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2009.11.27

赤ちゃんポストの結果

読売新聞より「「戸籍入れたくない」「不倫」で、赤ちゃんポストに?

「戸籍に入れたくないから」「不倫だから」。

慈恵病院(熊本市)が運営する「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、熊本県の検証会議は26日に公表した最終報告で、利用した親の理由を初めて明らかにした。

体面などを優先した身勝手とも言える内容が4割に上り、子育ての大切さを教えるべき福祉・教育関係者もいた。
一時保護という成果の一方で、匿名性が安易な子捨ての助長につながっている側面が浮かび上がった。

運用開始からの約2年5か月で預けられた子どもは51人。置き手紙やその後にあった電話連絡などで39人の親が判明し、うち37人が回答した。

「生活の困窮」(7人)を抑え、一番多かったのは「戸籍に入れたくない」(8人)。出産した痕跡が戸籍に残ることを嫌がったためという。さらに「不倫だから」(5人)、「世間体が悪い」「未婚なので」(各3人)と続いた。子どもの障害が理由だったケースも複数あった。

母親の年齢は20代の21人を最高に、10代~40代までと幅広かった。

出産場所は医療機関を除き、自宅が14人、車内も1人いた。福祉・教育関係者は複数いたが、人数は明らかにされていない。

また、父親が出産後に姿を消したり、避妊を嫌がった揚げ句に妊娠の責任を取らなかったりした例もあった。

ゆりかごは「遺棄されて命を落とす新生児を救う」ことを優先し、匿名というシステムを採用した。

だが、当初の目的を離れ、福祉・教育関係者までが利用していた実態に、26日に記者会見した検証会議の柏女霊峰座長は「倫理観の低下を招いている」と指摘。

「匿名だからといって、親の身勝手で相談もせずに子どもを置いていくことは認められない。安易な預け入れは子どもの利益を最大限に守るという児童福祉の観点から、決して許されるものではない」と力を込めた。

設置を許可した熊本市の幸山政史市長は26日、「『多くの命がつながった』と意義を認められ、ほっとしている。ただ、匿名に伴う倫理観の低下との指摘は、重く受け止めたい」と話した。
(2009年11月27日02時36分 読売新聞)

実はこの記事は朝タイトルを見ただけで中身を見ませんでした。
毎日見ているブログに取り上げられていたので、改めて記事を見たら、グラフが載っていたのでそれを元に作ったのが以下の表です。

理由人数
戸籍に入れたくない15.76
不倫9.84
世間体5.92
その他17.77
   
   
生活困窮13.75
未婚5.92
養育拒否3.91
不明27.410

この表は、新聞のグラフに書かれていた%を回答者37人に割り当てて、人数として表示しました。
複数回答は無いものとしています。

上下に分かれているのは、記事中で問題にされている「匿名に伴う倫理観の低下」の問題とされている分類でしょう。
「その他」については、家族が育てることに反対した、といった例があるようです。

それにしても「戸籍に入れたくない」がトップというのはいかに何でも問題でしょう。
2年5ヶ月の間のデータですから「戸籍に入れたくない」という理由が、4~5ヶ月に一件の割合で起きていると言えます。

11月 27, 2009 at 05:45 午後 医療・生命・衛生 |

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» 赤ちゃんポスト・悪貨が良貨を駆逐するように、福祉が倫理を駆逐している。 トラックバック 罵愚と話そう「日本からの発言」
「福祉が祖国を崩壊させる。」について  今朝のNHKニュースで報道されていたが、熊本市の慈恵病院に設置されている「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に預けられた乳幼児の実態である。もちろん普通の家庭で生まれた赤ちゃんは皆無で、強姦されたり、未成年だったり、不倫が原因の、すくなくとも父親に育児放棄の責任がないケースはなかった。母親の半分と父親の全員に責任がある事態の結果が赤ちゃんポストだ。  もちろん事態が切迫してしまえば、乳児院に引き取ってもらうのはやむおえない。生まれてきた赤ちゃ...... 続きを読む

