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2008.12.13

対北朝鮮エネルギー支援は中断か?

朝日新聞より「北朝鮮への重油支援中断へ 米報道官 緊張再燃の恐れも

米国務省のマコーマック報道官は12日の会見で、北朝鮮が核計画の検証で合意しない限り「今後の重油支援は行われない」と述べ、核施設の無能力化などへの見返りであるエネルギー支援を中断する方針を明らかにした。

北朝鮮を除く他の6者協議参加国も同じ考えだという。
支援が止まれば北朝鮮が反発するのは必至で、無能力化作業の逆行など緊張が再燃する可能性が強まってきた。

11日に終了した6者協議首席代表会合では、北朝鮮の反発で核関連物質のサンプル(試料)採取などの検証方法の文書化で合意できないまま終了。
核検証を重視する米国は協議後に、北朝鮮への圧力で合意を促す方向にかじを切った形だ。

マコーマック氏は現在はロシアが提供した重油が北朝鮮への輸送途上にあるとした上で、今後は「(検証問題の)進展が見られなければ重油の輸送は進まないだろう」と発言。

拉致問題を理由にした日本の不参加で宙に浮いた重油20万トン相当のエネルギー支援を、オーストラリアなど6者以外の国で負担する構想についても「検証合意がなければ前に進まないだろう」と語った。

こうした意向は北朝鮮にすでに示されたとし、「ボールは北朝鮮側にある」と述べて北朝鮮側の対応を促した。

エネルギー支援は北朝鮮が核施設を使えなくする無能力化作業の見返り措置で、第2段階までに重油100万トン相当の支援をする。
すでに約5割の引き渡しが済んでおり、今年7月の6者協議の時点では「10月末までに完了する」とされていた。

今回の首席代表会合の議長声明では「無能力化とエネルギー支援を同時に行う」とし支援を推進する方針を示していたが、日本政府関係者は協議後に「次回の協議までにすべてが終わるという見通しは持てなかった」と述べ、中断の可能性を示唆していた。

今回の首席代表会合の議長声明では「無能力化とエネルギー支援を同時に行う」とし支援を推進する方針を示していたが、日本政府関係者は協議後に「次回の協議までにすべてが終わるという見通しは持てなかった」と述べ、中断の可能性を示唆していた。

北朝鮮はテロ支援国家指定解除の遅れに反発し、無能力化をやめて核開発の再開に動いたこともあり、今回の支援中断の表明で再び強い態度に出る可能性が高い。(鵜飼啓、玉川透)

■北朝鮮は反発

【ソウル=牧野愛博】
韓国政府関係者は13日、「検証方法で進展がない限り、支援をしないという合意は5カ国にはない」と説明。
韓国が支援を中断するかどうかは「検討中だ」とした。

ただ、韓国政府は6者協議で検証問題をエネルギー支援と関連づける「包括的解決」を再三主張。

李明博政権が核問題の解決を重視していることや、日米韓の連携を重んじていることから、米国の政策に同調する可能性は高い。
別の韓国政府関係者は「包括的解決について北韓(北朝鮮)は反発しているが、5カ国には一定の共通認識がある」と語った。

一方、北朝鮮関係筋は13日、マコーマック報道官の発言について「議長声明は検証問題とエネルギー支援を切り離しており合意違反だ」と反発。

「支援が進展しないというだけでなく、検証問題で我々に圧力をかけるという意味であれば、無能力化作業を中断し原状復帰を進める可能性は十分ある」と語った。

アメリカのヒル国務次官補とライス国務長官の北朝鮮寄りの6ヶ国協議のリードは、肝心の北朝鮮がヒル国務次官補らの説明通りに動かないのですから、結局はこのような結果になるのは必然であると言えるでしょう。

北朝鮮側の主張が「支援問題と検証問題は別だ」と言っても、もともとが核開発停止・公開の検証とセットでエネルギー支援なのですから、どこかでこのような事になったでしょう。

検証問題とは、使用済み核燃料からプルトニウムの生成についての検証をするというものであって、国際原子力機関の査察の一環ですが、北朝鮮は監視カメラの停止などを行っていて、根本的に査察を受けず秘密で行くと言うわけです。
要するに核兵器生産をするという宣言と同等とも取れるわけですが、そのような国にエネルギーなど各種支援をするというのは、どの国にとっても国内的に合意できるものではないでしょう。

南アフリカは核武装計画の放棄をしていますが、これも基本的には経済制裁とのバランスによって非核武装を選択したのだと言われています。

金正日後の体制ができていないとも言われていて、注目せざるを得ません。

12月 13, 2008 at 12:36 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ホームオブハート裁判・控訴審証人尋問

