの不安を解消する措置を一刻も早く打つ必要があった。

ただ、トヨタ流の手厚い対応がどこまで消費者に受け入れられるか。巨額赤字の元凶となった米国事業の立て直しはトヨタ復活に不可欠だが、今回の問題はその作業を厳しくさせる可能性もある。

◇日欧は改修対象外

米国で無償交換を行う8車種約400万台のうち、プリウスなど4車種は日本国内でも販売されている。

車体の設計に違いはないものの、トヨタは北米以外で販売された車両での無償交換は行わない方針だ。ただ、日本や欧州などのユーザーの不安解消には、全社的な丁寧な説明が求められそうだ。

トヨタによると、今年8月に起きた高級車レクサスのES350による一家4人死亡事故の際に、運転席に敷かれていたフロアマットは、米国だけで販売されている厚さ2~3センチの全天候型の商品。

米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いといい、上部のマットが定位置から前方にずれると、アクセルペダルの下部がマットの縁に引っ掛かり、アクセルが全開のまま戻らなくなる可能性があるという。

このため、トヨタは当初「車の構造に欠陥は無く、マットを正しく使用すれば問題はない」(幹部)との姿勢を示していた。

しかし、4人死亡事故が度々米国のテレビで報道されたうえ、問題を長期化させれば、米消費者の間にトヨタ・レクサスブランドに対する深刻なイメージダウンを引き起こしかねないため、米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

この毎日新聞の記事は、トヨタの言い分だけで書かれたのではないだろうか?

トヨタの主張は、アメリカだけで引っかかるフロアマットを使っているのだから、アメリカ国民はトヨタのやり方に合わせるべきだ、と言っているわけです。

では問題のフロアマットが非常識なものであったり、非常識な使い方であるのか?と写真を見てみると、会っても不思議は無い品物です。
そしてそれは米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いのだから、アメリカ国民の使い方に合わせるのは当然でしょう。

にもかかわらず、400万台を改修しなければならないほど長期間放置したと言えます。
普通に考えて「これほどの長期間放置する問題か?」となりますが、それでもなおかつ

米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

などと言っているのだとすると「供給者の論理」から一歩も出ていない。と評価せざるを得ません。
この事自体が、以前のトヨタとは大違いではないのだろうか?
トヨタのやるべき事は、こんな状態にまで放置したことについて、責任を明確化することだと思う。

妥協点を探るではなくて、妥協の余地がない事態に追い込まれている、と言うべきだし毎日新聞も朝日新聞も、トヨタの宣伝費の問題とは別に企業文化の問題としてキッチリとした評価記事を書くべきだと強く思う。

11月 25, 2009 at 07:30 午後 もの作り |

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コメント

ペダルのアーム部分が上に付いていると2重マットにするとペダル下部がマットに引っかかって動きが阻害されやすいが、下に付いている(床から出ている)と影響が少ないという話もあるようです。

投稿: 昭ちゃん | 2009/11/26 17:37:11

>下に付いている(床から出ている)と影響が少ないという話もあるようです。

今どき、床からペダルが出ている(生えている)乗用車はあるのでしょうかね?

ま、それはさておき。
書かなかったのですが、問題になったのはトヨタだけですよね。
ホンダとかマツダなどアメリカ主力の日本メーカーの話はかけらほども出てきていません。

これがすごく気になるのです。

想像では二つの予測があって

  1 たまたま問題にならない。
    あるいは日本国内向けも含めて対処している。
  2 アメリカ文化だからと、当然のように対応している。

1だったら、トヨタの主張にも多少の正義はあると言えますが、2であったら「トヨタはやっぱり田舎大名」となります。

どっちにしても消費者市場に真面目に対応するのであれば、パフォーマンスと言われてでも担当取締役の解雇ぐらいするべきだと思うのです。

投稿: 酔うぞ | 2009/11/26 18:08:35

>床からペダルが出ている(生えている)乗用車はあるのでしょうかね?
ドイツ車に限っては殆どがオルガンペダルです。
理由は不明...

投稿: wader | 2009/11/28 21:46:08

 現行のトヨタ製タクシー仕様車(クラウンコンフォート)のアクセルペダルは、全てオルガンペダル型です。
 昔の物(まだ現役で残っている数年前の車)は吊り下げ型ですが。
 構造を見ると、吊り下げ型のペダルのトレッド部分を外し、床にヒンジを固定したペダルを被せたような形。
 吊り下げ型アクセルペダルは、オルガンペダル型に比べてフリクションが少ない(オルガンペダル型は、アクセルアームとペダル裏側の間に摺動部が有るのでそこでフリクションが発生する)ので、デリケートなコントロールがし易く、ヒール&トゥ操作もし易いので、スポーツカーが起源で広まった形式なのですが。
 フロアマット以外にも、靴底がひっ掛かる可能性があります。
 吊り下げ型ペダルは、傷んで底が剥がれた靴だけでなく、スリップレスのゴム底靴が大きくしなるほど踏み込むと、フリクションでひっ掛かる事が有ります。
 操作時にペダル部分と靴底が摺動しないオルガンペダル型ならそう言う事故は原理的に発生しません。
 個人的には、デリケートなコントロールがし易い吊り下げ型が好きなのですが、営業車はオルガンペダル型の方が安全であるので、仕方ないかと思ってますが。

投稿: craftsman | 2009/11/30 4:09:52

 それにしても・・・写真に映っているアクセルペダル。
 ペダル部分に合成樹脂のカバーが掛かっていますよね?
 吊り下げ型ペダルは、フリクションを減らしてデリケートな操作をし易くする物なので、普通は金属むき出しで、滑り止めもつけないのが常識だと思うのですが。

投稿: craftsman | 2009/11/30 4:22:17

craftsmanさん、

そうそう、オルガンペダル型です。床の方にもヒンジがあるので、マットも挟まりにくいのですね。納得。

投稿: 昭ちゃん | 2009/11/30 6:33:37

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