« 新型インフルエンザ対策に大穴 | トップページ | ボーイング787・まだ飛ばない »

2009.05.25

教育改革・正解を求めているのは新聞社だろう

毎日新聞社説より「言語力育成 「正解は一つ」ではない

小中学校は11年度に新学習指導要領に全面移行するが、多くの学校は前倒し実施を始めている。新要領は「ゆとり」を見直し、授業時間を増やし学習量を復活させたと注目されたが、もう一つ大きな特徴がある。
全教科で「言語力」育成を求めたことだ。コミュニケーション力だ。

2000年代に入り、高校1年生対象の経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)で、日本は続けて順位を下げ、活用力や読解力に問題があると指摘された。これが新要領に強い影響を与えた。筋道立てた説明や受け答え、討論などをする力は家庭や社会のありようにも根ざし、学校教育にすべてがかかるものではない。

しかし、これによって、一方的に知識を授けることになりがちだった学校の授業が大きく変わる可能性がある。

新要領は教科学習でどんなことを通じ言語力育成を考えているのか。例えば、小学校の算数では数、式、図を用いて考え、説明させる。
理科では推論を促す。
中学校の社会では地図や資料を読み取り、論述、意見交換をさせ、理科では分析、解釈、音楽では根拠をもった批評を求める。
こうしたことが全教科に「言語活動」として盛り込まれている。

教材をどう生かし、課題設定し、展開するかは学校現場それぞれの工夫だが、基本姿勢は「正解は一つではない。
異なる意見を聞き、なぜそう思うかを理解し、自分の意見も理由をつけて説明し、協力して課題を考える」ことといえよう。

実は大人社会が十分にできていないことだ。

明治以来の義務教育は概して「一つの正解」を出させ、覚えさせるものだった。

基礎知識や定式は必要だが、一方で懐疑的な視点、多様な見方など、独創的思考や表現に欠かせない力の育成には十分ではない。

戦後の受験過熱は学習を暗記に傾かせ、さらには読書離れやゲーム、携帯電話普及など子供たちの環境は移り変わった。そしてグローバル化の中で、主張、討論する力の不足は大きな問題と指摘されてきた。

こうした状況を踏まえ財団法人「文字・活字文化推進機構」が今秋始める「言語力検定」は、資料を理解して考えを整理し、記述するなど、従来の語彙(ごい)力試しや一つの正しい解釈を選ばせるようなものとは異なる。学校現場でも参考になるだろう。

小学校の英語導入も、異なる言語文化に触れ、コミュニケーションに積極的になる態度を育てることが目的とされている。窮屈な受験英語の先取りに化けては元も子もない。

言語力育成という発想が生き、ノウハウが充実するには実践の積み重ねと情報が必要だ。研修などでそれを共有できる工夫が欠かせない。

毎日新聞 2009年5月24日 23時57分

この社説、一見してもっともらしいことを言っているように見えるが、現状の「正解は一つ」を強く推進してきたのは、マスコミではないか!

センター試験での過去問の使用が許されるようなったのはごく最近のことだ。
今でも「○○試験の問題は、××に出たものとそっくりだ」と騒ぎ立てるのはマスコミだろう。

このような「疑惑や非難」をかわすために、出題側に課せられる仕事は「過去問に無いことの証明」であったりする。
しかし、これに何の意味があるのか?

「公平な試験が重要であればくじ引きにすれば良い」とはこの種の議論で必ずでてくる話で、教育の目的が何なのか?という視点に対して、手続を重視する意見だと言える。

手続を重視するとは、法律の適用などでは極めて重要ではあるが、子どもたちの教育で樹脂するべきこととは思えない。
しかし、現実に見たある公立高校では教室に

○○教科の試験範囲

教科書・○○ページから○○ページまで

と書いた、ワープロ文章をラミネートしたものが、黒板に貼ってあった。

見た当時は意味が分からなかったのだが、その後考えてみると「教師が、試験の範囲から外れているとクレームを付けられたときのアリバイ作りだ」と理解した。

このようなことがまかり通っている時に、毎日新聞社説が主張するようことが簡単に出来るとも思えないし、第一明治以来の問題なのか?
確かに、精密な試験をするべき場面は初等中等教育でもあり得る。算数の計算が「多分こんな数字」とか「一つ・二つ・三つ・沢山」では使い物にならない。

そういう場面をなぜ、ありとあらゆるところに拡大することになったのか?
基本的には社会の要請であって、それを煽ったのがマスコミである、というのはかなり重大な点であろう。

その意味では「ゆとり教育」の正しい運用が大切だったのであり、精密に「正解は一つではない」という教育に進めるのが良いとしか取れないような意見を出してどうするのだ?

5月 25, 2009 at 08:57 午前 教育問題各種 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/45123207

この記事へのトラックバック一覧です: 教育改革・正解を求めているのは新聞社だろう:

コメント

コメントを書く