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2008.12.05

ビッグスリーの危機

東京新聞より「ビッグ3救済へ道筋見えず 公聴会で厳しい意見相次ぐ

【ワシントン4日共同】

経営危機に陥った米ビッグスリー(自動車大手3社)の首脳は4日、上院銀行住宅都市委員会の公聴会で証言し、最大で総額340億ドル(約3兆1400億円)の公的資金による救済を要請した。

ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)は「われわれは過ちを犯した」と一定の経営責任を認めたが、議員からは厳しい意見が相次ぎ、破たん回避への道筋は依然見通せない状況だ。

水面下では救済法案をめぐる議員間の折衝も本格化し、米製造業の基幹と呼ばれてきた3社は生き残りをかけた重要局面を迎えた。

公聴会でフォードのムラリー会長兼CEOは、かつては「造れば売れる」との思想があったと反省の弁を述べ、抜本的な経営改革を約束。
GMのワゴナー会長は「過ちからわれわれは学んでいる」と述べ、公的資金の投入に理解を求めた。

クライスラーのナルデリCEOは「巨額の公的資金であることは認識しているが、これが最もコストのかからない選択肢だと思う」と訴えた。

しかし同委員会の共和党トップ、シェルビー議員は公的資金が有効に使われる確信が持てないとして「3社の救済には反対だ」と明言。
民主党のカーパー議員らは、破たん処理も依然選択肢の1つとの考えを示した。

なんとも厳しい状況ですね。
政権移行期だから、政府が政治的決断下して議会を説得するという状況ではないようで、議会が合意できれば公的資金の投入が実現する、という状況かと思います。
つまり事情はどうあれ議会で議論が続く間は、公的資金投入に至らない可能性があります。

ブッシュ現政権にはすでに指導力は無く、オバマ政権の与党になる民主党はこの問題を避けるために現政権中に決断を下すべきだとして現状にはノータッチ。
これでは、行政は現在も次期政権も決断を放置していて、議会に放り投げていると言うべきなのですが、その議会での議論が混乱しているようですから、決まるかどうか分からないですね。

GM倒産はあり得るのでしょうか?

12月 5, 2008 at 10:02 午前 国際経済など | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.12.04

舞鶴事件・6日間の家宅捜索終了

産経関西より「舞鶴・高1殺害 家宅捜索を終了

京都府舞鶴市の高校1年女子生徒・殺害事件で、舞鶴署捜査本部は3日、遺体発見現場近くに住む無職の男(60窃盗罪で起訴、勾留中)の自宅で、引き続き殺人、死体遺棄容疑での家宅捜索を実施。

同日夕、6日間にわたる捜索を終えた。

男の弁護人立ち会いのもとで行われた捜索は延べ約40時間におよび、男の衣類やスコップなど押収品は計約2000点に達した。

これで、事件に結びつく物証が出てこなかったらどうなるのでしょう? 非常に心配なところです。

12月 4, 2008 at 09:04 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

大阪府・小中高生の携帯電話を禁止に

読売新聞関西版より「携帯電話、小中学校で持ち込み禁止に…橋下知事表明

府立高では校内使用禁止 「学校に必要ない」

大阪府の橋下徹知事は3日、政令市(大阪、堺両市)を除く府内の全公立小中学校で携帯電話の持ち込みを禁止する方針を明らかにした。

府立高校では校内での使用を禁止する。携帯サイトの利用をきっかけにした犯罪やいじめの増加などを受けての判断で、順次、禁止する学校を増やし、来年3月までには全校に広げる。

文部科学省によると、携帯電話の校内への持ち込みや使用を都道府県単位で禁じるのは初めて。

橋下知事はこの日の記者会見で「学校に携帯電話は必要ない」と強調。
「携帯電話への依存度が高くなれば、学習時間が短くなるのは当たり前」と学力向上策でもあると説明した。

府教委は近く、禁止方針を各校に通達。児童・生徒が違反した場合は携帯電話を没収し、保護者に受け取りに来させるなどの措置を求める。

通学時の安全確保などのために必要な場合は、持ち込みを認め、下校時まで学校側で預かるなどの対応を検討する。

府教委が今年7月に調査したところ、携帯電話所持率は中学生で59%、高校生で91%。所持生徒の4人に1人はメールで嫌がらせを受けたことがあるとしていた。公立小学校の88%、公立中学校の94%が持ち込みを禁じている一方で、9割超の府立高校が授業中以外は使用を認めていた。

こんな事が実現可能なのでしょうか?
そもそも、携帯電話(のメール)に時間を取られて勉強時間が減っているのだとしても、学校に持ち込み禁止にすると、それが是正されるものだろうか?

わたしが主張している、子供用に機能制限した携帯電話だけを持ち込み可能とする方が、話は簡単でしょう。

府立高校の校内で使用禁止はけっこう問題で、大学に進学すると携帯電話がキチンと使えないと授業が受けられないところが非常に増えています。
つまり、大学から見ると携帯メールが使えない生徒は高校卒業の水準に達していない、とも言えるわけです。

必要なのは、もっと丁寧に対処法を考えることで、こんな乱暴な「規制」をしても、ヘンなことになるだけでしょう。

第一、現在の社会で必要な能力の一つがネットワーク利用の能力であり、いじめ問題や違法ダウンロードといったことも、ネットワーク利用の実務能力と不可分の関係でしょう。
必要な教育しませんという宣言とも取れるわけで、大問題じゃないでしょうか?

12月 4, 2008 at 08:59 午前 教育問題各種 | | コメント (4) | トラックバック (0)

電気自動車・実用化社会実験が始まる

朝日新聞より「電気自動車 郵便集配耐えられる?

