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2008.07.26

裁判雑感

相変わらず裁判傍聴は続けております。
ホームオブハート裁判は複数の裁判が起きています。

「HTP 最 新 情 報」に、民事23部、42部、43部、48部、高裁7部と出ていますが、これが全部別の裁判です。
だから週に何度ももあることも多いし、下手すると一日二つの裁判となります。

とは言え、一つの裁判は一審勝訴「ホームオブハート裁判勝訴」が2007年2月26日に出ていて、高裁はその控訴審です。

まとめますと、ほとんどの裁判が山場に入ってきたところと言えます。

民事裁判は、原理的に原告・被告が勝ち負けを競うものですから、裁判所は最初の内は「言いたいことを全部出させる」となります。
この段階で、原告でも被告でも「言い損ねた」とか「説明が不十分だった」となると、訴訟戦術の失敗で負けた、ということも起こります。

それが、証拠もある程度以上出てくると、段々と「どうでも良い話」に展開するのは、裁判でも例外ではないようです。

昨日(2008/07/25)のホームオブハート裁判で、被告(ホームオブハート)側の証拠が裁判所が取り上げなかったり、被告(ホームオブハート)側で取り下げる、となりました。

さすがに、ここらのテクニカルな話は素人なので明確に理解しているとは言えないのですが、わたしが傍聴した例でも珍しいとこだと思います。

これがストレートに原告(被害者)側が勝訴になるとは言いがたいのが裁判の難しいところのようですが「あまりしょうもないことを証拠として出しても裁判では使えない」ということだろう、と理解しました。

もっとも、多少は事情を知っている側の解説としては、「この証拠は取り上げる値打ちがない」との反論をさんざんやった結果とのことですから、裁判はやはり大変です。

わたしが応援している裁判のほとんどが事件(裁判)になる元の原因が「トンデモ」なので、いざ裁判になるとどこかで変な展開になるのでしょう。
しかし「この話は全部トンデモで」と声高に叫んでも裁判には勝てないわけで、そういう意味では当事者は大変です。

HTP 最 新 情 報を転載しておきます。

月日曜日時間法廷事件備考
7月28日 10:50~ 607 金銭等被害裁判・民事23部
9月5日 10:50~ 527 金銭被害等裁判・民事43部
9月8日 16:30~ 527 金銭等被害裁判・民事42部
9月16日 13:15~ 611 名誉毀損裁判・民事48部
9月30日 11:30~ 511 金銭被害等裁判・民事7部(高裁)

7月 26, 2008 at 11:17 午前 裁判傍聴 | | コメント (0) | トラックバック (0)

747-400の胴体に大穴

朝日新聞より「機体に穴、カンタス航空機が緊急着陸 365人乗り

AP通信などによると、ロンドン発オーストラリア・メルボルン行きの豪カンタス航空ボーイング747―400が25日、経由地の香港を離陸後、爆発音に続いて機体に穴が開き、マニラ国際空港に緊急着陸した。365人の乗客と乗員にけがはなかった。

穴は右翼近くに直径2.5~3メートルの大きさで開き、機内でも天井の一部が壊れるなどした。同機は高度約9千メートルから3千メートルまで緊急降下したという。ある乗客は「機体の破片がファーストクラスの客席にも飛んできて、酸素マスクも飛び出した」と語った。

Up1

豪デーリー・テレグラフ紙(電子版)は、今年3月に内装を新しくした際、整備士が機体に数多くの腐食を確認していた、と報じた。同紙は老朽化が事故の一因とする専門家の見方や、整備を外注化したことで整備の水準が低くなったとのパイロットの証言も伝えている。

読売新聞によりクローズアップの写真がありました。

Up

主翼の付け根の整形部分ですから、脱落したのがフェアリングで主翼側には取り付けのための穴が多数見えています。
多分、着脱できるのでしょう。

黄緑の部分は胴体そのもので、与圧されていますから大きな穴の部分が破断して外側のフェアリングを吹き飛ばしたのでしょう。
茶色の格子縞は、胴体の骨組みですが、どう見ても腐ってます。

豪デーリー・テレグラフ紙(電子版)は、今年3月に内装を新しくした際、整備士が機体に数多くの腐食を確認していた、と報じた。

今回壊れた部分は、基本的に床下なので、上部の客室と下部の貨物室との間の、安全扉が開いて圧力を逃がしたために床が脱落せず、結果的に乗客乗員には怪我人がなかった、ということでしょう。
ずっと以前に、貨物ドアが脱落したか何かで、貨物室の与圧が急速に失われ、生じた圧力差によって客席の床が崩壊・脱落し、そのため操縦系統が破断して墜落という事故がありました。
その事故以来、圧力差を生じさせない安全扉が設置されていますので、今回は助かったのでしょうが、最近は飛行機の腐食による事故が多くなってきました。怖いことです。

7月 26, 2008 at 08:43 午前 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.07.25

保育園児・車内に閉じ込められてて死亡の続報

毎日新聞より「熱射病死:浜崎暖人ちゃんの両親、保育園や北九州市を提訴

「保育園児・車内に閉じこめられ死亡」で亡くなった児童の両親が提訴しました。

北九州市小倉北区の中井保育園(認可外、昨年10月閉園)で昨年7月、送迎車内に置き去りにされ熱射病のため亡くなった浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2歳)の両親が25日、元園長(31)や元職員計7人と園を指導・監督する立場の北九州市などを相手取り、約5842万円の損害賠償を求めて福岡地裁小倉支部に提訴した。

訴えによると、暖人ちゃんは昨年7月27日午後1時ごろ、他の園児と園外保育で出掛けた近くの公園から送迎車で園に戻った。職員は降車時に人数確認を怠り、その後の昼寝の際にも暖人ちゃんの所在を確認しなかったため、暖人ちゃんは約4時間車内に置き去りにされた。同4時50分ごろ職員が見つけ、同5時半ごろ病院へ搬送したが、同7時5分ごろ死亡が確認された。

両親側は、人数や所在を確認しなかったことに加え

  1. 安全管理マニュアルを作成せず指導や訓練も一切なかった
  2. 炎天下に日除けがない公園に連れ出すなど不適切な園外保育だった
  3. 不在に気付いた後も速やかに責任者に報告せず迅速な捜索を妨げた

--などと、北村元園長らの過失を指摘。市については、定期立ち入り検査が不十分だったことなどを挙げ「認可外保育施設指導監督指針などにのっとり権限を適正かつ妥当に行使して改善勧告をしなかったのは著しく不合理で違法」と主張している。【太田誠一】

元園長の話事実を重く受け止め、今後もできる限りの対応をしなければならないと考えています。
北九州市保育課長の話改めて暖人ちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。訴状が届き次第、内容を吟味して対応を決定したい。

◇職員一人一人に対する責任追及を…両親が会見

「すべての人の責任を問いたい」。北九州市小倉北区の中井保育園(認可外、昨年10月閉園)で昨年7月、送迎車内に置き去りにされ熱射病のため亡くなった浜崎暖人ちゃん(当時2歳)の両親が25日、元園長や北九州市などを相手取った損害賠償請求の提訴後に記者会見した。父健太郎さん(31)は職員一人一人に対する責任追及が提訴の主眼と強調し、「全員に苦しみと後悔と償いの機会を与えたい」と険しい表情で語った。

健太郎さんは「(事故から)1年後にこの場にいること自体が不思議で戸惑っています」と心境を語った。市については「適正な保育を指導する責任があった。悪い保育園を排除してほしい。北九州市の保育園は皆いい保育園になってほしい」と述べた。

「一生満足する結果は得られない。心の穴は決して埋まらない」とし、「命の大切さや尊さを裁判を通じて訴えたい」と語った。

母美香さん(25)は「この1年を通して中井保育園の職員たちの誠意がまったく感じられなかった」と話した。

同席した原田直子弁護士は「個人がどう責任を取るのか、明らかになっていない」と、業務上過失致死容疑で書類送検されている元園長らに対する検察の処分が決まる前に提訴に踏み切った理由を説明した。【太田誠一】

「保育園児・車内に閉じこめられ死亡」

では、ざっと検討しただけでしたが、
車の仕様といい、チェックしなかった事といい、なんか最初からダメ、という印象が強いです。

と保育園の運営体制に問題があったのだろうと書きました。
いくつかのコメントでその疑問は確実なものになっていったのですが、非常に詳しく追求したブログがありました。

「できない、困って→問題解決」に「北九州市「中井保育園」園児熱射病死・カテゴリー」を作って色々と調べています。

ここに、色々な問題指摘があり、それが今回の提訴と見事に重なっています。

話は全く変わりますが、記事中に出てくる原田直子弁護士とは、ある問題を電話でお話ししたことがあります。

問題の園児死亡事故の調査は、一年間掛けても話が進まなかったようで、提訴することで原因や対策を含めて明らかになれば良いと思います。
電話でお話ししたときの原田弁護士はとてもこまめな方のようでしたので、色々と明らかにしてくれると期待しています。

7月 25, 2008 at 10:31 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ストーカー裁判官・求刑6ヶ月

サンケイ新聞より「ストーカー判事 検察側は懲役6月求刑

知人の20代の裁判所女性職員に執拗(しつよう)にメールを送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)の初公判が25日、甲府地裁(渡辺康裁判長)で開かれた。下山被告は「すべて間違いありません」と罪を全面的に認めた。

検察側は「相手の心情にむとんちゃくな犯行で、司法制度改革に対する国民の信頼を裏切った」などとして、懲役6月を求刑し、即日結審した。判決は8月8日。

起訴状などによると、下山被告は甲府地裁都留支部長だった2月19日からの約1カ月間に、恋愛感情を満たす目的で、女性が所持する携帯電話機に16回にわたって、「こんばんわ! 今何してる? もうお風呂入った?」「身体きれいに洗っておいてね」などと、性的な表現を含む内容のメールを送信する、つきまとい行為を繰り返した。

