« 2008年11月16日 - 2008年11月22日 | トップページ | 2008年11月30日 - 2008年12月6日 »

2008.11.29

すでに情報戦に巻き込まれている

読売新聞より「偽装機能を持つ新手のボット

高度な偽装機能を持った新手のボットが発見された。セキュリティー対策会社などに解析されないようにする「アンチフォレンジック機能」を持っていることが特徴だ。「アンチフォレンジック」とは、どんなものなのだろうか。(テクニカルライター・三上洋)

USBやCDから忍び込み「ごみ箱」に偽装

企業向けセキュリティー大手のラック・サイバーリスク総合研究所が「アンチフォレンジック機能を持つボットの出現~攻撃者のターゲットは個人情報から機密情報へ」というリポートを発表した。

それによると、国内では初となる「アンチフォレンジック機能」を持つボットが発見されている。ボットはパソコンに侵入し、ロボットのようにパソコンを遠隔操作する不正ソフトウエアのこと。今回発見されたボットが持つ「アンチフォレンジック」機能とは、解析を阻む機能のことだ。

セキュリティー会社では、企業のパソコンやネットワークが不正ソフトウエアに感染した場合、過去の履歴をさかのぼって分析し、問題のある場所や侵入ルートなどを解析する。この解析を「フォレンジック」と呼んでいる。それに対抗するのが「アンチフォレンジック」で、ボットが解析されないように様々な偽装・対抗手段を取る。

例えば、今回発見されたボットではパソコンの時計を1980年1月1日に戻してしまう。強制的にシステム日時を変更することで、ファイルの最終更新時刻・アクセス時刻などがバラバラになる。このボットは定期的に時計を1980年1月1日に戻すため、どれが新しいファイルで、いつ操作されたのかという履歴を追いかけることが困難になる。解析を阻み、少しでも発見を遅らせるための機能だと言っていいだろう。

さらにこのボットは侵入方法が巧妙だ。従来のインターネット経由の侵入だけではなく、標的とする企業の取引先を経由して、USBメモリーやCDを郵送している(画像1)。このUSBメモリーやCDを開くと、自動実行ファイル(Autorun.inf)によりボットが入り込んでしまう(参考記事:「USBメモリー経由のウイルス感染が拡大」)。またボット本体はデスクトップの「ごみ箱」のファイル名である「Recycle.exe」に偽装されている。「Recycle.exe」は隠しファイルとなっているため、一般のユーザーが気づくのは難しいだろう。

デスクトップ遠隔操作やカメラののぞき見まで可能

ラックによれば、今回発見されたボットには生成ツールが存在しているとのこと。左がその画像(画像2)で、中国語の生成ツールのようだ。ターゲットや欲しい機能をセットするだけで、オリジナルのボットができてしまうソフトウエアである。この生成ツールでは、ボットを作成するだけでなく、乗っ取ったパソコンをリモートデスクトップのように外部から遠隔操作する機能がある。

さらにこのツールでは、パソコンに接続されたカメラやマイクを乗っ取る機能まで持っている。カメラが接続されていると、画像4のように外部からカメラの映像を見られてしまう。ラックでは「カメラをチェックしてパソコンの利用者がいないことを確認したうえで操作できてしまう」と警告している。

このほか、このボットにはキーロガー機能があり、キーボード入力をすべて記録、送信できる。パスワードがすべて筒抜けになる怖い機能だ。

企業の機密情報などを狙っている

今回発見されたボットを分析したところ「侵入後に日本語で記載された重要資料を漁ったような操作記録があった(ラック)」とのこと。犯人は、個人情報の収集だけでなく、企業が持つ機密情報を狙っているようだ。より金になる情報を求めて、高度なボットを作成したと考えていいだろう。

対策としては、まずはウイルス対策ソフトの定義ファイル(パターンファイル)を最新のものにすること。複数台のパソコンを使っている場合は、すべてのパソコンでウイルス対策ソフトが有効になっているか確認したい。1台が感染した場合、ネットワーク経由でほかのパソコンの情報を盗みとられる可能性があるからだ。また企業ではネットワーク内や外向きの通信を監視することを推奨している。ボット感染後の二次被害を防ぐためだ。