郵便集配車を電気自動車にしてCO2の排出削減に貢献しようと、郵便事業会社は2日から、同社横浜港支店(横浜市中区)に電気自動車を配備し、使用に耐えられるかどうか実験を始めた。

隣接する県庁は電気自動車の普及に力を入れており、県庁にある急速充電器などを使いながら、今後1年をかけて積載や走行性能などを調べる。

実験で使う電気自動車は富士重工業製の「プラグイン ステラ」で、モーター動力は40キロワット。

今年7月の北海道・洞爺湖サミットで実験に使われた。もとは乗用車だが、集配用パレットを6個積めるように改造した。

郵便集配車はいたるところでこまめに発進と停止を繰り返すため、地球温暖化防止に直結するCO2の排出削減は同社の大きな課題だった。

同社によると、普通車と軽自動車を合わせた集配車は全国で計約2万4千台で、県内には計約1100台。

横浜は狭い道や坂道などが多く実験にふさわしいことから、実験場所に選ばれたという。

神奈川新聞より「電気自動車普及へ急速充電器設置/昭和シェル石油が県内のガソリンスタンドに

昭和シェル石油(東京都港区)の新井純社長は三日、県庁で会見し、県が推進する電気自動車(EV)の普及事業に協力し、来春から県内のガソリンスタンド(GS)に全国で初めてEV用の急速充電器を設置すると発表した。

県は普及推進のために、一、二年間はユーザーへの無料での電力提供を要請しており、同社も検討するという。

同社のGSは県内に百十七カ所あるが、当初は横浜、湘南地区で二、三カ所設置し、状況を見ながら増設を検討する。設置費用は一台五百万~一千万円。十五~三十分の充電で、車種によって八十~百六十キロ程度走行できるという。

県は二〇一四年度までに、二酸化炭素(CO2)を大幅に減らせるEVを県内で三千台普及させる方針。七月に同社が厚木市内への研究施設進出で県の助成を受けた際、松沢成文知事が設置を打診していた。新井社長は「GSに太陽光パネルを設置するなど、第二の『コア事業』の太陽電池ビジネスと組み合わせていきたい」と述べた。

県も独自に県内三十カ所に急速充電器を設置し、当面は無料で提供する方針。

松沢知事は「EV普及に弾みがつく。早い時期に民間事業者と合わせて急速充電器を百カ所に増やしたい」と期待を込めた。

結果的にかなり大規模な社会実験が出来ることになりますね。
ただガソリンスタンドで充電するのはどれほど意味があるのだろうか?有料駐車場で充電するというのは大いに便利だと思うけど、わざわざガソリンスタンドに充電に行くというのは、電気自動車にとっては一種の非常措置のように思います。

いずれにしろ社会実験をやらないと、どこに問題がありどうすれば改善できるのかも分からないですから、非常に注目するべき試みですね。

12月 4, 2008 at 08:44 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.03

ビッグスリーの苦闘・その2

朝日新聞より「ビッグ3、米議会に340億ドルの支援要請

【ニューヨーク=丸石伸一、ワシントン=西崎香】

米自動車大手3社「ビッグ3」は2日、経営再建計画を米議会に提出した。

人件費の削減や電気自動車への投資を盛り込む一方、政府に最大で計340億ドル(約3兆2千億円)の資金支援を要請。新車販売が急減するなか、緊急融資の早急な決定を求めている。

米議会は自動車業界への250億ドル(約2兆3300億円)の緊急融資枠を含む救済法案を審議中。再建計画を踏まえて今月4、5両日に公聴会を開き、週明けに採決するかどうか決める。

資金支援の要請額は、ゼネラル・モーターズ(GM)が最大180億ドル(約1兆6700億円)。運転資金に使うつなぎ融資として最大120億ドルに加え、販売不振が長引くのに備えた融資枠60億ドルの設定も求めた。支援が得られれば、今月中に40億ドルを引き出す方針も明らかにし、資金繰りが厳しくなっていることを示唆した。

フォード・モーターは最大90億ドル(約8400億円)、クライスラーは70億ドル(約6500億円)を要請。3社の合計額は、審議中の救済法の枠を上回る規模のため、今後の調整が必要とみられる。

再建計画では、議会で厳しく非難されていた役員の高額報酬について、3社とも最高経営責任者(CEO)の年俸を1ドルに下げる方針を発表。CEOらが使う専用ジェット機の売却なども打ち出した。

GMは、工場労働者の労務費削減を労組と協議し、12年までにトヨタ自動車と競争できる水準まで引き下げるとした。傘下の「サーブ」や「サターン」など3ブランドの売却などの検討も示唆。取引金融機関や社債保有者らと交渉し、債務を大幅に減らす方針も打ち出した。

ガソリン以外の燃料で走る車の技術開発に09~12年で約29億ドル(約2700億円)を投資し、10年に電気自動車の生産を始めるなど次世代車への取り組みも強調している。

フォードも、次世代車の開発に今後7年間で計約140億ドル(約1兆3千億円)を投じ、10~11年に電気自動車の商用化を目指す。競合他社の倒産などがなければ09年までに資金繰り難に陥ることはないとしており、11年に北米事業の黒字化を見込む。

クライスラーは09年から大幅な燃費改善を幅広い車種で実施。電気自動車は10年に発売を始め、13年までにさらに3車種を追加する計画だ。

各社の計画提出を受け、米議会を主導する野党民主党のペロシ下院議長は2日記者会見し、「議会か政権かのいずれかによる介入は起きると思う」と述べ、何らかの救済が実施されるとの見通しを明らかにした。

ただ法案には共和党議員らの反対が目立っているうえ、今回の再建計画にも人員削減など追加リストラの具体策までは示されておらず、法案可決に至るかはなお不透明だ。

このため民主党側は、実施の手続きが簡単なブッシュ政権による金融支援の公的資金枠の活用も要求。
政権側はこれに反対する一方、すでに決定済みの燃費技術改善向けの支援250億ドル(約2兆3300億円)の転用を検討している。

