« 韓国の南極基地で暴行事件 | トップページ | 教育政策の大疑問 »

2009.09.19

インフルエンザワクチンの世界的な品不足

NHKニュースより「ワクチン 85か国で調達困難

先進各国で新型インフルエンザ用のワクチンの接種に向けて準備が加速するなか、WHO=世界保健機関は、世界全体としては発展途上国を中心に85か国でワクチンを調達するめどが立っていないことを明らかにしました。

新型インフルエンザ用のワクチンをめぐっては、今月末から来月にかけて、オーストラリアやアメリカ、日本などが接種を始める方針を示すなど、先進各国を中心に準備が加速しています。

しかし、18日にジュネーブで記者会見したWHOのハートル報道官は、WHOが、当初、世界全体で見込んでいた年間49億回分というワクチンの製造能力について、「このままでは予想を少なからず下回りそうだ」と述べ、世界全体にワクチンを行き渡らせるためには、今の供給態勢では不十分だとの認識を示しました。

そのうえで、ハートル報道官は、ワクチンを調達するめどが立っていない国が発展途上国を中心に85か国に上ることを明らかにしました。

この問題で、アメリカやフランスなど9か国は、自国で確保するワクチンのおよそ10パーセントを発展途上国に供給すると発表していますが、WHOでは、引き続き国際社会に対し、途上国がワクチンを確保できるよう、資金や技術の提供などへの協力を呼びかけています。

この報道はいろいろな問題を指摘しています。

日本ではワクチン製造が間に合わないことが明らかになってきましたが、そもそもはスタートが遅かったからだと考えています。

ワクチンが間に合わないことに対して、厚労省は基本的に「大丈夫」としか言わないのは、当然と言えば当然かもしれませんが、いささか以上に無責任なのではないのか?と以前から思っていました。

そして、厚労省がワクチンの輸入を打ち出したことに対して、安全性の観点から反対する意見が多数あります。

この厚労省の対策の遅れと、輸入に対する反対意見は、基本的に健康問題だけをとらえているのだろうと思いますが、社会的な問題としては病気の人が出ると社会の運営に問題が生じることも考えないと、バランスを失することになります。

新型インフルエンザは免疫がない人が多いために強い伝染力があり、急速に拡大することは分かっているわけですが、現在のところ病気として比較的軽いことが分かっています。

そこで、ワクチン輸入反対の根拠としては、「ほとんどの患者は数日で回復するから危険かもしれないワクチンの投与をすることはない」となります。

もちろん、一番まずいのは厚労省がワクチン製造について判断を遅らせたことですが、社会的に見るとどんな対策があり、どんな問題が生じるのかを冷静に見当するべきところを、病気の治療だけの観点で議論してしまったから「輸入すれば良い」でOKのようなことになったのでしょう。

しかし、今回の報道は「日本がワクチンを輸入しても良いモノか?」という疑問が明らかになった、というべきでしょう。

日本の社会をどうやって動かし続けるのか?というのと同様に、世界を動かすのか?も問題のはずです。

健康保険制度も、社会を動かすためには全国民を対象にした保険制度の方が社会全体としては低コストになる、という原理で出来ています。

この考え方が通用しないのがアメリカで、日本でも健康保険が本質的に全国民を対象にするべきなのに、細分化したものだから単位となる保険組合間で収支のバラツキがドンドン拡大してきました。
これを放置すると、本来の健康保険制度の崩壊になります。

自己責任を重視する意見が、新自由主義で強調されてきましたが、自己責任だけではやっていけないことが、このワクチン報道などで明らかになってきました。
「輸入すれば良い」という判断に対して「金を積んでも輸入できない」という究極の状況が待っています。

自己責任論は、いわば部分最適化(分野別高能率化)を越えるものではないでしょう。
これは製造業などでは否定されているわけで、小さな政府論が自己責任論に転じているところが問題なのかと思います。

社会や国家としては、必ずしもその時点での一番有利な選択だけをして、常に無駄のない状態を維持することは不可能です。
使わないかもしれない、ワクチンを作るべきだったのは今となっては明らかでしょう。

同じような問題は、防衛問題やエネルギー問題、農水産業などに代表されます。
「○○を××するから問題ない」的な即物的な政策には疑いの目を向けるべきだと思うのです。

9月 19, 2009 at 10:27 午前 国内の政治・行政・司法 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/46249811

この記事へのトラックバック一覧です: インフルエンザワクチンの世界的な品不足:

» 新型インフルエンザ 感染国 乳児 トラックバック 新型インフルエンザ/豚インフルエンザ
新型インフルエンザ感染経路等の検証は重要ではないのでしょうか?豚インフルエン.... 新型インフルエンザ感染経路等の検証は重要ではないのでしょうか?豚インフルエンザ→新型インフルエンザがメキシコで発生・蔓延はじめて既に一月たちますが、強毒性インフルエンザを封じ篭めるためにも、、、一月たってようやく季節性インフルエンザと同じ対応となるようだが、今回のインフルエンザの感染経路・水際対策などの検証をし、感染から発症までの潜伏期間・どのように感染するか、サーモグラフィー検査の有効性、簡易検査検出精度、遺伝... 続きを読む

受信: 2009/09/20 5:51:12

コメント

コメントを書く