この事件は「どうしてこうなるのか?」に興味が向くわけですが、サンケイ新聞は今ではおなじみになった「法廷ライブ」として10本の記事をアップしています。
実に2万字の大作で、法廷でのやり取りが分かったので「なぜこんな事を引き起こしたのか?」もある程度分かりました。

この裁判官、けっこう困った人です。裁判官としてこの事件を引き起こさなくても不適格であったと言えるでしょう。
起きるべくして起きた、とは言いませんが事件を起こしても不思議ではない裁判官かもしれません。

裁判は、検察がストーカーメールを読み上げ、弁護側が弟や学生時代からの友人の弁護士の証言で、被告のプロファイルを明らかにしています。

ストーカーメールの部分は赤文字、記者の記事は青文字、で示しています。

【ストーカー判事】認める?注目の被告人質問も10時から初公判

「今、何してる?身体きれいに洗っておいてね~会いにいくからさぁ」…。20代の裁判所職員の女性にメールを執拗(しつよう)に送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)=東京都文京区=に対する初公判が25日午前10時、甲府地裁で開廷する。法を知り尽くした現職判事が、被告に身を落として迎える初公判に、どのような態度で臨むか注目される。

起訴状によると、下山被告は2月19日ごろからの約1カ月間、女性の携帯電話に匿名で「入るの見いちゃった!ついでに写真撮っちゃった!よく撮れてると思うけど、どうしようか?」「今日、県警本部に何しに行ったのかなぁ」などとするメールを繰り返し送るストーカー行為を行った。下山被告が匿名で女性に送ったメールは16通に及んでいた。

これまでの県警の調べなどによると、下山被告は甲府地裁都留支部長だった今年3月、女性から匿名のメールや無言電話などの被害相談を受けたとし、知人の警察幹部に無関係な第三者を装って捜査を依頼。結局、これをきっかけに捜査が始まり、5月21日に下山被告はストーカー規制法違反容疑で逮捕された。

下山被告は今月になって保釈されている。

下山被告は逮捕された当初、女性にメールを送ったことは認めたが、「父親のような気持ちだった。メールを送ったのは恋愛感情を満たすためではなく、彼女のため。幸せになってほしかった」などと供述。

ストーカー規制法違反罪は、恋愛感情やその他の好意感情、またはそれが満たされなかった怨恨の感情を充足する目的が「つきまとい側」になければ規制の対象にならないため、下山被告の供述が注目されたが、公判では起訴事実を全面的に認める見通しとなっている。

25日は被告人質問が行われるほか、弁護側が証人尋問で情状面を訴える構え。昼ごろには検察側の求刑が行われ、結審する見通しだ。

一方、最高裁は6月16日に裁判官会議を開き、罷免の訴追をするよう国会の裁判官訴追委員会に請求した。今月7日には、訴追委の委員3人が甲府刑務所を訪れ事情を聴取。下山被告が事実関係を認めたため、裁判官弾劾裁判所に訴追するか検討している。

弾劾裁判所で罷免判決が出れば、平成13年に児童買春事件で有罪が確定した元東京高裁判事以来、6人目となる。

【ストーカー判事初公判(1)】異様な法廷…朗読される妄想「とっても気持ちいいよ!」直立不動の下山被告(10:03~10:10)

知人の20代の裁判所職員の女性にメールを執拗(しつよう)に送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)に対する初公判。すでに保釈されている下山被告は、報道関係者を避けるように、審理が始まる約2時間前の午前8時過ぎに裏口から地裁入りした。司法の世界のエリートとされる裁判官から、被告の立場に身を落とした下山被告の発言や態度に注目が集まる

予定より3分遅れの10時3分、下山被告が早足で法廷に入ってきた。グレーのスーツに水色と紺のストライプのネクタイ姿。髪の毛をきっちりと横分けにしている。裁判長が開廷を告げた

裁判長「名前は?」
下山被告「下山芳晴です」

甲府地裁によると、審理を担当する渡辺康裁判長は、昨年12月に甲府市内で開かれた「裁判員制度ミニフォーラムin甲府」に下山被告とともに出席していたという。「職場仲間」に裁かれる下山被告の心境はいかばかりだろうか

裁判長「仕事は何をしていますか」
下山被告「宇都宮地裁判事です」

裁判長が被害者の個人情報が公判で明らかにならないよう、被害者秘匿の決定がなされていることを説明した後、検察官の起訴状朗読が始まった

検察官 「下山被告は2月19日からの約1カ月間、前後16回にわたり、同女が所持する携帯電話機に、『こんばんわ!今何してる?もうお風呂入った?きょうは、お昼も夕方も邪魔が入って会えなくって残念だったよ~明日は会えるかな~楽しく遊ぶのにお互い最高だよねラブホに○○ちゃんが入るの見いちゃった!ついでに写真撮っちゃった!この写真、送ってみよーか?でも、困っちゃうかぁ身体きれいに洗っておいてね~会いに行くからさぁ今日、県警本部に何しに行ったのかなぁ、ずいぶんと長い時間いたよね』などの内容の電子メールを送信し…ストーカー行為をしたものである」

読み上げは、起訴状につけられている「別表」へと進む。
別表は、下山被告が匿名で女性に出していたとされる16通のメールの具体的な文面のようだ。
お堅い職場での顔とは違う、裁判官の「裏の顔」を、さらに容赦なく読み上げていく

検察官 1。犯行日時は2月19日午後11時36分。送信場所は被告人方自宅PC、メールの件名『楽しかったよー』。こんばんわ!今何してる?(中略)穴ちっちゃいって悩んでるって?とっても気持ちいいよ!今度いつ会えるかなぁ…
4。(中略)もうお風呂入った?今日のお昼は楽しかったよね。でも、昼は短いよね~やる時間ないもんねっ!

親密な関係をうかがわせるような文面だが、下山被告はこうしたメールを匿名で出していた。2人は知人だったとされるが、メールの内容は下山被告の「想像の世界」だった可能性が高い。下山被告は立ったまま、直立不動で読み上げられている文面をめくっている

検察官 5。(中略)もうお風呂入った?今日のお昼は忙しくって出られなくって残念だったよね。昨日は、時間なくってエッチまでできなかったけど、いろいろいろやれて楽しかったよ!(中略)こんなスリルを楽しめる女の子って初めてだよ!楽しく遊ぶのにお互い最高だよねでも、お昼にあんまり独占すると、男が怒っちゃうかなあ…じゃあオヤスミー
6。(中略)もうお風呂入った?土曜日も仕事するんだっけ?(中略)この前車に乗っけてもらったときは、散髪したてだったから、髪の毛が落ちてたかもしれないね。ほかの男に見つからないよーに掃除しておいてくれたよね!なに聞かれてもトボケテおいたらバカな男にはわかんないからね。今度ラブホめぐりしようね。じゃあオヤスミー

なぜか、「もうお風呂入った?」の質問が多い

【ストーカー判事初公判(2)】「太股やわらかいね」「写真、彼の奥さんに送ってみよーか」(10:10~10:25)

検察官が下山芳晴被告が被害女性に送信したメール内容を朗読する。下山被告は、検察官から渡されたメール内容が記された書類を左手にもったまま、被告人席で立ったままじっと見入っている

検察官7。(中略)夜のグラサン姿目立つよ。この写真彼の奥さんに送ってみよーか?困っちゃうかなぁ…車も写っているし
検察官8。(中略)件名、太股やわらかいね。メール内容、(中略)もうお風呂入った?今日はお仕事たまっちゃって、昼間外に出られなかったよぉ…(泣)夜は待ち合わせ場所に間に合わなかったしさ顔文字

メールには顔文字も使用していたことを明らかにする検察官。下山被告は動揺した様子はない。かつては法廷を指揮したプライドがそうさせているのか…

検察官…10。(中略)こんばんわ!もうお風呂入った?今日はちょっと難しい統計学の話をしよーかな(笑)いくつかのサンプルがあって、そのうちかなりのものが真実の場合、ほかの部分も真実だというお話だよ~(中略)AもBもホントのことなのに、Cだけうそだって信じるのは統計学的に無理だよ~あっでもヤンキー君はVちゃん(被害者)を真面目って信じているっぽいよな~最近周りには頭悪そーな連中多いよね(笑)
検察官11。(中略)これから相手する男の子のためにVちゃん(被害者)の弱いところの解説書を作っちゃったりして…左の太股とか肩口とか…」

下山被告は、女性が交際していることを知っていて、その相手を強く意識していたようだ。さらに検察官の朗読が続く

検察官12。(中略)そうそう、昨日話した解説書なんだけど、口説き方とかからかいたほうがいいかなぁ…

深夜から未明にかけてわいせつな内容も含むメールを送信し続けた下山被告。検察官は最後に送信した16番目のメール内容を読み上げる。被害女性が県警本部にストーカーの相談に訪れた時の内容が含まれる

検察官16。(中略)今日、県警本部に何しに行ったのかなぁ…ずいぶんと長い時間いたよね。怒らせちゃったかなぁ…支部長っていう人には怒られるし…それで、いろいろ考えたんだけど、送るつもりだった写真や動画のすべてを廃棄・消去することにしたヨ。メルアドも消します。だから、このメールが最後になっちゃうよ。それじゃぁ、おやすみ~

最後のメールには、「支部長」と自分(当時は甲府地裁都留支部長)を第三者として登場させた。捜査が及ばないようにするための“撹乱”作戦なのだろうか。検察官の起訴状朗読は約20分かかって終了。渡辺康裁判長から被告人の権利について説明を受ける。つい数ヶ月前には自分が説明する立場だった下山被告。もちろん権利は十分に把握しており、裁判長の説明に小さく何度もうなずいた

そして、渡辺裁判長が罪状についての認否をたずねた。背筋を伸ばし裁判長を直視する下山被告は、口を開いた

下山被告「すべて間違いありません」

逮捕当初は、恋愛感情はなかったとしてストーカー規制法の適用には当たらないとの趣旨の供述をしていたとされる下山被告は起訴事実を全面的に認めた。続いて検察側の冒頭陳述に移る