「ビッグスリーの苦闘」の続報です。

前半は、前に紹介した内容ですが、最後の議会状況についての説明は注目する必要がありますね。
共和党が反対で否決というのはあまり考えられないと思いますが、政権移行期なので決定が何事も遅れる可能性は高いでしょう。
結果として、巨大倒産事件になるかもしれません。

マクロに言えば、アメリカの短期利潤追求型の経済運営は危機に弱いと言うべきなのでしょう。
石油の値上がりはアメリカ車を直撃して、ビッグスリーの体力を奪ったのですが、元はと言えばアメリカの石油依存が石油入に向いて国際原油相場を引き上げた事から始まりました。

さらに、産油国でもあるアメリカが中東原油に依存するのは、一方で原子力発電所を新規建設をストップし原子力工業も無くなってしまうに等しくして待ったからとも言えます。

ここまで来ると、ニワトリが先かタマゴが先かのような議論になってしまいますが、短期利益追求が過ぎるとエネルギー危機にも対処できなくなる、と示していると言えるでしょう。

日本の政治・経済状況が表面上は今もアメリカ式の短期利益追求を良しとしていますが、全体的な安定にももっと目を配るべきだし、特に派遣労働が低賃金に誘導することを目的とするのなら、間違えなく経営が市場を潰しつつあるわけで、派遣労働ゆえに高賃金という仕組みにしないと経済縮小にしかならないでしょう。

12月 3, 2008 at 01:17 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

シャルレ、創業社長が解任される

日経関西より「シャルレ、創業家社長解任──MBO不成立の公算、岡本執行役が新社長に

婦人下着販売のシャルレは2日、創業家の林勝哉社長を解任し、後任に岡本雅文執行役が就任したと発表した。

林前社長は取締役となる。

創業家一族を中心とするMBO(経営陣が参加する買収)について、価格決定などで林社長が不当に関与していたと判断したため。
同社はMBOに対し「重要な利益相反行為があった」として賛成意見を撤回した。

9月にMBOを提案した米モルガン・スタンレーグループと創業家側はシャルレが買収案に賛成しない場合、MBOの前提となるTOB(公開買い付け)に応募しない契約を結んでいた。
前提条件が変わったことで、MBOが不成立となる公算がでてきた。

林前社長は昨年6月に元バレーボール日本代表の三屋裕子社長(当時)を解任して社長に就任。
9月19日にMBOを実施すると発表、同22日から買い付けを始めていた。

同社は「買収価格が不当に安い」といった内部通報が相次いだ結果、第三者委員会を設置。再検討していた。

シャルレは訪問販売で以前から何かと話題に事欠かない会社です。
その代表格が三屋裕子氏の社長就任でした。

三屋裕子氏は3年間で解任されますが、そこからの慌ただし動きはウィキペディアに記録されています。

今後を注目したいと思います。

12月 3, 2008 at 10:11 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ビッグスリーの苦闘

日経新聞より「GM、最大180億ドルの融資要求 再建計画を提出」

【ニューヨーク=武類雅典】

米政府に金融支援を要請中の米ゼネラル・モーターズ(GM)は2日、自動車ブランドの削減方針や債務削減などを盛り込んだ再建計画を米議会に提出した。金融支援としては総額で最大180億ドル(約1兆7000億円)を要求。
今月中に40億ドルの利用を見込んでおり、政府支援が得られなければ、経営破綻の恐れが高まる。

再建計画には傘下ブランド「ポンティアック」の大幅車種削減、「サーブ」「サターン」の戦略見直しを盛り込んだ。
サーブとサターンについては売却も視野に入っていると見られる。
一方、取引のある金融機関や債権者らに対しては債務の軽減を求める方針。

経営陣の報酬も大幅にカットし、リチャード・ワゴナー会長の年俸は1ドルに引き下げる。

日経新聞は特集「米ビッグスリー再建」として、以下の記事をまとめています。

「米ビッグスリー再建」記事一覧

  • (12/2)GM、最大180億ドルの融資要求 再建計画を提出
  • (12/2)米フォード、8500億円の融資枠求める CEO年俸1ドルに
  • (12/2)米ビッグ3、再建計画を2日提出 労務コストなど削減へ
  • (12/1)フォード、ボルボ売却検討を発表 経営再建、自助努力訴え
  • (12/1)サーブとボルボ、スウェーデン政府に支援要請 英紙報道
  • (11/29)ビッグ3公聴会 12月4、5日に米議会で開催
  • (11/29)GM、債権者に債務株式化を要請 米紙報道
  • (11/26)米クライスラー株の売却交渉難航 独ダイムラーと米サーベラス
  • (11/26)北米車在庫、100日分超す 日米6社、00年以降で最悪
  • (11/24)ビッグ3の公的救済、世論冷ややか 議会の対応難しく
  • (11/23)米ビッグ3、経営陣報酬カットへ 支援狙い「自己犠牲」
  • (11/22)GMの一部取締役、破産法含め検討の声も 米紙報道
  • (11/22)米GM、社用ジェット2機手放す 政府支援巡る批判で
  • (11/21)GM、生産調整を追加 工場休止の前倒しなど
  • (11/21)米ビッグ3に配当見送りなど要求 民主党首脳が書簡で
  • (11/20)米ビッグ3再建策、追加リストラ焦点 12月2日期限
  • (11/20)ビッグスリー再建、「時間との勝負」に
  • (11/20)米ビッグ3への政府支援、12月に結論先送り リストラ計画要求
  • (11/19)米ビッグ3、株価も低迷 GM9.71%、フォード25%安
  • (11/19)日産ゴーン社長「新たな提携、今は考えていない」
  • (11/19)ビッグ3緊急融資の民主党案、週内の採決撤回 米メディア報道
  • こういった経過を経て、社有ジェット機の廃止、CEOの年報を1ドルにするといった象徴的な「対策」を発表してから、フォードが90億ドル、GMが180億ドルが必要だと発表しました。

