LEC大・募集停止
朝日新聞より「LEC大、来年度の募集停止 日本初の株式会社立大」
「株式会社立」の4年制大学として国内で初めて設立されたLEC東京リーガルマインド大学(本部・東京都千代田区)が、来年度の学生募集を停止することを決めた。
同大は札幌市から福岡市まで全国12カ所にキャンパスがあるが、入学者減による経営悪化から今年度は千代田区の本部キャンパスでのみ学生を募集していた。
募集停止後も在校生がいる間は授業を続け、大学院は引き続き募集を行うという。LEC大は18日、募集停止を在校生に説明する。
株式会社立大が募集停止した例は大学院大学で1校あるが、4年制大は初めて。
LEC大は04年4月に開校した。小泉改革の目玉だった規制緩和によって、「構造改革特区」で学校法人以外に株式会社でも大学が設置できるようになったのを受け、資格試験予備校などを経営する株式会社「東京リーガルマインド」(反町勝夫社長)が設置した。
通常は設置認可まで8カ月程度かかるところ、株式会社立大学に適用される特例で、3カ月という短期間の審査で設置が認可された。
当初は本部の千代田区のほか、札幌、宇都宮、千葉、新宿(東京)、横浜、静岡、大阪、神戸、岡山、広島、松山、北九州、福岡の計14カ所にキャンパスがあったが、新宿と北九州は廃止され、現在12カ所。
法律や会計学、都市政策などを学ぶ総合キャリア学部に459人が在籍する。同社が今月15日、文部科学省に提出した報告によると、唯一、学生募集を行った千代田区のキャンパスでは、募集目標の60人(定員自体は160人)に対して入学者19人と大幅な定員割れとなっていた。
また、同社からの大学設置提案を受けて、国に特区の認定申請をした千代田区から、入学者数低迷を懸念され、今後の大学運営をどうするか報告を求められたことを説明。
「熟慮の結果、将来入学してくる学生よりも、在籍学生の適切な修学維持・向上のために経営資源を集中させることを決断した」と募集停止の経緯を明らかにしている。
LEC大の広報担当者は17日の朝日新聞の取材に「何も言えない」と話した。
株式会社立大学は全国に6校ある。特色ある教育で評価される大学がある一方、経営面や教育環境、内容が不安視される大学もあった。
大阪市のLCA大学院大学は06年に開設されたばかりだが、経営難から、今年度、すでに学生の募集を停止している。
LEC大も、「専任教員」の大半が、実態として専任とはいえない点などが大学設置基準に違反するとして07年1月、学校教育法に基づく初の改善勧告を受けた。
中央教育審議会(文科相の諮問機関)では現在、規制改革の流れで緩和されてきた大学設置基準を補強すべきだとの声が出ている。(青池学、葉山梢)
学校法人なら大丈夫で株式会社だから危ない、という理由は無いはずだが、参入障壁は株式会社の方が低いだろうから、結果として下手な経営も多くなるのだろう。
規制緩和が大学設置基準の全体的な緩和というのはナンセンスで、教育の本質から言えば、金融機関などと同じく事業の存続性についての保証を重要視するべきだっただろう。
簡単に作ることが出来るから、簡単に止めることが出来るという問題ではないことは明らかだ。
それにしても「小泉改革」の危なっかしいと言われていた面が次々と行き詰まるのは「やっぱりね」としか言いようがない。
別稿でも指摘しているが、小泉改革=新自由主義の主張は、あまりにも極端に単純化し過ぎているだろ。
そういう手法は所詮は無理なのであって、どこかで破たんして当然と言える、今回もその一つだと思う。
簡単に出来ることだからこそ、大変なのだといった一見矛盾したようなところに踏み出すことなのだという当たり前のことを見ないでやってきた結果ということだろう。
6月 18, 2009 at 07:00 午後 教育問題各種 | Permalink
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コメント
ここは「初の」株式会社立大学なんだから、文科省から入念なチェックが入るのは当然にもかかわらず、改善勧告されるような杜撰な事をやってましたね。
LECと言えば資格業界では超有名。資格予備校とはいえ、学校経営についてそれなりのノウハウも積んでるはず。それが大学になるとなんでこんな下手くそな運営になったのだろうか。不思議で仕方がないです。
投稿: 中山 | 2009/06/21 4:04:42
中山さん
>LECと言えば資格業界では超有名。
>資格予備校とはいえ、学校経営についてそれなりのノウハウも積んでるはず。
>それが大学になるとなんでこんな下手くそな運営になったのだろうか。
>不思議で仕方がないです。
想像というか妄想の域ですが、
やはり「業界の支援が得られなかった」が一番の理由じゃないでしょうか?
