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2009.04.02

刑務所の医療すら出来ない、医療の貧困

毎日新聞より「透析受刑者:島根の新刑務所、収容見合わせ

刑務所で透析が受けられず全国で100人以上の受刑者が刑の執行を停止されている問題の解決を期待され整備された、PFI刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」(島根県浜田市)が、医師・看護師不足のため透析が必要な受刑者の受け入れを見合わせていることが分かった。
国は刑務所内の診療所を運営する島根県に対し、早期受け入れを強く要請している。

PFI刑務所は民間の資金や運営ノウハウを導入、殺人などの凶悪犯罪以外の受刑者を収容。
全国4番目の「島根あさひ」では、刑務所で全国最多の人工透析治療装置15台を診療所に備え、透析が必要な受刑者30人を受け入れる予定だった。

ところが、刑務所がある同県西部の深刻な医師不足から08年10月の開所時に人工透析専門医を確保できず、県は受け入れを半年間延期。
この間に地元医師会の協力で開業医5人が交代で透析治療をするめどがついたが、今度は看護師不足の問題が浮上した。

診療所は9診療科で常勤医1人、非常勤医19人、常勤看護師9人が勤務する。
ところが既に入所した男性受刑者約500人の健康診断で約8割が内科などで受診が必要なことが判明。
「想定以上」(島根県医療対策課)の受診者数で、9人の看護師だけでは透析治療の対応が困難に。

さらに同刑務所は今秋までに約2000人を収容予定で、看護師からは仕事量増加に対する不安や過酷な労働環境への不満の声もあがっている。県は看護師3人を追加募集しているが、応募は1人だけという。

法務省によると、全国69刑務所中で人工透析治療装置があるのは「島根あさひ」を除くと8施設計35台。
3月末で透析治療が受けられず、115人が刑の執行を停止され、自宅などから通院治療している。
こうした事態に、同省矯正局は「遅くても5月中に受け入れてほしい」と話し、受刑者の選定手続きを進めている。【御園生枝里】

どこをどう論評すればよいのか考えてしまいます。

一番の問題は、現在の医師不足と同じことが起きていて、服役者という少人数に対しても対処できないほどの近視眼で医療行政が行われているという事実でしょう。

「成長の限界」を読んだのは、1972年の発売直後だったと思います。ワールドシミュレーションが可能になったということだけで、感激したものですが、すぐにメドウズらのこの研究についての批判が出てきました。

「成長の限界」では食料をカロリーとして計算していたのですが、食事は文化であって、食糧不足はカロリー不足ではない、といった批判でした。

要するに、シミュレーションの対象を一律であると仮定することの危険性の指摘でした。
今日の医師不足問題などは、正にこのような「バカバカしい一律あつかいの破たん」なのだろうと思っています。

刑務所での一方の有名な問題に、高齢化があります。
そうなると、当然医療問題も出てくるわけで、そのために医療対応刑務所を作ったのは正しいのに、医師・看護師が不足であるというのは「一体何を検討して設置したのか?」となるでしょう。

刑務所の面倒すらみることが出来ない、日本の医療行政の貧困さはほとんど18世紀並みなのではないか?とすら思います。
ここまで、先の見通しが出来ない人たちが行政を運営しているのでは、将来への希望も持てないし、政府を信頼しないでしょう。
わずか、十数年で日本はなんと多くのものを壊してしまったのか、と強く思います。

4月 2, 2009 at 10:08 午前 医療・生命・衛生 |

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