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2009.08.13

裁判員裁判・読売と朝日の姿勢

読売新聞より「2件目の裁判員裁判、弁護の違いが量刑に影響

さいたま地裁で開かれていた全国2件目の裁判員裁判で12日、判決があった。

先週の東京地裁での第1号事件では、過去の量刑の傾向を表す「量刑相場」より重めの判決が出たが、第2号事件では弁護人の主張がある程度受け入れられた。

3~6日に東京地裁で行われた裁判員裁判では、近隣トラブルから女性を刺殺し、殺人罪に問われた被告に懲役15年(求刑・懲役16年)が言い渡された。判決は被害者の落ち度を強調した弁護側の主張を認めず、ベテラン裁判官が「突発的な殺人事件では10年強を中心に考える」と話すように、従来の相場よりも厳しい結果だったといえる。

一方、さいたま地裁では殺人未遂罪に問われた被告に、検察側が懲役6年を求刑、判決は懲役4年6月だった。判決は被害者が犯行のきっかけを作った面があることや、被告の自首など、弁護側が強調した「被告に有利な事情」に目配りしており、別の刑事裁判官は、「この事件をプロの裁判官だけでやれば、懲役5年を下回ることはなかったのでは」との見方を示した。

裁判員が加わった場合の量刑については、「被害者の生の声に動かされて重くなる場合もあれば、被告の境遇に同情して軽くなる場合もある」(ベテラン裁判官)との予測があった。

被害者の遺族も参加した東京の裁判で、弁護側は「被害者が犯行のきっかけを作った」と主張したが、法廷ではこれに沿う証言をあまり引き出せなかった。最終弁論では、検察側の懲役16年の求刑に対し、「不当に重い」と言うのみだった。裁判員を務めた1人は後日、記者会見で検察側の求刑や被害者の代理人の意見が参考になったとする一方、「弁護人が具体的に何年が妥当と思っているのか知りたかった」と指摘した。

一方、第2号事件の弁護人は、この裁判員経験者の感想も参考にして主張を組み立てたという。罪状認否で被告が起訴事実を認めると、弁護人が「自首が成立しますので、執行猶予を求めます」と、すかさず付け加えた。公判の冒頭に弁護人が刑の重さまで口にするのは異例のことだった。

さらに最終弁論では、最高裁の量刑検索システムを利用した上で、過去の同種事件の量刑分布を示す棒グラフをモニターに映し出し、「懲役6年にグラフの山はあるが、執行猶予の部分にも山がある」と述べた。

一方、検察側も同じシステムを利用したが、「執行猶予がついているのは、被害者が被告の親族で、被告を許しているときだ」などとして、実刑を求めた。

量刑検索システムを土台に、検察官と弁護士が具体的な量刑の主張を展開した今回の第2号事件について、ある刑事裁判官は「データベースの検索結果という同じ客観データを使えば、かみ合った議論を引き出すことができ、非常に有効だ」と指摘している。

朝日新聞より「「一般市民には重い」「苦しい制度」 2例目裁判員会見

全国で2例目となる裁判員裁判を終え、記者会見に応じた裁判員たち。被告に懲役4年6カ月の判決を宣告し、緊張から解かれた表情で語る言葉には、一人の人生を考え続けた3日間の重みがにじみ出た。

さいたま地裁内で12日開かれた記者会見には、裁判員6人に加えて補充裁判員2人も参加した。

「大変疲れました」。感想を問われ、1人が口を開いた。被告人質問では積極的に質問を繰り返していた裁判員3番の男性だ。「やっぱり重いです。一般市民には非常に重い作業だった」「とても興味本位でやることではない」

今回の事件の焦点は、被告の刑の重さをどの程度にするかに絞られていた。まだ有罪か無罪かを真っ向から争う裁判員裁判は行われていない。

「(他の裁判員が)これから有罪か無罪かを決めることを考えると、非常に重くて苦しい制度だなと思う」。1番の男性は、こう語った。さらに、有権者から無作為に選んで審理に参加させる仕組みについて「苦労を強いている。回数を積み重ねることでみえた課題は、改善していただきたい」と要望した。

