« 若者がんばってる | トップページ | 高温ガス炉発電所をカザフスタンに建設? »

2009.06.18

LEC大・募集停止

朝日新聞より「LEC大、来年度の募集停止 日本初の株式会社立大

「株式会社立」の4年制大学として国内で初めて設立されたLEC東京リーガルマインド大学(本部・東京都千代田区)が、来年度の学生募集を停止することを決めた。

同大は札幌市から福岡市まで全国12カ所にキャンパスがあるが、入学者減による経営悪化から今年度は千代田区の本部キャンパスでのみ学生を募集していた。

募集停止後も在校生がいる間は授業を続け、大学院は引き続き募集を行うという。LEC大は18日、募集停止を在校生に説明する。

株式会社立大が募集停止した例は大学院大学で1校あるが、4年制大は初めて。

LEC大は04年4月に開校した。小泉改革の目玉だった規制緩和によって、「構造改革特区」で学校法人以外に株式会社でも大学が設置できるようになったのを受け、資格試験予備校などを経営する株式会社「東京リーガルマインド」(反町勝夫社長)が設置した。

通常は設置認可まで8カ月程度かかるところ、株式会社立大学に適用される特例で、3カ月という短期間の審査で設置が認可された。

当初は本部の千代田区のほか、札幌、宇都宮、千葉、新宿(東京)、横浜、静岡、大阪、神戸、岡山、広島、松山、北九州、福岡の計14カ所にキャンパスがあったが、新宿と北九州は廃止され、現在12カ所。
法律や会計学、都市政策などを学ぶ総合キャリア学部に459人が在籍する。

同社が今月15日、文部科学省に提出した報告によると、唯一、学生募集を行った千代田区のキャンパスでは、募集目標の60人(定員自体は160人)に対して入学者19人と大幅な定員割れとなっていた。

また、同社からの大学設置提案を受けて、国に特区の認定申請をした千代田区から、入学者数低迷を懸念され、今後の大学運営をどうするか報告を求められたことを説明。

「熟慮の結果、将来入学してくる学生よりも、在籍学生の適切な修学維持・向上のために経営資源を集中させることを決断した」と募集停止の経緯を明らかにしている。

LEC大の広報担当者は17日の朝日新聞の取材に「何も言えない」と話した。

株式会社立大学は全国に6校ある。特色ある教育で評価される大学がある一方、経営面や教育環境、内容が不安視される大学もあった。

大阪市のLCA大学院大学は06年に開設されたばかりだが、経営難から、今年度、すでに学生の募集を停止している。

LEC大も、「専任教員」の大半が、実態として専任とはいえない点などが大学設置基準に違反するとして07年1月、学校教育法に基づく初の改善勧告を受けた。

中央教育審議会(文科相の諮問機関)では現在、規制改革の流れで緩和されてきた大学設置基準を補強すべきだとの声が出ている。(青池学、葉山梢)

学校法人なら大丈夫で株式会社だから危ない、という理由は無いはずだが、参入障壁は株式会社の方が低いだろうから、結果として下手な経営も多くなるのだろう。

規制緩和が大学設置基準の全体的な緩和というのはナンセンスで、教育の本質から言えば、金融機関などと同じく事業の存続性についての保証を重要視するべきだっただろう。

簡単に作ることが出来るから、簡単に止めることが出来るという問題ではないことは明らかだ。

それにしても「小泉改革」の危なっかしいと言われていた面が次々と行き詰まるのは「やっぱりね」としか言いようがない。
別稿でも指摘しているが、小泉改革=新自由主義の主張は、あまりにも極端に単純化し過ぎているだろ。

そういう手法は所詮は無理なのであって、どこかで破たんして当然と言える、今回もその一つだと思う。
簡単に出来ることだからこそ、大変なのだといった一見矛盾したようなところに踏み出すことなのだという当たり前のことを見ないでやってきた結果ということだろう。

6月 18, 2009 at 07:00 午後 教育問題各種 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/45379155

この記事へのトラックバック一覧です: LEC大・募集停止:

コメント

ここは「初の」株式会社立大学なんだから、文科省から入念なチェックが入るのは当然にもかかわらず、改善勧告されるような杜撰な事をやってましたね。

LECと言えば資格業界では超有名。資格予備校とはいえ、学校経営についてそれなりのノウハウも積んでるはず。それが大学になるとなんでこんな下手くそな運営になったのだろうか。不思議で仕方がないです。

投稿: 中山 | 2009/06/21 4:04:42

中山さん

>LECと言えば資格業界では超有名。
>資格予備校とはいえ、学校経営についてそれなりのノウハウも積んでるはず。
>それが大学になるとなんでこんな下手くそな運営になったのだろうか。
>不思議で仕方がないです。

想像というか妄想の域ですが、
やはり「業界の支援が得られなかった」が一番の理由じゃないでしょうか?

