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2008.06.21

神栖市市議会選挙・ようやく決着

2008年3月5日に「神栖市議会選挙結果の修正」と書いたエントリーしたものの誤操作で削除してしまいました。

サンケイ新聞より「最下位当選者の当選「無効」 神栖市議選

2月10日の茨城県神栖市議選(定数26)で、5票差で次点となった後藤潤一郎氏(36)=無所属=が有効票を無効にされたとして異議を申し立てた問題で、市選挙管理委員会(伊藤實委員長)は4日、無効票15票を後藤氏の有効票と認め、最下位当選した関口正司氏(64)=共産=の当選を無効とする決定を行った。ただ、関口氏は県選管への異議申し立てを検討しており、市議会の議席が事実上、確定しないという異例の事態が長期化する可能性もある。

市選管は同日、決定を告示。告示から21日以内に県選管に異議申し立てがなければ、ただちに選挙会を開き、後藤氏を当選人と確定する。それまでは関口氏が市議会議員としての身分を有する。

ただ、関口氏は「弁護士と相談して県選管への申し立ても含め検討したい」と話しており、混乱も予想される。

今回の問題は後藤氏の名前が、同じく市議選に立候補していた泉純一郎氏(61)=無所属=と似ていたことから起こった。「後藤純一郎」との投票が多数あったため、後藤氏は「有権者が名前を混同して記入する『混記投票』で有効票が無効になった」と主張。市選管は2月26日、投票総数から持ち帰り票を除いた計4万9674票を再点検。「後藤純一郎」と記された投票が30票あり、うち15票が有効、残り15票が無効とされたことがわかった。

市選管によると、開票作業で機械が読み取れなかった票は審査係が目視し、混記投票で無効と判断したという。市選管は判断ミスを認め、「大変申し訳ない」と陳謝している。

当選を決めた後藤氏は「選管の重大なミスに大変驚いている。市の信頼回復のためにも原因を追究したい」と話している。

【視点】

投開票から約半月。神栖市選管のミスは、一度決まった当落を覆すという重大な結果をもたらした。

開票作業では、投票用紙を機械にかけ、機械が誰への投票か読み取れなかった票は審査係が目視で有効票とするか否かを審査するが、ここで有効票とすべき票を無効票とするミスが起こった。

市選管は「選挙前の説明会では1文字でも間違っていれば疑問票に回すよう指示していた。それが末端の職員にまで行き届いていなかった」と説明する。

総務省によると、得票が有効か無効かを争ったり、当選者が入れ替わったりするケースは年に数回起こるという。

平成18年9月の沖縄県名護市議選では、1票差で当落を分けた2人が「票の数え間違いがある」と主張。訴訟を経て当選者の1票が無効で2人の得票が同数となったため、公職選挙法に基づき、くじ引きで当選者を決めている。

わずな開票の狂いは候補者の明暗を分けるばかりか、有権者の暮らしにも影響がおよぶ。

同市議会では10日から定例市議会を開き、平成20年度予算案を審議する。だが開会当初、議場にいるのは市選管が「落選」の判断を下した議員ということになる。

その意味では、今回の事態は、民主主義の根幹を揺るがす痛恨事といえるだろう。

(豊田真由美)

わたしは、開票立会人は何度も経験しているので、開票実務なども理解しているつもりですから、このような凝らんが起きたというだけで、反射的に前回はエントリーしました。
その後、「神栖市議会選挙結果の修正」には現場からのコメントを複数いただき、色々と大変な事情があったのだろうと分かってきました。

現在の神栖市は平成17年(2005年)8月1日に神栖町と波崎町が合併して誕生しました。
2008年の神栖市議会議員選挙は、初めての正式な選挙で2008年8月1日から、2008年2月10日までの923日間は両町を町議会議員が市議会議員となっていたのでしょう。このため、定数26に対して38人が出馬した選挙となりました。

神栖市議会議員一般選挙(平成20年2月10日 執行)

得票順当・落候補者氏名党派名新現前元の別得票数
1いとう 大無所属3017.584
2神﨑 清無所属2360
3木内 としゆき無所属2126
4えんどう 貴之無所属1838
5佐藤 せつこ公明党1710.556
6やなぎほり 弘公明党1684.326
7野口 ふみたか無所属1665.689
8長谷川 はるよし公明党1634.612
9三好 ただし無所属1589
10いいだ こうぞう無所属1538.609
11古徳 ひとし無所属1524.000
12山本 まもる無所属1512.725
13長谷川 たかし無所属1493.387
14梅原 章無所属1472
15宮川 一郎無所属1448
16山中 正一無所属1386
17中村 勇司無所属1373
18いがらし 清美無所属1311
19泉 純一郎無所属1292
20藤田 あきやす無所属1263
21山本 源一郎無所属1262.274
22安藤 まさよし無所属1218
23小山 茂雄無所属1122
24野口 かずひろ無所属1043.310
25大槻 邦夫無所属995
26関口 まさじ日本共産党990
27後藤 潤一郎無所属985
28鈴木 康弘無所属982
29塚本 しげる無所属951
30佐藤 一乙無所属888.443
31高橋 克己無所属860
32田中 三郎無所属832
33高安 たけお無所属785
34ぬかが 成一無所属763
35いいだ 誠一無所属714.390
36いばと 幸次郎無所属656
37田村 ひろし無所属458.088
38和田 たかお無所属440