今回のようなボットは、発見・解析が困難なため、侵入が長期間に渡る危険性がある。企業だけでなく、個人もしっかりと対策する必要があるだろう。

●参考サイト

ラック・サイバーリスク総合研究所レポートhttp://www.lac.co.jp/info/rrics_report/

(2008年11月28日 読売新聞)

ボット問題は非常に深刻であることが報告されていますが、この記事のようにキーロガーを仕組んだものが、直撃の添付ファイル付きメールで来ていることを聞いて震え上がりました。

元もと、ハッキングはイタズラとして始まったと言えますが、それが銀行のサイトの偽装といった手法で金儲けの手口となりました。
しかし、情報を盗ること自体が目的になるのは容易に想像できるところで、そのためパスワードの管理を厳重にしろ、と言われます。

現在、直撃で来ているメールは重要な会議の参加者を狙っていたりしているので、誰かが引っかかればよいという、イタズラや詐欺といったものから情報戦になりつつあるとしか考えられない。

ボットであるから、感染すると住み着いてしまって手下を再送信する。
極論を言えば今や「ちゃんとやっていれば大丈夫」という時代ではなくなった、ということかもしれません。

11月 29, 2008 at 12:16 午後 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

開発指向の行き止まり

読売新聞より「企業団地 県公社が丸投げ案

中井町も支援に難色

県住宅供給公社が中井町で計画中の企業団地建設事業について、民間の開発業者に事業を外部委託する方針であることがわかった。

2005年から進出企業を募集しているが、応募企業がゼロのまま“塩漬け”状態。民営化を控えた公社側に追加支出などの余裕はなく、造成費捻出(ねんしゅつ)のため、新たな財政支援を同町に要請。

町側は難色を示しており、多額の公費を投じた事業完成の見通しは開けていない。(住友堅一)

この問題は、1991年のオレンジ輸入自由化を受け、廃園となった同町井ノ口のミカン園の跡地利用を検討する中で、東名高速秦野中井インターから約2キロと立地の良さを生かした企業団地建設が考案された。

公社は同年以降、ミカン園と周辺の予定地32ヘクタールのうち、約9割を買収したが、予定地内に点在する7人の地権者が、買収に応じなかった。同公社は01年、未買収地を含めた土地区画整理を実施して用地造成を行う方針に切り替えたが、各地権者が少しずつ土地を拠出する「減歩」割合を巡って折り合いが付かず、区画整理も頓挫したままだ。

同公社は05年、この状況を打開するため、進出企業の募集を先行開始。同公社は、「進出企業が、区画整理の解決策を持ち込んでくれないか期待した」としているが、問い合わせしてきた企業も、区画整理や土地造成に5年以上かかることを知らされた途端、検討を取りやめたという。

さらに、ここにきて、県の外郭団体の整理縮小のため、公社の民営化が浮上。公社全体の事業を縮小するため、公社は手間のかかる区画整理を始め、用地造成、進出企業の募集、用地売却までを民間のデベロッパーに一括して発注する方針を今夏、同町に伝えた。

だが、計画当初と比べ地価は約半分に下落。土地売却代で賄うはずだった造成費用を捻出できない可能性が高まっている。

そこで、造成費の足りない分を町の補助金で穴埋めできないか打診したが、同町は「企業団地はもともと、公社が自前で開発する計画だった。財政難の折、町が新たな財政負担をするのは厳しい」と否定的だ。

これまでに支出した土地買収費などについて、公社は「区画整理事業に影響があり、公表できない」としているが、金融機関からの借り入れ利息がかさんでおり、事業が進展しなければ、年間数十万円という固定資産税とともに支払い続けることになる。

県西地区開発事務所の長嶋慎一所長は、「予定地はインターに近く、需要は高いはず。地価が下落している中で、見通しは決して明るくないが、粛々と進めるしかない」と話している。

昔からよく知っているところで、こんな事が起きているとは知りませんでした。
記事を丁寧に読まないといきさつが分かりませんが、こんな事のようです。

1991年ミカン園の跡地を企業団地建設を計画
9割を買収したが、1割は買収に応じず
2001年未買収地を含め土地区画整理によって造成を行う方針に切り替え
地権者が区画整理にも応じず
2005年進出企業の募集を先行開始
企業の問い合わせはあったが、区画整理や土地造成に5年以上かかると知らされ企業は撤退
県の外郭団体の整理縮小のため、公社の民営化が浮上
2008年区画整理、用地造成、企業の募集、用地売却まで、一括して民間のデベロッパーに発注を企画
地価は約半分に下落。土地売却代では造成費用を捻出できない
造成費の足りない分を中井町の補助金で穴埋めできないか打診
中井町は「企業団地はもともと、公社が自前で開発する計画。町の新たな財政負担は無理」と否定的