業界というのは、別にライバルという意味ではなくて、あらゆるところが関係してきますから、例えばよく知っている事務職員を採用できない、といったことが起こります。

そういうギルド的なところを壊すことこそが大事な事だったはずですが、LEC大は設立のところから「楽に出来るから」だけを選択して来たように見えます。

当然、普通に大学を作るよりも大変なところがあるのに、楽だからやるでは続かないのも無理は無いかと思うのです。

さらに、教育なんてものは続いてこそ価値が定まるもので、そこをどう考えていたのか?
ここが分からないです。

理念無き大学教育事業進出と言われても仕方ないといったところかと感じます。

投稿: 酔うぞ | 2009/06/21 8:14:10

あの〜かつて通いながらバイトしていた経験から言わせても
らうとですね。

ここ、かなりいいかげんなんですよ。法律の専門学校なのに
尊法意識にかけたところがあるというか。

看板講師だった伊藤真氏が独立しようとしたときには
裁判沙汰になり、敗訴してますし。
その他にも、ワードエクセルを社内でコピーして使い回して
訴えられたりとか。
(これまた敗訴して、その言い訳を校内にでかでかと掲示してた)
私らバイトには有休が認められず、講師をしてた社労士の先生が
あきれてましたっけ(今はどうか知らない)。
ちなみに辞めるときに契約書書きました、私(採用されたときに
書いてなくて、書類上辞めるに辞められない形になったので)。
バイト代は結構良かったですけどね。

社長が東大卒で、政財官に広い人脈を持つお方なので(もちろん
法曹界にも)その「コネ」で大学設立が認められた面もあると思
うのですが。

東京で撮影した授業風景のビデオを全国の「支店」で流して、
予備校ならともかく、それで「大学」の一丁上がり、というのは
流石に無理があったのでは、と。
というか、有名大学よりよっぽど司法試験その他難関資格の合格
者を出している、あるいは有名大学生でもLECに通わないと合格
しないという「事実」があったので、ある種の「おごり」があっ
たのかも。なめてた、というか。

目的もお金儲けと箔付け以外の何ものでもなかったでしょうし。

投稿: フラットテイル | 2009/06/21 21:43:07

■LEC大:来春から学部生の募集停止 定員割れ続き、累積赤字30億円-サブ・プライムローンと同じようにNPOの分野に民間営利企業が入り込むと失敗するという格好の事例か?
こんにちは。LEC大学、というか、株式会社大学は結局失敗だったようです。私自身は、最初から失敗するのではと思っていました。私のブログでは、その根拠を掲載しました。結論として、NPOの分野に民間営利企業が入りこむと、失敗するというものです。日本では、報道されませんが、アメリカでは随分前から NPOが低所得者向け住宅の提供をしており、成功し続けています。サブプラムローンによる破綻は、民間営利企業がこの分野に入りこむと失敗することの格好の事例となったと思います。LEC大学の失敗も本来NPOの分野に民間営利企業である株式会社が入り込んで失敗したものであり、根本的にはサブプライムローンの問題と共通点があります。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2009/06/22 13:38:03

ブラック企業アナリスト・新田龍氏による、東京リーガルマインドに関する解説記事。

著者略歴・株式会社ヴィベアータ代表取締役。「ブラック企業ランキング」ワースト企業で事業企画、コンサルタント、新卒採用担当を歴任。日本で唯一の「ブラック企業の専門家」として、TVや各種メディアでのコメンテーター、講演、執筆実績多数。著書に「伝説の就活」・「逆転内定」シリーズ、「人生を無駄にしない会社の選び方」、「ブラック企業を見抜く技術・抜け出す技術」、「就活の鉄則!」など。

