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2009.05.01

クライスラーが破たん

クライスラーが連邦破産法11条(日本では民事再生法=会社更生法)を申請しました。
日本時間の午前0時にオバマ大統領の発表があり、その前後のニュースを報道期間の発表順に並べました。

各紙が着目している点を挙げると

  • ゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた
  • 大統領は、「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになるかもしれない。
  • ゼネラル・モーターズ(GM)再建の行方にも影響を与えそうだ。
  • すでに全米自動車労働組合(UAW)や債権(69億ドル)の7割を保有する大手金融機関などの大口債権者、提携するフィアットから再建計画への同意を得ており、あらかじめ再建計画を固めてから破産法11章の適用を申請する「事前調整型(プレパッケージ型)」の手続きに入る見通しだ。
  • クライスラーの申請が認められれば、30~60日間で破産手続きを終了し、裁判所の管理下から抜け出せる
  • 親会社の米投資会社サーベラスは約8割を持つ株式のすべてを放棄し、約2割を出資する独ダイムラーも資本関係を解消する。新生クライスラーでは、人件費の大幅削減などに同意したUAWが株式の55%、フィアットが35%、米国とカナダ政府が計10%をそれぞれ取得する。
  • ヘッジファンドなど一部の債権者が(債務削減などの)譲歩に応じなかった。
  • ゼネラル・モーターズ(GM)についても、5月末までにリストラや債務削減策をまとめられなければ、政府支援が打ち切られることになっている。こちらも債権者やUAWとの交渉が難航していると伝えられており、あと1カ月余りが正念場だ。
  • フィアットの出資比率は当初20%で、将来は35%まで引き上げる。
  • ビッグ3の一角が破綻に追い込まれた衝撃は小さくなく、同様に経営危機に陥り公的支援を求めている米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方に影響を与える可能性がある。

といったところが気になります。
アメリカ政府としてはGMが本命であり、GMの交渉でゴネると破たん処理に持ちこむぞ、と見せつける意味合いが大きかったのだと思いますが、クライスラーの規模が小さいからこのような対応が可能であったとも見えます。
一ヶ月後に迫るGMの交渉期限に向けて、どのような展開なるのかをクライスラーを前例として考えるのは間違えかもしれません。

サンケイ新聞より「クライスラー破綻処理へ GM破綻に現実味」2009.4.30 22:10
サンケイ新聞より「クライスラー破産申請、スピード再建めざす」2009.5.1 00:49
読売新聞より「米クライスラーが破産手続き、オバマ大統領が発表」2009年5月1日01時20分
朝日新聞より「クライスラー破綻 政府支援は継続、再建へ資金援助」2009年5月1日2時49分
毎日新聞より「クライスラー:経営破綻 フィアットが資本提携で救済へ」5月1日3時17分
FNN ニュースより「クライスラー経営破たん クライスラーの従業員からはさまざまな反応」05/01 06:18

クライスラー破綻処理へ GM破綻に現実味

ビッグスリー(米自動車3大メーカー)の一角が初めて破綻(たん)処理に追い込まれる見通しとなった。オバマ政権は破綻処理と伊大手フィアットとの資本提携の“2点セット”が再建の近道と判断したとみられ、これで6月1日に抜本再建策の提出期限を迎えるゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた。

「生き残り可能な自動車メーカーとして期待している」

4月29日夜、就任100日の会見でオバマ米大統領はクライスラーについてこう語ったが、その処方箋(せん)に破綻処理も含まれていることを否定しなかった。

ミニバンを生み、「ジープ」など人気ブランドを有するクライスラーは、ビッグスリーの中で最小とはいえ従業員数は約5万4000人に上る。その破綻は、20世紀初頭からの大衆車時代をリードしながら、近年は日本勢などの攻勢にシェアを減らしてきた米自動車産業の決定的な「転換点」となるだろう。

ビッグスリー再建に取り組んできたオバマ政権は、車種がSUV(スポーツ用多目的車)など大型車に偏り、開発力も劣るクライスラーについて、「単独再建は無理」と早々に見切りをつけていた。すでに融資した40億ドルの血税を無駄にしないためにも、フィアットとの提携を実現させるには、破綻処理も「有効な選択肢」(政府関係者)と見てきた節もある。

