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2009.04.01

裁判員制度に向けて新聞社が自主ルール

サイゾーより「裁判員制度で大わらわ 新聞各社が「自主規制」を開始

裁判員制度のスタートを5月に控え、大手新聞各紙は事件報道をガラリと変えることになった。

「逮捕段階から、容疑者をまるで有罪のように報道されると、裁判員はあらかじめ偏見を持ってしまう」という注文が司法当局から出たため、各紙とも記事のスタイルを根本的に見直すことになったようだ。

朝日新聞では、昨年中にすでにガイドラインをまとめている。その主な柱を5つ紹介しよう。

  • (1)情報の出所を明らかにする
    これまで逮捕容疑は、「調べによると、殺害した疑い」などと情報の出所を隠し、まるで真実であるかのように書いてきた。これは、「警察の捜査は間違いない」という警察ベッタリの幻想にすぎず、裁判員に偏見を与えかねない。そこで、逮捕容疑は警察の見立てにすぎないことをハッキリさせるため、「警視庁赤坂署によると、殺害した疑いがある」と情報源を明示することにした。
  • (2)発表であることを強調する
    「赤坂署は佐藤容疑者を逮捕した」といった警察の広報のようなスタイルを改め、「赤坂署は、佐藤容疑者を逮捕した、と発表した」と書き改め、警察と距離を置いていることを強調する。
  • (3)認否を書く
    容疑者が否認していても、これまで記事上に書かれることはなかった。これでは不公平なので、「捜査本部によると、容疑者は否認している(あるいは『認めている』)」などと書くことにした。
  • (4)「わかった」はできるだけ使わない
    新しい捜査状況を特ダネとして報じるとき、「容疑者が殺害を認めていることがわかった」などと断定調で書いてきた。この「わかった」スタイルは、警察の取り調べ内容を真実と決めつけているのでできるだけ使わず、「警視庁によると、容疑者は殺害を認めているという」などと書く。淡白な表現になるので、裁判員に強い偏見を持たせないで済む。
  • (5)容疑者の言い分を書く
    警察一辺倒だった取材を改め、弁護士も積極的に取材し、容疑者の言い分を書く。

読売新聞でも、ガイドラインを昨年からスタートさせている。
朝日と違うのは、情報源の出所をよりハッキリさせるため、「赤坂署副署長によると、容疑を認めている」などと情報源をより特定した報道を心掛けている点。

逮捕後、起訴されず釈放された場合は、「誤認逮捕」の疑いがあるから、名誉回復のためにも必ずその事実を報道することにした。

また、前科前歴を報じる点は、朝日が「原則報じない」という立場に対し、読売は「裁判員に与える影響が強いので注意が必要」と指摘するにとどめ、前科前歴報道そのものはやめないようだ。

一方、毎日新聞は今年1月から見直しを始めているが、先行する2紙ほど厳密なガイドラインではなさそうで、「毎日らしいアバウトさが特徴的」(社会部記者)という。

こうした大手3紙の動きを追って、地方紙に記事を配信する共同通信も3月から同様のガイドライン運用を始めており、これで新聞メディアはおおむね事件報道の見直しに着手したといっていい。

大手紙の社会部デスクはこうした報道の見直しの動きについて「『見てきたかのように書く』と言われてきた新聞のいい加減さを見直すいいチャンスなんです」と歓迎しており、「これほど事件報道が根本的に見直されるのは、えん罪事件を垂れ流した報道姿勢を改めようと、『呼び捨て』ではなく『容疑者』を付けるよう見直した20年前の改革以来の出来事」と語る。

しかし、こうした動きはなにも新聞メディアの自覚から生まれたわけではない。裁判員制度を導入する最高裁は「事件報道は裁判員にとって百害あって一利なし」という考えから、公判が始まるまでは供述内容などを報道できないよう法的規制をかけるという立場を捨てていない。
その対抗措置として「自主規制」のために生まれたのが、今回のガイドラインなのだ。

これらの事件報道の見直しは緒に就いたばかり。紙面の変化をしっかりとウオッチしておきたい。
(編集部/「サイゾー」4月号より)

新聞社がそれなりに対応を考えるのは良いことだと思います。

一方「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」に規定されている、裁判員への罰則もなかなか難しいもので、首をひねってしまいます。

