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2009.06.21

高温ガス炉発電所をカザフスタンに建設?

東京新聞より「カザフ、日本の新型原発導入へ 18年完成目指す

【セメイ(カザフスタン北東部)20日共同】
カザフスタン北東部にある旧ソ連のセミパラチンスク核実験場に接する、かつての軍事閉鎖都市クルチャトフに、日本の技術を導入して発電効率の高い原子炉「高温ガス炉」による新型原子力発電所の1号機の建設が計画されていることが分かった。

カザフスタン国立原子力センターのカディルジャノフ総裁が19日、共同通信に明らかにした。

同実験場は旧ソ連最大の核実験場で、1949~89年に450回を超す実験が繰り返された。

1号機は2018年に完成、22年ごろ稼働する計画。

核兵器の被ばく問題を抱える両国が、原子力の平和利用で協力を深める象徴的な共同事業になりそうだ。

総裁によると、茨城県大洗町に研究用の高温ガス炉を持ち、世界最先端の実証試験を行ってきた日本原子力研究開発機構の技術を基礎に、東芝やカザフ国営原子力企業カザトムプロムなどと合弁企業の創設を協議中。

日本側は半分程度を出資する方向で、ロシアとスロバキアも参加の意向を示しているという。

1号機の発電能力は5万キロワットで、暖房用の温熱も供給する方針。

予算は5億ドル(約480億円)以上で、カザフ側は日本の国際協力銀行(JBIC)に資金協力を要請しているという。

本当かよ?としか思えないニュースですが、日本の高温ガス炉については独立行政法人・日本原子力研究開発機構・大洗研究開発センターのHPにある、「HTTR」に詳細が出ています。

HTTRの構造と特徴

HTTRの構造と特徴について説明致します。

  1. 燃料について
    燃料には、仁丹粒の大きさの約半分ほどの被覆燃料粒子を用います。この被覆粒子燃料は、小さなウラン燃料の球状の粒子をセラミックで4重に包むことで、高温に耐え放射性物質が燃料粒子の外にでるのを防止する構造になっています。
  2. 炉心構造材について
    炉心構造材には昇華点が約3700℃の黒鉛を使いますので、耐久温度が極めて高く、かつ熱容量の大きな炉心になっています。
  3. 冷却材について
     冷却材にはヘリウムガスを使用します。ヘリウムガスは化学反応せず、放射性を帯びることもない非常に安定なガスで、また相変化もしません。

HTTRの主要仕様

熱出力30MW
一次冷却剤ヘリウムガス
一次冷却剤圧力4MPa
原子炉入口温度395度C
原子炉出口温度最高950度C
炉心構造物黒煙
燃料セラミック被覆した、二酸化ウラン微粒子
国外の動向を見てみると、発電プラントとして実用にはなっておらず、研究炉止まりのようですから、日本も競争力があるということのようです。
気になる記述としては

海外で高温ガス炉の開発を積極的に進めた国にアメリカとドイツがあります。
これらの国の発電用原型炉は、財政的理由等から運転を終了していますが、
その成果は日本、中国や南アフリカなどの計画に引き継がれています。

実用化するためには、投資可能なコストの範囲で元が取れなくては絵に描いた餅になってしまうわけで、実用になっている原子力発電は100万キロワット以上ですから、HTTR では1桁は出力が少ない。

以下は、各国の計画です。

南アフリカPBMR400MW
ロシア、アメリカGT-MHR600MW
アメリカNGNP600MW

こうなると、ニュース記事の「1号機の発電能力は5万キロワット」というのはどういう意味があるのだろう?
なんかよく分かりません。

高温ガス炉は、比較的安くできるのだそうですが、それでも出力がどのくらいにするのが適切のか?と感じます。

6月 21, 2009 at 09:55 午前 もの作り |

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