米財務省は破綻を回避するため、債務削減について期限直前まで債権者と交渉を続けたが、一部債権者が最後まで抵抗し時間切れとなった。しかし結果的には、スピード再建を可能にするプレパッケージ型(事前準備型)破産の条件が整う形となった。あらかじめ債権者から債権放棄などの同意を得てから、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きに持ち込む手法だ。

フィアットにとっても実はメリットが大きい。日産自動車を再生させた仏ルノーのゴーン会長と比較されることの多いマルキオンネ最高経営責任者(CEO)は、クライスラーの生産・販売拠点を事実上掌握し、世界有数の自動車メーカーに脱皮して世界同時不況を勝ち抜く野望を抱く。

全米自動車労働組合(UAW)は29日夜、クライスラーの退職者向け医療費負担の大幅圧縮を承認。UAWと主要債権者の譲歩を勝ち取ったうえで、短期間の破綻処理に持ち込む-。オバマ政権の描く再建の青写真だが、成否の行方は定かでない。

今後の焦点はGMの行方に移る。GMは4月27日に発表した追加リストラ策で、約270億ドルの債務の株式化に加え、政府支援の返済や労組への医療費関連の支払いも半分以上を株式で行う案を提示。債権者が同意しなければ、破産法の適用を申請する考えだ。破綻の脅しをかけて債権者に譲歩を迫る戦略だが、果たして通用するのか。

「米経済の象徴的存在」と米自動車産業の再建に力を入れてきたオバマ大統領は、「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになるかもしれない。(ワシントン渡辺浩生)

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クライスラー破産申請、スピード再建めざす

【ワシントン=渡辺浩生】ビッグスリー(米自動車3大メーカー)の一角が初めて破(は)綻(たん)に追い込まれた。オバマ政権は破綻処理と伊大手フィアットとの資本提携の“2点セット”がクライスラー再建の近道と判断した。これにより、6月1日に抜本再建策の提出期限を迎えるゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた。

「生き残り可能な自動車メーカーに生まれ変わることを期待している」

4月29日夜、就任100日の会見でオバマ米大統領はクライスラーについてこう語ったが、その処方箋(せん)に破綻処理も含まれていることを否定しなかった。

ミニバンを生み、「ジープ」など人気ブランドを保有するクライスラーは、ビッグスリーの中で最小とはいえ従業員数は約5万4000人にのぼる。その破綻は、20世紀初頭からの大衆車時代をリードしながら、最近は日本勢などの攻勢でシェアを減らしてきた米自動車産業にとって決定的な転換点となりそうだ。

ビッグスリー再建に取り組んできたオバマ政権は、車種がSUV(スポーツ用多目的車)など大型車に偏り、開発力も劣るクライスラーを「単独再建は無理」と見切りをつけていた。フィアットとの提携を実現させるため、破綻処理も「有効な選択肢」(高官)として念入りな準備を重ねてきた。

米財務省は債務削減について期限直前まで債権者と交渉を続けたが、一部債権者が最後まで抵抗し時間切れとなった。だが、結果的にはスピード再建を可能にするプレパッケージ型(事前準備型)破産の条件が整う形となった。あらかじめ債権者から再建計画の同意を得てから、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きに持ち込む手法だ。

販売網のスリム化などフィアットにとってもメリットは大きい。マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は、北米市場の生産・販売拠点を手中に収め、自動車産業の「ローマ帝国」を再興する野望を抱く。

全米自動車労働組合(UAW)は29日夜、クライスラーの退職者向け医療費負担軽減を承認。負の遺産一掃のメドをつけて破綻処理とフィアット提携に持ち込む-。「成功した解決策」と政府高官も満足する再建の青写真だが、成否の行方は定かでない。

今後の焦点はGM再建の行方に移る。GMは4月27日に発表した追加リストラ策で、約270億ドルの債務の株式化に加え、政府支援の返済や労組への医療費関連の支払いも半分以上を株式で行う案を提示。債権者が同意しなければ、破産法の適用を申請する考えだ。破綻の脅しをかけて債権者に譲歩を迫る戦略だが、果たして通用するか。

「米経済の象徴的存在」と米自動車産業の再建に力を入れてきたオバマ大統領は「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになったが、再生の行方にはなお多くの困難が待ち受けている。

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米クライスラーが破産手続き、オバマ大統領が発表

【ニューヨーク=池松洋】オバマ米大統領は30日正午(日本時間5月1日午前1時)、米大手自動車メーカー、クライスラーが米連邦破産法11章の適用を裁判所に申請すると発表した。