Up

中井町井ノ口は東名の秦野中井インターの南東に位置していますが、インターの南西側にはすでに工業団地があります。
けっこうな大企業があるのですが、いまだに空き地があります。

いわば商品が余っている市場にさらに品物を持ちこもうと言うほど意味になるわけで、県住宅供給公社の都合だけでこの十年以上やってきて、最後に中井町に押しつけて逃げてしまおう、というほどの意味しかないでしょう。

11月 29, 2008 at 09:47 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.28

この規定は無理ではないか?裁判員法

東京新聞より「29万5千人へ通知書発送 裁判員候補の名簿記載者に

来年5月の裁判員制度開始に向け、最高裁は28日、各地裁の裁判員候補者名簿に載ったことを知らせる通知書を全国の約29万5000人に一括発送した。

通知書が届くのは、全国平均で352人に1人。早い地域では29日に到着する見込みで“本番”まで半年を切り、実際の裁判員選任に備えた準備作業が本格化。

通知書には、裁判員に来年選ばれる可能性があることや、現段階では裁判所に行く必要がないことを記載。辞退できる理由の有無などを尋ねる調査票のほか、制度を漫画で説明した小冊子なども送られる。

調査票では(1)警察官や自衛官など法律上、裁判員になれない職業に就いているか(2)70歳以上や学生で辞退を希望するか(3)裁判員になることが特に難しい特定の月があるか-などを質問。回答期限は12月15日となっている。

裁判員候補者名簿は、市区町村選挙管理委員会が選挙人名簿から無作為抽出したリストを基に各地裁が作成。来年5月以降、裁判員裁判の対象事件が起訴されると、各地裁が名簿から100人程度をくじで選び「裁判員候補者選任手続き期日のお知らせ(呼び出し状)」を送付。裁判長による質問やくじで最終的に裁判員6人(原則)と、欠員に備えた補充裁判員が選ばれる。

いよいよ始まりますが、ちょっと前から気になっていることがあります。

裁判員法101条

第101条(裁判員等を特定するに足りる情報の取扱い)

何人も、
裁判員、補充裁判員、選任予定裁判員又は裁判員候補者若しくはその予定者の
氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報を公にしてはならない。

これらであった者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報についても、
本人がこれを公にすることに同意している場合を除き、同様とする。

2 前項の規定の適用については、 区分事件審判に係る職務を行う裁判員又は補充裁判員の職にあった者で
第八十四条の規定によりその任務が終了したものは、
すべての区分事件審判の後に行われる併合事件の全体についての裁判
(以下「併合事件裁判」という。)がされるまでの間は、
なお裁判員又は補充裁判員であるものとみなす。

「模範六法 2008」(C)2008(株)三省堂

この解釈について、最高裁が作っているQ & Aには次の解説があります。

○ 裁判員等に選ばれたことを公にしてはいけないと聞いたのですが,
上司や同僚,さらには家族や親しい人に話すことも許されないのですか。

 裁判員等でいる間,裁判員等に選ばれたことを公にしてはいけません(裁判員法101条1項)。

裁判員候補者名簿に登録されたことや,さらにくじで選ばれて裁判員候補者として裁判所に呼ばれたことを公にすることは禁止されていますが,

  • 法律で禁止されている「公にする」とは,
  • 出版,放送といった手段による場合や
  • インターネット上のホームページ等に掲載するような場合など,
  • 裁判員候補者になったことを不特定多数の人が知ることができるような状態
にすることをいいます。

 一方,日常生活の中で,

  • 家族や親しい人に話すことは禁止されていませんし,
  • 上司に裁判員等になったことを話して,
  • 休暇を申請したり,
  • 同僚の理解を求めることは問題ありません。
  • その際に,裁判所からの選任手続期日のお知らせ(呼出状)を上司や同僚に見せることについても差し支えありません。

 なお,裁判員等でなくなった後に,自分が裁判員であったことを公にすることは禁止されていません。

この説明は本質的に矛盾しているのではないか?