    アメリカは消費によって経済を回してきました。
    その消費市場がサブプライムローンに代表される過度の信用拡大が原因で、崩壊してしまいました。

    自動車はアメリカでは、生活必需品ですからいつかは需要は復活します。
    ただし、アメリカの消費者が要求するものを将来とも提供し続けることができる、と市場が判断しないとビッグスリーが復活するのは難しいだろうと考えます。

    ビッグスリーが自動車市場にどう対応してきたのか?と考えますと、過去の事実は市場をリードしてきたというよりも、市場をねじ曲げてきたというべき、なのかもしれません。

    有名なのは、自動車普及のために鉄道会社をつぶしてしまった、というのがありますし、最近では乗用車の燃費規制法に対抗するために、燃費規制の対象外であるトラックをSUVとして大々的に売り出しました。その結果、ガソリン高騰でトヨタのハイブリッド車に人気が集中してしまいました。

    「GMにとって良いことはアメリカにとって良いことだ」などと言っているうちに、世界から取り残されてしまった、と言うべきなのかもしれません。

    日本でも自動車が売れなくて問題になっていますが、自動車の耐久力が向上して今や平均使用年限が11年を超えているとのことです。
    さらに、日本では若い人たちが自動車を買わなくなってきています。この部分はオートバイが日本では全く売れないことを追いかけているのだと思います。
    オートバイは日本の都会で極めて使いにくい交通機関で、とにかく駐車場がありません。その結果が「オートバイは無くても何とかなる」と電車やバス、自転車に試乗を奪われたと考えるべきでしょう。

    こういった自動車特有の問題とは別に、アメリカが何とかしなければならないのは、消費だけで回してきた経済構造からの脱却です。
    そのために必要なのは、工業生産性の大幅な向上が不可欠ですが、これは非常に難しいでしょう。

    世界中の量産型工業の生産設備を提供しているのは日本です。もちろん設備なのだから使いこなせば、結果は出ますが、世界をリードすることはできません。
    つまりは人件費などのコストの勝負から抜け出すために、モノを作るための仕組みを作るための仕組みを・・・・といったところの奥行きが無いとダメだとなります。
    これはアメリカにとってはかなり厳しい道になるでしょう。

    一方、日本では生産することが何よりも重要としたために、賃金引き下げに走ってきました。
    このために消費市場が無くなってしまっています。自動車が売れない理由は、収入が低いことが反映していることに間違えありません。
    ヘンリーフォードが空前の高賃金を支払って自動車を量産し、市場を作ったことの全く逆のことをやっているのが、現在の日本の財界です。
    企業が稼いだ金を市場に出さないで、どうやって市場にモノを売るのでしょうか?

    こうして考えますと、日本とアメリカは対象形になっているのでしょう。
    日本の現在の経済状態は比較的好況と言えるのでしょうが、すぐ隣に空前の大不況がありそうです。

    12月 3, 2008 at 09:59 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.12.01

    ドルの将来

    イザより「屑資産でもドル札に換えるFRB

    ちょっと小生意気な小学6年生のおいっ子が突っ込んできた。
    「おじさんたちは景気が悪いと書いているけど、そんなに悪いなら国がお札をじゃんじゃん刷ってみんなに配ればいいじゃないの」。

    フム、どう答えるか。

    カネの信用がなくなって、インフレになるから駄目だ、なんて杓子(しやくし)定規の答え答をしたら恥かくぞ。
    物価がどんどん下がるデフレ経済では、カネを刷ってヘリコプターからばらまけ、というご託宣がノーベル経済学賞受賞者から提起されている。

    経済とはカネが十分回れば、必ずよくなる。
    しかし、タダのカネを刷ってみんなに配ってもそうなるとはかぎらない。いま話題の定額給付金もそうだ。

    例えばこのおいっ子たちが喜び勇んでお札を手にゲームソフトを買うとしよう。
    赤字経営のゲームソフト店のオヤジさんはその代金で一息つけるかもしれないが、銀行が運転資金を貸してくれないといずれ店をたたむ羽目になる。
    カネが回るという意味は、金融機関を通じて収益性のある事業や勤勉に働く勤労者の住宅ローンなどに流れることで新たな事業や需要が生み出され、しかも返済されることで還流することだ。

    つまり、たっぷりと資金を持っている健全な金融機関と、借りたカネを返済する能力を持つ企業や個人が大多数を占める。
    とにかく金融機関がなければ、カネは回りにくい。
    金利が低ければ、低収益の事業にも融資しやすくなる。
    ヘリコプターからばらまかれたカネは金融機関に集まってこそ生きる。

    おカネを刷って金融機関に流すのは通常、中央銀行であり、日本では日銀、米国では連邦準備制度理事会(FRB)である。
    単に刷っているわけではない。
    中央銀行は国債など信用度の高い証券を買い上げる操作のために輪転機を回す。
    つまり、国債などの資産の裏付けがあるおカネを市場に流す。
    ほとんど値打ちのないような資産に値をつけて買い上げることはこれまでタブーとされてきた。
    そんなことをすれば、中央銀行は不良資産を大量に抱えることになり、それに見合って発行されるお札は信用を失うかもしれないのだ。

    ところが、米FRBは25日、そんな禁じ手を使うことを決めた。

    最大で8000億ドル(約77兆円)ものドル札を刷って、各種ローンが裏付けになっている「証券化商品」を買い入れる。住宅ローン関連で6000億ドル、自動車、クレジットカード、学資などの消費者ローンと一部の小企業向けローンで2000億ドルの資金枠をそれぞれ設定した、というのだ。

    FRBの買い入れ対象はそれまでに問題含みの企業のコマーシャル・ペーパー、貯蓄型の投資信託(MMF)など多岐に渡り、しかも経営危機に陥った証券大手ベアースターンズ支援 290億ドル(約2兆8000億円)や保険大手のAIG支援1100億ドル(約10兆円)など、不良化するリスクの高い資産ばかりだ。

