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2009.09.19

教育政策の大疑問

朝日新聞より「教員養成課程の6年化検討へ 教員の質向上策の一環

川端達夫文部科学相は18日の記者会見で、民主党が総選挙のマニフェストで掲げた「教員養成課程の6年制化」を含めた教員の質向上策について、近く検討に入ることを明らかにした。川端文科相と副大臣2人、政務官2人による政治主導で行うという。

教員養成課程6年制の制度設計をはじめ、自公政権が始めた「教員免許更新制」の効果の検証など、教員の質をどう向上させるかの基本方針を話し合う。官僚には、ここで決まった方針から具体的に指示するという。

日本の教育費は国際競争力の観点から増加するべきなのです。

サンケイ新聞より「【教育】教育への公的投資 日本再び最下位 GDP比

経済協力開発機構(OECD)は、加盟各国の2005年国内総生産(GDP)に占める教育への公財政支出割合について調査結果を発表、日本は前年よりも0・1ポイント減少し3・4%で、データ比較が可能な28カ国中で最下位だった。

調査は国と自治体の支出総額が対象。日本は03年も最下位で、04年はワースト2位。先進国最低の教育投資について文部科学省は「GDPは伸びたが、少子化の影響で公立学校の教員数が減り、給与支出や施設整備費が減ったことが背景にある」としている。

調査結果によると、28カ国の平均は5・0%。1位は7・2%のアイスランドでデンマークの6・8%、スウェーデンの6・2%が続き、北欧の国が上位を占めた。下位3カ国は日本のほかスロバキアとギリシャ。

教育段階別の公財政支出でみると、小中高校までの初等中等教育では、日本は2・6%で下から3番目。大学などの高等教育は0・5%で各国平均のほぼ半分となり最下位だった。

教育費全体に対する私費負担の割合は、日本は31・4%。韓国、米国に続いて3番目に多く、公的投資の少なさを私的支出で補っている実態があらためて浮かんだ。

日本の私費負担は、義務教育では1割だが、幼稚園などの就学前段階は55・7%、大学などの高等教育段階が66・3%と高く、家計を中心にした負担に頼っていることがうかがえる。

文科省は今年7月に初めて策定した教育振興基本計画で、10年後に公財政支出をGDP比5・0%まで引き上げる目標を明記しようとしたが、財政再建を目指す財務省の強い反発から、見送りとなった経緯がある。

この対策として、教員の質の向上を目指すべきで、教員養成に6年化は一つの選択肢とありでしょう。

しかし、どんな組織でも同じことですが、人材には優秀な人から、居てもらっては困る人まで居ます。
組織全体としては、適所適材を目指して、優秀な人材入れば、追い抜かれて仕事が出来ない人が排除される仕組みが機能していますが、教員の世界ではそれが機能していない。

そこをなんとかしようしたのが、教員免許更新制度です。

川端文科相は教員免許更新制度を廃止すると言っています。

毎日新聞より「川端文科相:教員免許更新制度 廃止含め見直し

教員免許の更新制度について、川端達夫文部科学相は18日の閣議後会見で「求めるゴールは(教育の)質の向上。着手は早速にさせたいと思う」と述べ、廃止も含めた見直し作業を具体化させる意向を示した。

民主党は代替制度として教員養成課程の6年制化や、免許保持者にさらに2年程度、大学院で学ばせる仕組みなどを提案している。

川端文科相は「相当広範囲に検討し、大きく制度設計しなければならず、現行制度の検証も必要。4年間の中で一定の方向性をつけることは当然で、精力的に検討を進めたい」と述べた。川端文科相は官僚が作成した資料を持参して会見に臨んだ。【加藤隆寛】

一体何をどうしようと言うのか?

片方では、世間から強く批判が出ているダメな教員の排除を目指した制度を止めて、片方が優秀な人材だと思われる人を増やす。
これでは、原理的に「ゴミの蓄積が増える」ようなものだろう。

現実問題として、各教育委員会が苦労しているのは、各学校で断られた教員の再配置です。
仕方ないから、優秀な教員をリクエストした学校にセットで送り込んだりしている。
こんなことがいつまでも続かないのは明らかで、ここに手を付けないで何かとなる、というのならその処方を示すべきでしょう。

全体目標を示さず、その時々の「対策」だけで何とかなる時代は終わっているだろう。
これではどうにもならない、と強く思います。

9月 19, 2009 at 10:58 午前 教育問題各種 |

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コメント

>世間から強く批判が出ているダメな教員の排除を目指した制度

結局、教員免許更新制は「不適格教員の排除」という当初の目的からかけ離れた制度になってしまったので、このままズルズル続ける意味はないと思います。

投稿: エディ | 2009/09/19 15:20:05

 知人に小学校教諭がいますが、彼に言わせると、
「何らかの不適格者排除制度は必要。しかしながら、教員免許更新制度はその機能を持っていない」
だそうです。
 不適格教員とは、以下の二者が代表的です。
・勤労意欲が全くない
 授業をしない、単に生徒に出来合いのプリント配るだけという教員が少なからずいます。
・教えるだけの能力がない
 英検3級すら取れない英語教員とか、高校入試問題を解けない中学数学教員が実在します。

投稿: Inoue | 2009/09/20 1:22:36

前に、教員免許更新手続について「実行出来ないだろう」と書いていますが、まさに「期待される機能を持っていない、極度の非効率な仕組み」でしょうね。

教員の質を向上し、仕事を分担することは喫緊の課題で、部活の顧問だからと事故の刑事責任を問われるなんてのは、話にならないです。

実験がおろそかになる、と言っても実験助手が居ないのだから当然だろう。
となっていきます。

今では、教室に担任と副担任が居ることも珍しくないのですが、別に専門能力で任命していないから、単に先生の数が増えただけ。

変革が必要なときに、全く身動きできない、といった様子です。

投稿: 酔うぞ | 2009/09/20 1:38:54

本スレッド本論と離れますが、愛知県では摩訶不思議な青少年育成計画を策定中のようです。
はたしてここまでの必要があるのか。私は不要だと思う。
果たして県民は納得して同意するのか。私が愛知県民だったら未来永劫同意しない。

【あいち子ども・若者育成計画2010(仮称)(案)】に対する意見の募集について[2010年1月21日]
http://www.pref.aichi.jp/0000028843.html

投稿: 昭ちゃん | 2010/01/22 21:32:33

>昭ちゃん
>あいち子ども・若者育成計画2010(仮称)(案)

どこが「摩訶不思議」なのか、私にはわかりませんでした。よろしければ、教えて下さい。

投稿: エディ | 2010/01/23 23:34:18

この話題のことですよ。
J-cast 「「30歳未満はネットも恋愛も禁止」?? 愛知県条例案に質問や抗議」
http://www.j-cast.com/2010/01/22058562.html

投稿: 酔うぞ | 2010/01/23 23:49:19

>酔うぞ さん

ありがとうございます。
30まで対象になっていることですね。

#18までにしろよ<愛知県w

投稿: エディ | 2010/01/24 15:12:21

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