検察官「昭和56年10月に司法試験に合格。平成16年4月1日から20年3月31日まで甲府地裁都留支部長…(中略)一時期被害者の女性と親しくし、恋愛感情があったが、しだいに女性が避けるようになったため、ストーカーメールを送信し親身に相談することを装って、自己の恋愛感情を満足させようとした」

冒頭陳述は終了。続いて証拠調べに。検察官は証拠として、3月18日に被害女性が最初にストーカー相談に訪れた県警本部で相談した内容についての書面などを提出した。最初の相談ではストーカーメールの話ではなく、無言電話の相談が中心であったと検察官は明らかにした

【ストーカー判事初公判(3)】動機「男の嫉妬をかきたて、別れさせたかった」(10:25~10:40)

証拠の内容を説明する検察官の声が法廷に響く。下山被告は傍聴席から見て左側の被告人席に腰かけ、伏し目がちに聞いている

検察官「続いての証拠はメールアドレスの送受信の状況、平成20年3月31日までの3種類のアドレスのメールです。下山被告のパソコンのメールアドレスからのメール、被害者との日常的なメール、それから第三者を装って送られたメール…」

検察官はここで、下山被告が自分のメールから、“ストーカー犯人”にあてて第三者を装って送ったメールの内容を読み上げた

検察官「貴殿の行為はストーカー規制法違反に当たり、被害者は18日に警察に届け出ることを承知しました。今後は司直の手に委ねるので、通告します。甲府地方裁判所都留支部支部長下山芳晴」

このメールの内容を見る限り、下山被告は、自らの行為がストーカー規制法違反に当たると自覚していたようだ。下山被告は、“犯人”に当てたメールを一度被害者に送信し、了承を得た上で送信していた

検察官の説明を、時折小さくうなずきながら聞いている下山被告だが、検察官が言い間違えると、顔を上げて検察官を見つめる。その姿は、正面に座っている渡辺康裁判長の姿と変わりない。これまで裁判官として判決を下してきた公判では、このような姿で聞いていたのか

検察官「下山被告は3月中旬、会員になっていた甲府市のインターネットカフェに『転勤するので退会したい。会員のデータを消して、入会申込書を返してほしい』と申し出た。被告の車両からは漫画喫茶のレシートが出てきた」

検察官は続いて、被害者の女性の供述調書を読み上げた

検察官「下山被告とは一時親しくしていましたが、積極的にドライブに誘ってくるのがうっとうしくなりました。私が同い年の男性を好きになったと話すと『好きになるのは自由だけど、その男はどうだろう』『ぼくは君を束縛したつもりはない。君の態度はカチンとくる。ぼくのプライドが許さない』などとメールが来るようになりました。メールを返さないでいたら、2月19日に誰からか分からないメール(起訴事実に含まれている1通目のメール)が来ました。24日に下山被告に相談すると、下山被告は『許せないな。君に怖い思いをさせるなんてとんでもないヤツだな』と言いました。それから下山被告はまたメールを送ってくるようになりました」

ストーカーメールで女性の気を引きたいという下山被告の“作戦”は成功した。メールをきっかけに、再び女性と親しくなれると信じた下山被告だが、その思いこみが次なるストーカー行為に走らせた

検察官「しかし、下山被告は私が頼んでもいないのに、『Vちゃん(被害者)の車を見かけたので不審者がいないか見張るよ』などのメールを送ってくるようになりました。その後、交際相手の家に、声を変えた感じの電話がありました。3月18日に警察本部に呼ばれましたが、その夜、『県警本部に何しに行ったのかなぁ』というメールが来たので、ぞっとしました」

しかし、女性が警察に相談してから、ストーカー捜査が本格化。女性の気を引くこともできず、作戦が失敗した下山被告は、ついに自らの犯行を打ち明ける

検察官「4月8日、下山被告から、『実は、すべてのストーカーメールを送ったのは僕です』というメールが来ました。これまで何くわぬ顔でメールを送っていたのかと怒りでいっぱいになりました。私から(被害の)相談を受けていたのにメールを送ってきた被告が許せません」

被害者の怒りを理解しているのか。下山被告の表情に変化はない。続いて、検察官は下山被告の供述調書の一部を読み上げ始めた

検察官「被害者を1人の女性として守りたいという意味での感情はあった。私は被害者の交際相手に対しては低い評価しか与えていなかった。交際相手と別れることで女性が幸せになれると思った。恋愛観情を充足させる目的と思われることに異義はない。メールの送信者は架空の男という設定にした。交際相手が、彼女がメールの送り主と交際していると思い、嫉妬(しっと)し、別れることを期待した」

時折、メモを取りながら検察官の言葉を聞く下山被告は落ち着いていて、強烈なメールの文面とのギャップが際だつ。続いて弁護人が下山被告の現段階での陳述書、被害者との示談経過などの証拠を申請。情状証人として、実弟と同僚弁護士の証人尋問が行われることになった

【ストーカー判事初公判(4)】示談応じぬ被害女性法廷には弟「苦労の司法試験」証言(10:40~10:55)

弁護人は、下山被告が現在の心情を文書にした陳述書を裁判所に提出した。弁護人は、その内容についての説明を始める

弁護人「(陳述書には)被告人がこれまで、恋愛感情や自分が(女性の)父であるような感情を持っていたこと。また、この裁判では(自らの行為が)単なるストーカーであったことを認め、この公判が下山の全人生が裁かれる裁判だと考えて、真剣に向き合っていること。いま振り返ると、多くの思いこみがあったように思い、恥ずかしさを禁じ得ないという趣旨のことが書かれております」

弁護人は、ほかにも下山被告が借金で苦労していたことや、女性と交際を始めた経緯などが書かれていると説明した後、犯行に至った経緯について書かれた部分の代読を始める

弁護人「今年の私の異動が近づき、私の中に焦りのような気持ちが沸き起こりました。被害者にとって、自分が特別な存在でいたいと思うようになり、55歳と20代の女性で、職場の上司と部下という関係でありながら、年がいもなく彼女を女性としてみる気持ちが強くなりました」
弁護人「『いろいろな意味で彼女を満足させていないのでは』と思うようになり、仕事の関係で彼女とドライブにもいけず、彼女は(別の)男性との交際を深めていきました」
弁護人「彼女を取り戻そうと、彼女にストーカーメールを送りつけました。彼女へのメールを男性が見ることで、彼女との交際が終わるだろうと信じて疑いませんでした。いま思い返すと、恥ずべきことですが、そのときは思い込みから気づきませんでした」

ここまで弁護人が一気に読み上げた。下山被告は目を閉じ、天井を仰ぎ見るような姿勢のまま、じっと聞き入っている

弁護人は被害者へのおわびに関する文言を読み上げる

弁護人「被害者にはただただおわびの気持ちでいっぱいです。自分の犯したことで、彼女にとって知られたくないことが明るみに出されてしまった。今は自分の愚かな行為を恥じるばかりです」

その後、弁護人は下山被告側が女性側と6回にわたり面談をしたが、示談が成立していないことを説明した文書や、和解に尽力した東京の弁護士へのお礼の手紙などを証拠として提出して席に着く

続いて弁護側が呼んだ情状証人への質問が行われる。1人目は下山被告の実弟だ。傍聴席にいた男性が立ち上がり、証言台に向かう。下山被告の弟は、白髪交じりのひげを蓄え、腕まくりした黄色っぽいシャツにネクタイ姿だ

弁護人「あなたは下山被告の1歳違いの弟ですね」
「はい」
弁護人「ほかに兄弟は?」
「おりません」
弁護人「両親は健在ですか」
「父は3年前に亡くなり、母は実家で隣家に住んでいます」
弁護人「母親は病気で入院中と聞きますが」
「はい。おっしゃる通りです」
弁護人「芳晴さんはあなたにとって、どんな存在ですか」
「私は尊敬する人と聞かれれば、兄と答えます。正義感が強く、よく勉強をする。いつも私をうまく導いてくれる人でした」
弁護人「芳晴さんは学生のときに大きな病気をしたといいますが」
「はい。子供のころから肺の難しい病気で、司法試験を前に手術を受け、洗面所で大量の血を吐いて、あぶない状況になったこともあります」
弁護人「そんな中、司法試験を頑張ったんですか」
「はい」
弁護人「芳晴さんは司法試験に受かってから結婚しましたね。結婚をしてからは?」
「しばらくはつきあいを続けていましたが、家族同士は非常に淡泊で、仕事の関係もあり、次第に疎遠になりました」
弁護人「徐々に距離ができたんですか」
「はい。お互いに結婚をしているので当たり前かなと」

ここで話題は下山被告の借金についてに切り替わる

弁護人「芳晴さんが父親に金のことで相談にいったことは?」
「はい。あります」
弁護人「いつごろですか」
「平成10年ごろだと思います」
弁護人「父親は金を出しましたか」
「はい」
弁護人「金額は?」
「詳しくは知りませんが、あまりにも大きな額で」
弁護人「100万円単位でなく、もう一けた上の数字ですか」
「はい」
借金は1000万円単位だったようだ
弁護人「芳晴さんは東京都豊島区目白に大きな家を持っていますが?」
「それは何軒目かのマンションです。バブルのすぐあとで、関西の感覚からすると分かりませんが、マンションの金額としては高額なものと思います」
弁護人「父は経営者で金銭的に余裕があったかもしれませんが、負担になっていたのでは?」
「新しい借金をしたり、従業員を抱えていますから…」