現職が33人立候補していて、当選者がすべて現職であっても、現職から落選者が出るという選挙でした。

つぎに得票数を見ると、小数点以下の得票が非常に多いのですが、基本的にこれは按分比例した結果です。
佐藤、山本、野口、長谷川姓の方はそれぞれ2名ずつ立候補していますから、投票用紙にこの4つの姓だけを記入した場合には、どちらに候補(この場合は姓が同じなのは2名です)の得票にするのかは、按分比例によりますす。

これが姓だけを取り上げた分けた説明ですが、さらに「名」が同じもの,漢字表記をカナで投票したもの、など色々なパターンでどの候補者の有効票になるのか、すぐには分からない票がどうしても出てきます。

その処理について、時点となった後藤 潤一郎候補が異議を申し立てたのが始まりです。

再点検の結果、後藤候補が最下位当選の関口氏の得票数を上回るとして、関口氏の当選は無効となった、というのが新聞の報道ですが、ここまでに半月かかっているのですから「何がどうなっているのか?」となります。

そもそも、なぜ

「後藤純一郎」と記された投票が30票あり、うち15票が有効、残り15票が無効とされた

というすごいことが起きたのか?が大問題です。
なぜなら、他の候補については按分比例も含めてきちんと処理されています。これについて神栖市選管は結果を説明する発表をしています。

神栖市選挙管理委員会発表「市議会議員一般選挙における投票の効力に関する調査報告

この選挙の候補者で次点となった後藤潤一郎氏から,無効として取り扱われた投票の中に自身の有効投票があり,その票を加えると,最下位当選者の得票数を上回るとの申し出を受けました。

市選挙管理委員会では,申し出の内容を審査し,必要と認めたので,全投票の再点検を行い,投票の効力について判断した結果,
後藤氏の得票数が999票,
関口氏の得票数が991票となり,
後藤氏の得票数が上回るため,関口氏の当選を無効とすることを,3月4日,市選挙管理委員会として決定し,その旨の決定書を後藤氏に交付しました。

調査報告は「神栖市議会議員一般選挙(平成20年2月10日執行)における投票の効力に関する調査報告書」(PDF)が2008年4月11日付けで発表されています。

事務局は、「後藤純一郎」と記載された票を後藤潤一郎候補者(以下「後藤候補」という。)と泉純一郎候補者との混記投票により無効と判断したため、選挙長が無効と決定した。

この結果を受け、後藤潤一郎氏から2月12日付けで異議申し出が提出され、2月19日に選管において受理した。
その結果、開披再点検を2月26日に実施することを決定した。開披再点検により、「後藤純一郎」と記載された票に有効、無効の判断ミスが生じていたのを確認した。

本件は、後述の通り、選管事務局がいくつかのミスを積み重ね、引き起こしたものであり、市民全体の選挙事務に対する信用を揺るがした重大な問題である。

と始まっています。私が当初理解できなかった事の一つに「純一郎」とカナ記載があったような場合にはどう処理したのだろうか?でした。
それ以上に不思議なのが、後藤候補にだけ判断ミスが発生したのか?です。つまり、後藤潤一郎後藤純一郎泉純一郎候補の名と混在しているのであれば、同じ問題が泉候補にも起きたのではないのか?それはなぜ無効判定されなかったのか?です。

この謎が、報告書の後段に出ています。

PDFの図にありますが、開票した票は最初に機械で読み取らせています。手書きOCRですね。
この段階で、どうも姓に該当する部分だけを「ア行」「カ~サ行」「タ・ナ行」「ハ~」「読み取り不能」に分類してしまうようです。

その後、判断が付かない票を疑問票にして審査係に回すといった作業をするわけですが、ここで同じ記載なのに、有効と無効の判定に分かれてしまった。
本来は間違えない記載以外は一旦審査係に回すべきところを、回さないで有効・無効を判断したらしい。

その後、点検を経て最終的に選挙長が後藤候補の票のある程度の数を無効にしたのだが、どういうわけか事前に同一の読みの名を持つ後藤候補と泉候補についての判断基準を決めていなかったらしい。

結局、この「事前に判断基準の周知徹底をしていなかった」ことが、長時間の再点検に至った最大の原因なのでしょう。
しかし、この報告書の日付は、選挙から2ヶ月経った4月11日付けなのですから、時間の掛かりすぎです。

他の候補では同じような問題が発生しなかった理由が、最初に機械読み取りで分類したからなのではないかと思います。
簡単に言えば、機械が名字だけで分類したものを人の手で、再度分類することになるのでしょうが、機械で分類済みだから同じ票が特定の人に集中するでしょう。

報告書によると、非常に少人数で作業しているようなので、機械が分類した票をさらに分類するのは一人の担当者なのかもしれない。
その一人が判断ミスをし、他の候補の票を分類している人がミスをしないと、一人の候補の開票結果だけが判断をミスしていた、となるのかもしれません。

もし、私の想像の通りだとすると、最初に機械で分類するのが良いのかどうか?となりますね。

6月 21, 2008 at 11:34 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

無戸籍者の再生産にようやく対策

「続・300日と30年、法務省のバカ者」で強く非難した、無戸籍者の再生産問題にようやく対策が出ました。

やれば出来ることを放置していた、ということですね。

朝日新聞より「無戸籍母の子に新たな戸籍作成 法務省方針

母親の夫による暴力が原因で出生届が出されず、無戸籍となった大阪府内の女性(24)が出産後、無戸籍のまま育てている子ども2人について、法務省は、新たな戸籍をつくる方針を固めた。

