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2009.11.13

日航・社長の記者会見はなんなのだ?

産経新聞より「【日航社長会見】(1)「大変にご心配おかけして申し訳ない」

経営再建中の日本航空の平成21年9月中間連結決算は、売上高7639億円(前年同期比28.8%減)、本業のもうけを示す営業損益957億円の赤字、最終損益は1312億円の赤字と過去最悪の内容だった。

同社は午後4時半から、東京・日本橋兜町の東京証券取引所で会見に臨んだ。会場には100人を超える報道陣が詰めかけた。

■会見の内容は以下の通り

<冒頭、西松遥社長が厳しい表情を浮かべて口を開くと、カメラのシャッターが激しく切られた>

西松社長

「まず、手前どもの経営状況につきまして、大変にご心配おかけして申し訳ないと思っております。
われわれJALグループは29日に、企業再生支援機構に再生支援を依頼しまして、事前相談を開始しました。

また本日、事業再生ADRを申請しました。 お取引金融機関と協議する必要があるということで、ADRの申請を行ったところです。

それから11月10日、政府によりまして弊社の再建のための方策が発表されております。
再建のためのプロセスが確かなものになると思います。
大変にありがたいご判断がいただけたと感謝しております。

従来以上に、安全運航とサービス向上に努めるべく、邁進(まいしん)していきたいと思います」

<西松社長の話はこれまでの経緯を簡単に説明した後、再建の焦点とされる企業年金改革に及んだ>

「年金改革、OBに関しましては大変ご心配をおかけしております。
企業年金の制度改定については企業再生支援機構との密に連携しつつ、公的支援を受けることの重みをOBに説明して参りたい。
国民目線に沿った対応を行いたい」

<西松社長は引き続き、今月23、26日にOB向けの説明会を行うことを説明>

「今後は全経営陣を総動員して、幅広いOBと積極的に対話を行い理解を得ていく所存でございます。
現経営陣は一丸となって機構とともに国民のみなさんに理解、納得していただけるような再生計画を早期に策定したいと思います。
一方、こういった状況の中、毎日私ども110便が日本の空を飛んでおります。
現場の社員は、高いモチベーションを持ってやってくれております。
どうかご安心の上、引き続き日航をご利用頂けますようにお願い致します」

<あいさつは国民に理解と支援を求めて終わった>

<西松社長のあいさつに続き、左隣に座っている金山佳正取締役が決算の内容を説明した>

金山取締役「残念ながら非常に厳しい結果となっております。2003年連結決算を出してから、過去最悪の決算となっております」

<企業再生支援機構に支援申請中であることなどを理由に、金山取締役は通期業績の見通しは見送ることを説明した。続いて、国際線と国内線の旅客数や利用率がいずれも前年割れとなったことにふれた>

金山取締役「国際旅客収入については2254億円、前年同期比57.2%、国内旅客については3107億円ということで88.1%で、こちらも大きく減少しております。
国際貨物に関しては954億円、前年の半分を割り込むほどで大変な落ち込みとなっております。
合計は6669億円、前年同期比70.8%となっております」

<大幅な減収になった要因について、説明が続く。「落ち込み」「減少」「厳しい状況」を繰り返す>

金山取締役「国際旅客では単価が35%の落ち込みとなっています。
国内旅客では10%の落ち込み、国際貨物は供給量、需要、単価の減とすべてで減っておりまして、特に単価は36%の減となっています。
旅客につきましては、世界同時不況や新型インフルエンザの影響などで落ち込み、現在も非常に厳しい状況が続いています。
下期も非常に厳しい状況を予想せざるを得ない状況になっております」

<本業の航空運送事業の営業損益は972億円の赤字で、連結営業損益のほとんどを占めている。旅行企画販売事業やカード・リース事業はそれぞれ3億円、32億円の営業黒字を確保した>

■担当役員から決算内容の説明があった後、質疑応答に移った。主なやり取りは以下の通り

--藤井裕久財務相が「経営陣は責任を取るべきだ」といっているが、社長の進退は

西松社長「私自身、責任を痛感している。ただ、現在の経営陣がやらなければいけないのは、再生機構とともに、国民に理解されるような再生計画を策定し、確実に実現できる道筋をつけることだ。
それこそがわれわれのタスク。その後の経営体制については(再建の)道筋が付いたところで申し上げたい」

--内外の航空会社と比較しても、JALは突出して業績が悪い。背景をどう分析しているか

西松社長「うちは国内線と国際線の比率がほぼ50対50で、国際線の比率が高い。
その国際線が大きなダメージを受けた。
世界同時不況の影響で、日本のビジネスマンの動きが落ち込み、海外出張が減った。
特にメーカーなどでは、出張が5割減、8割減というところもあり、収益悪化につながった。
反省して事業をやってゆく意味で、再生計画の中で総体的に国際線の比率を落としていきたい」

<経営陣への質問が続く>

--前原誠司国交相直属のタスクフォース(作業部会)は「JALは2500億円の債務超過」としているが、今日の決算では「純資産が1600億円ある」としている。食い違いはどこから生まれたのか

