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2009.02.18

韓国KTXの欠陥枕木製造事件

韓国KBSニュースより「KTXの工事区間で枕木332本に亀裂 大邱-釜山間

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間の大邱-釜山間でレールの敷設工事に使うコンクリート製の枕木のうち332本に亀裂が入っていることが分かりました。

KTXの第2期工事区間は総延長が254.2キロで、レールの敷設工事は2002年に始まり、これまでに96.9キロの区間にコンクリート製の枕木15万5000本が敷かれています。

韓国鉄道施設公団は先月5日、一部の枕木で亀裂が見つかったため、先月19日から今月12日まで3回にわたって全ての枕木を調査し、332本に亀裂が入っていることを確認しました。

時速300キロで走る高速列車とレールを支える枕木に亀裂が入れば、レールが曲がって列車が脱線するなど、大規模な事故につながる恐れがあり、枕木の取替え作業が行われることになりました。

鉄道施設公団は、レールに枕木を固定する部品に欠陥があったのが原因と見ており、亀裂が見つかった枕木を全て取り替え、亀裂が見つかっていない枕木についても改めて検査をして、亀裂が見つかれば取り替える方針です。

韓国鉄道施設公団はまた、工事をした会社が故意に設計通りに施工しなかった可能性もあるとして、捜査機関に捜査を依頼することも検討しています。 韓国鉄道施設公団の関係者は、「問題がある枕木は上半期中に全て取り替え、品質と安全管理を徹底させる。工事期間内に工事を終わらせることはできるだろう」と話しています。

ナンダなんだ?という記事ですが、韓国朝鮮日報にもっと詳しく記事が出ています。

KTX欠陥工事:枕木15万本、すべて不良品

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱‐釜山間のレール敷設工事で、コンクリート製の枕木数百本に亀裂が入っていることが判明した問題で、工事に使われた枕木約15万3000本がすべて不良品だったことが確認された。
これにより、工事費がさらに数十億ウォンかかり、工事期間にも遅れが生じることが避けられない見通しとなった。

韓国鉄道施設公団と軌道の敷設を担当した「サムピョE&C」社、枕木を製造した「チョノン・レールワン」社などは16日、「2008年3月から現在までに、大邱‐慶州間の96.9キロの区間に設置された枕木は15万3394本だが、そのすべてで設計図に示された防水材ではなく、吸収材を使用していた」と発表した。
このため、現在のところ亀裂が見つかっていない枕木も、雨水などがしみ込んで凍結すれば、すべて亀裂が入る可能性が高い。一方、同公団側はこの日、亀裂が入っていた枕木の数が、当初判明した222本よりも100本余り多い332本であることが分かった、と発表した。

大邱=チェ・スホ記者

KTX欠陥工事:欠陥品の枕木フックボルトは韓国製

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱-釜山間のレール敷設工事で発覚した枕木の亀裂は、専門性のないメーカーとずさんな現場監理による「共同作品」だった。
軌道分野での経験者が一人もいない会社が不良品を生産し、現場監理業者は外国の技術を盲信するだけで十分な役割を果たせなかった。

枕木を製造した慶尚北道尚州市化西面の「チョノン・レールワン」社は2006年12月、コンクリート製品メーカーの「チョノン工業」社と、ドイツの「レールワン」社の合弁で設立された。
事実上、KTXの第2期工事のために設立された会社で、軌道分野での施工実績はまったくなかった。

現在、約60人の社員が在籍しているが、軌道分野での経験を持つ社員は一人もいない。
品質管理を担当する6-7人の管理職でさえ、建設現場でコンクリートやセメントを取り扱った経験はなかった、と会社側は話している。
イ・ハンセ工場長は「社名を明かすことはできないが、全羅道のある業者が製造したフックボルト(枕木を固定する部材)の納品を受け、これを使って枕木を製造し、施工会社に納品しただけだ。
亀裂が見つかっていなければ、今も(設計図に示された)防水材が使われているのか、吸収材が使われているのか分からなかっただろう」と釈明した。

一方、工事現場の監理を担当した韓国鉄道技術公社は「枕木を製造した会社にはドイツの技術者たちが常駐しているため、製品の品質を疑うことはなかった」と語った。
部材の監理を担当したチン・ヒョンムン課長(51)は「枕木の製造工程だけを監督していたため、枕木に使われるフックボルトに問題があるなどとは考えもしなかった。
亀裂が見つかるまで、フックボルトはドイツで製造され、枕木に取り付けられたものとばかり思っていた」と述べた。

これに対し、軌道関連の会社は「外国の技術にばかり依存し、専門性に欠けていたためにこうした事態になった」と指摘した。
防水材として使われる半固形状の圧縮用潤滑油(50ミリリットル当たり250ウォン=約16円)は、吸収材に使われるスポンジ(1個当たり50ウォン=約3円未満)より5倍ほど高いが、単価が非常に安いことから、コスト削減のために不良品を生産したという可能性は低いという。
軌道関連会社のある関係者は「この業者が、大邱から蔚山までの131キロ(上下線の合計)の区間(第4工区)で、枕木に吸収材を使うことによって節約できる金額は約4100万ウォン(約260万円)=差益200ウォン(約13円)×20万6514本=にすぎない。コスト削減よりも、経験不足がゆえに起こったトラブルだ」と話している。