    この結果、FRBの資金供給残高(保有資産)は証券大手リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)した9月中旬以降の約2カ月半の間に一挙に 2.5倍に膨らんだ。

    しかも通常なら米国債という優良資産の占める比率は通常のレベルの9割から2割へと大幅に低下した。

    FRBはジャンク(屑(くず))になりかねない金融資産と引き換えに1兆数千億ドル(百十数兆円)ものお札を垂れ流している。

    外聞もメンツもかなぐり捨ててまで応急措置に踏み切らなければならないのは、金融商品バブル崩壊のために金融機関の資産が損なわれ、金融機関同士疑心暗鬼になってしまい、金融市場でカネが回らなくなったのが一つ。
    さらに、企業や個人も資産を失い、融資が受けられなくなったからだ。
    ビジネス活動も個人消費も冷え込み、景気がいよいよ悪くなる。ならば、この際、ドル札を刷ってばらまくしかないと思い切った策に出たわけだ。

    さらに驚くのは、今回の買い上げ対象になった証券化商品というのは、「金融工学」を駆使してコンピューター空間で創造された仮想現実の金融商品である。これらの商品は市場での評価、つまり現実の価値が不明である。株や債券はまだ配当や元本という確かに実在する価値をバックにしている「実」であるのに対し、証券化商品の大半は「虚」の金融商品である。FRBはあえてこの「虚」を現金化する。

    市場経済というものには必ず帳尻合わせが起きる。ドル札が虚に染まれば、いずれただの紙切れに変わる。

    それでもそうならず、ドルの価値が安定しているのは、世界でドルの金融商品の清算に伴ってドル札が不足しているためだ。

    ドルが一転して過剰になったとき、どうなるか。米国はもとより、世界はまさに前代未聞、近代中央銀行制度史上初の巨大な実験の行方にかたずをのんで見守っているとでも言えようか。

    (特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)

    最後の節

    市場経済というものには必ず帳尻合わせが起きる。ドル札が虚に染まれば、いずれただの紙切れに変わる。

    それでもそうならず、ドルの価値が安定しているのは、世界でドルの金融商品の清算に伴ってドル札が不足しているためだ。

    この部分は、田村記者が以前から主張しているところで「現時点ではドル高」というものです。

    そこにさらにドルを発行しているのですから、ドル暴落の可能性もあるとなります。
    ところで、今回の田村の記者の指摘で重要なのは、すでに信用を失ってしまった金融商品を買い上げたという部分でしょう。

    通貨の発行権は国家が独占することになっていますが、手形とか借金というのいわば個人や私企業が通貨を発行するようなもの、と解釈して良いのでしょう。
    国家と個人では信用が全く違います。だから、借金はいつまで経っても通貨にはならない。

    しかし現実の事件としては、借金をし放題に拡大して、最後に「大きすぎて潰せないから、国が何とかする」ということは日本も含めて世界中で起きています。
    いわば国ではないところが通貨を勝手に発行したとも言えるでしょう。
    勘定を合わせることは出来るかもしれませんが、信用は減りますよね。

    アメリカ経済の復活は世界の期待でありますが、経済とは信用の問題であってアメリカの信用がいまだに下落の方向に向かっているのでは、世界は今後どうなっていくのでしょうか?

    12月 1, 2008 at 10:19 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    裁判員の通知

    読売新聞より「裁判員通知来た ブログで公開相次ぐ…氏名・顔写真も

    裁判員制度の候補者名簿に登録された人が、通知が届いたことをインターネットのブログで公開するケースが相次ぎ、中には候補者の氏名を特定できるブログもあることが分かった。

    裁判員法は候補者の個人情報を公にすることを禁じており、匿名のブログなら大きな問題はないが、個人が特定できるものは罰則はないものの、同法違反と見なされることになる。

    通知書が各家庭に届き始めた29日以降、ネット上では通知書を受け取った感想や、封筒の写真を載せたブログが次々に現れた。ブログで氏名や顔写真を公開したうえで「通知が来た」と書いた男性もいた。

    そりゃそうだろう。
    だから「この規定は無理ではないか?裁判員法」を書いたのであります。

    裁判員法101条の「何人も・・・公開してはならない」とは一体どの範囲なのか?となりますし、公開は禁止するが上司に伝えるのは良いというのは、実際的ではあるが法律の条文から上司に知らせるのは公開ではないというのは無理があるだろう。

    いわば「やむ得ない場合は、範囲を限定して通知しても良い」としか考えられないし、その範囲が社会通念上の「公開」であっても仕方ないのでは無いだろうか?

    処罰の対象にならないとか、違反とみなされないということではなくて、裁判員法101条の規定が社会の実情をうまく反映できていないところが問題なのです。

    裁判員法反対論の中に「一生涯秘密にしろ、というのは負担が大きすぎる」というがあって、これも機械的に適用できるものではないでしょう。
    重大な被害が生じた場合に「不用意に秘密を暴露したから」というぐらいしか制限のしようがないかと思います。
    法廷でのやり取りについては、公開して良いわけですから・・・・。

    わたしは以前から、刑事裁判に市民が参加するべきだと考えていましたが、現実の問題となると陪審員制度の方が良いように思います。
    おそらくは、昔の陪審員裁判制度の失敗を理由にして裁判員制度にしたのでしょうが、ちょっとヘンなところにこだわっているように感じます。

    12月 1, 2008 at 09:36 午前 裁判員裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

    診療報酬不正請求で詐欺容疑として逮捕

    朝日新聞より「旧厚生省OBの美容形成外科医師を逮捕 詐欺容疑

    診療報酬を不正に請求し、現金をだまし取ったとして神奈川県警は30日、横浜市の美容形成外科「菅谷クリニック」(現サニークリニック)を経営する医療法人社団・天道会の理事長で医師の菅谷良男容疑者(58)=横浜市南区六ツ川2丁目=ら3人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。