さて、今回も粛々と大企業のブラックな実態を暴露していきたい。
今回は東京リーガルマインドを採り上げる。
同社は私の定義する「一見優良企業だが、実際は遵法意識がなく、私利私欲追求のため故意に違法行為をおこない、社員や取引先が迷惑を被っている会社」にぴったり当てはまる、まさに真正ブラック企業である。
継続的に同社社員からヒアリングをしているのだが、あまりにネタの宝庫であるため、通常2回の特集では収まり切らないことを懸念しているくらいだ。
まずは同社のアウトラインから説明していき、徐々に核心へと迫っていこう。
東京リーガルマインドは、弁護士をはじめとする国家資格の取得を支援する資格予備校を全国で展開している他、書籍出版、教育機関や法人向けの研修、職業能力開発・雇用支援など、教育分野で手広く事業展開している。
通称は「LEC」(レック、Legal Education Centerの略)だ。
同社の創業者は、現会長の反町勝夫氏である。「東大経済学部卒」、「公認会計士にも司法試験にも合格」、「電通勤務」、というピカピカの経歴の持ち主だ。
その反町勝夫氏が1979年、電通を35歳で辞めて司法試験専門塾を創業したのが同社の始まりである。以後、現在に至るまで株式非公開であり、全株を反町氏が保持している。そして、この反町ワンマン体制が、同社の闇の根源なのだ。
同社は「学部に関係なく予備知識なしで法律家に!」という、専門書を使わないカリキュラムが大受けし、最盛期の売上高は約260億円(2005年度)を誇っていた。
当時は売上に応じたボーナスも支払われ、相応に働きやすい環境であったと言われている。
しかし、その後、同社の売上は下降の一途を辿り、売上高を公開していた最後の記録で年商153億円(2009年度)。現在は更にその半分、最盛期の1/3程度と言われている。
ある年の仕事納めのとき、会長が「今年は何とか倒産を乗り切った」と挨拶するも、社員はそんなに事態が深刻だとは知らず驚いた、というエピソードもある。
では、この間に同社と反町氏の間で何が起こっていたのか。
内部にいた複数の社員からの証言を時系列でまとめると、次のとおりになる。
<反町会長の変化>
儲かっている時期に、当時の取締役たちによるクーデターにたびたび遭い始め、だんだん人格的にドライになっていったと言われている。この頃に、
(1)「一日に何十万枚も書類をコピーさせる」強制労働部屋を設ける
(2)「転勤=長期出張」という独自の法的解釈づけを就業規則に反映させ、転勤費用を払わずに何度も全国移動して、社員を金銭的に干上がらせ、辞めさせる方法を考案する
(3)会長と会長夫人に各支店の内部情報を報告する、高給の諜報社員(表向きは普通の社員)を各支店に配属させる
といったことを開始した。
<事業の衰退>
司法試験の出題傾向が、判例や法律書をある程度読み込んでいないと太刀打ちできないスタイルに変化していった。同時にロースクール(法科大学院)の出現により、50億円分の年商が吹き飛んでしまった。
この時期(2004年)、日本初の「株式会社立大学」としてLEC東京リーガルマインド大学(LEC大学)を設置し、全国に14キャンパスを開設する。しかし定員割れが続き、累積赤字は約30億円に達したため、2009年に学部学生の募集を停止。この年の入学者は、定員160人に対してわずか19名であった。LEC大学に関しては数々の法令違反があり、文科省からの指導勧告が出されている。
<ブラック施策のはじまり>
(1)賞与制度を2012年に廃止し、頑張っている社員に社長が裁量で決めた金額を授与する「奨励金制度」が開始となった
(2)就業規則の改定により、連続20日勤務の業務命令が可能になった
(3)同じく就業規則改定により、新卒社員(直近3年間は募集せず)の初任給を19万円から17万円に引き下げ
社員やパートがなかなか集まらないため、「講師募集」と求人しておいて、実際採用した後、「講師の席が空いてない、空くまで運営スタッフをやってほしい」と言って、講師として業務をさせることなく、事務系社員として使用し続ける、という事態が常態化している。
<事業体制の変化>
同社の主要事業として
(1)資格試験事業
(2)公共事業(職業能力開発・雇用支援、就労者支援)
(3)教育機関や法人向けの研修
があるというのは先述のとおりだが、現在(1)の事業が大幅に落ち込んでおり、(3)についても現状維持、もしくはジリ貧の状況である。したがって、(2)の公共事業へ主軸がシフトしつつある。