母親の結婚相手の戸籍に入る形を認めたケースはあるが、子ども自らが筆頭者となって新たな戸籍がつくられるのは初めて

大阪法務局と関係自治体が20日、女性本人に説明した。週明けにも具体的な手続きに入り、女性の長女(2)と長男(1)の戸籍ができる見通し。
女性は子どもに戸籍ができたと同時に、子どもの実父との婚姻届を出す予定で、最終的に子どもは実父の戸籍に入る。これで「無戸籍2世」の連鎖は止められ、同じ境遇にある子どもたちへの救済策となる可能性がある。

法務省は今回、子どもの出生届がすでに大阪府内の自治体に提出されていることから、子どもの祖母にあたる女性の母親の日本国籍などをもとに、子どもが日本国籍であることを確認できると判断した。
法務省関係者は「法律の範囲内でできることを検討した結果」としている。

女性は「話を聞いて本当にうれしかった。選挙権がなく、運転免許証も取れない苦労を子どもにはさせずにすみます」と喜びを語った。無戸籍児を支援するNPO法人「親子法改正研究会」(大阪市)の井戸正枝代表理事は「多くの無戸籍2世を救える方法が示された。無戸籍の母親がシングルマザーであっても、子どもが自立して社会生活を送れる」と評価する。

無戸籍2世をめぐっては、5月末に兵庫県の女性(27)が出産した男児が、女性と結婚した実父の戸籍に入ることを法務省がすでに認めている。このケースでは、男児の出生届が提出される前だったため、結婚相手の戸籍に直接入る形が取られていた。

ただ、このままでは大阪、兵庫の女性とも自らの戸籍がない状態。このため2人は7月初め、自身の実父との親子関係を確認する調停を地元の家裁へ申し立てる。この手続きを経て戸籍ができれば、自らの結婚相手の戸籍に入り直す考えだ。(板橋洋佳)

「戸籍」でブログ内を検索してみると、

2007.01.05戸籍の無い高校生?
2008.05.20300日と30年、法務省のバカ者
2008.05.20続・300日と30年、法務省のバカ者

と2件の記事を扱っています。戸籍の無い高校生?というのは、修学旅行が海外旅行で必要な旅券の申請が受け付けられなかった、という問題です。
選挙権もなく、運転免許も取れないといった社会活動上の不便を強いる事になっていたわけで、さらに今回は次世代の誕生で「無戸籍者の再生産」に向かってしまった。
しかし、当初の法務省の見解は

法務省民事局は
「無戸籍となった人が出産する例は今まで聞いたことがない。
どうすべきか今後検討したい」と話している。

こんな話は「聞かないでも分かるだろう」というか、高校生のパスポートの取得事件が大々的に報道された時点で、聞いているだろう。
単なる無責任としか言いようがない。
比較的早めに決着に向けた動きになったのは、鳩山法務大臣の指示があったからなのだろうが、法務省が起こり得る問題についてのコメントとして「聞いたことが無い」ではどこの世界でも通用しない。

しばしば「法律違反です。そんな法律は聞いたことが無い」とかやるわけです、代表は道路の速度標識を見なかったといってごねる場合に見られますね。

こういうのは「法の不知は救済されず」と言われていて「(法律を)知らないことは考慮しない」という意味です。

これは逆に言えば、法律は将来起きるであろうすべての問題に疑問無く対応できて当然だ、という考え方になります。
もちろん現実には、法律の成立は事件が問題になってから、法律を作るわけですが、その多くは判断に迷うような状況をはっきりさせる場合がほとんどです。

そういった観点から見て、法務省の今までの対応は「いったいどうするつもりだったのだ?」と改めて聞きたいですね。
どう考えても、無戸籍の二世問題=無戸籍の再生産が「起こってみるまで考えられない」というのはあり得ないことだと思う。

6月 21, 2008 at 09:15 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

韓国・牛肉輸入反対運動の正体

韓国朝鮮日報より「>【記者手帳】「朝中東文」の取材を拒否する対策会議

市民団体の「狂牛病牛肉全面輸入に反対する国民対策会議」は19日午後、記者会見を開き、李明博(イ・ミョンバク)大統領が同日開いた特別記者会見に対する立場を表明した。

記者会見場は対策会議が事務所を構えるソウル市鍾路区通仁洞の市民団体「参与連帯」の地下講堂。しかし、記者は会見場に入ることができなかった。時間通りに会見場に向かったが、対策会議の関係者二人がドアの前に立ち、記者に所属社名を尋ね、「朝中東文(朝鮮日報、中央日報、東亜日報、文化日報)の取材は受けられない」と入室を拒否した。

当初、取材拒否の対象に含まれていなかった国民日報の記者も会見場には入れなかった。当日の同紙に掲載された「狂牛病国民対策会議は看板を下ろせ」という社説が問題になった。対策会議側は国民日報記者の抗議に対し、「(社説を書いた)論説委員をクビにするならば入れてやる」と話したという。

記者を阻んだ関係者に「李明博大統領には国民との意思疎通を訴えておきながら、あなたがた自身はなぜ多数の新聞読者と意思疎通しようとしないのか」と尋ねた。彼は「対策会議が朝中東文と意思疎通する必要などあるか」と声高に反論した。さらに、「朝鮮日報は歪曲(わいきょく)報道をしているので、編集局長がやってきて謝罪するまでは会見場には入れない」との一点張りだった。

会見終了後に聞いたところでは、対策会議側は会見場内にいた記者20人余りの記者証をそれぞれ確認し、意向に沿わないマスコミの記者には退室を要求したという。自身の主張に合わないからといって特定マスコミの取材を拒否するのは、独善的だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権がよく見せていた姿だ。対策会議側は現政権に対し、「時代に合わせて変わらなければならない」と盛んに注文を付けているが、自分たちが一つも変わらずにいることを知らずにいた。