12月9日にホームオブハート裁判の中で一番先行している高裁の証人尋問を傍聴してきました。

高裁ですから控訴審で、一審判決が不満だとしてホームオブハート側が控訴したものです。

証人はMASAYAこと倉渕透でした。

朝の9時に「傍聴券が抽選だ」という情報が入ってきていささか慌てましたが、その時にどういうわけかPCが死にました。

法廷は14時~16時30分が予定されていて、主尋問(ホームオブハート側)が40分、反対自問(被害者側)が80分の予定でした。
今まで、傍聴券配付の裁判は何度も見ていますが、抽選というのは初めてです。13時40分に抽選待ちのを人を対象にコンピュータ利用の抽選をして、傍聴券を受け取ることになりました。
40席に対して46人が並んでいて、ほとんどの人が傍聴できたのですが、結果的に被害者側の応援団状態になりました。
ホームオブハート側は時間に遅れたために傍聴できずに廊下にいたとのことでした。

わたしは色々な裁判を傍聴していますが、すべてが何らかの関わりのある人たちの応援で傍聴しているものですから、あまり普通の事件はありません。
その意味では傍聴した全ての裁判で扱っている事件が「ヘンなもの」であって、裁判もヘンなところがあるのですが、この裁判はおそらく今後一生見ることがないと断言できる程ヘンな証言でありました。

控訴審ですから、原理的には一審の判決に不満なところを証言するはずなのですが、元もと一審ではMASAYAは何も述べていません。
そこからヘンなのですが、内容も裁判の証言とは思えないほどものでした。

裁判で問題になっている事件は、2004年の春に「元X-JapanのToshiが児童虐待」と連日報道された事件であって、2004年の春以後に起きた事が問題なのに、1998年とか2002年の出来事を「紀藤弁護士のの陰謀」のようなことを繰り返し述べていました。
時間の前後関係を無視しているので、聞いていても良く分かりません。

証人尋問ですから、弁護士の質問に答えるのですが、途中から演説になってしまう。
何回か裁判長に注意されていました。

民事裁判ですから、本質的に勝ち負けを争うものなのですが「あの証言では勝つ方向に行かないのではないのか?」と強く感じました。

よく分からない証言であった、というのが印象の全てですね。

12月 13, 2008 at 01:10 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.07

京都家裁の書記官が判決文を偽造?

朝日新聞より「京都家裁書記官、判決偽造容疑で聴取へ 詐欺団と共謀か

京都家裁の男性書記官(35)が、振り込め詐欺事件に利用されたとして凍結された銀行口座を使えるようにするため、民事訴訟の判決文を偽造した疑いがあることが6日、捜査当局の調べで分かった。埼玉県警は近く、この書記官を偽造有印公文書行使の疑いで事情聴取し、容疑が固まり次第、逮捕する方針だ。

振り込め詐欺に利用されていた口座は、埼玉県内の銀行に開設されたもので、架空の人物が名義人になっていた。事件に使われていることを突き止めた別の県警の要請で、凍結されていた。

捜査関係者によると、書記官は
今年9月ごろ、振り込め詐欺グループの求めに応じて、京都地裁が民事訴訟で言い渡したように装った判決文を偽造した疑いがあるという。
県警は京都家裁の家宅捜索も実施し、この書記官が振り込め詐欺グループと知り合った経緯や、偽造の詳しい手口などを調べる。

判決は、貸金請求事件に関するもので、別の書記官が作成したようになっていたという。書類には京都地裁でしか付けられない公印があったとされる。男性書記官が無断で付けた可能性もあるという。判決の内容は、この口座の名義人に債務の支払いを命じ、凍結の解除を要請したものになっていたという。県警は口座開設の過程も調べている。

判決文を郵送で受け取ったさいたま地裁熊谷支部は9月、口座から預金が引き出し可能となる命令を出し、凍結が解除された。その後、口座から何者かが数百万円を引き出したという。

判決を出した形となった京都地裁に、熊谷支部から問い合わせの連絡がいき、判決文の偽造が判明した。さいたま地裁が10月、刑事告発し、埼玉県警が捜査していた。

県警は、書記官と振り込め詐欺グループの関係を調べ、実態解明を目指す。

元の事件は、時事ニュース・10月18日偽造判決文で凍結解除=振り込め詐欺利用の口座-さいたま地裁支部」です。

虚偽の判決文に基づく申し立てを受けたさいたま地裁熊谷支部が偽造を見抜けず、振り込め詐欺に使われた疑いで凍結されていた口座について、預金の引き出しを可能とする命令を出していたことが18日、分かった。