会長が、人生の総仕上げとして、「求職者支援訓練や就労支援事業といった公共事業で実績を上げ、“国難を救った人物として名を残したい”」という姿勢になっているようで、会議の席などでも頻繁に口にしているという。
その流れで、同社に中途入社した人物(X氏と仮称)が公共事業の大型案件の営業が専門であることから、現在はX氏を特に重用しているようだ。
<X氏の主導で起きたこと>
X氏の悪辣な所業は、もはや伝説的ともいえるレベルに達している。一部を箇条書きで挙げていこう。
(1)公共事業における水増し請求
⇒水増しを指示された社員とそれを知った社員(執行役員)の2名が退職
(2)メールによる社員攻撃(全社員にCCを付ける)
(3)気に入らない社員を自分の机の横に4時間~6時間くらい立たせたまま、PCをいじったりメールを打ち続ける⇒これをやられた社員3名が退職(うち1人は執行役員)
(4)数か月のうちに何回も社員を長期出張(つまり転勤)させる
⇒2名退職
(5)結核に罹った女性社員に何日も徹夜させ、この話をミーティングに持ち出し「結核にすら罹っていないお前らはヤル気あるのか」と他の社員を叱責
(6)気に入らない社員が注文した名刺を取り上げて渡さない⇒1名退職(執行役員)
(7)残業を申し出た女性社員に「そんなに残業したけりゃ俺と朝までいよう。そうすれば朝まで残業できる」と発言⇒1名退職
(8)妊娠によって時短勤務になった女性社員が本当にまっすぐ家に帰っているか、改札を通過するかタクシーに乗り込むまで尾行
(9)子供の発熱によって遅刻連絡してきた女性社員に「やる気が無い」といって欠勤扱い⇒当該女性(育児による時短勤務中だが、億単位の企画書を1人で書き上げられる実力者)は泣いて抗議し、幹部社員から「欠勤扱いはコンプライアンス上まずい」と仲裁が入るも、欠勤扱いを断行。⇒当該女性は退職。
(10)労基署立ち入りによる未払い残業代の申告調査で、未払い分を申告した社員を個室に数時間監禁、一部の社員は地方へ異動命令
⇒2名退職
(11)自身の取り巻き幹部を女性社員にのみ限定しているため、母子家庭の女性幹部が連日徹夜し、一人娘が連日1人で留守番する事態も生じており、問題視する社員も多い
(12)退職した社員に関してX氏は「自分が辞めさせてやった」と吹聴するため、退職理由の証明に関する労働基準法の規定に違反するのでは、という指摘もある
(13)X氏が同社の大阪法人トップに就任することが内部で発表された際は、30名弱の社員が一斉に退職。
<はびこるブラックな実態>
(1)求職者支援訓練における就職達成率の偽装とそれによる奨励金の不正受給⇒大きな問題なので、次回詳しく採り上げる。
(2)残業の申し出に対して「シフト変更で対応してください」(忙しいときを10時間勤務にして、その分ひまな日の勤務時間を削って残業なしでトータルの勤務時間を調整させること)と幹部が突っぱねるので、結果的にサービス残業が常態化している
(3)大阪市から「未就職の若者のための就労支援セミナー」を受託した際、「現在活躍している企業経営者による講話を3回以上開く」という条件が含まれていた。同社はこのうちの1回を、会長による「わたしの創業日記」という題で講演。質疑応答もほとんど許さない一方的な演説というずさんな状況であった
(4)会長の発案で、時事通信社のニュース記事の「てにをは」を変えて「LECニュース」とし、印刷したものを全校舎で設置頒布するも、時事通信社から警告書が送られてきて頓挫
(5)専務執行役員が、「始末書の書き方が悪い(謝り方が不十分)」という始末書を提出させられたことがある
(6)事業部トップの人物が「1,000円で10時まで残業してくれる人!」とか、「この中でサービス残業してくれる人いない?」といった発言を部署内で頻繁に行うため、問題になっている
(7)一時期、「その日の出来事や社内の改善提案を、社長宛に3行以内でメール報告すること。メールして来ない者は、反逆者と見なし登用から外す」という通達が出たことがある。しかし「社長宛に送ったはずの改善提案メール」が他の幹部に転送され、「てめえ、余計なこと社長にメールしやがって」と、送信者が吊るし上げられたり、「社長にメールする前に事前に見せろ」という幹部が多数現れたりする事態となり、まともな内容を書く社員がいなくなってしまった。
いかがだろう、あまりにブラックすぎる内情ではなかろうか。
他にも情報は多々あるのだが、それはまた次回以降に出させて頂きたい。
次回は「求職者支援訓練における就職達成率の偽装とそれによる奨励金の不正受給問題」を中心に、同社に根を張ったブラックな体質と、なぜこんな環境でも働き続ける社員がいるのか、といった点について考察していく。