キム・ジンミョン記者

韓国のアメリカ産牛肉輸入反対運動は、「韓国の大規模政治集会」で紹介した大規模な政治集会になり、続けて燃料高騰に反対するトラック業者のストライキでコンテナー埠頭が機能しなくなる、といったほとんどゼネストか?という状況になっています。

さすがにこんな事は続かないし、そもそも米国産の牛肉に反対する運動が数十万人のデモになること自体が想像できないのですが、これには韓国MBC放送の「PD手帳」が4月に放送した「米国産牛肉は狂牛病から安全なのか」がきっかけになったとされています。

それにしても、数十万人の大規模政治集会が自然発生的に行えるわけが無く、かなり強力な組織が指導したのは明らかでした。

そのような組織の一つが「狂牛病牛肉全面輸入に反対する国民対策会議」なのでしょう。

韓国では、朝鮮日報・中央日報・東亜日報といった大手新聞には反発する人が少なくないようで、「朝鮮日報だから信用しないのが当然」といった声もあるくらいです。日本の新聞社に日本人が反発するよりも強く反発するようです。

そういった背景があるにしても、大手新聞社を全部排除するというのでは、評判が悪くなるだけだろうと考えますが、どうも韓国の規準は違うようです。
隣国の行動原理もなかなか理解できないものなのですね。

もちろん、現実には李明博(イ・ミョンバク)政権の支持率の劇的な下降があり、これが目的だろうと考えると「各方面での反政府運動」とも理解できます。
現政権に反対するのは、盧武鉉政権の支持者でしょう。さらにその背景には北朝鮮問題があると言って間違えないでしょう。

さすがに今回の大規模政治運動となった牛肉輸入問題が北朝鮮の政治工作とは思いませんが、米国産の牛肉輸入反対 → 反政府運動 → 前政権支持 → 左右対立、進んだ(仕組んだ)のだとすると、やはり大変だな、となりますね。

6月 21, 2008 at 12:00 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.06.19

続・小学校の天窓から6年生が転落死

「小学校の天窓から6年生が転落死」は午後5時頃の速報段階で書きました、このため夜のニュースで明らかになった事実とはだいぶ違っています。

その後、サンケイ新聞には「ほかの天窓にも複数の足跡 杉並の小6男児転落死」が出ました。

東京都杉並区の杉並第十小学校で6年生(12)が屋上の天窓から転落死した事故で、ほかの天窓からも児童の古い足跡が見つかっていたことが19日、警視庁杉並署の調べで分かった。

「人が乗ることは想定していなかった」。学校側はこう釈明するが、過去にも児童が天窓に乗って遊ぶなどしていた可能性が高く、杉並署では学校側の安全管理に問題がなかったか業務上過失致死容疑で捜査している。

■平成2年以降17人死亡

転落した男子児童は1時間目の算数で歩幅を測る授業終了後の18日午前9時25分ごろ、教室に戻る途中で屋上の天窓に乗ったところ、ドーム形のプラスチック(直径130センチ、厚さ4ミリ)が割れ、さらに金網入りガラス(厚さ7ミリ)を突き破り、12メートル下の1階に転落。頭を強く打っており、搬送先の病院で約4時間後に死亡した。

学校やマンション、公共施設などで起きた天窓からの転落事故は、平成2年以降少なくとも25件発生。世田谷区大蔵の区立総合体育館で平成17年7月、私立高2年の男子生徒(16)が屋上で遊んでいるうちに天窓を突き破って転落して死亡するなど、成人も含めて計17人が死亡している。

太陽光を効率よく採り入れる天窓は電気代を節約できる上、デザイン性にも優れているため、昭和50年代ごろから学校で設置されるようになり、マンションやホテルにも広まった。成人は屋根の補修作業など仕事中の事故が多い一方、児童・生徒らは無断侵入して遊んだり、飛び乗ったりして転落するケースが目立つ。

■人乗ること想定せず

杉並第十小では、昭和61年の校舎建設で天窓を設置し、建築基準法に基づいて3年ごとに検査。直近の平成18年10月の検査では、ひび割れや傷がないかなどを目視で確認し、異常は見つかっていなかった。

天窓を設置したプラスチック製造業者によると、こうした天窓は積雪や火災に耐えられる設計となっているが、人が乗ることは想定しておらず、天窓にも注意書きがしてあるという。

担当者は「静かに立つぐらいは大丈夫だろうが、飛んだり跳ねたりして一点に大きな力が加わると壊れることもある。過去にも転落事故が起きており、立ち入りできないように柵をつけるなど何らかの対策を講じるべきだ」と話す。

一方、国土交通省は「この学校の屋上は人の出入りを前提にしておらず、天窓自体に問題があったとは考えにくい。逆に屋上に立ち入る際は十分な注意が必要だった」としている。

■安全管理に問題か

杉並署では屋上のほかの天窓でも複数の児童の古い足跡が見つかったため、学校の安全管理に問題がなかったか詳しく調べている。

同校の校長らによると、屋上は通常、カギがかけられているが、授業などで利用することがあった。教諭が付き添えば校長や副校長の許可は不要で、今回引率していた女性教諭(49)も校長に事前に報告していなかった。

女性教諭は「天窓に乗らないよう注意はしていなかった」と説明。屋上を走っていた別の児童を注意している間に男子児童が転落したという。転落した男子児童が天窓の上で飛び跳ねていたという同級生の目撃情報もある。