弟の声が小さくなる。家族の恥部を明かすことへの抵抗からか、うつむき加減になり、かなり聞き取りにくい

弁護人「父親が亡くなり、芳晴さんが(弟に)金策に来たことは?」
「ありました」
弁護人「何に使うという説明はありましたか」
「(説明は)一応するのですが、内装や修繕などですが、金額から考えるとよく分からなかった。大阪にいるので分からないことが多かった」
弁護人「事件はどうやって知りましたか」
「テレビを見ていた家内から連絡があって」
弁護人「それ以前に(下山被告から)連絡は?」
「逼迫(ひっぱく)していた電話があって『とにかく大変だから』と。ただ、借金の話と同じように、日常のことと思っていた」
弁護人「逮捕後に面会は?」
「拘置所で」
弁護人「芳晴さんへの思いは?」
「まだ信じられない。信じたくない。苦労して司法試験を通って結婚して、子供はできたのですが生まれる前に流産して…。『3人で最高の家族を作りたい』と言っていたのに、一方通行のことが多くなって。いまでもどうしてそんなことをしたのか…」
弁護人「芳晴さんは今後、経済的や仕事の面でも多くのものを失うことになると思うが」
「それが大きな過ちのためと思うと、本当残念。過ちはやり直せると思う。過ちに気づいたのなら、長い時間がかかっても…」

声が小さくなり、後半部分はほとんど聞き取れない。消え入るような声で話す弟を前に、下山被告は何を思ったのか。ただ目を閉じたままだ

【ストーカー判事初公判(5)】被害女性への恋愛感情すべて認める「強く反省」と友人弁護士(10:55~11:10)

下山被告の実弟への証人尋問に続き、この日2人目の証人として、友人である男性弁護士が証言台に立った。下山被告は目を閉じたままで、弁護士に視線を送ることはなかった

弁護人「あなたは下山被告と同じ弁護士ですね?」
友人の弁護士「はい」
弁護人「下山被告と友人になったのはいつ、どのようにですか」
友人の弁護士「昭和47年、1972年に予備校の寮で一緒になりました。18か19歳のときです」
弁護人「大学受験に失敗して、浪人生活をしていて寮で知り合ったんですね」
友人の弁護士「はい」
弁護人「1年間?」
友人の弁護士「寮は1年間です」
弁護人「かなり親しくなったのですか」
友人の弁護士「500人くらい寮にはいましたが、部屋が近くて親しくなりました」

下山被告は目を閉じたまま。時折、何かを思いだすかのように顔を上げた

弁護人「大学にいってからも親しかったのですか」
友人の弁護士「はい、司法試験も下山被告の方が勉強が進んでいて、教えてもらっていました」
弁護人「下山被告の結婚式に呼ばれ、披露宴にも出ていますね?そこにはどんな人たちが集まったのですか」
友人の弁護士「予備校の同期、寮友たちが集まりました」
弁護人「浪人生活で親しくなった人たちが披露宴に出たのですね?」
友人の弁護士「はい」
弁護人「あなたが弁護士になってからも連絡は取りましたか」
友人の弁護士「回数は激減しましたが、ときどき連絡は取り合ってました」
弁護人「こうした刑事事件で、弁護士の口から詳細を明らかにしていいものか、あなたとも話し、悩みました。だが、あえて質問します。先ほど証人の弟さん(下山被告の実弟)にも質問しましたが、借金の件を聞きます。あなたに被告が借金を頼んできたのはいつごろでしたか」

下山被告が目を閉じたまま、顔を上げた、みけんにしわを寄せ、険しい表情だ

友人の弁護士「10年ほど前です」
弁護人「いくら?」
友人の弁護士「50万円ほどだったと…」
弁護人「借金の理由は何でしたか」
友人の弁護士「聞かなかったです。話せば長くなりますが、予備校の寮は特殊な社会で、挫折をした一方で希望を持っている人の集まり。それでいてライバルでもあります。普通の寮とは違い、互いに恥部を見せ合うような濃密な関係になる。濃密な関係だからこそ、借金の理由は聞かなかったのです」
弁護人「お金は返してくれましたか」
友人の弁護士「はい」
弁護人「借りたのは1回でしたか」
友人の弁護士「何回か…10回くらい…。最後の方はさすがに理由を聞きました。さすがにおかしいなと」
弁護人「それで初めて、過大なローンでマンションを購入したことを聞かされたのですね?」
友人の弁護士「はい」
弁護人「どのように聞かされましたか」

下山被告が落ち着きなく肩を揺すった。目は閉じたまま。またみけんにしわを寄せ、険しい表情で顔を上げた

友人の弁護士「予備校時代の友人3人で下山を呼び出しました。『理由を言え』と。それで聞きましたが、(ローンの)額が額でしたから、われわれではどうにもならんと。当時、健在だった大阪のお父さんに頼るしかない、と話しました。なんなら大阪まで、われわれも一緒に行ってもいいと」
弁護人「被告に会ったのは平成13年11月11日でしたか」
友人の弁護士「多分そのころです」
弁護人「手をさしのべたわけですが、被告は、その後どうしましたか」
友人の弁護士「次にみんなで会う日取りを決めていましたが、その前に下山から電話があって、『自分で父に話す』と言いました。だから、2度目に会うことはしませんでした」
弁護人「その後、(ローンの件を)どうなったか確認しましたか」
友人の弁護士「今思えばうかつだったが、しませんでした。(下山被告の)父が…規模は知らないが社長をやっていると聞いていたので、何とかなったのかなと…。確認しておくべきだったと後悔しています」

今回の事件と借金は直接の関連はないが、友人として親身にフォローすべきだったと考えているようだ

弁護人「今回の事件はどうやって知ったのですか」
友人の弁護士「寮友からの電話です。自分の携帯に、1人は宮崎、1人は横須賀から立て続けに電話がありました。『下山が逮捕された』と。友人であるわれわれも何とかしないと、と思い弁護人を引き受けました」
弁護人「当初は、下山被告が恋愛感情は否認しているという報道でしたね」
友人の弁護士「恋愛感情もすべて認めております。あの(下山被告の)陳述書は思い切って出したもの。反省していないと書けません。彼(下山被告)の今回の反省は確信しています」

【ストーカー判事初公判(6)】被害者とは「交際していた」…下山被告、心情を吐露(11:10~11:25)

証言席に座った下山被告の友人の男性弁護士は、今後、下山被告を友人として支えていくことを改めて表明した

友人の弁護士「私は司法試験予備校で講師をしているので、そこの紹介はできます」
弁護人「彼が法律の世界に携わることについて、あなたはどう思いますか」
友人の弁護士「せっかくこれまで蓄積した知識があるのだし、もう一度やるというならば挑戦してもらいたいと思います」

ここで弁護側の質問が終了し、友人の弁護士は退廷。続いて裁判長が「被告人、前へ」と告げると、下山被告は傍らの長いすから立ち上がり、証言台へ進み出て、両手を体の前で組み、まっすぐ裁判長の方を向いて立った。いよいよ被告人質問が始まる

弁護人「まず、本件についてどう考えていますか」
下山被告「反省しております」
弁護人「逮捕当初はどうでしたか」
下山被告「気持ちの整理がついてない分もあり、今ほどはっきりとは…」

落ち着いた口調で慎重に言葉を選びながら答えるが、声は小さく、傍聴席の物音にかき消されて語尾が聞き取れない

続いて、弁護人は逮捕当初の『恋愛目的ではなかった』という、下山被告の供述の意味について質問。ストーカー規制法違反罪は、恋愛感情やその他の好意感情などがなければ規制対象とならないため、下山被告に否認の意図があったのがどうかが注目されていた

弁護人「あなたの当初の供述、これは否認していたのですか」
下山被告「あえて否認するということではなかったが、自分自身の気持ちが良く見えていませんでした」
弁護人「あなたは、この件について考え続けた結果、どういう結論になりましたか」
下山被告「そこに至る動機は…。私自身が、自分の価値観を人に押しつける。それが、自分自身を満足させることにつながっていました」
弁護人「どのような気持ちだったのですか」
下山被告「被害者の方と交際を始めたときの気持ちを、多少引きずっていたと思います」

被害者である20代の裁判所職員の女性と「交際していた」という下山被告。弁護人は、当時の恋愛感情についてさらに突っ込んだ質問をする

弁護人「恋愛感情を自認するようになったのは、どうしてですか」
下山被告「当時の自分の気持ちを振り返ると、当時、被害者の方に対して恋愛感情を持っていたのは間違いないと(思う)」
弁護人「被害女性と個人的に交際があったのはいつからですか」
下山被告「昨年の4月です」

30歳近い年齢差がある2人の仲は、上司と部下の関係から“交際関係”にどのように変化したのか。弁護人は「(被害女性は)年齢的にも相当離れた方ですよね…」と遠慮がちに前置きしたうえで、交際に至る経緯について聞いた

下山被告「被害女性のプライバシーにかかわることが多いので…。私が(女性から)話を聞いたり、悩みを打ち明けられたりする中で…」
弁護人「被害女性には、あなた以外に交際相手がいました。その話を女性から聞いたときは、どう思いましたか」
下山被告「親にも、恋人にもいえないことを(女性から)相談される中で、新たな交際相手のことを聞きました。それは、あまり信頼のおける相手ではないと聞きました。詳しくは以前提出した陳述書に書いてあります」

女性のプライバシーを慮ってか、下山被告は「ライバル」と女性の関係について法廷で話すことを避けた

弁護人「どう思いましたか」
下山被告「それまで(新しい交際相手について)聞かされていた内容が内容だったので、『本当にそれでいいのだろうか』という気持ちがありました。他の男性ならばよいのですが…」
弁護人「それは被害女性を思う気持ちからですか。今現在は、どう思っていますか」
下山被告「自分自身の価値観を被害女性に押しつけることで、許されることではありません」

逮捕当初は、ストーカーメールを送った目的について「彼女のため。幸せになってほしかった」と話していたという下山被告だが、独善的な“暴走行為”であったことを、小さな声ではあるが認めた

