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2008.11.22

教師不適格

大阪日日新聞より「勤務時間中に乗馬レッスン 府教委が教諭懲戒免

大阪府教育委員会は二十日、約二年間にわたり勤務時間中に無断で職場を離れ乗馬教室に通っていたとして、守口市立中学校の女性教師(50)を懲戒免職処分にした。

府教委によると、女性教師は同校の美術を担当。「両親の介護のストレス解消」を目的に乗馬のレッスンを始め、二〇〇六年八月から今年十月までの間、届け出なしに計九十一回、乗馬教室に通っていた。

勤務終了時間前や、出張命令を受けながら出張に行かずレッスンを受けていたが、「授業や学校行事に穴をあけなければ問題はないと思った」と話しているという。

タイトルを見たときに「懲戒免職とは厳しいな」と思ったのですが、「授業や学校行事に穴をあけなければ問題はないと思った」これでは社会人失格ですね。
なんでこんな事がまかり通ったのかが驚きです。

11月 22, 2008 at 09:36 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.21

珍しく、新聞に疑似科学・カルトの記事

サンケイ新聞より「疑似科学やオカルト… なぜ、だまされるのか?

霊視や前世占い、占星術といった「スピリチュアル(精神的な、霊的な)世界」がブームだ。それらを扱うテレビ番組は軒並み高視聴率を獲得し、ベストセラーになる出版物も多い。だが、中には疑似科学やオカルト現象を妄信し、だまされて被害にあう人もいる。

科学の視点で批判してきた立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長の安斎育郎さんは「『思い込み』と『欲得ずく』が錯誤への落とし穴」と注意を呼びかける。(伐栗恵子)

■「欲得ずく」「思い込み」が落とし穴

今月中旬に大阪市内で行われた関西消費者協会の講演会。
安斎さんは趣味の手品を生かしながら、超能力やオカルト現象のトリックを暴いていく。

例えば、スプーン曲げ。
丈夫な金属のスプーンを指で軽くさすっているうちに、ぐにゃりと曲がり、客席からは驚きの声が上がる。だが、これは支点、力点、作用点をうまく利用しただけ。要領さえつかめば簡単に曲がるという。

「目の前で自分の理解を超えたことが起こったとき、超能力と思わずに、なぜ、こんなことが起きるのか、と考えてほしい」と安斎さん。「人間は、だまされやすい」ということを肝に銘じるのが大切であって、一番危ないのは「私だけは、だまされない」という「思い込み」と指摘する。
「あの人の言うことだから、本当だろう」という主体性の放棄も、自らの心をだます行為だ。「自分の目でしっかり確かめ、自分の頭で判断する習慣を」と呼びかける。

不幸に陥ると、その原因を霊に求める人がいる。問題の根本的な解決にはならなくても、「悪霊(あくりょう)のたたり」などのせいにした方が心の平安を得られやすいからだ、と安斎さん。
「霊は、人の不幸の消しゴム係」と絶妙の表現をする。

もし霊が目に見えるのならば、霊そのものが光を発しているか反射しているはず。
「たたる」には記憶や認識といった高度な仕組みを持った有機体でなければならない。霊を信じるかどうかは個人の自由だが、「科学的な意味では存在し得ない」と断言する。

科学技術が進歩したこの時代に、人はなぜ、「スピリチュアル」にはまるのか。安斎さんは、それこそ、「なぜ」と問う力が弱まっているからだと嘆く。

例えば、携帯電話やDVDの仕組みは、説明されても理解するのが難しい。
科学が進歩したがゆえに、人は自分の理解の範疇(はんちゅう)を超えたものをそのまま受け入れてしまいがちで、それが超能力などを簡単に信じる傾向となって表れていると説明する。

「ささいなことでも、『なぜ』と意識的に問い直してほしい。その背景には必ず理由があるのだから」
さらに、“インチキ”を見破るには、
「そんなことができるのなら、どうしてこうしないのか」と考えてみることが大切だと言う。

スプーン曲げができるのならば、どうして金属加工技術として役立てないのか。
そんな能力をもった人を生産ラインにずらりと並べれば、次々と金属加工が施され、たちまち製品が出来上がる。
簡単に大もうけができる話なら、その勧誘員自体が大金を手にしているはずであり、そもそもそんなおいしい話を他人に教えるのか。
「3週間で英語がペラペラになる教材」といった宣伝文句が本当なら、なぜ、その販売員はペラペラではないのか…。
そう考える心のゆとりが必要だ。

楽して得を取りたいという「欲得」と「思い込み」、それに「非合理的思考」が結合するとき、人はとめどもなく危うい「だまし」の深みにはまっていく、と安斎さんは警告する。