過去のケースでは、神奈川県横須賀市の小学校で13年9月、6年生の女児が校舎屋上の天窓から転落し重体になり、現場にいた女性教諭と校長が業務上過失傷害容疑で書類送検された。

杉並区の教育長は「安全安心でなくてはならない学校でこのような事故を起こし、申し訳ない。事故原因を徹底的に調査したい」としている。

【全国の主な天窓転落事故】

発生年月転落場所転落者けが
08年12月名古屋市守山区のマンション屋上小5男児死亡
10年07月沖縄県北中城村の島袋児童館1階小2男児死亡
10年10月長野県浪合村の浪合小中校1階小5女児重傷
11年05月横浜市港北区の慶応高体育館屋上高2男子2人死亡・重傷
13年07月茨城県那珂町の菅谷小プール更衣室中3男女2人軽傷
13年11月神奈川県横須賀市の大楠小屋上小6女児重体
17年07月世田谷区総合運動場体育館屋上高2男子死亡

※市町村名や名称は当時

この事件の学校と教育委員会の記者会見を見ても何を考えているのか、よく分からないのです。

「小学校の天窓から6年生が転落死」でも指摘していますが、事実関係はそれほど複雑ではありません。

  1. 通常は屋上に出るドアにカギを掛けていた。
  2. 屋上で授業をした。

授業が出来るところに、なぜカギを掛けて普通は入れないようにしていたのか?というほとんど超根本的な疑問になってしまいます。
普通の人は疑問に思うことはありません。「屋上で危険だからだろう」と誰もが判断します。
だから普通は

  1. 屋上は人が日常的に使用するのには適した場所ではなく、転落も含めて危険がある場所である
  2. したがって、通常は屋上に出るドアにカギを掛けていた。
  3. にもかかわらず、屋上で授業をした。

となってしまいます。
今回の転落事故に至った、最大の理由は屋上に立ち入ったからで、これが今まで全く前例がないというのならとにかく、授業で使っていたことは教育委員会の記者会見も認めていました。
しかも今回のニュースのように「他の天窓にも古い足跡があった」というのですから、少なくとも屋上に立ち入ったことが異例なことでないのは確実でしょう。

こうなると「カギを掛けていたのに、立ち入って事故になった」なのですが、鍵を開けて立ち入っているのであって、鍵を開けたのはカギを掛けた学校です。

どう考えても「なぜカギを掛け、なぜ鍵を開けたのか?」が問題になります。 鍵を開けず、立ち入らなければ事故は起きなかった。

学校では、だれもこれを異常なことだと考えなかったのでしょうか?
カギを掛けて屋上を立入禁止にした意味が分かっていない学校関係者、というのはアリでしょうか?
亡くなった男子児童は正にこれからが期待の少年であったことは確かなのですが、彼の生活していた世界がこれほどまでワケの分からない判断基準で動いていたとは、誰も思いつかないでしょう。

子供自身が注意する、危険なところだと先生が注意する、複数の大人が見張る、色々な方法で最悪の自体だけは避けることは可能でしょう。

しかし、わたしには一方で「危険だから立入禁止」の場所で「特に問題にせずに授業する」という判断の根本に非常に重大な問題があると思っています。

6月 19, 2008 at 11:41 午後 事件と裁判, 教育問題各種 | | コメント (18) | トラックバック (0)

2008.06.18

発信者情報開示手続の改善について

今話題の(^_^;)小倉秀夫弁護士のブログ la_causette にわたしの興味を強く惹く意見がアップされました。
発信者情報開示の運用の見直しの必要性

発信者情報開示の手続に関しては,そろそろ,開示請求者側の代理人として,主たるアクセスプロバイダやレンタルサーバ業者(商用ブログ事業者やレンタルサーバ事業者を含む。),巨大電子掲示板管理者等に,運用の改善を求めた方が良いかなという気にはなっています。壇先生や久保先生などもお誘いした方が良いかもしれません。

とりあえず,弁護士が代理人についているのに本人の写真付き身分証明書の写しの交付を要求するのはやめてもらいたいし(本人から委任を受けていないのに委任状を偽造してまで発信者情報の開示請求をするなんてリスク犯しませんよ),投稿者のメールアドレスとして捨てアドが登録されていて意見照会ができない場合や,意見照会の結果真実性の抗弁の存在を基礎づける資料の提出がなかった場合には,速やかに発信者情報の開示に応じていただきたいものです。意見照会の結果のコメントが「申し訳ありません。発信者情報だけは開示しないで下さい」なのに,「当該犯罪を犯していないとの公的な証明書が提出されない限り,権利侵害が明白とは言えないので,開示には応じられません」という回答はもう止めてもらいたいものです。

また,IPアドレスと投稿時間しか把握できていないレンタルサーバ業者等について言えば,発信者情報の開示請求を受けたら,当該投稿に用いられたIPアドレスからアクセスプロバイダを探し出して,当該投稿にかかるアクセスログを消去せずに保管しておくようにアクセスプロバイダに連絡し,そのような連絡を受けたアクセスプロバイダは当該投稿のなされた時間帯に当該IPアドレスの割り当てを受けていた人物を特定するのに必要な限度でアクセスログを切り分けて保管するようにしてもらいたいものです。

ブログ事業者等には,匿名プロキシサーバを経由してのコメント投稿を禁止するようなシステムを採用してもらいたいものです。ブログのコメント欄で名誉又は名誉感情を毀損されるのはブログ主だけとは限らず,むしろ第三者の名誉又は名誉感情がコメント欄で毀損される例も少なからずあるので,匿名プロキシサーバ経由のコメントの投稿を認めるか否かをブログ主の選択に委ねるのも如何なものかという気がしつつあります。