さて、今回も粛々と大企業のブラックな実態を暴露していきたい。
前回に続き、東京リーガルマインドを採り上げる。
前回は創業会長の出自から、会社がブラック化していく過程をひもとき、現時点の社内でどんな悪行がおこなわれているのかを俯瞰していった。
やはり2回くらいでは終わらないネタの豊富さなので、引き続き暴露していきたい。
今回「求職者支援訓練における就職達成率の偽装とそれによる奨励金の不正受給問題」を述べていくと前回に宣言したのだが、いきなりここに切り込んでしまうとちょっと話が細かくなってしまいそうだ。それよりもまずは同社の組織図からブラックな体質を検証し、段階的に詳説していきたい。
労働環境が劣悪な会社では、社員が自嘲気味に「ウチで○年持てばいいほうだ」などとうそぶくことがあるが、もちろん同社も例外ではない。ちなみにLECでは「半年持てば重鎮」と言われている。
同社では退職者情報が発表されないので、正確な退職者の数字は不明だ。ただ内部からの情報によると、大阪法人の場合「フルタイムの職員が50人程度の管理本部で、1年間で150人が辞めた」という証言がある。そう、退職者数に対して補充がまったく追いついていない状態なのだ。
退職者があまりに多いため、会長や社長宛に限らず、同僚も含めた「退職挨拶メール」や「退職挨拶回り」自体を禁ずる通達が出されるに至ったことからも、自体の深刻さがみてとれる。
では、現時点で同社の組織体はどのようになっているのだろうか。
内部からの情報を基に説明していこう。この情報自体は直近のものだが、数か月スパンで組織構成がどんどん変わっていくことが日常的な会社であるから、正確に反映できているか保障できないことを予めお伝えしておく。
<同社の組織構成>
【階層1】会長(反町勝夫氏)
【階層2】社長(松本元氏)⇒社員からは「ハカイダー」の仇名で呼ばれている。かつては反町会長のLECでの教え子(司法試験受験生)だったが、松本氏が35歳のときにLECに入社し、パートからキャリアをスタートさせた。ときどき、「2ちゃんねる」のLECスレに社長自身が割って入って書き込みをするらしく、書き込んでいる社員達から「本人降臨!」などとからかわれている。
【階層3】取締役(社長以外)⇒もともと5名いたのだが、うち1名は退職、3名が【階層4】に降格となり、現在1名だけになっている。この1名というのが、大阪法人のトップである石原潤氏。先述の、「150人退職」の根源的存在である。LECには数年前に参画した人物だが、公共案件などの営業力には強みを持っており、現在会長からの寵愛をもっとも受けていると言われている。一方で、古参社員からの妬みも相応に受けているようだ。
【階層4】上席専務執行役員⇒こちらでも退職者がおり、現在2名体制。このうちの1名が、全社員にCCをつけた叱責メールを部下に送ったり、タイムカードを切った後の残業指令をメールで出したりするなど強烈なパワハラ行為が内部で問題視されている人物である。ただ残業指令については、社長自身がこれを追認するようなメールをかぶせてきたため、多くの社員が呆れている状態。
【階層5】専務執行役員
【階層6】常務執行役員 ⇒階層5と6にそれぞれ20~30名存在し、1~2か月に1度の割合で激しく入れ替わりが起こっている(というより、あえて「起こしている」)。
これは階層6から5に上がると、手取り給与が5~15万円程度上がるため(とはいえ、「20~25万円」だったところが、「30~40万」くらいになる程度)だ。
頻繁な入れ替えにより、両階層の社員を感情的にコントロールすることが目的である。
この階層には、各事業部門のトップクラスの人物が在籍していたのだが、「会長の方針に賛同できず辞める人」「それに同調して辞める人」が相次ぎ、部門によってはトップ不在のままの状態が続いている。
【階層7】執行役員⇒この階層にも20~30名が在籍。名前こそ「執行役員」だが、いわゆる「名ばかり管理職」である。待遇は所属長と同じ。しかし、サービス残業、休日サービス出勤、早朝会議出勤など負荷は結構大きい。