「裁判員に選ばれたことを公にしてはいけない」のであれば、日常生活での家族・職場に話して良いとは、例外規定なのだろう。
しかし、例えば役者の舞台公演を欠席するといった場合には公にしないで済むとは思えない。
このような場合については、さらに別の例外規定があって

第16条(辞退事由)

次の各号のいずれかに該当する者は、裁判員となることについて辞退の申立てをすることができる。

  • 一 年齢七十年以上の者
  • 二 地方公共団体の議会の議員(会期中の者に限る。)
  • 三 学校教育法第一条、第百二十四条又は第百三十四条の学校の学生又は生徒(常時通学を要する課程に在学する者に限る。)
  • 四 過去五年以内に裁判員又は補充裁判員の職にあった者
  • 五 過去三年以内に選任予定裁判員であった者
  • 六 過去一年以内に裁判員候補者として第二十七条第一項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭したことがある者(第三十四条第七項(第三十八条第二項(第四十六条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第二項及び第九十二条第二項において準用する場合を含む。第二十六条第三項において同じ。)の規定による不選任の決定があった者を除く。)
  • 七 過去五年以内に検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)の規定による検察審査員又は補充員の職にあった者
  • 八 次に掲げる事由その他政令で定めるやむを得ない事由があり、裁判員の職務を行うこと又は裁判員候補者として第二十七条第一項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭することが困難な者
  • イ 重い疾病又は傷害により裁判所に出頭することが困難であること。
  • ロ 介護又は養育が行われなければ日常生活を営むのに支障がある同居の親族の介護又は養育を行う必要があること。
  • ハ その従事する事業における重要な用務であって自らがこれを処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがあるものがあること。
  • ニ 父母の葬式への出席その他の社会生活上の重要な用務であって他の期日に行うことができないものがあること。
「模範六法 2008」(C)2008(株)三省堂

この「休めません」規定が適用できるかどうかで決まるから、裁判員を引きうけざるを得ない場合に「公に説明しないで済む」という考え方自体が、全ての状況に対応できないだろう。
この規定自体が状況に矛盾することは大いにあり得るだろう。

主役が舞台に穴を空ければ、公演自体が成り立たないから、裁判員を引きうけられないというのは分かるが、役者が交替できる場合には引きうけることになるだろう。

つまり、辞退できるか、出頭するかの理由付け自体が必ずしも明確ではない。
そうなると「裁判員に呼ばれたから休みます」と公開せざるを得ない場合も出てくるのではないのか?
それを「裁判員に呼ばれた」と公開してはいけない、となると「SIに呼ばれたから」とか隠語にでもするのか?
そもそも「家族・上司」には公開して良いとして、その上司は「今回の議題は、担当者が所用で欠席して・・」だけで済むとは言えまい。

何人も、 裁判員、補充裁判員、選任予定裁判員又は裁判員候補者若しくはその予定者の 氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報を公にしてはならない。
が現実的でない、ということにならないか?

11月 28, 2008 at 11:08 午前 裁判員裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.26

トヨタのすごいところ

サンケイ新聞より「ランクル世界販売最高、中東で人気 08年は初の年間30万台突破へ

トヨタ自動車の最上級SUV(スポーツ用多目的車)「ランドクルーザー」の2008年の世界販売台数が、過去最高を更新する見通しだ。中東諸国などでの需要が旺盛で、年間30万台を初めて突破する可能性も出てきた。

ランクルの1~9月の世界販売実績(ランドクルーザープラドを含む)は前年同期比20%増の25万7000台。このうち、国内は1万4000台(同18%増)、海外は24万3000台(同21%増)と、国内外ともに2けた増の伸びをみせている。

昨年は年間27万4000台を販売。今年は9カ月間で月平均約2万8500台ペースで売れており、単純計算では年間34万台前後に達する見込みだ。ただ世界的に自動車販売が低迷するなか、「ここにきて販売が鈍化しつつある」(トヨタ幹部)ものの、過去最高を記録した昨年を上回るのは確実とみられている。