    菅谷容疑者は「やっていない」と容疑を否認しているという。菅谷容疑者は87~89年、旧厚生省で医療指導監査官を務め、医療機関の監査をする立場にあった。

    県警によると、3人は04年10月~06年8月、30代男性の腕の入れ墨を除去する治療をした際、実際には行っていない手術をしたように装うなどして診療報酬を不正に請求、21回にわたり計約110万円をだまし取った疑いがある。

    神奈川社会保険事務局などは07年2月、クリニックが不正請求を繰り返したとして保険医療機関指定と菅谷容疑者の保険医登録を取り消し、同年12月、菅谷容疑者を詐欺容疑で県警に刑事告発した。

    サラッと読んでしまうと気がつかないですが、かなりヘンな事件になるかもしれません。
    サンケイ新聞より「まったくのぬれぎぬ 詐欺容疑で逮捕の旧厚生OB医師

    美容外科「菅谷クリニック」(現サニークリニック)で診療報酬の不正請求を繰り返していたとして30日、神奈川県警に詐欺容疑で逮捕された旧厚生省OBの医師でクリニックを経営する医療法人社団「天道会」理事長の菅谷良男容疑者(58)は、逮捕前、産経新聞の取材に対し、「不正請求はしていない。ぬれぎぬだ」と強気に答えていた。一問一答は次の通り。

    --不正請求の疑いが持たれているが

    「一切していない。まったくのぬれぎぬ。再診料は1円も請求していない。保険のきかない自由診療で保険を請求されたとも言われているが監査をしてもまったくそういう事実はなかった」

    --社会保険事務局の告発と保険医登録取り消しについては

    「調書を捏造(ねつぞう)された。調書に書かれた私の署名も勝手に誰かが書いた。取り消しはまったく不当だ」

    --なぜ捏造されたと思うのか

    「一部の報道機関が私の病院が不正請求をしていると報道し、社会保険庁がたきつけられて、捏造しなくては自分たちがたたかれると思ったから。抗議はしたがまったく無視された」

    --不正請求用のマニュアルがあるとされるが

    「不正請求をするためのマニュアルではなく、アルバイトの医師などが誤って不正請求をしないように作ったマニュアル。まったく反対の意味になっている」

    逮捕についての記事を読みなしてみると、けっこうすごいことになっています。

    2007年2月クリニックが不正請求を繰り返したとして保険医療機関指定と菅谷容疑者の保険医登録を取り消し
    2007年5月保険医療機関指定の取り消しは違法として、同事務局などを相手取り、処分取り消しを求める訴えを横浜地裁に起こした。/td>
    2007年12月菅谷容疑者を詐欺容疑で県警に刑事告発した。
    2008年11月30日3人を詐欺容疑で逮捕

    診療報酬請求が不正であると発覚するためには、治療の事実がない患者が実在しない場合以外は、内部告発しか無いように思うのです。また、事務手続き上の間違えによる不正請求と故意に詐欺的な不正請求を分けることも必要になります。

    こんな事を考えると、これは刑事事件として処理できるのでしょうかね?

    12月 1, 2008 at 09:11 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.11.30

    ちょっと大変ではないかな?

    読売新聞より「女性教諭のワゴン車から児童の名簿など盗まれる…岐阜

    愛知県警西枇杷島(にしびわじま)署は30日、岐阜県白川町立白川北小学校の女性教諭(33)が、愛知県清須市西枇杷島町の自宅マンション駐車場で車上狙いに遭い、ワゴン車の中にあった同校の児童、職員の名簿などが盗まれたと発表した。

    発表によると、女性教諭は29日午後1時40分頃、「車の窓ガラスが割られ、後部座席にあったかばんを盗まれた」と通報した。

    かばんには、同校1年生11人と教諭15人の名前、住所、電話番号が記載された緊急連絡用の名簿のほか、同校の玄関や職員室などの鍵計3本が入っていた。

    同駐車場では別の車1台もガラスを割られ、ゴルフバッグが盗まれており、同署は窃盗事件として調べている。

    女性教諭は「かばんを車内に置き忘れてしまった」と話しているという。

    情報流出で、一番多いのが置き忘れ、車上荒らしなど外部に持ち出した情報が無くなるというものです。

    それはそれとして、わたしは清須市西枇杷島に自宅がある先生が、岐阜県白川町の学校に勤務しているとはどんなものかと地図でルート検索をしたら、72キロもありました。

    関東平野の端から都心に通勤するようなものだ、言えばそれまでですが、小学校は8時には出勤する必要がありますから、通勤だと毎日6時には出発ですね。

    11月 30, 2008 at 01:30 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

    舞鶴事件の捜査

    サンケイ関西より「舞鶴・高1殺害 異例の捜索 裁判員制度にらむ?

    京都府舞鶴市の高1女子殺害事件で、窃盗罪で起訴された男(60)の自宅を殺人などの容疑で捜索した京都府警の「捜査手法」に注目が集まっている。

    関与を示す物証や供述がない中での捜索が批判され、弁護人立ち会いという異例の展開となったが、背景には「裁判員制度がある」と識者や関係者は語る。

    自白を前提にするよりも、まず物証を押さえるやり方は制度を見据え、より強まる“流れ”という見方だが、「制度をにらむならば、より捜索は慎重であるべきだった」という声もある。