詐欺グループが口座の凍結解除を狙ったとみられ、裁判所は偽造有印公文書行使容疑で埼玉県警に告発した。

(2008/10/18-12:06)

10月の報道で「虚偽の判決文」とか「裁判所が告訴した」といった刺激的な内容に「どうなっているか?」と気にしていたのですが、家宅捜索・逮捕に動き始めたようです。

詳報を待ちたいと思います。

12月 7, 2008 at 10:13 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

情報ネットワーク法学会・研究大会

昨日(2008/12/06)は情報ネットワーク法学会の研究大会に参加してきました。

情報ネットワーク法学会設立の趣旨からキーワード引っ張り出しますと。

  • 情報ネットワーク社会の到来
  • 「情報法」の必要性
  • 情報ネットワーク社会における「表現の自由」
  • 自動実行性
  • サイバーテロ・サイバー戦争
  • 社会変革に対応した法システムの必要性
  • グローバル性
  • 情報ネットワーク社会の特殊性を考慮した対応の重要性
  • 学際的研究の必要性
  • 情報ネットワーク法学会の設立

とあって、情報ネットワーク法学会の設立は

 このような認識を踏まえ,我々は,情報ネットワーク法学会を設立することを決意した。
我々はこれまで,情報ネットワーク法学会の設立に向け,長い時間をかけて準備を重ねてきた。
「学会」という枠組みは,既にその有用性に疑問をもたれるものになってしまっているかもしれない。

しかし,現実世界と情報ネットワーク環境とを架橋するための研究団体にとって合理的で有用な組織形態として,我々は議論と思慮を重ねた上で,あえて「学会」という古い革袋を選択することにした。
この革袋は,いずれ新たな容器へと取り替えられるべきものかもしれない。
だが,我々は,現時点においては,様々な分野の人々が安心して参加可能であり,かつ,真に社会貢献が可能な研究団体を構築するための形式として「学会」という手慣れた社会的方式を採用するのが妥当であると判断する。

我々は,ここに,情報ネットワーク法学会の設立準備を世に公表し,賛同者の参加を募ることとしたい。
2002年5月

こんなわけで、「学会」ではありますが、どんどんと議論する範囲が広がっていて、飽きることがありません。

神田の電機大を会場としましたが、最大では同時に3会場を使っての一日であったので、全てを見ることは出来ませんが、わたしが見たのは以下のようなものです。

●「通信の秘密の数奇な運命」(制定法)高橋郁夫(弁護士)
●「情報手段の拡大による学校の情報の学校外への侵出とそれに基づく
  侵襲性の高い介入情報の発信がなされた事例についての検討」
長谷川元洋(金城学院大学)
●「コンピュータによる論争スキルの教育支援の試み」新田克己(東京工業大学大学院)
●基調講演 『著作物に関する包括契約と補償金制度の公正性
  または63%の法則について』
苗村 憲司 情報ネットワーク法学会フェロー、駒澤大学
●招待講演 『現代における債権法改正の意義』内田 貴 法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与
●パネル・ディスカッション 『法学教育のIT化 大学間連携を視野に入れて』

基本的に法学の勉強会であるわけですが、色々な企業の方も数多く参加していますし、ネット上の有名人も多数参加しています。
しかも、現在の法律について実務的な解釈といった話題はあまりなくて、現実の事件と法律のすり合わせや、法律の改正などについてはレクチャーが多く、上に挙げた講演のずれもが「こんな事があるのだ!」ということばかりで、非常にエキサイティングな一日でありました。

「通信の秘密の数奇な運命」は一年前に勉強会で聞いてびっくりしたもので、情報ネットワーク法学会の会報誌に報告がありますが、ネットワーク管理者にとって常識でありかつ重石のように常に圧力を感じざるを得ない「通信秘密が実はけっこう無茶苦茶だ」という研究報告です。

「情報手段の拡大による学校の情報の学校外への侵出とそれに基づく侵襲性の高い介入情報の発信がなされた事例についての検討」は、中学校でのプロフをめぐる炎上についての生徒・学校の対応などを分析したもので、現実の事件は3時間ぐらいだったので、リアルタイムでは学校は対応できないという現実の一方で、学校は別のところに何か無いかを半年ぐらい調べなかった、とのことでした

「コンピュータによる論争スキルの教育支援の試み」は、すごく面白い研究で、法律に基づく議論をコンピュータによってどこまで分析できるのか?というものでした。
ある条件(法律上の交渉ごと)といった前提では、非常に高度な分析が出来るようです。

12月 7, 2008 at 09:56 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)