トヨタは昨年9月に9年ぶりにフルモデルチェンジしたランクルの新型車(200系)を発売。高級SUV市場では、オンロード(舗装した道路)性能を重視する傾向が強い中、新型ランクルは従来通り、オフロード(砂利道や土道などの未舗装の道路)での走行性能にこだわった。

トヨタ関係者は「世界中には広大な原野や砂漠地帯などランクルでないと生活できない人たちが存在する。彼らにとっては9年ぶりの新型車で、買う人は絶対に買い替える」と好調な販売の理由をこう説明する。

以前は、三菱のパジェロが大きなシェアを占めていたのですが、極端に売れず三菱自動車そのものが傾いてしまいました。
この理由が、「都会的なオフロード車にモデルチェンジしたから」と言われています。

現在のランドクルーザーの内装はこのような高級車ですが

Up1

構造は、ラダーフレームを堅持しています。

Up

これが「オフロードに強いかどうか」に直結しますし、そもそも日常的にオフロードで自動車を運用するような国では簡単な整備で何とか走り続けることができることも重要ですから、ボディーが無くても走ることができるフレームを採用した車の方が実情に合っているのは当然でしょう。
もちろん、このような旧式の車体設計は、コストを引き上げるからランクルはいまや高級車(高価格車)です。しかし、それでも世界中で売れています。

こういう、商品を企画し販売するところがトヨタのすごいところです。

11月 26, 2008 at 09:07 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

公が私にすり寄っているのではないのか?

読売新聞より「無期囚の仮釈放、遺族らが意見…法務省が聴取を義務付けへ

法務省は25日、無期懲役の判決を受けて刑務所に服役している受刑者(無期懲役囚)を仮釈放する際は、被害者や遺族の意見を聴くことを義務づける方針を固めた。

刑事裁判に被害者らが参加し、被告人質問などを行える「被害者参加制度」が12月から始まることにあわせ、仮釈放でも被害者重視の姿勢を示すことが狙いだ。年度内にも関係省令を改正する。

無期懲役は10年以上の服役で仮釈放が可能となる。仮釈放は刑事施設長が申請し、地方更生保護委員会が法務省令に従って

  • 〈1〉更生の意欲がある
  • 〈2〉再犯の恐れがない

などの観点から許可・不許可を決める。現在でも被害者らから意見を聴取できるが、今後は意見聴取を義務づける。
同委員会は、被害者らの意見を、仮釈放の許可・不許可決定の参考にする。

また、法務省は無期懲役囚の仮釈放申請について、許可・不許可すべてのケースについて入所期間などを公表する方針だ。
これまでは許可された場合のみ件数などを年間統計で公表してきたが、今後は、不許可の場合も公表することで、運用の透明化を図る。

被害者や遺族の意見を聴くことを義務づける
というのがどの程度の運用になるのか分かりませんが、必ずしも意見を聴くことができない場合もあるでしょうし、場合によっては聴く相手(遺族など)と服役者との関係が問題になる場合もあるでしょう。

  1. 聴くべきだ
  2. 聴いても聴かなくても、大勢に影響しない
  3. 聴くべきではない

ぐらいに分かれることは当然で、もちろん全く遺族や被害者が居ない場合もあるのですから、法的に義務づけることが良いのか問題になるでしょう。

わたしは被害者参加制度に反対です。
同じくこの「意見聴取の義務づけ」にも反対します。

11月 26, 2008 at 08:46 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.25

教育再生懇談会の廃止

読売新聞より「教育再生懇 首相が廃止決定、教委改革一段落後に

麻生首相は24日、政府の教育再生懇談会(安西祐一郎座長)の廃止を決めた。

廃止時期は、懇談会が取り組んでいる教科書や教育委員会の改革などの議論がまとまった後とする方向だ。

同懇談会廃止後の教育に関する有識者会議の在り方については、近く首相と塩谷文部科学相が会談し、調整に入る見通しだ。

懇談会は、安倍内閣が2006年10月に設置した教育再生会議を今年2月に衣替えしてできた。

5月には英語教育の強化などを盛り込んだ1次報告を福田首相(当時)に提出。来年1月までに2次報告で教科書の充実、3次報告で大学や教育委員会の改革などを答申する予定だが、福田政権下での9月22日の会合を最後に、麻生政権では1度も全体会議が開かれていない。