業界というのは、別にライバルという意味ではなくて、あらゆるところが関係してきますから、例えばよく知っている事務職員を採用できない、といったことが起こります。
そういうギルド的なところを壊すことこそが大事な事だったはずですが、LEC大は設立のところから「楽に出来るから」だけを選択して来たように見えます。
当然、普通に大学を作るよりも大変なところがあるのに、楽だからやるでは続かないのも無理は無いかと思うのです。
さらに、教育なんてものは続いてこそ価値が定まるもので、そこをどう考えていたのか?
ここが分からないです。
理念無き大学教育事業進出と言われても仕方ないといったところかと感じます。
投稿: 酔うぞ | 2009/06/21 8:14:10
あの〜かつて通いながらバイトしていた経験から言わせても
らうとですね。
ここ、かなりいいかげんなんですよ。法律の専門学校なのに
尊法意識にかけたところがあるというか。
看板講師だった伊藤真氏が独立しようとしたときには
裁判沙汰になり、敗訴してますし。
その他にも、ワードエクセルを社内でコピーして使い回して
訴えられたりとか。
(これまた敗訴して、その言い訳を校内にでかでかと掲示してた)
私らバイトには有休が認められず、講師をしてた社労士の先生が
あきれてましたっけ(今はどうか知らない)。
ちなみに辞めるときに契約書書きました、私(採用されたときに
書いてなくて、書類上辞めるに辞められない形になったので)。
バイト代は結構良かったですけどね。
社長が東大卒で、政財官に広い人脈を持つお方なので(もちろん
法曹界にも)その「コネ」で大学設立が認められた面もあると思
うのですが。
東京で撮影した授業風景のビデオを全国の「支店」で流して、
予備校ならともかく、それで「大学」の一丁上がり、というのは
流石に無理があったのでは、と。
というか、有名大学よりよっぽど司法試験その他難関資格の合格
者を出している、あるいは有名大学生でもLECに通わないと合格
しないという「事実」があったので、ある種の「おごり」があっ
たのかも。なめてた、というか。
目的もお金儲けと箔付け以外の何ものでもなかったでしょうし。
投稿: フラットテイル | 2009/06/21 21:43:07
■LEC大:来春から学部生の募集停止 定員割れ続き、累積赤字30億円-サブ・プライムローンと同じようにNPOの分野に民間営利企業が入り込むと失敗するという格好の事例か?
こんにちは。LEC大学、というか、株式会社大学は結局失敗だったようです。私自身は、最初から失敗するのではと思っていました。私のブログでは、その根拠を掲載しました。結論として、NPOの分野に民間営利企業が入りこむと、失敗するというものです。日本では、報道されませんが、アメリカでは随分前から NPOが低所得者向け住宅の提供をしており、成功し続けています。サブプラムローンによる破綻は、民間営利企業がこの分野に入りこむと失敗することの格好の事例となったと思います。LEC大学の失敗も本来NPOの分野に民間営利企業である株式会社が入り込んで失敗したものであり、根本的にはサブプライムローンの問題と共通点があります。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2009/06/22 13:38:03