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2009.08.06

裁判員裁判についてのまとめ記事

サンケイ新聞より「「開かれた法廷」関心…選任、立証に課題も

東京地裁で開かれている全国初の裁判員裁判は5日、法廷での審理を終えた。裁判員を選ぶ手続き、検察、弁護側双方の立証・主張の手法など、初めての試みばかりの3日間。
新たな工夫で、法廷はこれまでより国民に開かれたものになった一方、問題点も浮かび上がった。(加納裕子)

法廷

「形見のナイフをなぜ持ち出したのか、という質問にはハッとした。法律家からは出ない」。

弁護側がこう評価するように、裁判員の活発な質問の背景には立証・主張の工夫があった。

検察側は主張の際、プレゼンテーションソフトで要点を大型モニターに表示。死因説明に3D(3次元)のCG(コンピューターグラフィックス)を活用したビジュアル立証は、法廷の変化を強く印象づけた。

「殺意」などの用語はかみ砕き、「腹部」を「おなか」と改めるなど、細部にもこだわった。
弁護側も紙を持たずに、裁判員に語りかけるような主張に努めた。専門家同士の応酬の場だった法廷は、格段に分かりやすくなった。

また、検察官は遺体の映像を示す際、「大型モニターを切ってください」と告げ、裁判官と裁判員だけに示し、「目を背けたくなると思いますが、重要な証拠です」と配慮した。

今年1月、東京都江東区の女性バラバラ殺人事件の公判で、検察側は遺体の一部などの映像を傍聴席にも映し出した。そのとき、遺族が号泣して退廷したことの“反省”が生かされた。

ただ、「どこの地検もCGなどを使って立証できるわけではない」(検察幹部)ように、「分かりやすさ」に“地域格差”が生まれる可能性もある。
「ビジュアル立証は目立つが、記憶に残らない」(検察関係者)という懸念も根強い。

今回の裁判では、証言や主張のメモを取る裁判員の姿も目立った。意識の高さとも言えるが、
最高裁関係者は「法廷でのやり取りは映像で記録されている。メモを取るより、やり取りや表情に注目してほしい」と呼びかける。

選任

裁判員を選ぶ手続きへの出席を求められた候補者は49人中47人が出席した。

高い参加意識を示す一方、選ばれた9人の裁判員と補充裁判員以外の38人は“無駄足”。裁判員に選ばれなかった候補者は「手続きに参加しただけでも裁判が身近に思えた」「選ばれるのかどうか、来ないとわからず困った」などと語った。

しかし、呼び出す人数を絞りすぎると、出席率が下がった場合、裁判員を確保できなくなる。呼び出し数の見極めは難しい。

呼び出し状を受け取った候補者のうち、今回はおおむね4人に1人の辞退が認められた。

最高裁は「国民の負担に配慮して、柔軟に認める」との姿勢だ。しかし、辞退の基準を下げると、仕事を持たない人など時間にゆとりのある人の参加しか見込めなくなってしまう。幅広い国民のさまざまな経験や意見を反映するという制度の趣旨からは遠ざかってしまう可能性もある。

当初選ばれた裁判員は女性5人、男性1人。関係者は驚きの声をあげた。

弁護人によると、藤井勝吉被告は被害者と同性の裁判員が多いことに不安を感じていたという。弁護人は「被害者は女性だが、男性でも『自分の妻が同じ目にあったら』と考えるかもしれない」と量刑に直結しないとの見方だが、対象が性犯罪の場合、性別が影響する可能性もある。

候補者の性別や年齢は公表されておらず、評議で男女の裁判員が述べた意見も守秘義務から公にはならない。男女比や職業、年齢などの偏りが与える影響は、公平な裁判との関係で論議を呼びそうだが、検証は困難な状況だ。

「形見のナイフをなぜ持ち出したのか、という質問にはハッとした。法律家からは出ない」。

弁護側がこのようにコメントしたそうですが、これはかなり重要なことでした。
一年以上前に書いた「高校生模擬裁判選手権2009」にこんな一節があります。

まるでミステリーのようなことなのですが、物語ではないので読者に相当する観客は「神の視点」が与えられていません。

わたしはたびたび傍聴もしているし、法学には以前から興味を持っているの者ですが、それでも実際の法廷での立証などでは傍聴人として無責任さも加わってか、法廷に示された内容が全てであるかのように思ってしまうところがあります。
つまり法廷は神の視点を持っていて見逃していることはない、と思ってしまうわけです。

しかし、もっと素朴なところで疑問を吹っ飛ばして裁判が進行しているところもあるのは当然で、弁護士はそれらを立証の順序など、戦術的に利用したりもします。
こういうことが行きすぎると「社会の平均的な判断とかけ離れた判決」といったことになっていくのでしょう。

裁判への士民の参加を、傍聴の延長であると考えてみると分かりやすいと思います。

現在、裁判所内では撮影と録音は禁止されていますが、以前はノートを取ることも禁止されていました。
最近ではノートPCで記録している人もいます。

わたしも加わった中西準子先生の「環境ホルモン訴訟事件」では、意図的に「ネット傍聴」というを試みました。
傍聴者がネット上に法廷を再現してしまうことです。この事によって、傍聴人の意識は高まり何年にも及ぶ裁判でも常にある程度の以上の傍聴人が来たし、裁判長も相当に緊張して審理を進めたと実感しました。

そして、ついに裁判員制度です。
個々の法廷(裁判官)だけではなくて、法曹界全体が緊張して裁判について考えることは、決して悪いことではないでしょう。

8月 6, 2009 at 09:15 午前 裁判員裁判 |

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コメント

先ほど、ネットを見ていたら、このような投稿が

【日本テレビ】「とうとうやりやがった!!」裁判員の顔をモザイク無しで全国へ晒す公開リンチ敢行 - 1ドットの声にもギガバイトの魂
http://blog.goo.ne.jp/doanobudoanobu/e/b670ed907d800e761d6bcad1efc5b29c

NHKも名前が出ていました。

気になって最高裁のサイトを見たら、
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c6_7.html
裁判員制度 | 裁判員制度Q&A
>Q:報道機関により,裁判員も法廷内で撮影され,テレビや新聞に報道されることはあるのですか。

>A:法律上,何人も,名前,住所その他裁判員であることを特定するに足りる情報を公にしてはならないとされていますので,裁判員の顔などが法廷内で撮影され,テレビや新聞で報道されることはありません。

真偽不明のBLOGですから、鵜呑みにはできませんが、非常に気になります。

投稿: 多分役立たず(HNです) | 2009/08/06 21:08:20

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