なかなか、良いキーワードが出ている記事ですね。

11月 21, 2008 at 09:36 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.11.20

児童相談所をめぐる報道

神奈川新聞より「女児の虐待死/児童相談所など「軽いネグレクト」と判断/育児指導の最中、最悪の事態に

川崎市多摩区の自宅で三歳の女児が母親と交際相手の男に殴られ死亡した傷害致死事件は、市中央児童相談所(高津区)や女児が通う私立保育園などがネグレクト(子育ての怠慢)と判断して母親と女児を見守りながら、育児指導をしていた最中に起きた。周囲が問題を把握しながら、なぜ最悪の事態に至ったのか。自宅訪問など積極的な措置の必要性があらためて浮かび上がった。

女児が通う保育園は昨年八月、衣服が汚れていることなどに気付き同児童相談所に連絡。「軽度のネグレクト」と判断した児童相談所は、保育園と多摩区保健福祉センターを交えて協議し、母親や女児について情報共有することや育児指導することなどを決めた。

保育園と同センターは女児が死亡する直前の十一月初旬まで、母親が保育園に送り迎えしたり、生活保護費を受給したりするなどのために多摩区役所を訪れたりする際、家庭状況を確認するために面談などを行ってきた。児童相談所によると、その間、女児にあざができるなどの大きな異変はなく、虐待しているような様子は把握できなかったという。

しかし、関係者の証言をつなぎ合わせると、長女の変化が浮かび上がってくる。保育園は今年二月に長女の鼻の下が内出血しているのを確認。また、昨年八月からの約一カ月間と今年十月末から死亡するまでの間、長女は保育園を欠席していたという。

しかし、児童相談所などは「内出血は暴力によるものではない」という病院の診断や、「家族全員がかぜをひいたので(保育園を)休む」という女性の連絡を受け、自宅訪問などの積極的な措置は取らなかった。児童相談所は「軽いネグレクトだと判断していたので、見守りながら育児指導し徐々に改善しようという方針だった」と説明している。

児童虐待の問題に詳しい特定非営利活動法人(NPO法人)「子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク」の山田不二子理事長は「母子家庭に男性が加わると、子供がなつかないために男性が暴力を振るうことは珍しくない。生活保護や若年出産などの状況を考えると虐待が起きてもおかしくない」と指摘。「ネグレクトから暴力につながるケースは多いので、少しでも異変を感じたら専門家が自宅訪問して様子を見に行くべきだ」と注文する。

児童相談所は「最善の対応を取ってきたつもりだが、今ではもっとやるべきことがあったと考えている。同じことを繰り返さないために課題を検証し改善したい」と話している。

京都新聞より「乳児遺体遺棄、再発防止へ 事件受け、京都市検証委が初会合

生後約1カ月の乳児の遺体を遺棄したとして、11月1日に京都市中京区の両親が逮捕された事件で、京都市は19日、再発防止策を検討する「市乳児遺体遺棄事件検証委員会」を設置し、初会合を開いた。年内に報告書をまとめ、門川大作市長に提出する。

市児童相談所は、今年4月に乳児が生まれた病院から「母親の言動が不安定」という趣旨の通告を受けていたが、両親や乳児に会うことができず、立ち入りまで半年を要した。

検証委は、同志社女子大の宮本義信教授を委員長に、精神科医や民生児童委員ら計6人で構成。児童相談所と保健所の対応内容や時期、関係機関との連携の在り方に問題がなかったか検証する。

初会合は非公開で行われ、今井豊嗣子育て支援政策監が「再発防止に向け、取り組みを強化したい」とあいさつした後、市が事件の概要や市の虐待対応マニュアルについて説明した。

全く別の事件について、たまたま児童相談所の対応が問題になった記事が同時に出ていました。
児童相談所とは以下のものです。

児童福祉法 第11条〔都道府県の義務〕

都道府県は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
  • 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
  • 児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応ずること。
  • 児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行うこと。
  • 児童及びその保護者につき、ハの調査又は判定に基づいて必要な指導を行うこと。
  • 児童の一時保護を行うこと。

第12条〔児童相談所〕

  • 都道府県は、児童相談所を設置しなければならない。
第12条の4〔一時保護施設の設置〕
  • 児童相談所には、必要に応じ、児童を一時保護する施設を設けなければならない。

第33条〔一時保護〕

  • 児童相談所長は、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置をとるに至るまで、児童に一時保護を加え、又は適当な者に委託して、一時保護を加えさせることができる。