同懇談会の議論は、文科相の諮問機関、中央教育審議会(中教審)との重複も多いと言われてきた。

自民党文教族として影響力を持ってきた首相が、直属機関である同懇談会の廃止に踏み切る背景には、「首相は大方針を示し、具体論は各省に任せた方がいいという考えが、麻生首相にはある」(周辺)ためと見られる。

ただ、同懇談会の前身である教育再生会議が、学力低下への不安に対し、政府として初めて「ゆとり教育の見直し」を提言したことへの評価もあり、官邸主導の教育行政の継続を求める声もある。

一時は教育再生会議と衝突した文科省内にも、「有識者会議と連携できれば、世論喚起や予算獲得で利点がある」との声があり、今後の調整が注目される。

さっさとつぶすべきだと思います。

教育のような極めて多面的な事について、少数の素人の思いつきのようなものが、政策に直接反映するような仕組みがよいとは言えないでしょう。

その上予算の裏付けがありませんから、実行しようがない、ということになります。

小学校712万2千人、中学校359万2千人、高校336万6千人、合計すると1千四〇〇八万人の児童生徒が居ます。

1400万を35人学級で割りますと、40万クラス。
1学級に7000円ずつ投資するだけで、28億円になります。
しかし、生徒一人あたりに換算するとわずか200円にしかなりません。

いかに金が掛かるものかが、よく分かります。教材費や講師料など直接経費を生徒一人あたり2000円にすることは、妥当だと思うがそれで280億円です。

では逆に、500億円を現在の学校の教育システム以外に使ってみると考えますと、NPOなどが扱える金額としては、一団体ではせいぜい1000万円程度でしょう。
1000万円を生徒一人あたり2000円を使うとしますと、5000人=143クラス、つまり50校。
一団体が年間50校を対象に何か教育するとなります。

一団体が1000万円を使うとして、200億円の総予算では2000団体が必要となります。

直感的に考えますと、1000万円を動かすことができる団体2000となりますと、1万団体ぐらいが活動することが前提となるでしょう。
間違えなく、無理と言えます。

1400万人という膨大な児童生徒に何かをするとなりますと、いかにしても金が必要なのは言うまでもなく、かつそれを動かす人員の動員そのものにも金が掛かるようになるのは明らかで、できるところからやる、というのと、国の施策として全国にあまねく行うというのでは話が全く違います。

少数の人が自分の経験の範囲で考えていることを、拡大すること自体が無理なのですから、懇談会といった型式が有効な政策に直結するわけがありません。
単なる参考意見止まりなのですから、インターネットで意見を募集した方がよほどマシです。

11月 25, 2008 at 08:48 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.23

人口減社会への対応

朝日新聞より「道路建設計画作りの中心データを下方修正 国交省

国土交通省が、道路整備計画作りのもととなる中心データを「下方修正」する。

今後の交通量見通しでは、2020年ごろまで増え続けるとしていた従来予測を改め、おおむね横ばいから減少に向かうとする。

道路がもたらす時間短縮などの経済効果見積もりも引き下げる。

「道路整備に関する見通しは過大」との批判を踏まえた方針転換で、計画中の道路の選別と見直しにつながるのは必至だ。

交通量の見通しを示すのは「交通需要予測」で、全国の車の台数と走行距離を掛け合わせた数値(単位は台キロ)で示す。

02年の前回予測では、今後も増え続け、2020年から2030年にかけてピークを迎えるとしていた。

今回の予測では、07年度に初めて減少に転じた自動車の保有台数を厳しく見通し、高齢者の免許返納率の上昇、ガソリン価格の変動も加味。数種類の見通しを示すが、全体として「横ばいから減少」という方向を示す。

最も多いケースでも20年時点で06年比微増にとどまり、最も少ないケースでは既に減少に転じているとした。

02年の予測では、人口は05年から減り始めるものの、女性や高齢者のドライバーが増えると指摘。

昨年末にまとめた道路整備中期計画では、この予測をもとに「10年間で最大59兆円の道路整備」を盛り込んだ。
ところが、実績は06年時点で予測を5・8%も下回り、見通しの甘さが批判された。

一方、道路整備がもたらす経済効果の見積もりも改める。

「費用対効果」をはじく費用便益分析の指数の算定で、道路整備での移動時間短縮がもたらす利益をこれまでより1~2割引き下げるなど、根本的に見直す。
この結果、路線ごとに算出されている指数は、全体でこれまでより2割程度下がるという。

