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2009.10.25

ドル安・日本人口減少・生産性向上・安心感の必要性

朝日新聞より「ドル基軸、米国益に沿わず 米シンクタンク所長指摘

【ワシントン=尾形聡彦】
世界的にドル安傾向が強まるなかで、米国でドルの基軸通貨体制の今後の方向性を巡る議論が高まっている。

米政権とのかかわりが深い、米有力シンクタンク「ピーターソン国際経済研究所(PIIE)」のフレッド・バーグステン所長(68)は朝日新聞のインタビューで「米ドルの基軸通貨体制はもはや米国の国益に沿わない」と指摘し、米ドルの支配的な役割を徐々に下げるべきだと提言した。

今後、20年ほどかけて「米ドルと欧州の単一通貨ユーロの2極体制に移行する」との見方を示すとともに、アジア各国が対ドルへの自国通貨切り上げで政策協調する「アジア版プラザ合意」を求めた

米ドルの地位を次第に低下させる必要性を説いていますね。なぜですか。

「国際通貨システムで米ドルが支配的な地位を占めていることは、米国の国益に沿わなくなっている。
理由は二つある。

まず貿易赤字の拡大につながる
世界からの米国への貸し出しが突然止まれば、ドルは暴落する。
巨額の資本流入は低金利や過剰流動性をもたらし、現在のような経済危機につながってしまう」

「第二に、米国が自らの為替レートを制御することが困難だ。輸出競争力を高めるため、自国通貨を弱めるための(ドル買い)介入を行うと、米ドルは過剰に高くなってしまう

ドル・ユーロの2極体制になるのでしょうか。

「現在は(世界の外貨準備に占める割合は)ドルが65%、ユーロが25%だが、10~20年先にはともに40~50%を占めるかもしれない。

約100年続いたドルの時代が、10~20年でユーロとの2極体制に進化するのではないか

ただ、米政権は「強いドルが米国の利益だ」と言い続けています。

彼らが恐れているのは、ドルの価値が急激に落ちることだ。『強いドル』の定義はなく、財務長官が言わなくてはいけない『公式なレトリック(修辞法)』にすぎない」

米政権は、強いドル政策を実質的に放棄しているのでは。米国は輸出主導型の景気回復を目指していて、そのためドル安は不可避です。

「その指摘は正しい。
米政権が世界経済の不均衡の是正や、輸出主導型の景気回復を目指すなら、競争力のあるドルの交換レートが必要だからだ。

我々の計算では、人民元や、いくつかのアジア通貨はドルに対して切り上げが必要だ。
日本円に対しては、それほど必要ない」

ただ、中国は実質的に1年以上人民元の切り上げをしていません。
アジア諸国も輸出競争力を気にしてドル買い介入を実施しています。

「その通り。中国こそが一番大きなずれをもたらしている。
韓国やマレーシアなどアジア各国もドルに対し人民元が切り上がらなければ、自国通貨切り上げは難しい。
中国も人民元切り上げは、他国が同調しなければ困難だ」

「アジア各国は共通の為替相場政策を追求すべきだ。

為替政策面での連携が賢明な選択で、アジア版の『プラザ合意』(1985年に主要国が、ドル安を進めることで一致した合意)だ。
各国が為替政策の永続的な連携や、『2~3年で2割の切り上げ』などの合意をしてもいい

米中(G2)時代の必要性を指摘していますね。

「私が『G2』を提唱しているのは、気候変動でも国際通貨でも、米中が合意できれば、国際合意にできる可能性がずっと高まるからだ」

米欧日中のG4の形成を目指す動きもあります。

「日本を含めるか否かは、難しい問題だ。
理想は、米中と欧州のG3だ。

日本は人口減や過去20年の経済成長の弱さを考えれば、G3ほど強い経済ではない。

ただ、欧州も政治的に一枚岩になれない弱さがある。だからG2を拡大する場合は、G4か、インドも加えたG5だろう」

鳩山政権への期待は。

日本は依然として貿易黒字に過剰に依存しており、不均衡を是正する必要がある

さらに非常に大事なのは、人口減少を補う生産性の向上だ。

さらなる改革と、市場志向の戦略が必要だ。
私は、現政権が違う方向に向かっているかもしれないと懸念している」

なかなか明確な意見ですね。
日本の政財界などが触れない最重要な問題として人口減に適した社会作りがあります。

現在のところ「人口減が問題だから、人口を増やす」という意見ばかりなのですが、生産人口をすぐに増やすのには移民しかあり得ませんし、今から出生率が上がったとしても、200年程度は人口減になっていきます。
その時に、最大の人口であった社会を維持し続けることが出来るのか?と言う問題ですし、日本の社会全体を維持するためには、限界集落と言われるような社会構造を維持し得ないところは無人にする政策が必要でしょう。

大都市圏周辺のマンモス団地などと言われた新興住宅地の多くは、開発以前は山林などであったところが多く、いわば無人の土地の大勢が住んだと言えます。その大勢の人が居なくなれば、また無人の地になるしかないでしょう。

同じような事は、工業団地などにも言えます。
同じような業種を並べた工業団地では、全く違う業種に転換することは難しいでしょうから、結局は工場なき工業団地となっていくのかもしれません。

どちらにしても、各種団地がドンドンできた当時の「土地が足りない」時代から見ると全く逆の「土地を使用するアテが無い」時代になっていきます。
土地がないから干拓をするといった手法の逆の政策に真面目に取り組むべきでしょう。
そして、小数の日本人が世界に冠たる地位を維持するためには、人口減を遙かに超える生産性の向上が不可欠です。

基本は、教育の充実と高度化でありましょう。
そのためには、国民の個人生活の安心が何よりも必要だと思います。
自由主義の根幹である、競争では日本の安心は育たないでしょう。
エリートや先端分野の促進と同時に、それを支える基礎になるはずの庶民レベルの安心感のより一層の向上こそが最重要なのではないのか?と思うのです。

10月 25, 2009 at 11:36 午前 日記・コラム・つぶやき |

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