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2009.05.08

実物経済の復権が必須だと思う。

FujiSankei Business i より「富裕層増税「もうウンザリ」 英国脱出決めるバンカーら

ヘッジファンドのトレーダーでロンドン暮らし約20年のデメトリス・エフスタシウ氏(38)は、英国を去ることに決めた。ダーリング英財務相が高額所得者対象の増税策を明らかにしたからだ。

キプロス出身で1990年にロンドンに移った同氏は「もはや、ここにとどまる理由はない。今回の増税にはもう我慢できない。英政府は金融街シティーへの関心がなくなったようだ」と語る。

≪まるでレーニン≫

ブラウン英首相は15万ポンド(約2240万円)を超える所得を対象に、40%から50%への税率引き上げを提案。
ロンドンの新聞各紙1面には「階級闘争」といった見出しが躍り、産業界からは英国の競争力が落ち、金融業界から優秀な人材が流出するとの懸念が出てきた。
同首相は、英紙デーリー・テレグラフの1面の漫画で旧ソ連の建国者レーニンにたとえられた。

会計事務所KPMGの調査では、来年実施予定の所得税引き上げで、英国の最高税率はスペインやイタリア、ドイツ、フランス、米国を上回る。また、アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)によれば、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中、税率の高さが19位だった英国は7位に急浮上する。

税率引き上げは、GDP(国内総生産)の12.4%に達する見込みの財政赤字抑制に向けた動きだ。
この比率は戦時下以外では英国で過去最高。2014年3月までの5会計年度の赤字は7030億ポンドとなる見通しだ。

≪アジアも選択肢≫

政府のオンライン上の税計算式によると、新たな税率の下、35万ポンドを稼ぐ金融機関関係者は所得税と国民保険で16万ポンドを支払う。
これは現在の支払額を2万2600ポンド上回る。英財政研究所(ロンドン)によれば、年収15万ポンド超の英人口は約35万人。

UBSのアナリスト、フィリップ・ウショワ氏は増税策には「富裕層には重税を課すという大衆迎合的な側面がある。国家が銀行や金融業界に対する怒りをあおっている」と指摘する。

英ポピュラスが成人518人を対象に実施し、今年4月24日に発表した世論調査によれば、約57%が増税に前向きな見方を示した。

ただ英国を脱出する金融関係者は、行く先々でも税金が上がる現実を目の当たりにするかもしれない。
オバマ米大統領は最高税率の35%と33%を39.6%と36%にそれぞれに引き上げたい意向だ。この最高税率は37万2950ドル(約3710万円)以上の所得が対象となる。

それでも、ヘッジファンド運用者のエフスタシウ氏は「10年には景気回復が見込まれ、魅力的な国はほかにもある。スイスやキプロス、あるいはアジアにだって行くことも可能だ。英国に残れば、手元に残せると思っている以上の金を政府に持っていかれてしまう」と語った。(Svenja O’Donnell、Mark Deen)

経済学に詳しいとは言えないが、新自由主義は経済の自由化が投資の活発化になるということであった。
この時に「投資は実物経済を豊かにする」と根拠無く楽観視したのだろうと、今になると思う。

大ざっぱな言い方をすると、投資をコントロールする金融業界が金融業界に投資するだけの話であったのではないのか?
要するに実物経済と隔絶した「投資」であった。そのために「バブル」になってしまって、それがはじけた。

上記の通りだとすると、金融業界が金融業界に投資するという連鎖から、実体経済であるモノやサービスの構築といった方向に、投資を抜け出させる必要があると言える。

投資の基礎原理は、物を作る工場を建設するための資金が必要、といったところから始まっているはずで、工場になってしまったらお金ほどフットワークが良くないから、短期的には利潤は上がらない。
いわゆる「回転率」であるが、あくまでも投資した資金がそこからは動かないから回転率が計算できるわけで、動いてしてしまうという前提だと回転率も良く分からない。
おそらくは、そこにメリットがあるとすると、実物経済に投資することを避けるようになるのではないか?

こんな事を繰り返しているのは、落語の花見酒そのもので、そうそう続くものではない。

結局、新自由主義・改革路線は、入口と出口のどちらか分からないが「片方を開けっ放しすれば、もう片方は自然とバランス取る」という根拠無き楽観論の上に構成された架空の構想だったのだと思う。

確かに、以前は「投資資金は実物経済に回る」だったから、金融を自由化すれば実物経済に市金が回ると考えたのだが、結果は実物経済がどんどん金融経済化してしまった、と評価するべきだろう。

以前、製造業などから金融中心になるのが先進国だ、などと声高に主張した人たちが何人もいたが、社会を金融だけでどうやって支えていくのか?という疑問は当時も投げられていた。
それに対する「新自由主義者」の反論は、基本的に「お金があれば実物経済に反映する決まっている」といういわば思考停止の回答であった。

結果は、投資で得た資金は実物経済に回るよりも、新たな投資に向かい実物経済に反映しなかった。
世界総バブル状態にしてしまった。

少なくとも、主に金融による富裕層を課税強化するだけでは、この状況から次の世界を作ることにならないのは明白だと思う。

どうも、投資という仕組み自体を考え直す必要があるのかもしれない。

5月 8, 2009 at 09:18 午前 経済 |

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