« 通販サイトがクレジットカード情報をハッキングされた? | トップページ | アメリカの国民医療保険問題から考える »

2009.09.06

プラント技術のライセンスビジネス

サンケイ新聞より「【すごいぞ!ニッポンのキーテク】温暖化の元凶を樹脂原料に 旭化成のウルトラC

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)。旭化成は、その元凶を回収し、CDやDVDなどの光ディスクに使われるポリカーボネート(PC)樹脂の原料として活用する画期的な製法「ノンホスゲン法」を編みだし、世界展開に取り組んでいる。

一石四鳥の利点

PC樹脂は透明度が高いのが特長で、光ディスクのほか、自動車のテールランプカバーや家電部材向けで広く使われており、今後も中国などの新興国の需要拡大を背景に、市場の成長が見込まれている。

地球温暖化防止が急務となるなか、CO2を原料とするノンホスゲン法への期待は大きい。

ノンホスゲン法は、CO2を他の化学物質と反応させることで一酸化炭素と酸素に分離。PC樹脂と衣料品に使うポリスエステル繊維の原料になるエチレングリコールを生成する。

通常の製造法で必要な猛毒ガスのホスゲンを使わずに済むことに加え、CO2排出量の削減にもつながる“一石二鳥”の製法だ。

しかも、ホスゲンを使う従来の製造法では、ガス漏れを防ぐための設備や、塩素系の有毒廃棄物が含まれた排水を浄化する処理装置が必要だ。しかし、ホスゲンを使わなければ、こうした大がかりな設備も不要になる。環境対応に優れているだけでなく、プラントを建設する際のコストも割安になる。

利点はまだまだある。旭化成の林善夫取締役は「アルミの膜と組み合わせて作る光ディスクの製造にノンホスゲン法のPC樹脂を使うと、製造過程で塩素を使う必要がないため、アルミの劣化も防げる」とし、品質面でのメリットを強調する。一石二鳥どころか、四鳥の大収穫だ。

実用化に25年の歳月

同社がノンホスゲン法の開発に着手したのは、昭和52年までさかのぼる。63年に実証プラントを稼働させ、平成14年に台湾の化学メーカーと合弁でプラントを建設し、25年の歳月をかけて商業生産にこぎつけた。

苦労に苦労を重ねた独自技術だが、実は旭化成ではPC樹脂の生産は行っていない。製造技術を供与して対価を受け取るライセンス契約をPC樹脂メーカーと結び、ノンホスゲン法を世界に広げるという戦略をとっている。

自らPC樹脂生産に乗り出さないのは、後発の立場で参入するよりも、市場動向に左右されないライセンス契約で事業を展開した方が収益性が高いと判断したためだ。林氏は「環境対応に優れた製造法として、世界のPC樹脂メーカーに向けて技術を広めたい」と意気込む。

全世界に広がる

現在、ノンホスゲン法によるPC樹脂の年産能力は、世界全体の1割弱を占める33万5000トンに達する。海外では台湾のほか、韓国、ロシア、サウジアラビアの4カ国・地域で5プラントが稼働している。さらに来年には、サウジアラビアで年産能力26万トンの大型プラントが動き出す。

林氏は「ライセンス契約の拡大を通じ、2015~20年をめどにノンホスゲン法による生産能力を100万トン以上に高め、約25%のシェアを確保したい」として、今後は欧州や中国の化学メーカーとも積極的に契約を結んでいく考えだ。

本来なら生産能力を増やせば、CO2の排出量も増えてしまうが、ノンホスゲン法なら排出量削減に貢献できる。今後も各国で旭化成の独自製法が広がりそうだ。(山田泰弘)

化学方面の知識はさっぱりなので、紹介されるまで知りませんでした。
ちょっと検索してみると、メルト法とも言うようですが、CO2を原料(出発物質)として製造する、というところがポイントのようです。

総合的に、プラントにしてそれをライセンスにして、世界中に製造プラントを作るところが、特に注目するところなのでしょう。

ビジネス展開として楽しみですね。

9月 6, 2009 at 09:42 午前 もの作り |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/46133709

この記事へのトラックバック一覧です: プラント技術のライセンスビジネス:

コメント

コメントを書く