第33条の6〔親権喪失宣告の請求〕

  • 児童又は児童以外の満二十歳に満たない者(次条及び第三十三条の八において「児童等」という。)の親権者が、その親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百三十四条の規定による親権喪失の宣告の請求は、同条に定める者のほか、児童相談所長も、これを行うことができる

児童相談所は、各都道府県にあり、児童の一時保護と、親権喪失請求ができる。
という極めて強力な法律です。
もちろんここまで強力な法律が必要な社会情勢であるのは、明らかですが同時に慎重な運用も必要であって、慎重でありすぎるから事件になった、というのが二つの新聞記事でしょう。

わたしが応援している、ホームオブハート裁判のきっかけとなった事件も児童虐待から一時保護でした。
児童相談所の仕組みなどについて、意外と知られていないと思うのです。

11月 20, 2008 at 08:34 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.19

アメリカの明日

日経新聞より「GM会長「自力では無理」 政府によるつなぎ融資を正式要請

【ワシントン=大隅隆】
米ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長は18日、上院公聴会で証言した。ワゴナー会長は「我々が行き詰まったのはグローバルな金融危機と(それに伴う)戦後最悪の自動車販売の落ち込みだ」と指摘。

「GMは過去100年、米国の重要な役割を担ってきたが、現下の情勢では自力では無理だ」と話し、政府によるつなぎ融資を求める考えを正式に表明した。

ワゴナー会長は「自動車産業は米国の実態経済を担っている。(リストラも実施してきており)成功のために十分なことをしてこなかったと指摘する人には同意できない」と発言。

自動車メーカーの破綻は「雇用減少、所得の減少、税収の減少など、悲惨な結果をもたらす。今回の(政府支援の)件は『デトロイト』というより米経済を悲惨な破綻からどう救うかという話」と強調した。(07:25)

アメリカでは自動車の必要性は非常に高いですから、現在の自動車が全く売れないという状況はいずれ改善されるでしょう。
しかし、資金繰りなどの観点で公的資金投入が必要なのも明らかだと思います。
そう考えると「話は単純じゃないか」と思っていたのですが、そうでもないようです。
東京新聞より「ビッグ3は多過ぎる バンカメCEO

【ニューヨーク18日共同】
経営危機に陥った米ビッグスリー(自動車大手3社)が政府による救済を求めている問題で、銀行大手バンク・オブ・アメリカのケネス・ルイス最高経営責任者(CEO)は18日、
「3社もあるのは多過ぎる」と述べ、現状のままで公的資金による救済の実施に反対する姿勢を表明した。米メディアが伝えた。

合併や大規模なリストラなどの経営再建努力を救済の条件とすべきとの考えを示した。

ミシガン州デトロイトで講演したルイス氏は「時間稼ぎのために資金を投入することを米国民は疑問視している。自動車会社は戦略を大きく変えなければならない」と語った。

アメリカが生産よりも消費で経済を回すことを続けてきた事が、現在の事態に至った根本的な理由だと考えますから、むしろ減らすべきは金融機関ではないのか?と思うところです。

こうして見ると、アメリカ経済が消費産業(?)と生産産業で公的資金のぶんどり合戦を始めた、と理解するべきなのかもしれません。

11月 19, 2008 at 08:29 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.18

続・世界の明日

世界の明日の続編です。

東京新聞より「封じ込めたか 金融危機 『その後』描けぬ欧州

「これは歴史的な集まりだ」-。英国のブラウン首相は十五日、日米欧と新興経済国の二十カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)を終えると、カメラの放列の前で顔を紅潮させた。ふだんはカリスマ性に乏しい首相に注目が集まったのは、第二次大戦後に米国のドルを基軸通貨とする国際金融体制をつくった「ブレトンウッズ体制」の見直しをぶち上げていたからだった。

だが、自信たっぷりだった当初の意思表明は次第にトーンダウン。三週間にわたり議論した一九四四年七月の歴史的な会議に比べ、今回はわずか五時間。「これでは戦後体制を見直せない」(英エコノミスト誌)のも当然だった。

首脳会合の呼び掛け人である欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領は「ドルはもはや唯一の基軸通貨ではない」と言い続け、「市場が常に正しいという米国流の考えはおかしい」と批判しワシントンに乗り込んだ。

首脳宣言はEUが主張した「すべての金融機関、金融商品」の規制・監督を盛り込む一方で、米国の意をくんで「競争や技術革新を阻む過剰な規制は避ける」ことも求めた。対立する意見のバランスを取った結果、来春までの具体策作りが難航するのは必至だ。

英仏首脳らが金融危機対応で主導権を握ろうとしたのは、今が暴走する米国流の金融資本主義を抑える千載一遇の好機と映ったからだ。市民の間にも行き過ぎた市場主義には不安が高まる。