西松社長「手法が違うと考える。われわれは会計処理的な考え方で決算している。一方、タスクフォースは、会社の評価を将来生まれるであろうキャッシュフローや負債との関係で考え、アプローチしているのだと思う。タスクフォースの考え方もしっかりつかみ、再生計画を詰めたい」

--タスクフォースから、(調査などの)費用として10億円の請求が来ているというが、その処理は

金山取締役「額は言えない」

西松社長「タスクフォースがどのような作業をしているか精査したうえで、通常のコンサルティング契約のような形になると考える」

--空港使用料が経営を圧迫しているというが、実態はどうか。

西松社長「(空港使用料は)年間で1200億円くらい。詳しい中身は今、おさえていない」

--前原大臣が着陸料を引き下げることを検討している

西松社長「われわれはぜひそうしてほしいが、着陸料は現存する空港の維持・管理費でもある。国の政策判断に委ねるしかない。私どもがコメントする話ではない」

<西松社長は時折、疲れたような表情で、質問に答えている>

--公的資金注入で生きながらえた後の成長戦略は

西松社長「私自身は日本をめぐる航空需要は伸びてくると考える。日本は1億2500万人の人口に対し、年間の海外渡航者が1700万人と、国際的にみても少ない。まだまだ、渡航者が増える余地あると思う。さらに、アジアの成長が続けば、韓国、中国などの人が日本と行き来するケースが増え、需要は増えると考える。(収益性の高い)国内線の比率を欧米並みの8割に持ってくれば、まだ収益は上がる」

--JALを救わずに全日空1社体制でいいのでは、という声もある

西松社長「それでは独占になってしまう。全日空とJALが競争することによって、サービスの質、安全性がお互いに高まる。複数社体制のほうが、社会的にプラスだ。欧州も1つの域内で複数社で競争し、中国も3社でやっている。日本ぐらいの規模を考えると、当然、複数必要だ」

<問題となっている企業年金に質問が及ぶと、西松社長は歯切れの悪さもみせた>

--年金問題はいつまでに妥結するのか

西松社長「年金問題は再生計画のうえで、大きなファクターなので、いつまでにという時間的なものは調整中。なるだけ早く進めたいが、機構とも調整したい」

--日航OBに年金の減額を求めていくが、過去の経営陣に退職金返還などは求めるのか

西松社長「退職金制度はだいぶ前になくなっているので…」

--では、過去の役員の役員報酬返還などは

「ちょっとあの…。退職金はないので。そういう状況ですので…」

--地方路線の撤退を決めた地元の自治体から、見直しの要求が出ているが

大貫哲也事業計画部長「地元に誠意を持って話をして、今後、具体的なことを発表したい。撤退にご理解頂ければと思う」

<東証での会見はこれで終了した>

なんというか全体を通じて人ごとのように感じる記者会見に見える、しかし朝日新聞の記事JAL中間決算、1312億円の純損失」を見ると

日本航空が13日発表した中間連結決算(今年4~9月)は、957億円の営業赤字(前年同期は302億円の黒字)、1312億円の純損失(同366億円の黒字)となった。いずれも中間決算としては過去最悪。世界的な景気悪化で旅客の減少が夏も続き、861億円の営業赤字を計上した4~6月期から赤字幅が拡大した。

日航が中間決算で営業赤字になるのは、イラク戦争や新型肺炎SARSの影響で484億円の赤字となった03年度以来。

売上高は前年同期比28.8%減の7639億円。ビジネス利用が客数・単価ともに低迷したうえ、新型インフルエンザの流行で観光路線もふるわず、国際線収入は前年同期比43%減となった。

荷動きが鈍り、国際貨物収入も55%減った。

国内線収入は12%減。利用率が50%に満たない路線が国内153路線のうち30路線に達し、前年同期より8路線増えた。

巨額損失を計上したうえ、企業再生支援機構の支援が正式に決まっていないことから、日航は中間決算に「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している」と注記をつけた。

新日本監査法人も監査報告書で追認した。

日航は同日、私的整理の手法の一つ、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を正式申請した。金融機関への債務返済を、機構の支援が決まるまで猶予してもらう狙いがある。

Up

このグラフを見ると、売上高では常に全日空を上回りながら、利益は常に下回っていることが分かります。
この点について、記者会見では論じられていないところが「人ごと」の感じを与えるのでしょう。

荷動きや人の動きが減ったことは世界的な問題で、日本航空だけが減ったわけではない。しかし、日本虚空独自の問題があるから、現在の状況になっているわけで、公的資金を投入するかという段階で「景気が悪いからです」では通用するわけがないだろう。

どういうことになっていくのだろうか?

11月 13, 2009 at 09:35 午後 経済・経営 |

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コメント

「日本虚空」

タイポかイヤミか?
面白いです。

投稿: zorori | 2009/11/14 6:59:56

ひゃはははは(^_^;)

直せなくなっちゃったよぉ~。

まあ、当たらずといえど遠からず。
とりあえず、金庫の中身は「虚」ですしね。

投稿: 酔うぞ | 2009/11/14 10:02:20

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