【階層8】所属長⇒20~30名。こちらも名前こそ「所属長」だが、平社員の待遇に「みなし残業代」が10~20時間程度プラスされた者にすぎない。こちらも執行役員と同じく、サービス残業、休日サービス出勤、早朝会議出勤など負荷は結構大きい。
【階層9】講師 ⇒「カリスマ人気講師」から、「士業の資格を取得したものの、本業だけではなかなか厳しく、講師業でなんとか食いつないでいる人」まで、LECには多様な講師が在籍している。契約形態も正社員からアルバイト、業務委託まで様々だ。
同社の主業務は資格講座運営であるから、講師はサービスをデリバリーする重要な存在のはずなのだが、どうも扱いが悪いようで、本社方針に反発して辞めていく人が多い。
実際、会長にも可愛がられていた公務員講座のカリスマ女性講師が、パワハラ人事担当取締役と対立して退職してしまった。背景には会社の財政難により、たとえば「『国家公務員総合職』受験生と『地方公務員初級』受験生が同じカリキュラムを受講する」といった仕組みへの改悪があり、受験生への手厚いサポートを主張する人気講師陣との摩擦が生じたためと言われている。
ほかにも、講師時給のカットをメール1本で通知したり、「受講者が少ない講座の講師は自ら生徒獲得のために営業せよ」という指令メールを一斉配信したり、講師への交通費支給をいきなり廃止したりするなど、一方的なやり方に反発する声は依然大きい。
おまけに、交通費支給は廃止しているのに、講師派遣先にはきちんと交通費を請求していたという不正まで発覚し、内部の不満が高まっている。
【階層10】平社員&パート ⇒絶対数が多く、かつもっとも流出が激しい層。昨今は退職により、「その部署に在籍していた実力ある正社員が全員いなくなる」事態が頻繁に発生している。その際は急遽他部署から補充するか、パートやアルバイトで業務運営せざるを得ず、業務が停滞しているのだ。たとえば模擬試験や教材の改訂・校正が追い付いておらず、「テキストの誤植が多すぎる」「模試の内容が去年とほとんど同じでは」とのクレームが増加中だ。これを受け「テキストの内容は、全て社長室が校正する」という制度になったが、実際そんな運営も無理で、内容チェック体制は実質ザル状態となっている。
また、小規模な支店では、人材流出によって社員1人で運営せざるを得ないところが続出している。1人だと当然ながら有休も取れず、ノルマも厳しいため、さらに退職を招くという悪循環になってしまっている。
実際、この1年で全国に80程度あった支店のうち約30店舗が閉鎖されているのだ。しかも、この厚い階層をご覧頂いてお分かりのとおり、会長から現場までは遠すぎて、実力ある人材の流出と組織崩壊の前兆が気づかれていないようだ。
ちなみに、実力ある人材のことを一般的に「パフォーマー」と呼ぶが、同社では多少意味が異なる。同社で「パフォーマー」とは「深夜に社長や会長へ業務報告のメールを送り、『まだ社内に残って仕事を頑張っています!』とアピールする人」のことである。
(目撃者によると実際はその時間まで仕事をしているわけではなく、スポーツ新聞や週刊誌を読んで過ごしているようだが…)
LECの場合、執行役員になるためにはこの「パフォーマー」でなくてはいけないとまことしやかに語られている…
このように、あまりにも退職者が続出しているため、同社では昨年「退職者通報制度」なるものを導入した。
これは「優秀な人材の流出を防ぐため、辞めそうな素振りをしている社員やもう辞めたいと漏らしている社員を見かけたら」「自分の所属長に(のち、「経営陣に直接」へと変更)報告の上」「人事部相談データベース(※)を通じて通報するように」というシステムである。
(※各種問い合わせを含む人事部とのやりとりは、記録を残すため、データベースを通じたやりとりのみが許されている)
しかし、社員の間では「通報された人は多分、地方に飛ばされるか、一生冷や飯だよ」「こういう発想自体がLECらしい…」など、冷めた見方をされているようである。
そんなツッコミどころの多い同社だが、次回はようやく「公共案件の不正事件」に切り込んでいきたい。