マルクスが著した『資本論』がドイツで再び売れだした-。AFP通信は十月半ば、金融危機で多くの人が資本主義の行く末を案じていると伝えた。フランスでは、株主本位の企業統治に疑問を投げかけた三年前のベストセラー『世界を壊す金融資本主義』が息長く売れ続ける。

とはいえ、米国一極支配からの転換後にどんな将来像を描けるのか。まだ欧州側も金融産業の青写真を決められない。首脳宣言では国際通貨基金(IMF)や世界銀行などブレトンウッズ体制で生まれた国際機関の存続を前提に、規制改革を促すにとどまった。

資金が瞬時に国境を越える銀行、証券など金融産業の危機は、地球規模で広がる経済問題が一つの国や、主要国だけでは食い止められないとの共通認識を強めている。

G20首脳会合の当日、フランスのクシュネル外相は「今後も首脳会合はG8でなく、少なくとも中国、インドなどを加えたG14まで広げるべきだ」と新たな考えを示した。

国内総生産(GDP)ではG20だけで世界の約85%を占める。首脳会合も、二十カ国が景気刺激策で協調すれば、今回の世界的な不況を最小に抑えるとの姿勢を打ち出した。ブレトンウッズ体制の見直しは先送りしたものの、二十カ国の利害が絡み合う場に広がった首脳会合の動きは、米国主導の経済体制を変える歴史的な節目になる可能性を生んだ。 (ロンドン・松井学)

基軸通貨をどこかの国の通貨とした場合、その国の金融政策・財政政策はもちろん経済運営の考え方すらも世界経済に影響してしまうことは、冷静に考えれば当然ではあるのですが、基軸であるがゆえに忘れてしまう事でもあるのでしょう。

各国の通貨の価値は相対的に決まるものだ、とする変動相場制であっても基軸通貨の信頼度が高いのは当然で、アメリカ経済がヘンなことをすると世界中が迷惑だ、というのが欧州連合(EU)の主張でありましょう。

しかし、ドルを基軸通貨ではないとすることは無理がありますから、基軸通貨を複数にするしか無いわけです。しかしそんな事ができるのでしょうか?と考えますと、世界に一つだから基軸なのであって、もし基軸通貨が複数ある場合には、全部の通貨がイコールの完全変動相場で構わないことになりますから、現実的には意味がないように思います。

そうなりますと、アメリカの経済政策を国内向けではなく世界経済向けに運営しろ、ということになる、のかもしれません。しかしアメリカはもともと国内政策重視の国なのですから、無理があります。

こう考えますと、今回のG20は対策が出なかった会議、と考える方が正しいのでしょう。
実際に、市場は特には反応していませんね。

それにしても、アメリカの主張の根源が「市場に任せなさい」であるのなら、市場を作ってしまう方向を目指した、ハゲタカファンドなどはアメリカから見ても「場外乱闘」であるはずですが、市場秩序を維持しないで市場に任せる、とはどんな事になるのでしょうか?。
結局のところ、アメリカは「暴走しても完全自由経済であるべきだ」と言っているのでしょうか?。
それは、戦争も含む、となると思うのですが・・・・・・

11月 18, 2008 at 08:40 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.17

世界の明日

東京新聞より「封じ込めたか 金融危機 行き詰まる米国経済

金融サミットが開かれた米国の首都ワシントン市の中心部に近い国立建築博物館。ここに世界の注目が集まったのは、今年に入って二回ある。

最初は民主党のヒラリー・クリントン上院議員が、米大統領選挙の民主党候補者選びで敗北宣言をした六月七日。だが、世界を動かす二十カ国・地域の首脳が集結した今回は、六月ほどの熱気はなかった。大統領選で圧勝し、来年一月に就任するオバマ氏が不在だったからだ。

各国首脳から殺到した会談依頼をオバマ氏は「米大統領は一人しかいない」と断り、サミットの“陰の主役”は最後まで姿を見せなかった。

オバマ氏の経済政策に対する米国内外の視線は熱い。選挙期間中、訴え続けた「チェンジ(変革)」は、米国経済再建のみならず、世界恐慌回避への数少ない期待につながっているためだ。

サミットでの合意事項を実行に移すのは、残り任期二カ月のブッシュ政権ではなくオバマ政権。政権移行の端境期で、米国は金融危機の震源地でありながら、恐慌回避に向けた具体策を打ちだすことができなかった。サルコジ仏大統領が主張していた基軸通貨としての「ドル体制見直し」という壮大な提案も首脳宣言には一言も入らなかった。