    「弁護人の反発は想定内だった」。ある府警幹部は、捜索予定日に弁護人が準抗告し、いったん捜索が延期された異例の事態にも強気の姿勢を崩さなかった。

    府警は捜索にあたり、警察庁や検察当局とも協議を重ねており、強引ともいえる捜査手法への批判も、弁護士立ち会いも「織り込みずみだった」と言う。

    背景にあるのは捜査の行き詰まりとともに「物証」へのこだわり。
    弁護人が立ち会うことにより、証拠がみつかった場合は信用性も高まる。

    一連の捜査で府警は被害者の所持品だけでなく、今回の捜索の決め手となった防犯カメラの映像も公開してきた。

    それ以降も捜査を進める上で不利になりかねない情報を積極的に報道機関に流している。
    府警の捜査幹部は「重要事件の報道対応としては異例の展開だろう」と振り返るが、公開性を高める裁判員制度をにらんだ対応とみられる。

    府警は今月15日に窃盗容疑で男を逮捕して以降も、「(窃盗)容疑と無関係な証拠品の押収や検証はしていない」と強調し、10日間の勾留(こうりゅう)中に殺人事件には「一切触れなかった」としている。

    これらの捜査手法について

    元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長(刑事法)は

    「自白を強いるのではなく、まず物証を押さえる。そのやり方は裁判員制度をにらんだ厳密な手順といえる」と評価。

    井戸田侃(あきら)・立命館大名誉教授(刑事法)も

    「自白を強いるより、まず物証を押さえるやり方は本筋で常道といえる」と理解を示す。

    ただ、土本さんは

    「捜索で物証が見つからなかった場合、どう捜査を続けていくのかが問題になる」と指摘。

    また、ジャーナリストの大谷昭宏さんは

    「なんとしても検挙したいという熱意は分かる。だが、こんな捜索は違法ギリギリ。やっちゃいけない。裁判所も裁判員制度をにらんで安易に捜索令状を出すのは慎むべきだ。しかし制度が始まれば、今回のようなケースが再び出る可能性もある」と話す。

    裁判員制度では捜査の違法性が問われれば、裁判員の心証が悪くなる恐れもあり、京都府警の幹部は「だからこそ捜索までには相当の時間を要した」と話す。
    と同時に、この幹部は「(裁判員制度をにらみ)事件を世間に印象づけておきたいという思惑が(捜索の背景に)あったのではないか」とも語っている。

    ナンか京都府警の思惑がかなり高級なところを狙っているかのような記事になっていますが、そうでしょうかねぇ?
    京都府警はインターネット犯罪について、かなり先進的に著作権侵害事件の立件を行っていますが、よくよく聞くとかなり強引ではないのか?といったところがあります。

    大石英司の代替空港より

    ※ 現場近くの60歳男宅を捜索 舞鶴・高1殺害事件で府警

    http://www.asahi.com/national/update/1128/OSK200811280003.html

     何かの窃盗事件ですでに家宅捜索は一回行われているんですよね。そこで何か仕込まれて、二度目で発見される可能性は大いにある。弁護士はそれを恐れた様子ですが。

     私はこの人が真犯人か否かに関しては、いかなる予断も持ちませんが、進行していることは、昭和中期の数多の冤罪事件の鉄板パターンです。

    多くの人はこのように見ますから、ニュースの価値もあるのでしょうがそれが裁判員制度に適合するために・・・というのは、ちょっと苦しすぎる見解ではないでしょうか?

    もちろん、弁護士立ち会いの下で物証を確保できれば、円滑な裁判が期待できるのは裁判員裁判に限らないわけで、注目が集まる方がおかしいことです。

    さらに、証拠が出てこなかった場合にどうするのだ?という問題は大きいでしょう。 自白と証拠はセットであるべきで、自白が無くて証拠があると強弁すると証拠ねつ造が出てくるでしょうし、自白はあるが証拠はない、ではえん罪事件に一直線とも言えます。

    どうもこの舞鶴事件では、自白がないから証拠を再度探しに行ったわけで、過去には「無かったことが確認されている証拠が出てきた」というえん罪事件が複数報告されています。 その意味で弁護士が立ち会ったのはかなり安全サイドに寄ったとは思いますが、今度は「証拠が出なかったら」という問題に直面することになります。

    そもそも「捜査を進める上で不利になりかねない情報を積極的に報道機関に流している」こと自体が、捜査が行き詰まっている証明ではないのでしょうか?

    全体としては、きわどいことをやっているな、という印象から離れないですね。

    11月 30, 2008 at 12:25 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

    神奈川県教育委員会の努力はもう一歩

    毎日新聞より「県教委:ネットマナー紹介、携帯サイト開設 トラブル防止策も /神奈川

    県教育委員会は28日、インターネット利用時のマナーやトラブル防止策を紹介する携帯サイト「かながわモード」を開設した。県教委によると、このような携帯サイトを設ける例は珍しいという。

    サイトは小学生と中高生、保護者、教職員向けの4項目。小学生向けのコーナーでは、「悪い人はあなたの名前や住所、メールアドレスを知ると、しつこく連絡してきます」などと呼びかけ、中高生には「匿名やなりすましで不適切なメールや書き込みをしても、発信者は必ず特定されます」と悪用防止を求めている。

    また、教職員には、いじめの温床になっている「学校裏サイト」への対処方法も紹介。架空請求や恐喝などのトラブル事例や相談先リストも掲載した。

    かながわモードのアドレスはhttp://www.pref.kanagawa.jp/i/40/4012/02

    【五味香織】

    全角のURLはナンなのか?と思いつつ打ち込んでみたら、確かに携帯サイトだった。PCでも見ることが出来ます。

    行政機関が携帯サイトを作ること自体が珍しいと思うが、それ以上に内容が多すぎて説明が書ききれない。
    実演という意味では非常によいとは思うが、もう一工夫して解説用のページに携帯用のページを埋め込むようにした方が実際的ではないだろうか?