「無駄な道路」への投資に批判が絶えないなか、政府は「必要な道路建設は続ける」と反論してきた。
「必要な道路」を判断する際の中心データをそろって見直すことで、道路建設の判断基準が厳しくなるのは必至。
交通量が増え続ける前提で進められてきた高速道路整備や借金返済計画に大きな影響を与えそうだ。
(座小田英史)

もうすでに、新たな道路が出来ると、既存の道路の利用者が移動してしまうという現象になっていて、増やすではなくて、作り直すの方が適切になっているでしょう。

自治体がぶち上げるニュータウン構想といったものも、よくよく聞くと「よその地域のユーザを奪う」事でつじつまを合わせていたりします。

しかし、政治的には大きな方向転換で、国土交通省が打ち出した「将来予測」が政治的に受け入れられるものか?いささか以上に疑問があります。

11月 23, 2008 at 09:09 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

職業を教育する方法は?

大阪日日新聞より「好きなことで一生食べていける力 育成 府が素案

大阪府は「おおさか職業教育ナンバー1戦略」の素案を策定した。
府内の専修学校で企業ニーズに沿った人材を育成する「産学接続コース(仮称)」の設置など
九つの具体策を盛り込んでいる。

同戦略は、「ナンバーワン、オンリーワン」を軸とした「将来ビジョン・大阪」などを受け、「おおさか職業教育力向上作戦」をバージョンアップしたもの。
中高生を中心に、「好きなことで一生食べていける力」の育成を掲げている。

素案によると、実現に向けたテーマとして、

  • 実践的職業教育の体験機会の拡大
  • 中高生が将来の仕事や夢を考える場の提供
  • 産業界が求める人材を育成し就職へ橋渡し
を掲げ、具体策を定めた。

産学接続コースの大きな特徴は

  • 「就職する道が開かれる」。
  • 専修学校と職業教育に関する協定を結んだ企業で実践的、長期的な学生の職場体験を実現する。
  • 従来のインターンシップとは異なり、企業は求める技能者を育成、
  • 学生は希望すれば就職も可能
と、双方にメリットのあるシステムとしている。

橋下徹知事はこれまで「大学受験のための英・国・数・理・社だけでない多様な進路を子どもたちに」と職業教育の重要性を強調しており、担当部局の私学課も「大阪発の先進的な取り組みとして普及させていきたい」と意気込みたっぷり。
府専修学校各種学校連合会と協議の上、来年度からの本格実施を目指す。

また、そのほかの具体策としては、

  • 専修学校と高校との共同事業
  • 専修学校による地域の活性化支援
  • 中学・高校での将来の仕事を考えるためのワークショップの拡大
など。いずれも来年度の実施を検討している。

今ひとつ具体的なイメージが掴めない記事ですが、中高生 → 専修学校 → 企業の路線での人材育成を前提としている計画なのでしょう。

NPOで高校に出向いて「仕事について」で話をする機会が多いのですが、学校から「この職業について話が出来る講師をお願いしたい」ということで「職業」が10~20も示されます。
しかし、非常に多くが職業ではなくて職種を指定しています。

高校生で職業を考える場合に、分かりやすいのが「理容師・美容師」など「士」であって、それ自体は悪くはありませんが、専門学校に行ってすぐに「士」になれるわけではない。
そもそも専門学校や大学で専門教育を受けて資格を取ったとしても、それだけでは仕事は出来ない。

多くの場合は「就社」することが必要で、統計として働く人口の2/3は給与生活つまり会社員です。

入社すると、会社の都合で仕事を決められるわけで、その意味では資格を取っても「好きな仕事が出来る」保障はありません。

現役の理容師・美容師の方に経験談を語ってもらうと「専門学校を卒業して、会社(美容院など)に就職したが、髪を切ることが出来るまで何年も掛かった」といった現実が出てきて、生徒が驚くわけです。

若者にどう説明するのかは、今も研究しているのですが、現実として2/3が会社員であり、会社員は会社の命令で様々な仕事をするものだ、ということを優先して教えるべきだろう。
と思っています。

11月 23, 2008 at 08:55 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)