4番の男性は67歳。高齢者が参加する場合の負担の重さに触れた。「孫には『じいちゃん、大丈夫か』とさんざん聞かれた。もっと若いときにこういう体験をさせていただければよかったと思う」

今回の審理は3日間。出廷した証人は被害者1人だけだった。2番の男性は「精神的にきつかった」と話したうえで、「ふつうのけんかのように両方の話を聞いてから、もう一度聞き直すということができないのが、どうだったのかなと思った」と、短い審理期間の限界について語った。

他の裁判員や裁判官と話し合った内容は明かしてはならない決まりだ。4番の男性は「『守りたい』としかいえないと思いますが、まあ、どうでしょうかね。つらいところです」と実感を込めた。

今回の裁判員たちの服装は、赤や緑、水色などカラフルなシャツが目立った。実名を公表して記者会見に臨んだ6番の菊地健治さんは仕事柄、スーツを着ないという。「あまりに場違いなものではまずいと思ったので、出かける前に妻に一度、見てもらった。『こういう格好で来て』という目安があればいいかな」と話した。(山本亮介、市川美亜子)

■「守秘義務違反の恐れ」回答を制止

裁判員法は評議の内容についての守秘義務を裁判員経験者に課している。記者会見では、質問に答えようとした裁判員が、立ち会っている地裁の職員に違反するかどうかを確認し、職員が事前に回答を制止する場面があった。

裁判長はこの日の法廷で、被告に「十分やり直しがきく」と説諭した。記者の一人が「裁判員のみなさんの気持ちを代弁した言葉か」と尋ねると、裁判員の一人が「言っていいんですか」と前置きして、問い合わせるように職員へ視線を送った。職員が首を横に振るような身ぶりを見せると、裁判員は「控えさせてください」と話した。

この裁判員によると、会見前に地裁側から違反の恐れがあるときにはその場で指摘するか、後で報道機関側に発言の取り消しを求めると聞かされていたため、自ら目配せしたという。地裁側は会見後、事前に制止した理由を「(回答が)判決について裁判員が賛成したのか反対したのかの特定につながる可能性があるので、守秘義務に違反する恐れがあった」と説明した。

読売新聞と朝日新聞の記事を比べてみると、良くもここまで記事が別れるものだと感心してしまうほどだ。

読売新聞は二つの判決について、東京の裁判では重めに、埼玉の裁判では軽めの判決になった、ことを指摘して、その理由が弁護の違いであるとしている。

わたしはこの記事は大変に重要な事を書いていると思います。
「初めての裁判員裁判を終わって」に書いた通り

裁判員裁判の本質は市民感覚を判決に反映させることですから、判決のブレが大きくなって当然です。
裁判員裁判に反対あるいは批判する意見の中核は判決のブレを認めたくない、というところは大きいと思います。
しかしながら、それは「裁判官は神であれ」と言っているのに等しいわけで、それ自体があり得ない。

だと考えていますから、この点を実際の二つの判決が揃ったところで、記事を作るのは絶好の機会であったと言えます。

対して、朝日新聞の記事は「東京での最初の裁判員裁判について全く触れていない」
それ自体が異様です。

結局のところ、朝日新聞の姿勢は、裁判員裁判について反対ために

  1. 消極的報道
  2. ネガティブ面を主にした報道
  3. 全体像を評価せず、個々の裁判などで問題点を取り上げる

という方針のように見えます。
こんなことで良いのですかねぇ?

8月 13, 2009 at 09:22 午前 国内の政治・行政・司法 |

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コメント

裁判員がインタビューを受けて大丈夫なのかと心配です。彼らを守ってくれる組織はないのに と思ってしまいました。

投稿: | 2009/08/14 0:20:43

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