さて、今回も粛々と大企業のブラックな実態を暴露していきたい。
2回にわたって東京リーガルマインドのブラックな実態を採り上げてきた。
初回は創業時から会社がブラック化していく過程をひもとき、現社内でおこなわれているブラックな実態を俯瞰。
2回目は社内階層から、退職者続出のパワハラ構造を検証した。
そして今回、「求職者支援訓練における不正事件」を採り上げていく。
本業の資格教育事業の売上が低下しているLECにとって、頼みの綱は「公共事業」だ。公共事業といって我々が一般的にイメージするのは土木建築だが、教育業界にとってそれは「未就業者の就労支援」であったり、「自治体の職員研修」だったりする。規模が大きいものだと1件の受注で億単位の売上となり、同社内でも力が入っている事業だ。
パワハラで社内からの悪評高い大阪支社トップの人物が会長からの寵愛を受けているのも、この公共事業の受注で多大な実績を保持しているからと言われている。
さて先般、この大阪法人に過去在籍しており、同社の不正を大阪市に内部告発した人物(以下A氏)と接触する機会があった。
A氏の証言と公文書を基に、同社が公共事業でおこなっていた不正を告発する。
これは同社と大阪市だけの問題ではない。同社は厚生労働省などの官庁からも受託実績があり、そこでも不正をおこなっていたことが明らかになっている。
我々の血税で私腹を肥やす行為を看過するわけにはいかないのだ。
不正事件があった舞台は、大阪市が主催する若者就職支援事業、「大阪市ジョブアタック」だ。これは、人材派遣会社が未就業の若者を雇用し、大阪市内を中心とした府の中堅・中小企業で研修と就業体験を実施することでマッチングをはかり、実際の就職へつなげる、というプロジェクトである。分野は「製造、情報・通信、卸・小売、サービス、環境・エネルギー、観光」に分かれており、LECは2011年度にこのうちの「観光」や「製造」分野を受託していた。そこでおこなわれていた不正は以下のような内容になる。
(社員名など、実際の告発書類では実名表記であるが、ここでは仮称とさせて頂く)
<経費水増し請求の疑い>
2012年3月末終了の[観光分野]においては、市側に提出された経費内訳書(請求額の根拠)が、「事業運営責任者=時給1500円」「ジョブコーチ=時給1300円、1350円」になっているにもかかわらず、全事業期間で従事した「社員B」の時給は950円、「社員C」の時給は1250円。その他の社員も当該額を下回っていた。
⇒経費内訳書の作成担当の社員が「事業開始時点ですでに退職している社員の時給(1300円~1350円)をもとに作成するよう、役員に指示された」として、2012年2月末に退職。
ほかにも内部社員の証言として、「私も過去に取締役に指示されたことがあるが、入りたての子に不正経理をやらせたのはまずかった」、「賃金台帳の偽造は、昔から日常茶飯事だった」といった証言あり。
<架空の事業内容>
事業計画書(企画提案書)に写真入りで大きくPRされている、LEC大学教授の講師は、大阪に来たこともジョブアタックで教えたこともない。⇒事業運営社員が証言し、講師管理課担当者も認識している。講師管理課社員によると、「ジョブアタックで、経費を浮かせるために講師でなくジョブコーチが授業をするケースは複数あったはず」と証言。
<事業の実態>
・企画提案時内容の「複数の企業参加による、企業担当者と訓練生による質疑応答会」は中止。企業も提案時の数に満たず、質問時間もないに等しかった。⇒結局、LEC社長の講演会に差し替え
・事業計画書(企画提案書)に写真入りで大きくPRされている事業責任者の社員は、事業開始3カ月後に退職。
・事業運営責任者が途中担当や掛け持ちのため、事業の成果について十分に通暁しておらず、観光分野の実績報告書については、事業運営責任者本人ではなく、運営に関わった一般社員が、退社後に自己の記憶をもとに作成した。
<事業運営社員の「新規雇用性」と「業務専従性」について>
「『求職者支援訓練スタッフ』として人員を雇用した」と申告しておきながら、実際は自社社員であったり、訓練事業以外の業務に従事させたりしていた。同社では自社の講座営業スタッフとして、訓練期間中もビラ配り、営業のテレアポなどに従事させ、結果、訓練期間中に代休(休日も自社講座の営業・運営をさせるため)を取ることになる。
・事業運営に関わっていた社員Dは元々LECの準社員で、前期もジョブアタックを担当、社員Eは茨木市就労支援事業からの横滑り、社員Fは前期ジョブアタックの横滑りで自社所有、社員Gは事業従事中も含め現在も地元で学習塾を経営している。
・社員Hは「求職者支援訓練施設責任者」との兼務であったし、社員Iは求職者支援訓練施設との兼務、社員Jは求職者支援訓練施設の職場見学や講師、およびLECの営業および営業事務との兼務であった。いずれもジョブタックには部分的な従事にとどまる。なお、平日は4日勤務であった
⇒これは「給与の二重取り」「社会保障費の二重取り」になってしまう可能性がある。
