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2009.06.16

骨太の大転換とは言いがたいが

サンケイ新聞より「骨太2009 社会保障費抑制を弾力化へ

政府は15日、月内に決定する経済財政の指針「骨太の方針2009」に、社会保障分野の歳出抑制を緩和する事実上の弾力条項を盛り込むことで与党と調整に入った。

骨太09の素案では、社会保障費について「骨太06等を踏まえ、歳出改革を継続」と明記されている。
平成22年度予算では、社会保障費の自然増分を毎年2200億円削減する目標が残るため、与党から不満が出ていたが、経済情勢を踏まえて、社会保障関係の施策拡充への歳出を可能にする考えを盛り込む方向だ。

素案では予算編成をめぐり、「現下の経済状況への必要な対応等を行う」とし柔軟姿勢を示しているが、社会保障分野で弾力的な予算運用が可能になるように明確化する考えだ。
社会保障で必要な施策を手当てできることを明示し、与党の反発に配慮する。

一方、政府は骨太09に社会保障、経済、国際的貢献の3分野を「最重点項目」として加える方針だ。

最重点項目には予算を重点配分する。
職業訓練の支援強化や、少子化問題に対処する政府組織を拡充する方向を盛り込む。
雇用や年金、医師不足問題などへの不安が高まっていることを背景に、社会保障分野に力点を置く姿勢を鮮明にする。

また、低炭素社会への移行を促す研究開発の支援や、国際的なリーダーシップを発揮するためアジア各国への金融面での協力も重視する。政府は16日に骨太09の原案を経済財政諮問会議に提示、23日に最終決定する。

東京新聞より「大合併打ち切り答申へ 地方制度調査会が首相に

政府の第29次地方制度調査会(会長・中村邦夫パナソニック会長)は16日の総会で、国主導で1999年から推進してきた「平成の大合併」を来年3月末で打ち切ることを柱とする麻生太郎首相への答申案を審議する。同日中に答申を決定、提出する予定だ。

調査会の専門小委員会がまとめた答申素案では、市町村数がほぼ半減した市町村合併について、現行の市町村合併特例法の期限の来年3月末で「一区切りとすることが適当」として、国の財政支援などで誘導してきた合併推進方針の転換を提言している。

一方で「合併は行財政基盤の強化に今後も有効」として、特例法期限後も自主的な合併を支援する新たな特例法を制定すべきだとした。

また、人口1万人未満の市町村が全体の4分の1以上を占めることを踏まえ、小規模自治体の行政サービスを確保するため福祉や保健などの事務を都道府県が補完できる仕組みや、周辺市町村との広域連携など多様な選択肢を用意する必要性を指摘した。

このほか地方議会制度の見直しや、自治体の監査機能の強化を提言。地方自治法で定めている議員定数の上限撤廃や、複数の市町村で監査委員事務局を共同設置できる制度の検討などを求めた。
(共同)

この2本の記事は、微妙に小泉・竹中=新自由主義からの転換を図る意図があるように見えます。

医療費や社会保障費などが増加する理由は、少子高齢化社会の到来に原因があるわけですが、新自由主義論者は「アメリカではこうだ」と日本との比較を無視してコトを進めてきました。

いわば、医療費や社会保障費の削減こそが少子高齢化からの脱出に有効であり、経済が復興するとの論理です。
さすがにこれでは「絵に描いた餅」であって誰もが「そんなにうまく行くわけがない」と感じていても、与野党を通じて「改革こそが正義」であり、その改革とは「削減すれば良い」ですから対案の出しようがなかった。

今回の方針変更は「もうこれ以上の「改革」は無理」ということでもあるでしょう。
しかし、ではどういう社会像を描いているのか?となると、この2本の記事では分かりませんね。

特に「大合併打ち切り」は打ち切ってどうするんだ?であります。
そもそも自治体と成り立たない規模と内容(高齢化)の地域が出てくるわけです。

統計局のデータで生成17年(2005年)の自治体別の人口統計をみると

人口自治体数
1000人以下25
1000~200067
2000~300074
3000~400091
4000~5000104

となっています。

この規模では、すでに行政事務を行う人手を確保すること自体が難しいというべきで、実質的に自治体としては独立して運営は出来ないでしょう。

この段階まで行くと、いわば国の直接管理しかないわけで、これまた「大合併すればなんとかなる」という方針が無理であった、という証明です。

結局のところ、アメリカも含めて新自由主義が結局は弥縫策であったということであり、特に少子高齢化対策なんてものが緊急で何とかなるものではない、長期的な国家戦略として将来の国民が豊かに生活するための施策を明示せずに「改革すればOK」やってきたことがダメであった。という結論でしょう。

6月 16, 2009 at 09:24 午前 国内の政治・行政・司法 |

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