米国では緊急経済安定化法に基づき、金融機関に対し最大七千億ドルの公的資金による資本注入が始まった。ところが、金融機関の貸し渋りや消費低迷は収まっていない。

十日には米家電量販店二位のサーキット・シティーが破たん。米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の行方は、金融市場の大波乱要因になっている。

国際通貨基金(IMF)は二〇〇九年の実質経済成長率で、米国、ユーロ圏、日本の先進国がそろってマイナス成長を予測。首脳宣言は景気てこ入れ策として各国に内需拡大を促す財政政策を求めたものの、米国の場合、四月実施の戻し減税は、七-九月期の国内総生産(GDP)で個人消費がマイナスになるなど効果は一過性にすぎない。

かといって活路を海外に求めるのも難しい。金融危機がして米国より激しい欧州は、域内経済の底支えで精いっぱい。アジアや南米の新興国も金融危機の影響で経済が疲弊いる。
一〇年末までに五十七兆円の対策を打ちだした中国は、8%成長という自国の雇用確保のためであり、世界経済を支えるには荷が重い。

来年一月二十日。世界はオバマ氏の大統領就任を待つ。ただ、それは残り任期が少なく「レームダック(死に体)」ともいえるブッシュ政権と比べた期待の高さにすぎない。
しかも、オバマ氏は米経済再生を最優先に掲げる一方、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなど保護貿易主義的な考えも持つ。
それだけに結果がでなければ、世界の失望はいや応なく高まるおそれだけはある。

(ワシントン・古川雅和)

世界経済を消費大国アメリカがけん引してきましたから、日本・中国・韓国などアメリカに輸出している国の経済が回っていた、と言って良いでしょう。

しかし、生産を上回る消費をいつまでも続けるわけにいかないのは、国家も個人も同じでバブル経済を「景気がよい」とはやし立てていたのに急ブレーキが掛かった、ということです。

問題は、二種類あるのでしょう。

一つは、短期的なバブル経済の破たん。
これは日本の土地バブルと同じ、かなりやっかいではありますが、それ以外のところが健全であれば、何とかなる派です。

もう一つが圧倒的に問題であると考えているのは、アメリカの経済には生産力がないことです。

日本のバブル破たん寸前には「東京の土地を売ればアメリカが買える」といったバカな話が出てきて、誰が見ても「数字だけのこと」と思っていたわけです。
しかし、製造業も無事だったし商社活動も機能していました。つまり金融以外の生産活動が機能していました。

アメリカでは自動車メーカーのビック3が危機に陥っています。細かい話ではアメリカはヘリコプターを新規開発できないようです。
工作機械はとっくの昔にアメリカ製は消えてしまいました。

もともとアメリカは巨大な国であり、資源も豊富で世界貿易に依存しなくてもやっていける、と自他とも認める国でした。
しかし、現在では石油なども輸入していますし、輸出できるのは農産物ばかりといった国になっています。

アメリカの人口増加が、将来の生産と消費の両方を拡大するのは確実でしょうが、今までが金融工学のテコを使って(リバレッジ)実質よりもはるかに大きく見せかけていた上に、実質的な生産でギャップを埋める見通しが実はなかった、とはっきりしてしまいました。

サンケイ新聞の解説では、現在はドル高なのだそうです。
金融商品の決済のために、通貨としてのドルが必要で連邦準備制度理事会(FRB)がドルを供給しても間に合わない、つまりドル高なのです。
ドル高の反対にあるのが、各国通貨で韓国ウォンのように劇的に下がってしまった通貨もあります。

しかしこの現象も、一時的に決済に必要だからドル需要が増えているのであれば、いずれは本来のアメリカ経済力の評価に見合う水準になるでしょう。
それは、現在よりもドル安になるでしょう。

このような傾向は、円の上昇に現れていてジリジリと円は上昇し続けています。
1年もしますと、ドル安の傾向ははっきりするでしょうが、もちろん対米輸出国にとっては輸出不振になります。
そして、そのような状態がアメリカの生産力が復活するまで、だとするとこれは大変な長期間おそらくは数十年ぐらいの話になるのではないでしょうか?
現在の状況をしのいでも、ジワジワと大変な世界が長く続くような気がします。

オバマ政権は、もともと民主党政権であり政策の軸足を外交から国内に大きく転換するのではないか?と考えます。
ブッシュ政権のイラク・アフガンといった地域での武力行使などから手を引き、世界の警察官の地位を降りるかもしれません。
これは日本にとっては、北朝鮮問題をアメリカが投げ出すことになりますから「アメリカの言う通り」といった外交政策が続かない事になります。
経済も、外交もかなり混迷する時代に突入するのかもしれません。

11月 17, 2008 at 11:18 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)