小倉弁護士の意見は良く言っても少数派ですから、話題になるというか敵も増えちゃうようですが、わたしはリアルな知り合いで色々と話もしている仲ですから、面白い意見を言う方と捉えています。
このエントリーもなかなか興味深いものです。

最初にわたしの基本的な考え方を述べますと、「発信者情報開示の運用が問題だ」というところはまったく同感で、見直しというかいわば洗練は不可欠であろうと思っています。
この部分については、小倉弁護士が「そろそろ見直し」との意見であるなら、わたしはもっと過激で「最初から分かっているダメなところ」であると思います。

いくつか引っかかったところをネットワーク管理者の立場から意見を述べます。

弁護士が代理人についているのに本人の写真付き身分証明書の写しの交付を要求するのはやめてもらいたい

わたしは実行することはしませんでしたが、同じ意見を出した事があります。
今は、わたしは絶対にそういう意見を出さないでしょう。

この部分は、弁護士さんにはご理解いただけないだろうと思います。
その現れが次の部分です。

本人から委任を受けていないのに委任状を偽造してまで発信者情報の開示請求をするなんてリスク犯しませんよ

この部分は、わたしは今では弁護士さんの仕事をかなり理解していますから、同意できるのですが以前はそう考えなかった。
要するに「本物の弁護士かどうか分からない」とか「弁護士がウソを言うのではないのか」といった、ある意味で当然の疑念が先に出るのです。
弁護士を名乗ってそういうことをするのは、弁護士にとってとんでもないリスクになる、ということ自体が知られていません。

だから「そんなリスクは犯しませんよ」ではまったく説得力がないのです。

【追記】

もう一つ、弁護士さんは当然のこととしているのに、庶民が理解していないことがありました。

弁護士は依頼人の立場で対応する

冷静に考えると、誰でも分かることですが庶民が誰でもきちんと理解してはいないでしょう。むしろ「弁護士は法律の専門家なのだから常に中立の立場だろう」と思っているところがあります。

このために、通知を受け取った側が「これは弁護士を自称したクレーマーではないのか?」と反射的に思ってしまう。
もちろん、クレーマーという表現がまずくても苦情をいうことに代わりはないわけですが、「弁護士は仲裁して当然だろう」とどこかで思うわけです。

このために、最初に「これは本当に弁護士のいうことか?」と反応してしまうわけで、その現れが「別途証明をよこせ」になるのでしょう。
こんな事だから「弁護士だからリスクを冒しません」はまったく世間には知られていないと考えるべきで、これを元に強調しても話は進まないでしょう。

むしろここは逆で、弁護士会からの保証書のようなものをセット出だすような方向で考えた方が現実的かもしれません。
一番困るというか途方に暮れるのが「弁護士本人以外のどこに相談すればよいのか?」分からない。なのです。

投稿者のメールアドレスとして捨てアドが登録されていて意見照会ができない場合や,意見照会の結果真実性の抗弁の存在を基礎づける資料の提出がなかった場合には,速やかに発信者情報の開示に応じていただきたいものです。

この二つを一つにされてしまうと、困ってしまうのですが

「意見照会ができない場合」に発信者情報開示をするというのは、発信者情報をプロパイダが持っているけど、意見照会したら返事がない。という場合ですよね?
これは、プロバイダがどうこうできることではないのだから、プロバイダはさっさと発信者情報を開示するべきでしょう。
正直な話が、こういう対応をするプロバイダには「何を考えているのだ?」と聞いてみたいところです。

「意見照会の結果真実性の抗弁の存在を基礎づける資料の提出がなかった場合には,速やかに発信者情報の開示に応じていただきたい」

これをプロバイダに求めるのは、無理でしょう。
確かに実務的には難しい問題で、例えば全くの白紙を内容証明郵便で送りつけてきた,なんて極端なケースにプロバイダが対応できるものか?と想像してみると、頭を抱えるだけですよ。

だからと言って「じゃ、発信者情報開示にするぞ」と言えるのか?というと、プロバイダが発信者にペナルティーを課したことになるわけで、それは出来るものなのだろうか?
むしろ、実務的にはプロバイダの会員規約に違反していると判定する方が、プロパイダの立場としては優先するだろう。
その結果として、問題の発言をプロバイダが削除する、というのは実例があります。

プロバイダに取っては、プロバイダ責任制限法と会員規約の二つが大きな柱で、その背景に著作権法などがあるといった理解をしているのでしょう。
このために、プロバイダに取っては、このレベル(?)の問題に対して、プロバイダ責任制限法で行くか、会員規約で行くか、を決めるのは、大きな判断の分かれ目です。。

IPアドレスと投稿時間しか把握できていないレンタルサーバ業者等について言えば,発信者情報の開示請求を受けたら,当該投稿に用いられたIPアドレスからアクセスプロバイダを探し出して,当該投稿にかかるアクセスログを消去せずに保管しておくようにアクセスプロバイダに連絡し,そのような連絡を受けたアクセスプロバイダは当該投稿のなされた時間帯に当該IPアドレスの割り当てを受けていた人物を特定するのに必要な限度でアクセスログを切り分けて保管するようにしてもらいたいものです。