一方、監督官庁である国土海洋部は、枕木に亀裂が入っているのが見つかってから1カ月以上も報告を受けていなかった。
同部とKTXを運行する韓国鉄道公社は「手抜き工事の実態について、専門家との合同調査団を派遣して調査を行っていく予定だ」と語った。

大邱=チェ・ジェフン記者

尚州(慶尚北道)=チェ・スホ記者

【社説】KTX、ひび割れた枕木の上を走るのか

京釜高速鉄道(KTX)の第2期整備区間の大邱-釜山間のレール敷設工事でコンクリート製の枕木の一部がひび割れで折れた。
列車とレールの重みを支える枕木が破損すれば、レールが曲がり、時速300キロで走る列車が脱線する事故が起きる可能性がある。
7兆ウォン(約4500億円)もの建設費が投入される高速鉄道の安全性に致命的な欠陥が見つかった形だ。

れまでに敷設された枕木15万3000本のうちひびが見つかったのは332本だが、全ての枕木が危険状態に置かれている。
枕木にレールを取り付ける締結装置とその下部の埋め込み栓がすべて不良品と判明したためだ。
設計図面には埋め込み栓に防水物質を使うことになっているが、それが守られていないために雨水が入り込み、寒さで水が凍結して体積が増えたことで枕木にひびが入った。
現在表面的には異常がない枕木もいつ折れたり割れたりするか分からない

埋め込み栓メーカーは、設計図面と異なる不良品を作り、枕木メーカーは納品された埋め込み栓が不良品かどうか検査もせずにそのまま使用し、施工業者と管理業者もそれに目をつぶり、何の手も打たなかった。
このうちの誰かがしっかり仕事をすれば、こんなことは起きなかったはずだ。巨額の国民の税金が使われる大型国策事業の工事がこれほどいい加減だとは話にならない。
工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。

ひびが入った枕木とは別に、鉄道施設公団が第2期区間に使用する締結装置として選定した英パンドロール社の製品も時速300キロの高速鉄道には使われた実績がなく、性能が確認されていないという。
監査院も2007年に安全性が立証されていない製品なので、軌道のずれやレール損傷などの問題が発生する可能性があると指摘していた。

高速鉄道の第1期工事は、1992年に車種も決まらず、設計図面もない状態で着工された。
結局1996年に米安全診断業者に精密調査を依頼し、190カ所は補修、39カ所は部分的な再工事が必要と判断された、当時、韓国政府は常時点検班を設置するなどの対策を取り、徹底した安全管理を誓った。
しかし、第2期で再び問題が明るみに出た。責任者を探し出し、国策事業の手抜き工事を防ぐための抜本的な対策を示すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

詳しく読んでみると、わけの分からない話です。

問題の工事は、KTXの第2期工事でウィキペディアの説明では

2010年には、ソウル近郊と釜山近郊を除く全区間が高速路線に移行し、ソウル-釜山間は1時間56分に短縮される計画であった。
しかし、慶州市街地の地下化および周囲の山へのトンネル建設をめぐって自然保護などの立場から反対運動が起こり、トンネル計画の中止などの理由により当初の計画の2時間以内の走行は不可能になってしまった。

大邱から慶州を経て釜山につながる部分の専用路線を建設する第2期工事は、2002年6月に始まった。
2006年8月、建設交通部は大田市内及び大邱市内の専用線増設について、地下短絡化ではなく、在来線と並行する高架化を正式決定。
それぞれ1兆ウォン超の費用で高架化、沿線道路立体化、沿線の緩衝緑地の設置などの事業が始まり、2010年の完成を予定している。
また五松、金泉亀尾、新慶州の駅新設とあわせて、全通後の所要時間は現行より約30分短縮の2時間10分を予定している。

となっていますから、2010年完成予定の工事であった、となります。
事実、朝鮮日報の社説には「工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。」とまで書いていますが、第1期工事で完成したKTXは運行しているわけです。
そうなると、第1期工事と第2期工事の間で「経験の会社が重要部品を受け持ち、それ自体をチェックしなかった」ということになってしまいます。

第1期の工事の経験が第2期工事に活かせなかったところこそが最大の問題点でしょう。
情報伝達の重要性を教えてくれる事件と言えます。

2月 18, 2009 at 11:34 午前 もの作り |

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コメント

どこまで本当かわかりませんが、漢字廃止が原因の一端だとの話もあります。

★厳選!韓国情報★.
http://blog.goo.ne.jp/pandiani/e/ef2914d7b7f15780fdc11bcfdf4b2bee

 問題は、締結装置を作った業者が、図面に出ている防水(バンス)材を吸水材だと解釈して枕木製造会社に製品を納品したことです。

<インタビュー: 埋立栓納品会社関係者>
 「バンスという概念も曖昧で、水を遮断することもバンスだが水の量を減らすこともバンスだから…」(訳注:「防水」「放水」「防守」「防銹」「傍受」などはハングル表記では同じ「バンス」。)

投稿: わっきぃ | 2009/02/22 13:41:50

軌道の不安定は、
オーストリア製G社のバラストマットが原因!

投稿: | 2011/03/08 14:03:32

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