クライスラーは申請後、裁判所の管理下で巨額の債務削減を進める一方、近くイタリアの同業大手フィアットと資本提携を結び、米政府の追加支援も受けながら経営危機からの早期脱却を目指す。

オバマ大統領は、「破産法の適用は後ろ向きではない。米政府はクライスラーを支えていく。フィアットとの提携で生き残り、成功するはずだ」と述べた。

米政府は、破産法適用を回避するため、クライスラーに同日までに人件費や債務の大幅削減を決めるよう求めていたが、一部債権者の同意が得られなかった。昨秋に起きた米金融危機は米新車市場を急速に冷え込ませ、米自動車大手3社(ビッグスリー)の一角が初めて破産手続きに追い込まれる異例の事態に発展した。

クライスラーの破産法適用は、米ゼネラル・モーターズ(GM)再建の行方にも影響を与えそうだ。

クライスラーは、すでに全米自動車労働組合(UAW)や債権(69億ドル)の7割を保有する大手金融機関などの大口債権者、提携するフィアットから再建計画への同意を得ており、あらかじめ再建計画を固めてから破産法11章の適用を申請する「事前調整型(プレパッケージ型)」の手続きに入る見通しだ。

米政府は、クライスラーの申請が認められれば、30~60日間で破産手続きを終了し、裁判所の管理下から抜け出せると見ている。

米メディアによると、米国、カナダ両国政府は運転資金をクライスラーに供給して経営を支える方針だ。

クライスラーが破産手続きに入ると、親会社の米投資会社サーベラスは約8割を持つ株式のすべてを放棄し、約2割を出資する独ダイムラーも資本関係を解消する。新生クライスラーでは、人件費の大幅削減などに同意したUAWが株式の55%、フィアットが35%、米国とカナダ政府が計10%をそれぞれ取得する。

資本提携するフィアットはクライスラーを事実上傘下に収め、世界6位の自動車グループを形成する。両社合計の2008年の世界販売台数は約420万台だ。

(2009年5月1日01時20分 読売新聞)

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クライスラー破綻 政府支援は継続、再建へ資金援助

【ワシントン=尾形聡彦、デトロイト=山川一基、ニューヨーク=丸石伸一】経営難に陥っていた米自動車3位クライスラーは30日、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条を申請し、経営破綻(はたん)した。ただし、米政府は経済への悪影響を最小限に抑えるため、クライスラーの工場の操業などが続けられるように資金支援を実施。同業大手のイタリア・フィアットとも資本・業務提携を結び、短期間での経営再建を目指す。

オバマ米大統領が同日、「ヘッジファンドなど一部の債権者が(債務削減などの)譲歩に応じなかった。私は、クライスラーによる破産申請を支持する」と語った。

クライスラーが破綻に追い込まれた直接の原因は、米政府が支援継続の条件としていた債務の削減ができなかったためだ。だが、不況下で大手企業を倒産させるのは景気をさらに悪化させる恐れがある。このため、あらかじめ大半の関係者と債務や労務費の削減を決め、政府も支援を続ける「事前調整型」と呼ばれる異例の破綻処理策に近い手法を選んだとみられる。

これにより、米政府は、クライスラーが通常の破産法下と比べると大幅に短い30~60日間で再生を完了する見通しという。破産法下でディーラー網の削減などを進める「外科手術的な手法」(政府高官)で、収益力を高める。

提携するフィアットは当初、クライスラー株の20%を所有し、その後35%まで出資比率を引き上げる権利を持つ。米政府は今後、クライスラーに対し追加融資30億~35億ドル(約3430億円)を実施する方針。政府がクライスラー株の一部を取得して少数株主になる予定で、今後も事実上の公的管理を続ける。

1925年に創業したクライスラーは70年代以降、日本車の攻勢に押されて何度か経営危機に陥ったが、米政府の救済や同業他社との合併などで乗り切ってきた。戦前から世界の自動車産業を主導した「ビッグ3」の一角が崩れ、米国の大手3社体制は百年に一度とされる経済危機にとどめをさされるかたちで、事実上幕を下ろす。

クライスラーは昨年12月、米新車販売の急激な落ち込みで資金繰り難に陥り、米政府から40億ドル(約3920億円)の「つなぎ融資」を受けた。米政府に義務づけられた経営再建計画を今年2月に提出した際には、資金繰りが一層悪化したため、さらに50億ドル(約4900億円)の追加融資を要請していた。