弁護人「被害女性の交際相手に、嫉妬心を抱いたのではありませんか」
下山被告「そういう面もあったと思います」
弁護人「むしろそれが中心では」
下山被告「自分自身の価値観としては、新しい交際相手の行動があまりにも常軌を逸していると思いました。(ストーカーメールは)その価値観を押しつけようとした結果だと思います」
弁護人「被害女性が新しい交際相手と近づき、一方であなたから離れていくという焦りもあったのではないですか」
下山被告「今年3月で(甲府地裁都留支部から)転勤することが分かっており、これまでのようには(交流)できないと。そうなる前に、交際を始めた当時の、ある意味の良好な関係になれればと。そんな中で、自分の行動できる期間も限られていました」

転勤を前に、女性との関係に焦りを募らせていったという「揺れる男心」を訥々と語る下山被告の証言に、法廷には神妙な空気が流れるが、弁護人はさらに切り込んだ質問を続けた

弁護人「ストーカーメールを発信した今年2月19日ごろ、あなたは被害女性とは親しく付き合っていなかったのでは」
下山被告「転勤間際ということもあり、夜に行動する時間が限られ、去年の12月までのようなこと(交流)は、物理的にも時間的にもできませんでした。ただ、普通に話はしており、疎外感(を感じた)ということはありませんでした」
弁護人「被害女性から交際を断られたことはありますか」
下山被告「明確に、そのように言われたことはありません」
弁護人「あなたは、(女性と)そのような関係でもいいと思っていましたか」
下山被告「それはそれで、私としては充実する時間を過ごすことができたのでよかったです」
弁護人「転勤して以降は、被害女性とはどのような交際をしようと思っていましたか」
下山被告「転勤後の新しい仕事を考えると、時間的にも距離的にも(交際は)無理だろうと…」

「女性と会話するだけの関係でも充実していた」というが、それではなぜ下山被告はストーカー行為に及んだのか。ここで、「この質問には真摯(しんし)に答えてくださいね」と弁護人が念を押した

弁護人「なぜストーカーメールをしたのですか」
下山被告「自分自身の自己満足。自分が被害者に対して、何かできるという思い上がった考えがあった。恋愛感情に裏打ちされたものだとは思いますが。…そういう気持ちで、最後の一線を越えてしまいました」
弁護人「ストーカーメールを送っているときは、どういう思いでしたか」
下山被告「非常につらい思いでした。ストーカーメールについては被害者から相談を受けていましたが、そのときの被害者の反応、感情が手に取るように分かりましたから…。何となく『悪いことをしてるんだ。やめなければいけない』という気持ちはありました」

【ストーカー判事初公判(7)】「家族…全てをなくす状態になっている」(11:25~11:40)

下山被告は弁護側の被告人質問に正面を向き、手を組んで淡々と質問に答えていたが、裁判官の職務に話が及ぶと途切れ途切れになった

弁護人「ストーカーメールの送信をなぜやめられなかったのですか」
下山被告「その当時、自分自身に疑いがかけられており、やめることはとうてい私にはできませんでした。早い段階でやめたいというのが常にあったけれど、きっかけを何とか作り出さなければいけなかったんです」

下山被告はストーカーメールの送信を開始して約1カ月後の3月、大学時代の友人である警察幹部に、無言電話についてのみ捜査するように依頼した

弁護人「知り合いに頼んだんですか」
下山被告「大学時代の…(聞き取れず)警察庁の幹部に、『被害女性が無言電話で悩んでいる』と話しました」
弁護人「無言電話だけですか」
下山被告「いずれ被害女性にすべて話そうと思っていました。でも、女性は『メールを見せるのは絶対嫌だ』と。『ほかのメールも見られてしまうし、どんなことがあってもメールは見せたくありません』と言っていたので、無言電話だけ相談することになりました」
弁護人「女性にかかってきた無言電話は、かけていないのですか」
下山被告「一切関与しておりません」

下山被告ははっきりした口調で答えた

弁護人「(ストーカーメールについて)なぜ話そうと思ったんですか」
下山被告「『悪いことをしたので裁きを受けなければいけない』と思い、すべて話をしておこう、と思いました」

下山被告は4月になると、自ら警察や被害女性、裁判所に対してストーカーメールの発信が自分の仕業だったことを打ち明け、謝罪した。被告人質問で理由を聞かれると、「捜査に負担をかけたくなかった」と述べた

弁護人「女性への謝罪はしましたか」
下山被告「4月8日に会って話をして、『捕まりますよ』と言われましたが、覚悟はできています…(聞き取れず)。謝罪の手紙を2回書いています」
弁護人「弾劾裁判の結果を予想していますか」
下山被告「はい。事件に加えて部下の職員と不適切な関係にあったこともあるし、裁判官の品位を汚したことにもなります」
弁護人「社会からどう見られているか分かりますか」
下山被告「私は、現職の裁判官が行ったケースで、とんでもないと。非常に司法に不安を与えてしまったと思います」
弁護人「家族はどういう状況にありますか」
下山被告「すべてをなくすような状態になっています」
弁護人「お父さんの葬儀には参列できましたか」
下山被告「身柄を拘束されていたので、参列できませんでした」
弁護人「桶川の事件では非難を受けていましたね?」

この質問は、下山被告が埼玉・桶川のストーカー殺人事件を審理中の平成13年、「裁判官が寝ている」と傍聴人から指摘を受け、配置転換されたことを指しているようだ

下山被告「僕自身、睡眠障害という病気になっておりまして。大変なご迷惑をおかけしまして…」
弁護人「今後の生活はどうするんですか」
下山被告「私自身は『法律の世界にとまっているのはどうかなあ』と。許されないのではないかと考えています。自分の大学時代にやった仕事、経験したことを含めて、いくつかの仕事をできたらと思います」
弁護人「最後に、社会に対してはどうですか」
下山被告「まず、被害女性に対して本当に申し訳ないことをしました。私に対して信頼していただいてどんなことでも話してくれていたのに。裁判所や裁判官、刑事…(聞き取れず)に対する不信感を国民の皆さんに感じさせてしまいました。私を育ててくれた裁判所に対しても、申し訳ないことをしたと思います」

【ストーカー判事初公判(8)】プライドか、戦術か頑なに「女性は拒否的態度でなかった」(11:40~11:50)

被告人質問は検察側に移った。まず、検察官は証拠隠滅の意図を尋ねる。下山被告は目を閉じ、ひとつひとつ思いだすように答える

検察官「犯行の途中にフリーメールのアドレスをエキサイトからヤフーにかえましたね。これはなぜですか」
下山被告「エキサイトよりもヤフーのほうが使い勝手がいいからです」
検察官「エキサイトばかりを使っていると犯行がばれるからでは?」
下山被告「そういったことではありません」
検察官「3月にネットカフェの△△クラブ(実名)の申込書を回収しましたよね?」
下山被告「転勤の内示を受けたので、会員の申し込みをしていたものを回収しました」
検察官「ビジネスホテルなども回収したのですか」
下山被告「○○ホテル(実名)は会員ではありませんでした」
検察官「△△クラブは、(回収したのは)犯行をばれないようにするためではないですか」
下山被告「そうではありません」

検察官は続いて、ストーカーメールを送る動機にもつながった下山被告と被害女性との間の「距離感」について質していく

検察官「ストーカーメールを送った時点では、被害者から拒否的な態度を取られていると感じていましたか」
下山被告「拒否的な態度をされていたという感じはありませんでした」
検察官「どうして感じなかったんですか」
下山被告「被害者と関係を持ったあと、去年12月に(関係を)解消しましたが、ドライブしたり食事をしたりすることに変化はありませんでした。明確に『お付き合いをしません』といわれたことはありませんでした」
検察官「では、なぜメールを送ったのですか」
下山被告「当時は女性の生活状況に不安をもっていました。自分の価値観を押しつけてしまいました…」
検察官「拒否的態度の女性を振り向かせるためではなかったんですか」
下山被告「拒否的態度は、メールのやりとりを見てもらえば分かりますが、(被害者の女性からは)示されていません」

頑なに拒否的態度は取られていなかったと主張する下山被告。男としてのプライドなのか法廷戦術なのか。それとも、本当に女性から拒否的態度を取られたと感じていないのか…

検察官「今でもそう思っているのですか」
下山被告「(女性の)本心は分かりませんが、客観的には伝わっていませんでした」
検察官「すると、女性の供述調書はウソだといいたのですか」
下山被告「それは気持ちだから分かりませんが、客観的事実とは違っています」
検察官「女性のメールには、(下山被告に)拒否的な態度をとっているものがありますよね?」
下山被告「そう言われれば、考えようによっては拒否的かとも思いますが、当時は思っていませんでした」

続いて検察官は、被害女性と交際相手の男性について尋ねる

検察官「被害者は今でもその男性と交際しているのですか」
下山被告「は?」

質問をよく聞いていなかったのか、大きな声で尋ねる

検察官「男性とは今も交際しているのですか」
下山被告「は?はい?」

目を大きく見開いて大声で尋ね返す。検察官が3度目の質問でようやく理解し、下山被告は答える

下山被告「と、聞いています」
検察官「(交際について)どう評価していますか」
下山被告「それは個人のことですから…」

続いて検察官は、被害女性が上司でもあった下山被告にストーカーメールの相談をした際のことについて質問をする

検察官「2月24日ごろ、あなたに女性が相談に行き、あなたは『そんなのは許せない』と言ってますよね?」
下山被告「言っていません」
検察官「これは女性のウソでしょうか」
下山被告「そうとは言っていません」
検察官「ではどうと?」
下山被告「『変なメールだな』と…」
検察官「部下が相談にきて『変なメール』で終わりですか?『許せない』と言っていませんか」
下山被告「『ひどいメールだな』とは言いました」

【ストーカー判事初公判(9)】検察「無理なローン、単身赴任が不倫の背景に」(11:50~12:05)

検察官による被告人質問は、最終盤にさしかかった。下山被告は小声だが、沈黙することなく、質問にしっかりと答えている。被害者のことを裁判でよく使われる「被害女性」と呼ぶなど、さすがに法廷には慣れた様子だが、検察官の追及は厳しい