なお、社員Iは、「事業運営責任社員としての時給になってない」として再三会社に抗議しており、業務的には事実上「名板貸し」の企画提案書になっている。
<経費消化について>
事業期間終了間近になって、役員から担当社員へ「使い切れてない経費を何らかのかたちで消化するように」との指示があったことが明らかになっている。
<報告書の内容について>
受託においては、大阪市に対して「報告書」の提出が必須である。それには受講した訓練生のレポートや提出物、研修先企業担当者の確認印などが必要なのだが、それぞれ実態が伴わない「なりすまし」を混在させていた。
たとえば、訓練終了後3カ月後をメドに提出すべき「就職状況報告書」を、訓練受講開始時に訓練生から「あらかじめ署名・捺印をさせて預かる」という手法をとる。その後、訓練状況の報告について、電話で回答を求めたり、連絡が取れなかったりする訓練生については、施設スタッフが代筆をして対応。
その虚偽書類作成のために大量の三文判やシャチハタを所有していた社員がいた。
これは大学事務局が文科省に申請する際にもでっち上げの教員資格申請がなされた時も同じである。
⇒これは「有印私公文書偽造」、もしくは「白紙委任」といった違法行為であり、公共事業受託業者としては大いなる問題である。
また、偽装した数字を基に、我々の血税からなる奨励金を受け取っていることも看過できない。
大阪市の事業だけでこれだけの不正をおこなっているLECだが、実際は内部告発がなければ露見しなかったことばかり。
内部社員、および委託側からの情報により、同社は他の公共事業でも、同様の不正を多数おこなっていることが明らかになっている。
<厚生労働省の若年向け就労支援事業において>
同省では長年、高卒で就職する若年層向けに就労支援事業として「高校生就職ガイダンス」を主催している。受託事業者はこれまでほぼ不変だったのだが、昨年度は価格競争となり、低廉な価格でLECが受託することになった。しかし、その内容が実に杜撰であったことが関係各者の証言から明らかになっている。
・「受託時には、出講する講師を確保していなくてはならない」という決まりでありながら、受託決定後に大々的に「講師募集!」と求人広告を掲げていた。
・講師には「キャリアカウンセリングの有資格者」「経験○年」といった厳しい条件が課せられていたが、要件を満たさない講師が多数出講しており、内部では「経歴を盛るように」との指示が出ていた。
・講師への支払い報酬を安くするため、厚労省からの要件ではなく、自社ルール(1コマあたりの時給×講座時間)を適用している。
・宿泊が伴う出張の場合、素泊まりか否かをアルバイト社員が確認する作業をわざわざおこない、その分の人件費を経費として申請している。
・事務局も人員が足りず、ダブルブッキングなどのミスが多発。さらには講師の個人情報が漏洩する事態が発生したが、講師管理部門のトップは「ウチは個人情報取扱のプライバシーマークをとっていないからいいんだ」と開き直りの態度をとった。
…同社を巡るブラックな実例は枚挙に暇がなく、次回以降も特集できるだけのネタがあるのだが、さすがにこの辺にしておきたい。また動きがあり次第、続報としてお届けしよう。
ちなみに、同社が被告となっている裁判はパワハラや不当解雇、不正受給などを含めて数多く、その賠償金額を合計すると20億円以上と言われている。
内部でパワハラの陣頭指揮をとっていると言われる講師管理課のトップの人物K氏は社内からも忌み嫌われており、先日は部下のアルバイト社員に殴られて、会社に出社できずにいた期間があったようだ。殴った側の人間は辞めていったが、K氏を心配する声は聴かれなかった。
以前仕事をご一緒したことがある同社の契約講師は、この報を温和な表情を変えずに知らせてくれた。
「あの人は普段から人の恨みをさんざん買ってるからなあ… ま、同情の余地はまったくないですね」。

記事に関する免責事項 著者より
念のため以下の通り注意事項を述べておく。本メルマガをお読みになる善良な読者の皆さまなら、充分ご理解頂けるはずだ。

(1)本メルマガは、問題となっている「企業側当事者」と「企業体質」を非難するものであり、企業そのものや従業員全体を誹謗中傷するものではない。

(2)すべての情報は、裁判などで公知となっている事実である。必要であれば、詳細はネットなどで容易に検索可能だ。推測や伝聞はもちろん入っていない。

(3)そのため、「事実無根」といった指摘にはあたらない。もし妨害的な所業があった場合には、こちらも本人訴訟を含め、断固たる手段で対抗する。その裁判情報はすべて公開され、悪行を最後まで暴きつくすことになるだろう。

これらの情報が、学生や転職者の皆さまへ新たな視点を提供し、同様の体質を持った企業への疑問と議論に繋がり、長期的には日本産業界の正常化に寄与できれば幸いである。


投稿: 名無し | 2013/06/26 13:34:29

コメントを書く