この追跡不可能問題は、一番最初からありましたよ。
わたしは最初はプロバイダの説明を聞いても「なぜ追跡できないのか」理解できませんでした。

プロバイダ責任制限法の最初の説明の時に「追跡できます」と素直に聞いていたから、現実にぶつかってビックリしましたが、考えてみると要するに一種の名簿のようなものですから、データを押さえないわけです。
割と「分からなくする」「データを持たない方が良い」になっているのですね。
実際に、発信者情報開示請求が起きた頃には、データの整合性が分からなくなっている。

こういった傾向は、個人情報保護法などとの関係で、今後もどういう方向に向かうのかなんとも言いがたいですね。

少なくともプロバイダが「分かりました。データを保存します」と言っても実効性はないでしょう。

ブログ事業者等には,匿名プロキシサーバを経由してのコメント投稿を禁止するようなシステムを採用してもらいたいものです。ブログのコメント欄で名誉又は名誉感情を毀損されるのはブログ主だけとは限らず,むしろ第三者の名誉又は名誉感情がコメント欄で毀損される例も少なからずあるので,匿名プロキシサーバ経由のコメントの投稿を認めるか否かをブログ主の選択に委ねるのも如何なものかという気がしつつあります。

この部分は、実務的にはよく分かるし「そうやった方が良いのかもね」と思わないでもないですが、一律規制のような考え方では実行しがたいですね。
もし、実施しようとした場合は、匿名プロキシーお断りなわけで、これ自体はあっちこっちであることだから、問題ないでしょうが、それをブログ事業者が実施するというのはやはり無理じゃないかな?

じゃあ当初の「発信者情報開示手続の実務の改善」はどういう方向で進めるべきなのか?と言うと、ネットワーク管理者がプロバイダ責任制限法について勉強をすること、それに合わせて弁護士さんや総務省などもネットワーク管理者に実務についての指導をすること、が必要だと思います。

現実には、ネットワークに強い法務社員がいるような会社ぐらいしか、まともに対応できないのです。

プロバイダ責任制限法は元々、法律判断の一部をプロバイダ等に任せるという側面があるわけですが、その判断基準の実務教育なんてのは、上記のような「元々出来る会社」ぐらいしかやっていないわけです。
それ以外の最終的には個人までのネットワーク管理者は蚊帳の外のまま、現在に至っているのですから運用面がいつまで経っても改善されなくて当たり前、と言えます。

いわば法律の運用という観点で見れば、超根本的とも言えるところですが、それができていないのは現実です。

6月 18, 2008 at 09:51 午後 セキュリティと法学 | | コメント (1) | トラックバック (0)

小学校の天窓から6年生が転落死

朝日新聞より「明かり窓割れ小6転落死 校舎屋上で授業中 東京・杉並

18日午前9時25分ごろ、東京都杉並区和田の区立杉並第十小学校から、「児童が屋上から転落した」と119番通報があった。6年生の男児(12)が屋上の明かり取り用窓から1階に転落。救急車で病院に運ばれたが、頭などを強く打っており、約4時間後に死亡が確認された。警視庁が原因を調べている。

杉並署によると、男児のクラスの児童は、算数の授業の一貫として屋上で歩幅を測るなどしていた。屋上の床面にある明かり取り用ガラス窓の上に男児が乗った際、ガラスが割れ、約12メートル下の1階床に落ちたという。窓の下は吹き抜けになっていた。

明かり取り用窓は、屋上の中央付近に3つ並んで設置され、囲いなどはなかったという。

ニュースのタイトルだけ見たときには、いたずらで転落したのかと思ったら「授業中に」とのことなので、他のニュース記事も集めてみました。

フジニュースネットワークより「東京・杉並区の小学校で6年生の男子児童が3階建て校舎の屋上から1階に転落」(ニュース動画)

東京・杉並区の小学校で6年生の男子児童が屋上から転落した。児童は、頭などを強く打っていて、18日午後2時現在、集中治療室で治療を受けている。

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8日午前9時20分ごろ、杉並区和田の区立第十小学校で、女性教師の指導のもと、算数の授業で3階建ての校舎の屋上に上っていた6年生の男子児童(12)が、1階の床に転落した。

児童は病院に運ばれたが、頭などを強く打っていて、18日午後2時5分現在、集中治療室で治療を受けている。 児童は、教室に戻ろうと、ドーム状のガラスの屋根の上を通ったところ、突然ガラスが割れ、吹き抜けになっている1階の集会場の床まで転落したという。

警視庁は、事故のくわしい経緯を調べている。

日テレニュース24より「屋外授業中に天窓割れ転落 小6男児死亡

東京・杉並区で18日午前、小学校の屋上で6年の児童らが算数の屋外授業を受けていたところ、突然、天窓が割れ、男子児童(12)が1階に転落して死亡した。

通常、屋上には鍵がかけてあったということで、警視庁が事故の原因を調べている。

赤字にしたところがポイントかと思いますが、

  • 屋上への出口は通常鍵掛かっている
  • 明かり取りの窓には柵など無い

この条件で、歩測の実験を屋上で行い、自動が転落死したと言うのは、単純に「通常は立入禁止になっているところで授業を行い、危険を予測できなかった」とは言えないでしょう。

屋上に出る扉にカギを掛けていることが、危険を通知しているのは明らかと言えるでしょう。
こんな事になるというのは、鍵を開けるところが、大問題だろうと思います。

6月 18, 2008 at 05:12 午後 事件と裁判, 教育問題各種 | | コメント (6) | トラックバック (2)