検察官「被害者からの相談をうれしいと思ったことはなかったのですか」
下山被告「それはないです」
検察官「3月15日、ストーカー犯人にあてて、ストーカー行為にあたると警告のメールを支部裁判官の名前で送っていますよね。なぜですか」
下山被告「ちょうど土日にかかる時(15日が土曜日)で、18日(火曜日)までの間に何かされるのではないかと被害女性が私に言ったので、何か起きないようにするにはどうすればいいか2人で話し合い、警告すれば止められるのではないかという話の流れになりました」
検察官「でも犯人はあなただったんでしょ?」
下山被告「はい」
検察官「私です、と打ち明ければ良かったのでは?」
下山被告「その後、今日も出ていないメールで言いました」
検察官「なぜ(自分だと)告白しなかったのですか」
下山被告「先ほど述べた通りです」
検察官「もう一度言ってください」

検察官は、しつこく聞き直す。下山被告は、観念したように小声で答えた

下山被告「勇気がなかったから…」
検察官「自分の力を示す気では?あえて芝居をしたのでは?」
下山被告「違います」
検察官「反省しているんですね?」
下山被告「はい」
検察官「終わります」

被告人質問が終わった。下山被告はしっかりとした足取りで、弁護人側にある席に戻った。しかし、緊張していたのだろうか。いすに腰掛けると、大きく息を吐いて天を仰いだ。続いて、検察官の論告の読み上げが始まった

検察官「本件犯行は、取り調べ済みの証拠で証明十分である。次に情状ですが、第三者を装って1カ月にわたって、監視していると思われる内容を送り、困惑する被害者から相談を持ちかけられたのをいいことに、親身に応えるかのように装い、演技までして被害者の心情をもてあそんだ。被害者が厳罰を求めるのは当然だ」
 「恋愛感情を充足させる目的があったと評価されることに意義はない、と犯行の認め方も消極的。ストーカーにありがちな、相手の心情に無頓着な人格の表れで、被告による犯行の根深さは明らかだ。司法制度改革の流れの中、現職の裁判官によるストーカー行為という犯罪が社会に与えた衝撃は大きく、司法制度に対する国民の信頼が損ねられ、厳罰に処す必要がある。懲役6月に処するを相当とする」

求刑が出された。懲役6月は、被害者の告訴をもとにストーカー規制法違反罪で起訴されるケースではもっとも重い量刑となる。しかし下山被告は覚悟していたのか、その表情に変化はない。続いて弁護人が立ち上がり、最終弁論を読み上げ始めた

弁護人「下山被告は大きな影響を認識しつつ、事実を認め、反省している。裁判官としての最後の責任を果たすべく、訴追に素直に認めている。執行猶予付き判決が相当と考える」
 「今回の事件の背景にはまず、経済的破綻(はたん)があった。下山被告は東京・目白に高級マンションを購入し、当初は賃借人がいたが、いなくなり、ローンの支払いに窮するようになった。税金の差し押さえを受け、実母、実弟の援助を受けたが、平成19年6月には競売となり売却された。本人の見通しの甘さがあったとはいえ、下山被告の心には虚脱感があった。そのころ、被害者とドライブや飲食を重ねるようになった」

弁護人は、苦しい経済的事情が、下山被告が被害者に恋愛感情を抱くようになったきっかけになったと主張した。さらに山梨での単身赴任がこの感情を後押ししたと言いたいようだ

弁護人「妻は都内で教員をしており、下山被告は単身赴任だった。宇都宮地裁足利支部への転勤が伝えられ、これも単身赴任を求めるものだった。55歳という年齢を考えると、定年間近の長期間を単身赴任しなければならず、下山被告は『(異動は)1日考えさせてほしい』と返答を留保したくらいだ」
 「下山被告は被害者と親しくなった後も、自分の存在が負担にならないように考えていた。11月に送ったこんなメールがある。『ひょっとするとVさんをずいぶん束縛しちゃってるのかなと心配です。言ってくれれば品行方正なパパに戻ります』。その後、被害者はある男性と付き合うことになり、下山被告は男性としての立場から、父親の立場になることになった」

パパの立場でいようと決心したという下山被告だが、下山被告と距離を置こうとした女性の態度が許せなかったようだ

弁護人「下山被告は(被害者と男性を)別れさせようとメールをしたが、相手の男性と直接話すことはやめてくれと女性から言われた。女性が距離を置き始めたことは、名誉ある撤退を望んでいた下山被告のプライドを傷つけた。今年2月、異動までの日数が少なくなり、下山被告は被害者との良好な関係を取り戻したいと考えた」

弁護人は、異動を前にあせる気持ちが、下山被告を犯行に駆り立てたと指摘した。あらかじめ内容を伝えられているのか、下山被告はメモを取ることもなく、黙って聞いている

【ストーカー判事初公判(10)完】メールやめるタイミング逸し、焦った(12:05~12:20)

現職の裁判官がなぜストーカーという犯罪を犯したのか。最終弁論で弁護人は、罪になるとわかっていながら身動きが取れなくなっていった下山被告の様子を明らかにしていく

 「被害者がストーカーメールを相談してきたことは、下山被告にとってプライドをくすぐるもので、メールをやめることができなくなった。それが犯罪に該当することがわかっていて、いつやめるか悩んでいた。被害者はストーカーメールを相談しつつも発信者ではないかと疑い、直接、下山被告に尋ねた。下山被告は今やめれば自分だとわかってしまうとやめるタイミングを失い、焦りの中で身動きが取れなくなった」
 「頼れる支部長でありたいとの思いから、警告メールを送り、無言電話を警察に相談するよう言うなど、『(犯人は)怖じ気づいてやめた』と言えるようにした。そして、終わらせる宣言とも取れる最後のメールを送った。この時点でメールを送り続けるつもりはなかった」
 「下山被告がストーカー規制法に基づく警告を受けなかったのは、今後、ストーカーメールを送る危険がないと思われたから。自らの意志でストーカーメールをやめたのも事実だ。相談に乗って味方を装ったことで、被害者が味わった人間不信の思いは察するに余りあるが、自らメールを終息させ、無言電話は関知していない」

弁護人はさらに、被害者が県警に告訴する前に、下山被告が自分の犯行であると打ち明けた行為が自首に当たると主張した

 「告訴前の4月8日には被害者に犯行を告白し、謝罪した。同日、県警本部の担当にも打ち明けようと電話をしたが、不在。翌日、『週末に時間を取ってくれないか』と言ったが連絡が来ず、翌々日に再度電話したが事情聴取の申し出は断られた。被告は当初よりメールを発信した事実を認めていて、これは自首に当たる。被害者に『つかまりますよ?』と言われたときも、『覚悟している』と答えている」

逮捕されてから、「恋愛感情ではなかった」と否認していたと伝えられた下山被告だが、弁護人は取り調べの中で、徐々に下山被告が自分の気持ちに向き合うようになったと主張した

 「恋愛感情についても、当初は否定していたが、拘束中に弁護人との面会を重ね、自分の生きざまが問われていると言われ、被害者への恋愛感情を認め、率直に反省している。また、メールの送信場所なども、自発的に申告している」

弁護人は最後に、下山被告が裁判官を辞める意向でいることを明らかにし、反省の態度を前面に出した

 「裁判官の職についても、4月10日に宇都宮地裁所長に、5月に東京高裁事務局長に口頭で辞職の意を伝えている。被害者にも、告訴前に自らのストーカー行為を伝え謝罪しているほか、告訴後は弁護人を介し謝罪文を渡し、再三示談の申し入れをしている。実弟や妻も謝罪の手紙を出しており、示談の準備を整えている。かつての勤務地、都留支部にも被害者を気づかってほしいと手紙を送っている。約2カ月、身柄拘束され、刑罰を事実上受けている」
 「下山被告は努力家で、困っている人を助けたいと裁判官になった。裁判中の居眠りも、睡眠障害という病気が原因だ。以上のように、下山被告は約2カ月の身柄拘束で、形だけのプライドを捨て、反省を深めた。示談は成立していないとはいえ、慰謝に応じる姿勢はあり、厳しい社会的制裁を受けており、弾劾裁判も控えている。執行猶予付き判決が相当と考える」

弁護人が読み上げを終えると、渡辺康裁判長が下山被告に「最後に何か言いたいことはないですか」と声を掛けた。下山被告は立ち上がり、証言台でかつて自分が座っていた席をまっすぐ見つめ、反省の気持ちを口にした

「被害者に申し訳ないことをしました。また司法に対する国民の信頼を損ね、私を育ててくれた裁判所を裏切り、申し訳ありませんでした。以上です」

抑揚のない小さな声。法の番人は、自ら犯した罪を認め、謝罪した。審理は初公判のこの日結審した。判決公判は8月8日午前10時に開廷する

初公判を終えた下山被告は、午後1時前に甲府地裁から出ると、報道陣に囲まれ、もみくちゃにされた。うつむき加減で口を固く閉ざし、「自分が裁かれる立場になったことをどう思うか」などの報道陣の問いかけには一切答えず、弁護人が用意した車の後部座席に乗り込むと、乱暴にドアを閉めた

7月 25, 2008 at 09:01 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.24

カミカミマシーン

伊那毎日新聞より「カミカミマシーン 一般発売

喬木村の喬木第二小学校養護教諭の安富和子さん=中川村大草=が駒ケ根市の赤穂南小学校に勤務していた当時「児童の健康づくりのため、かむ回数をカウントする装置が欲しい」との思いから発案した〝カミカミマシーン〟が7月、商品名「かみかみセンサー」として全国に向けて一般発売された。

発売したのは学校などに保健や理科実験関係の機器などを卸している日陶科学(山田光彦社長、本社名古屋市)。
「かみかみセンサー」は、あごの動きを感知する器具を耳に掛けて装着。物を食べると、かんだ回数が魚の形の表示部にデジタル表示される。
安富教諭のアイデアをもとに駒ケ根工業高校(当時)の高田直人教諭の技術協力で3年前に完成して以来、赤穂南小で使用されてきた〝カミカミマシーン〟の基本的な仕組みを踏襲した上で各部を改良、発展させた。