    11月 30, 2008 at 11:45 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

    ネット殺人予告で逮捕事件は意外と近かった

    読売新聞より「天誅、文科省局長ら殺害 と東大卒の男がブログに、逮捕

    文部科学省局長らの殺害予告をインターネットのブログに書き込んだとして、警視庁は29日、東京都文京区本駒込、無職(25)を脅迫の疑いで逮捕した。

    同庁幹部によると、同容疑者は東大を卒業後、定職には就いておらず、「理想を持って勉強してきたが、教科書で勉強したことと社会の現実が違っていたことを思い知り、文科省にだまされたという感情が高まった」などと供述しているという。

    発表によると、容疑者は今月20日、自分が開設したブログに「1週間以内に次の者を、その自宅において刺殺する」などと書き込み、同省局長や課長クラスの実在する幹部職員10人の名前を列挙して脅迫した疑い。

    同庁幹部によると、容疑者は「目的は詐欺教育に対する天誅(てんちゅう)。国民主権を回復し、抵抗権を行使して悪を殺害する」などとブログに書き込んでいた。

    今月2日ごろ、インターネット上のウェブサイトに、現職の東大教授を名指し、「殺害する」などと書き込んでおり、同庁が通信記録などを照会した結果、文科省幹部の脅迫も判明した。

    (2008年11月29日19時17分 読売新聞)

    この事件はわたしにとっては「またネット落書きで逮捕か」といった感想であったのですが、今日になってけっこう身近なところにあった事件であることが分かりました。

    [緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・という記事が11月7日に出ました。
    このボツネタは知る人ぞ知る裁判官が書いているブログです。

    先日,ボツネタの書き込み欄において,管理人が,犯罪被害者となり,
    捜査当局も巻き込み,大変な騒ぎとなりました。
    今回の件が,捜査当局や,管理人の勤務先の当局など,各方面に与えた影響は甚大で
    ボツネタ及びtopページをこのまま継続することが
    かなり困難な状況となっています。
    必要な情報,ソフト等がありましたら,
    万が一の場合に備え,DL.魚拓などで個人的に保存されることをオススメします。
    なお,ボツネタを引き継いでくれる方がいらっしゃいましたら
    管理人までご連絡いただければ幸いですm(__)m

    突然「刑事事件になった」というのには驚きましたが、何が問題なのか分からないままでした。
    それが「元東大生逮捕」の報道を受けて、ボツネタで問題になった事件とはこの元東大生が引き起こし、結果としてボツネタの継続を困難にしたものだと分かりました。

    検索してみると、2ちゃんねるの司法試験版などに2007年9月からボツネタへのコメントなどを問題だとして、スレッドが立っています。
    スレッドで取り上げられる問題発言は、ボツネタでのコメントとは別に、自身のHPなどで繰り返していて、ボツネタに粘着していたのはその一連の活動だったようです。
    そのために、ボツネタ管理人として岡口裁判官も事情を聞かれたと言うことでしょう。

    そりゃ、裁判官がネットを舞台にした事件に直接巻き込まれては、ネットワーク活動が継続できないというのも分かりますが、ネットワーカとしてはネット世論全体として、もうちょっとうまくやれば逮捕に至らない道があったのではないか?という気がします。

    Matimulogさんの記事

    2008/11/08

    blog:ボツネタ、自爆テロにやられてしまうのか

    コメント欄でのご指摘や落合先生の記事にもあるが、ボツネタが緊急告知を掲げている。

    ■[緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・
    先日,ボツネタの書き込み欄において,管理人が,犯罪被害者となり,
    捜査当局も巻き込み,大変な騒ぎとなりました。
    今回の件が,捜査当局や,管理人の勤務先の当局など,各方面に与えた影響は甚大で
    ボツネタ及びtopページをこのまま継続することが
    かなり困難な状況となっています。

    職場が職場だけに、よくこれまでもっていたと感心することしきりだったが、これまで長く続くと存在して当たり前ということになり、少し感謝の念が足りなかったかもしれない。

    また長く続くと、当然、おかしな人が寄ってくる可能性もあり、ただでさえ人々のトラブルを対象とする職業の一つであるから、その可能性はさらに高まる。

    そういうわけで、法律関係の職業人が開くウェブサイトというのは、そのコミュニティ機能を保持しにくい環境にあり、今回のボツネタの犯罪被害はその典型例の一つといえそうだ。

    過去、執拗な実名・職場暴きにあって登場できなくなった方や、裁判官と見られる人気サイトが原因は不明ながらも継続されなくなった例(単に忙しくなっただけかもしれないし、別の名前に変わっただけかもしれないが)もあり、まともな法律系サイトやネット言論がコミュニティ機能を保ったまま存続することは困難なのである。

    なお、ボツネタでは、サイト管理人の後継者を募集している。一人で管理人機能を引き継いで今の質を保つのは難しいだろうが、少人数グループが共同管理するなら、可能性はあるだろう。

    落合弁護士の記事

    [お知らせ]トラックバックを承認制にしました

    http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20081106/1225967251

    で告知されていますが、本ブログでも、管理者の承認の上で表示されるようにしました。カテゴリーの趣旨に即したトラックバックは積極的に承認するようにしますから、よろしくお願いします。

    折しも、

    [緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・

    http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20081107/p1

    という、困った事態になっていますが、はてなダイアリーでは、コメントもトラックバックも承認制が導入できるようになっているので、その辺を工夫して(ボツネタのコメント欄は既に承認制になっていますが)、関係者の理解も得た上で、何とか継続していただきたいものです。

    町村先生や落合弁護士がわざわざ岡口裁判官に「何があって刑事事件被害者になったのでしょうか?」と聞くとは思えませんし、第一に捜査段階での情報を裁判官が話すわけもありませんから、よほどの事情通のネットワーカでないと今回の逮捕に至る展開を予想しても、当時は疑念の域を出なかったでしょう。

    そういう意味では、コメントやトラックバックを承認制にするといった手だては継続のためにはやむを得ない選択と言えるでしょう。

    それにしても、ネット社会はこの種の「おかしな人」への対応が上手になる必要があるのは確かなことでしょう。

    11月 30, 2008 at 11:31 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)