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2009.03.06

GMの危機は、終わりの始まりになるか?

AFP BB より「米GM、事業継続能力に「著しい疑念」 経営破たんの可能性も

【3月6日 AFP】 世界的な経済危機が深刻化する中、経営難に陥っている米自動車大手

GMは5日、会社清算の可能性を認めた。

GMの監査法人は同社の事業継続能力について、「著しい疑念」があるとの見解を表明したが、これを受け、GMも経営破たんによる会社清算の可能性があると警告した。

GMはすでに、米政府からつなぎ資金として134億ドル(約1兆3000億円)の緊急融資を受けているが、同社は前月、世界的な景気後退による販売不振を乗り切るためには、追加融資が必要だとして、米政府に166億ドル(約1兆6300億円)、カナダやドイツ、英国、スウェーデン、タイ政府に60億ドル(約5900億円)の合計226億ドル(約2兆2000億円)の追加融資を要請している。

米財務省はGMに対する追加融資について、態度を明らかにしていない。
(c)AFP/Mira Oberman

完全にUAW(全米自動車労働組合)との交渉がまとまらない事が、このような話がでてくる理由ですね。

こうなると、UAWが主張を引っ込めれば、全てが解決するかのように感じますが、こんな報道もあります。FujiSankei Business iより「2008年のGM会長の報酬は5億円

米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が5日、米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書で、ワゴナー会長の2008年の報酬が、前年比約61%減の約545万ドル(約5億4000万円)だったことを明らかにした。

給与210万ドルや自社株をめぐる報酬などが含まれる。経営が深刻化し、政府に支援を要請したビッグスリー(米大手3社)首脳の高額報酬には批判が強い。

ワゴナー会長は09年に年俸を1ドルにすることを表明している。(共同)

2008年が前年比約61%減5億4000万円ということは2007年は9億円ということになりますね。GMの2007年の業績はこの報酬に見合うものであったのでしょうか?
少なくとも製造部門だけを取り出したら、すでに勝負にならないとこまで追い込まれていたわけだから、これでは今になって批判されても致し方ないでしょう。

しかし、UAWが悪い、取締役が悪いというのは簡単ではあるけど、次のよう現実に対応することには役に立ちません。CNN.cp.jp より「米国人の3人に1人、8670万人が健保未加入と

(CNN) 米国で2007年から08年にかけ、一時期でも健康保険に未加入だった65歳未満の人数が8670万人に達していることが、米消費者団体ファミリーズUSAが4日に発表した統計結果で明らかになった。

同時期の65歳未満人口は2億6231万人で、約3人に1人に相当する33.1%が保険未加入状態となっている。

保険未加入期間は、25.3%が24カ月の2年と長期間にわたっており、13─23カ月の19.5%と合わせると、未加入状態が1年を超えているのは44.8%。6カ月以上の未加入状態は74.5%に達し、4人に3人が半年以上にわたって健保未加入となっている。逆に、未加入期間が1─2カ月と短期だったのは5.4%で、最も少なかった。

年代別に見ると、特に19─24歳の世代が49.5%とぼ半数を占めていた。

人種別に見ると、未加入者全体の49.8%が白人。しかし、各人種の人口に対する割合で見直せば、ヒスパニックの55.1%、黒人の40.3%が未加入となっている。

ファミリーズUSAの共同設立者でもあるロン・ポラック常務理事は、「これほど多くの人々が健保未加入状態にあるのは(疾病の)大流行よりも憂慮すべき事態だ」と述べている。オバマ政権は、加入者を増やす健康保険制度の見直しを公約の一つとしている。

健康保険についてもいろいろな種類があるそうで「契約した州外では無効」といったものもあるとの記事を先日見ました。
全米自動車労働組合(UAW)とビッグ3との契約には退職者の保険料負担があること良く言われていますが、状況がこれでは「受け皿がない」とも言えるのでしょう。UAWとしても「引っ込めるわけにはいかない」となるのも当然です。

アメリカの消費市場によってこの10年間(もっと長いとも言えますが)の世界の経済は回っていたのは事実ですが、ここまで切り詰めた上に過剰消費していたことで世界経済が回っていた、という事実に着目するべきでしょう。

今になると「アメリカの過剰消費」というのは分かりやすいですが、それがなぜ起きたのか?となると、わたしは「新自由主義」の破たんであると考えています。

新自由主義の国際化はやはり無理であった、ということなのだと思いますし、そもそも新自由主義こそがすべての問題を解決できる、というリードが間違えであろうと思います。
これが日本に来ると「改革万能論」になるのでしょう。

結果として「お金さえあればなんでもできる」「お金で社会のすべてを評価するべきだ」といったところに陥ってしまった、と言っても良いでしょう。
資源価格の高騰とか食料・医療の高騰からサービスの低下、といったことになるのは「過度の金額換算万能論」によるのではないか、と考えています。

評価軸を「お金」だけに絞りますと、一見分かりやすくなりますが、世界が分かりやすくなることは良いことではないのかもしれません。世界はどうやっても分からないものである、という理解の方が重要なのかもしれません。

3月 6, 2009 at 10:13 午前 国際経済など |

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