受信: 2009/12/24 16:50:29

コメント

匿名だから倫理観が「低下」したわけではないでしょう。
もともと存在した問題が顕在化しただけと考えるのが自然ではないでしょうか。
(日本人は昔から「体面大事」ですし)

で昔はどうしていたかというと、人知れず・・・・ばかりではなくて「親(祖父母)の戸籍」に入れたりしていたのでは?
と想っています。

以前話題になった、「無国籍児」(離婚300日)問題も、昔ならば「親の戸籍に入れる」って手段で回避していた人もいたようですし。

投稿: masa | 2009/11/28 7:36:00

>匿名だから倫理観が「低下」したわけではないでしょう。
>もともと存在した問題が顕在化しただけと考えるのが自然ではないでしょうか。

その通りでしょうね。

まあ、しかし予想外であったとは言えるでしょう。

わたしは、親が未成年とか生活困窮や育てることが出来ない、というのが多いと思っていました。

もちろん、戸籍に入れたくないの中には、未成年という例はあるでしょうが、それはヒアリングで聞き出せると思うので、この調査結果はかなり本当だろうと思っています。

投稿: 酔うぞ | 2009/11/28 13:14:23

「倫理観」云々より、
現実に望まれないで生まれてくる子供がいて、
望まれない状態で、ひょっとしたら虐待などを受けて育つのと、
すてられて、施設で~時には養子として育つのと、どっちが子供にとって、いいのか、
ということで、子供にとっての幸せをまず考えたいですね。
どっちの場合もいろいろな場合があるので、一概には言えませんけど。

投稿: tambo | 2009/11/30 16:39:33

tambo さん

コメントありがとうございます。
わたしは、神ではないし、コメントされている皆さんも読んでいる皆さんも神ではありません。

無宗教な人間でありますが、生命については未だ神の領域であると思っています。

さらに、少子高齢化の進む日本では、いずれにせよ貴重な新世代の誕生だと素直に評価するべきでしょう。

その子が、今後どのような幸せな成長をするのか、どのような社会的な試練に遭遇するのか、われわれは誰ひとりして、その子の将来を保証することは出来ません。

しかし、赤ちゃんポストの設置者も継続を決めたとのことですし、百歩譲って親の倫理観を評価するとしても、それは子どもには関係ないことです。

ほとんどの人は見守ることしかできないのですが、それでも「赤子の未来に祝福あれ」という立場は外すことが出来ないですよね。

投稿: 酔うぞ | 2009/11/30 16:58:32

ポストがあることによって育てる能力も環境もないのに安易に子供を作ってしまうのではないかと心配する人もあるかもしれません。しかし、ポストが無ければ子どもを作るのを自制できるような人なら、ポストがあるからと言って子供を作ったりするでしょうかね?ポストの有無やら後先のことなど考えずに、気がついたら子供が出来ていて困ってしまったというのがほとんどじゃないかという気がします。つまり、望まれない子供の数にポストは影響を与えないと思います。

しかし、望まれない子どもが出来てしまった後の処理にポストは影響するのは確かだろうと思います。ポストがないなら仕方なく自分で育てたような場合でも、ポストがあればそれを利用するかもしれません。これがポストが批判される主要な理由ですが、本当に批判されるような悪いことなのか私には疑問なのです。元々、育てられるような環境ではなかったのですから、心を入れ替えて頑張ったとしても無理があり不幸な結果になるということは予想できます。

一方、子どもを遺棄するというような直接命に係る場合をポストは有る程度防げるのは確かでしょう。

何と言うか、倫理観の低下という批判は「社会保障や福祉は労働意欲を減退させ、勤労に対する倫理観を低下させる」という論に似ているような気がします。倫理観が有っても働けなかったり、子どもを育てられなかったりする厳しい現実があるわけですよね。倫理観ではなく事実を見る必要があると思います。

投稿: zorori | 2009/12/06 18:53:18

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