これに対し、米政府は3月末、クライスラーは「単独では生き残れない」と判断。支援を続ける条件として、4月末までに、基本合意に達していたフィアットとの提携に最終合意し、抜本的なリストラや債務削減についても全米自動車労組(UAW)や債権者と合意するよう求めていた。

その後の交渉で、UAWとは労務費の削減などで合意し、大口債権者とも債務削減で基本合意していた。だが、残る一部の債権者との交渉が決裂し、政府の条件を満たすことが難しくなったため、自力再建を断念したものとみられる。

フィアットとの提携で誕生する米欧大手による新連合は、新車販売台数が08年実績の合算で425万台で、世界6位の規模になる。小型の大衆車に強みを持つフィアットの技術提供を受け、小型車強化で生き残りを図る方針だ。

一方、クライスラーと同じく経営危機に直面している米最大手ゼネラル・モーターズ(GM)についても、5月末までにリストラや債務削減策をまとめられなければ、政府支援が打ち切られることになっている。こちらも債権者やUAWとの交渉が難航していると伝えられており、あと1カ月余りが正念場だ。

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クライスラー:経営破綻 フィアットが資本提携で救済へ

【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領は30日、経営危機に陥っていた米自動車大手クライスラーが、ニューヨーク市の破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると発表した。また、クライスラーがイタリアの自動車大手フィアットとの資本提携で合意に達したことも明らかにした。既に全米自動車労組(UAW)や債権者ら大半の利害関係者との間で協議が進展しており、クライスラーは破産法申請後、1~2カ月で再建協議を終了する見通しという。

クライスラーは、米政府が支援の条件としていた設定された4月30日の期限に向け、銀行やファンドなど債権者団との債務削減交渉を進めていた。クライスラーと米政府側が計69億ドル(約6800億円)の債務を22・5億ドルに削減する案を提示し、28日までに大手金融機関など主要債権者と合意していた。しかし、一部のヘッジファンドが難色を示し、29日深夜に交渉は不調に終わった。米自動車大手3社(ビッグ3)では初めての経営破綻(はたん)となる。

今回の破産法申請はその後の再建支援体制を用意した上での「事前調整型」の破綻に当たる。申請でクライスラーの債務は法的枠組みを通じて大幅にカットされる見通しで、米政府も最大80億ドルの公的資金による支援をする方針。フィアットの出資比率は当初20%で、将来は35%まで引き上げる。クライスラーはフィアットから小型車の技術供与や新車供給を受けて再建を急ぐ見通しだ。

しかし、ビッグ3の一角が破綻に追い込まれた衝撃は小さくなく、同様に経営危機に陥り公的支援を求めている米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方に影響を与える可能性がある。

クライスラーは98年、ドイツのダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)と大西洋をまたぐ“世紀の合併”を実現。「ダイムラークライスラー」として成長を目指したが、商品力の弱さから販売不振に陥り、07年に合併を解消。米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントの傘下で再生を目指したが、ガソリン価格の高騰や米国の金融危機などで経営危機に陥った。

今年2月には米政府に50億ドルの資金支援を要請したが、オバマ政権は3月末に「単独での生き残りは困難」と判断。4月30日までに債務の大幅圧縮や労務費削減、今年1月から続けていたフィアットとの提携交渉を完了させることを抜本支援の条件として通告した。

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クライスラー経営破たん クライスラーの従業員からはさまざまな反応

アメリカの自動車大手「クライスラー」の経営破たんを受け、デトロイト郊外の工場で働くクライスラーの従業員は、さまざまな反応を見せている。

工場従業員は

  • 「会社のためになるなら良い」
  • 「(破産法を)今、申請すれば、市場でもっと力強い会社になる」
  • 「きょうはアメリカにとって悲しい日だよ」

と話した。

一方、破産法に基づく再建手続きだが、アメリカ政府は1~2カ月の短い期間で終了するとの見通しを示している。

今後、アメリカ政府は、クライスラーに最大80億ドルの公的支援をする方針。

また、フィアットは、まずクライスラーの株の20%を取得し、小型低燃費車の技術などを供与することになる。 しかし、ビッグ3の一角の破たんで、同じく経営再建中のゼネラル・モーターズの経営不安が一段と高まる可能性がある。

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5月 1, 2009 at 09:23 午前 国際経済など |

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