第8章 罰則

  • 第106条(裁判員等に対する請託罪等)
  • 第107条(裁判員等に対する威迫罪)
  • 第108条(裁判員等による秘密漏示罪)
    • 裁判員又は補充裁判員が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
    • 2 裁判員又は補充裁判員の職にあった者が次の各号のいずれかに該当するときも、前項と同様とする。
    • 一 職務上知り得た秘密(評議の秘密を除く。)を漏らしたとき。
    • 二 評議の秘密のうち構成裁判官及び裁判員が行う評議又は構成裁判官のみが行う評議であって裁判員の傍聴が許されたもののそれぞれの裁判官若しくは裁判員の意見又はその多少の数を漏らしたとき。
    • 三 財産上の利益その他の利益を得る目的で、評議の秘密(前号に規定するものを除く。)を漏らしたとき。
    • 3 前項第三号の場合を除き、裁判員又は補充裁判員の職にあった者が、評議の秘密(同項第二号に規定するものを除く。)を漏らしたときは、五十万円以下の罰金に処する。
    • 4 前三項の規定の適用については、区分事件審判に係る職務を行う裁判員又は補充裁判員の職にあった者で第八十四条の規定によりその任務が終了したものは、併合事件裁判がされるまでの間は、なお裁判員又は補充裁判員であるものとみなす。
    • 5 裁判員又は補充裁判員が、構成裁判官又は現にその被告事件の審判に係る職務を行う他の裁判員若しくは補充裁判員以外の者に対し、当該被告事件において認定すべきであると考える事実若しくは量定すべきであると考える刑を述べたとき、又は当該被告事件において裁判所により認定されると考える事実若しくは量定されると考える刑を述べたときも、第一項と同様とする。
    • 6 裁判員又は補充裁判員の職にあった者が、その職務に係る被告事件の審判における判決(少年法第五十五条の決定を含む。以下この項において同じ。)に関与した構成裁判官であった者又は他の裁判員若しくは補充裁判員の職にあった者以外の者に対し、当該判決において示された事実の認定又は刑の量定の当否を述べたときも、第一項と同様とする。
    • 7 区分事件審判に係る職務を行う裁判員又は補充裁判員の職にあった者で第八十四条の規定によりその任務が終了したものが、併合事件裁判がされるまでの間に、当該区分事件審判における部分判決に関与した構成裁判官であった者又は他の裁判員若しくは補充裁判員の職にあった者以外の者に対し、併合事件審判において認定すべきであると考える事実(当該区分事件以外の被告事件に係るものを除く。)若しくは量定すべきであると考える刑を述べたとき、又は併合事件審判において裁判所により認定されると考える事実(当該区分事件以外の被告事件に係るものを除く。)若しくは量定されると考える刑を述べたときも、第一項と同様とする。
  • 第109条(裁判員の氏名等漏示罪)
  • 検察官若しくは弁護人若しくはこれらの職にあった者又は被告人若しくは被告人であった者が、正当な理由がなく、被告事件の裁判員候補者の氏名、裁判員候補者が第三十条(第三十八条第二項(第四十六条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第二項及び第九十二条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)に規定する質問票に記載した内容又は裁判員等選任手続における裁判員候補者の陳述の内容を漏らしたときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
  • 第110条(裁判員候補者による虚偽記載罪等)
  • 裁判員候補者が、第三十条に規定する質問票に虚偽の記載をして裁判所に提出し、又は裁判員等選任手続における質問に対して虚偽の陳述をしたときは、五十万円以下の罰金に処する。
  • 第111条(裁判員候補者の虚偽記載等に対する過料)
  • 裁判員候補者が、第三十条第三項又は第三十四条第三項(これらの規定を第三十八条第二項(第四十六条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第二項及び第九十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、質問票に虚偽の記載をし、又は裁判員等選任手続における質問に対して正当な理由なく陳述を拒み、若しくは虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、三十万円以下の過料に処する。
  • 第112条(裁判員候補者の不出頭等に対する過料)
  • 次の各号のいずれかに当たる場合には、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。
    • 一 呼出しを受けた裁判員候補者が、第二十九条第一項(第三十八条第二項(第四十六条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第二項及び第九十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がなく出頭しないとき。
    • 二 呼出しを受けた選任予定裁判員が、第九十七条第五項の規定により読み替えて適用する第二十九条第一項の規定に違反して、正当な理由がなく出頭しないとき。
    • 三 裁判員又は補充裁判員が、正当な理由がなく第三十九条第二項の宣誓を拒んだとき。
    • 四 裁判員又は補充裁判員が、第五十二条の規定に違反して、正当な理由がなく、公判期日又は公判準備において裁判所がする証人その他の者の尋問若しくは検証の日時及び場所に出頭しないとき。
    • 五 裁判員が、第六十三条第一項(第七十八条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がなく、公判期日に出頭しないとき。
  • 第113条(即時抗告)
  • 前二条の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

4月 1, 2009 at 04:03 午後 裁判員裁判 |

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コメント

いままでは、「逮捕段階から、容疑者をまるで有罪のように報道」していたということですけど、改善されるのは結構なことですね。

投稿: zorori | 2009/04/02 6:49:13

なにしろ、あと一月半です。
実際問題として、今起きている事件はほとんどが裁判員裁判の対象になるでしょう。

昨年末に裁判員候補者に決定した人たちは、気にしているだろうと思いますが、当事者じゃないと関心が薄れてしまいますよね。

意外なほど、分かりやすい説明がないというのが今になって気になっています。

投稿: 酔うぞ | 2009/04/02 8:33:38

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