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2009.06.26

787・6月の初飛行は実現せず

FujiSankei Business iより「787初飛行、5回目のお預け 納入時期未定、ボーイング株急落

米ボーイングは23日、今月30日を目標としていた次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の初飛行を延期し、航空会社への納入時期も向こう数週間未定だと発表した。

これを受け、23日の米株式市場で同社の株価は昨年11月以来最大の下げとなった。

同社民間航空機部門のカーソンCEO(最高経営責任者)はこの日の電話会議で、主翼よりも上の胴体部分に想定を上回る負荷がかかっている状況が判明したため、初飛行延期を決めたと述べた。

今回で初飛行の延期は5回目。

初延期となった2007年10月以降、ボーイングの株式時価総額は半分余り減少している。

カーソンCEOは今月16日、同日にも787が「飛行できる」との認識を示し、月末までに飛行実施する計画を強調していた。
同CEOはこの日、16日時点でボーイングは問題を把握していたが、19日まで飛行延期を決定しなかったと説明した。

787は来年1~3月期の納入が計画されている。

DAデービッドソンのアナリスト、J・B・グロー氏はインタビューで「初飛行延期で少なくとも納入開始が数カ月遅れる」と指摘し、「最良のシナリオでも開始は2010年半ばだろう」と語った。

787型機の複合材主翼のメーカーは三菱重工業で、同主翼と結合する胴体部品を製造するのは富士重工業。
問題となっている部分には両社とボーイング製品が使われており、これら3社が解決に向けて取り組んでいると、同機を担当するボーイングのゼネラルマネジャー、スコット・ファンチャー氏は説明した。
同氏によれば、初飛行の新たな時期は「向こう数週間以内に」明らかにする。

787は、材質を工夫することで同社の従来機に比べて20%燃費効率を高めた点が特徴。
今回、問題となっている部分について、同社は比較的修正は簡単で、飛行機全体の重量を増やすことにはならないとしている。

ノースウエスト航空と合併し世界最大の航空会社となったデルタ航空の広報担当者は、今回の初飛行延期を受け、「787の発注については何の変更もない」と説明した。
同社は787を18機発注しており、2013年に初めての納入される予定。
同氏は納入スケジュールについて、「ボーイングと緊密に連絡をとっている」とした。(Drew Benson)

Bloomberg

technobahnjapan より「B787構造欠陥問題、問題箇所は三菱重工の製造部品

009/6/26 00:25

ボーイングが開発中の次世代旅客機、B787で新たに見つかった構造上の欠陥(強度不足)は日本の三菱重工 (7011) が生産を請け負った主翼を機体本体とを接続する構造部分であることが24日までに明らかとなった。

英航空専門誌「フライトグローバル」によると、構造上の欠陥が見つかったのは具体的には、三菱重工が生産した「Section 12」と呼ばれている主翼構造部品。

「Section 12」には主翼構造を支えるストリンジャー(stringer)と呼ばれる梁が主翼の先端から付け根まで通っており、ストリンジャーキャップを通じて機体本体と接合が行われている。
しかし、規定値の120~130%の負荷をかけたストレステストの結果、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの一部に損傷が生じ、ストレス要件を満たすことができないことが判った模様だ。

ボーイングでは当初、主翼のストレステストの結果、ストリンジャーキャップに生じた損傷は軽微なもので深刻な問題ではないと判断をしていたが、その後、実施された詳細検査の結果、ストリンジャーキャップの強化が必要であるという判断に至ったとしている。

「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化を行う場合、既に完成した飛行テスト用の2機(ZA001/ZA002)に関しては再び製造工程に戻して主翼部分の接合をし直す必要が生じる。また、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化は単に強化を施せば良いという性格のものではなく、強化を実施した場合には再び、主翼のストレステストまで戻って品質検査をやり直す必要性が生じることとなり、B787の製造開発は大幅な後退を余儀なくされることとなる。

今のところ、新たに見つかった機体の構造問題に関連してボーイングからは納期再延長の正式発表は行われていないが、状況的に顧客納期が数ヶ月から半年程度の遅延が生じるのは必至な状況だ。

製造・製法のミスであれば作り直せば良いわけですが、荷重を掛けたら破損したというのでは、設計の失敗なのでありましょうか?

日本でも、自衛隊の新型輸送機C-Xが似たような強度不足で2007年7月にロールアウトしましたが、現在に至るまで飛行せずに改修中です。

あまりにギリギリなところを狙って、設計上の見逃しや検討不足が現物を作ってから明らかになる、といったところがあるのでしょうか?

787は軽量化による大幅な燃費向上がウリなので、あまりに極端な重量増加は787の商品価値そのものを下げることにもなり、ポーイングとしては厳しい局面に至ったというべきでしょう。

6月 26, 2009 at 08:48 午前 もの作り |

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コメント

主翼boxbeamとcenter wingの結合部に問題を生じたそうですが、この部分は構造的には重要な部分なので熟練した技術者に設計を担当させ慎重に設計し、又製造ではベテラン作業員が担当するのが常識です。ここで破壊が生じたようなことは過去には聞いたことがない。他の部分はどのような設計になっているのかと考えると背筋が寒くなる、全日空さんはとんでもないものにひっかかりましたね。

投稿: shakya | 2009/06/27 10:25:22

ボーイング社も設計審査(計算・実験?)の時点で性能を確認後の実物製作だと思うので、外から見れば現時点の構体強度の責任はボ社と見るのが当たり前だろうから、今更なぜ部品製造メーカー名を出してまで延期を表明するのか理解しがたいですね。わざとリークしたと思われても仕方がないなー。重要部品を日本メーカーに外注したのが単に悔しいのか、外注せざるを得ない当時の内外情勢が悔しかったのか・・・。

投稿: 昭ちゃん | 2009/06/27 23:05:30

787プログラムではほとんどの仕事を外注してコストを下げていると言っていますが、実はボーイング社では熟練した技術者がいなくなり、設計審査など出来ない状況です。アメリカではそのような事情はよく知られているので、日本のメーカーの名前を出すことで衝撃を柔らかくしようとしているようです。そのような状態を認識しないで全日空はキックオフカストマーになっていますが、UAやAA等は一機も発注していません。

投稿: shakya | 2009/06/28 10:32:15

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