昨年12月、販売代理店を通じて初めてカミカミマシーンを見た同社の企画開発担当者は「きっと役に立つものになると直感」し、商品化に向けた開発がスタートした。
同社によると、試作品は十数個に及び、さまざまな点で改良を重ねてきたという。
最も重視したのはかんだ回数の正確性。
あごの動きを間違いなく検知するためのセンサーの選定などに関連して数多くの試行錯誤を繰り返したほか、消費者に受け入れられやすいデザインにするよう気を配ったという。
赤穂南小の児童にモニターを依頼するなどして開発を進め、6月に最終試作品が完成した。
発売は今月11日。直後から問い合わせが相次ぎ、県内の学校や歯科医院などを中心に十数カ所から注文があったという。

安富教諭は「かむことの大切さを子どもたちに意識してもらおうと始めた小さな取り組みが今こうして商品になって感無量。今後、多くの学校で役に立ってくれればこんなうれしいことはない。高齢者のあごの強化やメタボリック症候群対策などにも利用できるかもしれない」と話している。

「かみかみセンサー」は小学校低学年用のSサイズと、高学年以上用のMサイズがあり、価格はいずれも1万1550円。
センサー部分の質量は約40グラムと軽量で、耳からあごまでの長さは7段階(3~4センチ)に調節可能。表示部内の単4乾電池3本で約30時間使用できる。30回かむと電子音が鳴り、千回かむとメロディが流れるなどの楽しい機能も搭載した。

問い合わせは日陶科学(TEL052・935・8976)へ。

リンク先の写真を見ると、どういう機会でどのような使い方をするのかが分かります。
こういうアイディアを商品化するのはよいですね。

価格はいずれも1万1550円
数が出れば、もうちょっと安くなるでしょう。ちょっと気楽に買える価格では無いのが残念ですね。

7月 24, 2008 at 11:40 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

教育関係者は責任について考え直せ

サンケイ新聞より「女児暴行の教諭を懲戒免職、問題放置の関係者処分へ 茨城県教委

茨城県行方市立北浦中教諭(38)が小学5年だった女児=当時(11)=に性的暴行を加えたとして強姦罪で起訴されたことを受け、県教委は23日、被告を懲戒免職とした。
被告は事実関係を認め、「被害者に大変申し訳なかった」と謝罪したという。

一方、市教委などが事件の概要を把握しながら長期間放置していた問題について、県教委は今月中にも関係者の処分を行う方針を示した。

県教委によると、被告は事情聴取に淡々と応じ、「罪を償い、謝罪したい。女児には普通の幸せを手にしてほしい」と述べたという。

被告は平成18年4月ごろから、女児の兄の担任として家庭訪問を実施。兄を車でコンビニなどに連れて行き、食事などを買い与えていたが、女児も一緒に連れ回すようになった。

同年9月以降、被告は女児と2人で行動することが多くなり、1週間に2回の頻度で連れ回すこともあった。被告は「家に1人で残すのがかわいそうだった」と理由を話しているという。

事件をめぐっては、市教委や同中、県の出先にあたる鹿行教育事務所などが、女児の訴えを1年以上放置していたことが判明。
県教委は報告体制の見直しを急ぐとともに、近く関係者の処分を行う。

起訴状などによると、被告は19年2月17日夜、女児をドライブに誘って神栖市内のホテルに連れ込み、みだらな行為をした。

「教育関係者は直視せよ」の一応の結論ですが、「県教委は今月中にも関係者の処分を行う方針を示した。」なんて話なのでしょうか?どう見ても「意図的に扱わず」「容疑者が強く否定したため、(学校側も)信用してしまった」ということでしょう。

じゃあ、いったいどうすればこのような教員が事件を起こすのを抑止できるのか?

今回は、一年以上放置したあげく、警察が逮捕したから教育委員会が動いた。なんですよね。

「教育関係者は直視せよ」

で紹介した記事によれば、

一方、同校は産経新聞の取材に対し、「小学校を含め、女児周辺に接触して聞き取りを行ったことは一切ない」と全面的に否定。

市教委も「『性的暴行』に繋がる具体的情報は把握していなかった。

『女児を車に乗せて一緒にいた』という情報をもとに事情聴取したが、容疑者が強く否定したため、(学校側も)信用してしまったようだ」などと説明している

これでは、教育委員会や小中学校は積極的に隠蔽の意図を持って調査を打ち切った、と評価されてもしかたあるまい。
モノサシが狂っているよ。
学校で「学校は信用できないけど、警察は信用できる」と教えるとでも言うのだろうか?

7月 24, 2008 at 09:15 午前 教育問題各種 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.23

F22の生産を継続?

NHKニュースより「F22戦闘機の継続を主張

アメリカ空軍の新しい参謀長に指名されたシュワルツ大将は、2011年に生産が終了する予定の最新鋭戦闘機F22について、生産を継続するよう求める考えを示し、自衛隊の次期戦闘機の選定にも影響を与える可能性が指摘されています。

アメリカの最新鋭戦闘機F22をめぐっては、製造コストがかかりすぎるなどの理由で、当初の計画より調達機数が大幅に減らされ、2011年末には生産が終了する予定になっています。
これについて、空軍の新しい参謀長に指名されたシュワルツ大将は22日、議会上院軍事委員会の公聴会で証言し

「F22は、アメリカ軍にとってかけがえのない存在だ。今の183機という生産機数の上限は低すぎる。少なくとも当面は生産を継続すべきだ」と述べ、生産終了予定を見直すよう求める考えを示しました。
F22については、日本政府も、自衛隊の次期戦闘機の有力候補とみていますが、アメリカ議会が軍事機密の保護を理由に現時点では輸出を禁止していることや、現状のままだと2011年に生産が終了する予定であることなどが障害とされています。
このため、アメリカ空軍のトップがF22の生産継続を求めたことは、将来の日本輸出にわずかながらも可能性を残すものといえ、次期戦闘機の選定にも影響を与える可能性が指摘されています。

自衛隊の機種決定に影響するでしょうが、それは主に「混乱する」事と同義語でしょう。

制服組は基本的にハードウェアを欲しがるのは常で、有名な例ではB1A爆撃機をカーター大統領が止めたのをレーガン大統領がB1Bにして(別モノにして)復活させた例があります。

F22の運動性能は大石英司氏が撮影したビデオで見ると「こりゃすごい」とは思います。

見所としては、2分過ぎの爆弾倉オープン。何しろあそこは、いろんなメーカーがこっそりとパッシブ・センサーを持ち込んで新鋭機の情報を探っている所ですから、そんな環境下であんなことをするなんてよほど性能に自信があるということでしょう。

もう一箇所は、5分過ぎかな、垂直状態での長いホバリング。エレベータが小刻みに動いている様子が分かります。ロシア機ではこんなの無理。

全体としては、演技に慣れきっている感じでした。たぶんアメリカで見せているデモとほぼ同じメニューだと思います。

確かにあれを見せつけられると、空自さんのみならず欲しくなりますよ。これはメルマガのおまけで書いたのですが、直前に飛んだのがタイフーンだったんですよ。そもそもが正面からのRCSが段違い。タイフーンの厚さが餅くらいあるとすると、ラプターのそれは煎餅か餃子皮ですよ。それほどに薄く見える。

これであの性能となると、空自さんが欲しがるわけですよ。二世代分くらい、他国の新鋭機を引き離しているんだもの。

確かにこの通りで、普通にカメラで撮ってもシルエットがよく分からなくなるくらいなのだから、レーダーでは見えませんよ。

ステルスの理屈は今では良く理解されていますが、それを実現するとこんな形になる、というのは理屈とは別物ですね。
やはり、SR71あたりからやっている、アメリカのステルス技術のこなれた面が見えたと思いました。

1機が200億円以上とも言われて、いくら何でも価格的に無理だろう。とも思うところです。

何となくですが、簡易版(?)のF22改が登場しても不思議はないように思います。

現在のF22は「何をやらせてもチャンピオン」といったところを狙っていて推力ノズルを動かしてトンでもない飛行が出来ますが、このような機能がステルス性能よりも優先するのか?と個人的には疑問があります。

万能型ではない、F22というのがあっても良いかと思います。
その時には、日本は一番先に手を出すでしょう。

7月 23, 2008 at 01:16 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

湘南モノレール暴走事故の原因?

神奈川新聞より「制御装置誤作動の可能性も/湘南モノレール

湘南モノレールが西鎌倉駅でオーバーランした事故で、事故車両の制御装置が誤作動していた可能性があることが二十二日、分かった。
事故後の調査で、非常ブレーキが作動した状態では電源が切れ停止するはずの駆動用モーターが動こうとする現象が確認された
同社や国交省の航空・鉄道事故調査委員会は誤作動の原因を調べている。

同日、同社が調査状況について中間発表した。事故当時、仮にこの誤作動が発生していた場合、運転士は非常ブレーキをかけていたものの、同時に車両のモーターが動き加速しようとしていたことになるという。
同社は誤作動について「設計上、あってはならないこと。想定外だ」と話している。

また、運転士が「ブレーキが動かなかった」と話していた点について同社は「時速七十キロで走行していた車両が時速二十キロほどまで減速しており、(車両のブレーキディスクは破損していたが)ブレーキは正常に作動していたのではないか」と説明している。

事故車両は運転席のハンドルを前に倒すとブレーキがかかり、後ろに引くと加速する。ハンドルを動かすと車両制御装置に信号が送られる構造で、同社は何らかの原因で誤った信号が出ているとみている。

今年五月十九日、走行試験の準備のため、修理が完了した事故車両を車庫線で走らせようとしたところ、この現象が生じた。誤作動は三十回に一回程度の割合で発生するといい、これまでに数十回確認されたという。

この誤作動は事故車両と同型の別車両では確認されていない。七月に入り実施した事故車両の走行試験では誤作動は発生しなかった。

「湘南モノレール・ブレーキディスクが割れていた」の続報です。

この事故は、2008年2月24日に起きました。
西鎌倉駅に停車するべきところを、約40メートルオーバーランして、対向車両の19メートル手前で止まった。というものです。

そして、点検したらブレーキディスクが24枚割れていました。

今回の記事のように、ブレーキを掛けても動力が切れないのであれば、ブレーキの負荷は限界を超えるでしょうから、ディスクが割れるといった事も起こりうるでしょう。

30回に一度発生するのであれば、湘南モノレールでは一往復でも何度も発生することになります。 しかし、5月には発生した現象が7月には発生しないのでは、原因の究明は簡単ではありませんね。 もっとも、技術的には動作確認信号を採っていないから矛盾した命令をシステムのエラーとしてチェックできないのだろう、と判断します。

エレベータの暴走死亡事故などでも、最近の制御系の設計では、信号が行きっぱなしになっているような気がしてなりません。 なんか根本的に人命に関わる機器の制御設計が出来なくなっているのではないでしょうか?