2008.06.16

内陸地震でのヘリ活用

読売新聞より「防災ヘリ大動員 生かされた「中越」の教訓

岩手・宮城内陸地震では、ヘリコプターが大量動員されるなどして、孤立住民らの避難は発生から2日目の15日、ほぼ終わった。

今回と同様、山間部を襲った2004年の新潟県中越地震の教訓が生かされつつあるが、依然として、中山間地域の防災対策には課題も多い。(岩手・宮城内陸地震取材班)

発生当日53機 孤立住民、円滑避難

■ヘリによる空輸

地震発生から約2時間後。宮城県庁に設置された「ヘリコプター運航調整会議」には、県や仙台市、県警、陸上自衛隊東北方面隊、第2管区海上保安本部、仙台空港事務所の連絡員が次々駆け付けた。

被災状況や場所を記した連絡カードが届くと、空いているヘリを順次、現場に派遣していく。「担当者が顔を合わせたのは初めてだが、組織の壁を感じることはなかった」と、連絡員らは声をそろえた。

初日に近隣県などから県警や自衛隊などのヘリを中心に航空機53機が投入され、情報収集や住民の避難搬送を行った。宮城では、道路の寸断などで孤立した住民や観光客ら約500人を、岩手では約250人をそれぞれ救出したという。

このうち、12都道県からヘリ13機を送り込んだ総務省消防庁は、地震発生の40分後には、緊急消防援助隊の先発隊として新潟県など5か所に出動を要請した。

同庁によると、全国の都道府県と政令市が所有する消防防災ヘリは計71機。「被災地に近く、飛行可能なヘリはすべて使った」(防災課)という。ヘリを最初から大量に投入したのは、今回と同様、山間部が被災地となった04年10月の中越地震の苦い経験がある。

同庁が新潟県の要請で本格的にヘリの派遣を始めたのは発生の翌朝だった。「次々に被害が見つかり、対応が後手、後手に回った。山間地でのヘリの重要性が身に染みた」と、同庁幹部は振り返る。

■「震源地を目指せ」

岩手に陸路向かっていた東京と千葉の派遣部隊は、宮城・岩手県境にいた。「まだ間に合う」。総務省消防庁の危機管理センターでパソコンを見ていた職員は、両部隊を宮城県側の被災地へ転進させた。

今回、援助隊の「動態情報システム」が初めて本格運用された。各指揮車に配備された全地球測位システム(GPS)端末で部隊の位置を即時に把握できる仕組みだ。

発生当日の14日に現地入りした陸上援助隊は、救急、後方支援など11都道県の184部隊。同庁は当初、すべてを震源地の岩手側に向かわせた。これも中越地震の教訓だ。

これまでは、被害状況が判明してから部隊を送り込んでいたが、「ある程度、予測して行動を起こし、途中で修正した方が早い」(防災課)と方針を転換。発生から3時間後、宮城で行方不明者が続出しているとの情報を受け、目的地の変更を指示した。

■夜間出動など課題

「初動の立ち上がりが早く、うまくいった」。増田総務相は15日朝のテレビ番組で、ヘリを軸にした当初の対応を評価した。

だが、同庁幹部は、まだまだ課題はあるという。

今回は発生時間が朝方で、天候にも比較的恵まれていた。ただ、中越地震のように夜間に起きた時はどうするか。全国の消防防災ヘリのうち、夜間も含めていつでも出動できる態勢を取っているのは仙台市、埼玉、東京だけだ。

同庁は今年度末にも、有識者による検討会で、夜間でもヘリを運航できる装備や訓練などについて盛り込んだ報告書をまとめる予定だ。

通信・搬送手段 中山間地整備進まず

今回の地震では、当初、岩手・宮城両県で計7か所の集落が孤立した。新潟県中越地震で多くの集落が孤立したのをきっかけに、中山間地域の防災の重要性が指摘されるようになったが、対策は思うように進んでいない。

中越地震では、7市町村で計61の集落が孤立し、固定電話や携帯電話が不通になるなどした。そのうち2自治体では災害時に役立つ衛星携帯電話があったが、導入したことを忘れたり、故障したりして、使えないケースがあった。

内閣府が2005年に行った全国調査では、地震などの災害で孤立する恐れがある中山間地の集落は、1万7451か所(推定約260万人居住)に上った。しかし、衛星携帯電話や防災無線を備える集落は2%前後にとどまった。

中越地震で被災した中山間地域の復興に携わる長岡造形大の沢田雅浩准教授(都市防災)は、「今のところ災害時の連絡手段は衛星携帯や防災無線が最も有効だ。ふだんの生活に使う場面を作るなどして習熟する必要がある」と話す。

今回の地震の救助活動では、15都道県の消防防災ヘリが活躍中だが、同じ内閣府の調査では、ヘリの駐機場所がある中山間地域の集落は3000か所余りで、2割にも満たない。「水や食糧の備蓄がある」としたのは、各4~6%程度だった。

中山間地域の防災対策が進まない背景について、京都大防災研究所の河田恵昭教授は「対策を自治体だけで進めるには限界がある。社会全体で防災への認識を高めていくことが必要」と強調。「東海や東南海・南海など広域で大規模な地震では、防災ヘリを救助に回すこともできず、数か月間孤立する集落が現れる恐れもある」と警告している。

( 2008年6月16日 読売新聞)

全体として手際が良いなとは感じていたのですが、こんな背景があったのですね。

確かに、中越地震での孤立集落からのヘリコプターによる脱出はもっと速くできるのではないのか?と感じたところで、その経験が生きていたのは明らかです。

これで、まずは行方不明者の捜索に全力で当たり、復旧用の道路の修復と集中できますね。

6月 16, 2008 at 12:47 午後 天災 | | コメント (3) | トラックバック (0)