7月 23, 2008 at 09:13 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

またも潜水艦?当て逃げ?

毎日新聞より「千葉沖漁船転覆:乗組員「船底に衝撃」 潜水調査を検討

千葉県犬吠(いぬぼう)埼沖で6月、福島県いわき市の巻き網漁船「第58寿和(すわ)丸」(全長38メートル、135トン)が転覆し死者4人、行方不明者13人を出した事故で、原因究明をしている横浜地方海難審判理事所が、救助された乗組員から「右舷船底に強い衝撃を受けた」との証言を得たことが分かった。
理事所は衝撃による損傷の有無を調べるため、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)に対して、深海潜水調査船の派遣依頼を検討し始めた。

船体は深さ数千メートルの海底に沈んだとみられる。事故原因はこれまで、複数の波やうねりが干渉して突発的に波が高くなる「三角波」の可能性が指摘されていた。

だが理事所の調査で、僚船を含め三角波を見た者はなく、救助された乗組員は「体験したことのない衝撃を機関室の右舷船底部から受け、急激に右舷側に傾き沈んだ」と証言。機関室下の燃料タンクから漏れたとみられるA重油が海面に大量に浮いていたことが分かった。理事所関係者は衝撃でタンクが破損したとみている。

また、証言から▽高波なら波の進行方向に船は傾くが、寿和丸は波を受けた右舷側に大きく傾き、左舷側へは傾いていない▽船内には空気があるため転覆しても最低数時間は浮いているのに、寿和丸は数十秒で転覆、約15分で沈没した--など通常の転覆事故とは異なる状況も判明。
事故当時、僚船のレーダーや目視では、周辺海上に他船はいなかった。

事故は6月23日午後1時半ごろ、犬吠埼の東約350キロの太平洋上で発生。当時は波高2メートルと操業可能な程度のしけで、寿和丸は船を安定させるためパラアンカー(パラシュート状いかり)を海中に広げ、エンジンを止めて停泊していた。証言では、パラアンカーの不具合や巻き網の荷崩れもなかったという。

海難審判理事所は海難事故の再発防止のため原因究明をする機関。【鈴木一生】

この記事は大石英司の代替空港で紹介されている「潜水艦の当て逃げ説」が現実に起きたのではないのか?と強く疑わせるものです。

大石英司の代替空港より「A380大化け?

それでスカパーパックインでの元帥の潜水艦の当て逃げ説。土曜日も結構長い時間を割いて元帥が喋ってらっしゃました。何でも、米海軍の潜水艦が、最近はもっぱら横須賀を避けて佐世保に入っているのに、この事件の直後だけ、横須賀に「修理名目」で一隻入港して出港している。先週頭に出港したらしく、ヘリで追い掛けたけれど、キャッチできなかったという話です。

元帥がいろんな疑問点としてあげているのは、波浪2メートルというのは、太平洋では別に珍しい波ではない。その程度であんな大型漁船がひっくり返るはずがない(確かにその後の空撮映像では凪ぎに近い海だったことは事実)。そもそも「三角波」という話が出てきた経緯がはっきりしない。漁船仲間は第一報を聞いた時に、まず他船からの当て逃げを疑っている。

三角波が立つような時化模様だったはずなのに、生還した乗組員は、後ろに引っ張っていた10メートルも無いボートまで自力で辿り着き、その後そのボートで捜索活動を行っている。果たして本当に波はあったのか?

あと、漂流物のほとんどは潮流に乗って発見されているのに、船体自体は潮流の逆方向に流れて沈底しているのはなぜか?(沈む時の角度によってはそんなものだと思うけどなぁ。深度的にも2千メートル前後のずれは可能性範囲内だと思う)

それで、着底深度は5千メートルですか。無人ロボットを沈めて調査する価値はあるでしょう。ただ、米海軍の潜水艦云々となると、これは修理を請け負ったのは結局は日本の業者ですよね。いずれは情報は漏れる。可能性としては潜水艦の衝突はあり得るけれど、果たして当て逃げまであったのかなぁ……、という印象です。  一方で、元帥がこういう話しをなさるということは、海幕周辺でそういう疑いが持たれているということなんですよね。あの時間帯、確か米海軍の潜水艦が付近にいたよなぁ……、みたいな話はあるんでしょう。

元帥とは田岡俊次氏です。 ウィキペディアの記事によると

7/12放送のパックインジャーナルでは、2008年6月23日に千葉県銚子市沖での第58寿和丸転覆について海上自衛隊潜水艦との接触が原因とする発言を行い、AERAにて同様の記事が掲載された

一番怪しいのは、転覆後にすぐに沈没しているところで漁船では船体が割れないとかなり長い間漂流しているのが普通ですね。
もう一つは、ボートが異常なく活動しているところです。
わたしもテレビニュースで出てきたボートを見て「こんな小さい船が太平洋で活動しているのだ」と驚きました。

両方を重ね合わせると「天災説」は成立しないように思えるわけで、それが潜水艦当て逃げ説にはさすがに向かなかったのですが、原因が分からないのだから潜水調査も必要とは言えます。

7月 23, 2008 at 08:40 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.21

大分県の教員採用試験・その2

毎日新聞より「大分教員採用汚職:審議監、執拗に水増し指示

大分県の小学校教員採用汚職事件で、県教委の教育審議監(60)が、08年度の試験で最下位グループにいた受験者4人を合格させるよう、採点の集計担当だった元県教委参事(52)=収賄容疑で再逮捕=に執拗(しつよう)に指示していたことが分かった。元参事はうち2人を、100点以上水増しして合格させていた。県警は審議監が教員の不正採用にも深くかかわっていたなどとみて、20日までに任意で事情聴取した。

審議監は、部下の元県教委義務教育課参事(52)が大分県佐伯市の離島の校長から抜てきされた際、佐伯市の離島の校長から20万円分の商品券を受け取った収賄容疑が浮上している。県警は4人を合格させようとした経緯についても詳しく聴いたとみられる。

これまでの調べでは、審議監は08年度の試験で、元参事に対し、約20人を合格させるよう指示。うち5人は合格圏にいたが、残る約15人は不合格ゾーンにおり、審議監が合格させるよう強く求めた4人は最下位グループだった。

元参事は、点数の改ざんを繰り返す“合否調整役”をしていたが、本来合格すべき受験者が不合格となるケースをあまり増やしたくないと考えていた。このため「試験の順位が250番以下の受験生は不正合格させない」という“独自ルール”を作っており、4人について「試験の成績が悪すぎるので、合格させるのはどうか」と審議監に進言したという。

しかし、審議監は「何とかならないか」などと語り、不合格にすることを認めなかった。元参事との折衝で、最終的に1次と2次で1000点満点の試験で計100点以上水増しして2人を合格させ、残る2人は不合格にした。この合否調整のために、ボーダーライン上にいた受験生2人が不合格になったという。

08年度の小学校教員試験は472人が受験し、1次合格者は117人だった。2次で、元小学校長(52)=贈賄罪で起訴、懲戒免職=の長男、長女を含む41人が合格し、採用された。倍率は11.5倍だった。不正合格したとみられる2人は長男、長女とは別人という。

県警は17日、前任審議監(61)の07年度試験を巡る収賄容疑の関連先として、審議監の自宅を家宅捜索している。

問題の試験の性質がどういうものなのか分かっていませんので、試験の結果に合否があることは分かっても、それが即座に採用・不採用になるのか分かりません。

しかし、ペーパーテストで不合格になった受験者が面接などで合格になってしまっては、ペーパーテストを実施する意味がないわけですから「117人合格の試験で、250番以下」というのは100人以上抜きですよね。

競争率11.5倍で合格者が117人ですから、1345人が受験したのですから一人しか合格しないのであれば「1345倍の競争率に勝ち抜いた」となりますが、二人合格ならその半分の567倍でしょう。
こんな計算をしますと、117番目の合格者は本来9.7倍の競争率を勝ち抜いた人でした。
そこに250番目では、4.5倍だとなります。

これはいくら何でもひどすぎるでしょう。
だから、直接の担当者であった元県教委参事は「250番以下は対象としない」としていたわけですが、これよりもさらに低い成績の受験生四人を合格させた、ということですね。

仮に、300番なら3.7倍、350番なら3.2倍、400番だと2.8倍となります。
どこが、競争率11.5倍なのでしょうか?

これではすでに買官というべきでしょう。

問題の試験は一次試験ですから、二次試験が当然あると思うのですがそこで一次試験の成績は検討されなかったのでしょうか?
ここまで派手に試験成績を改竄すれば、二次試験の時に「ヘンじゃないのか?」と疑問が出てきそうに思うのですが、それを無視して成績を改竄することに意味があるとは、どういう仕組みになっていたのでしょうか?

7月 21, 2008 at 09:15 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)