« 2008年5月18日 - 2008年5月24日 | トップページ | 2008年6月1日 - 2008年6月7日 »

2008.05.28

オンブズマン・監査請求問題

長崎新聞より「裏金返還、長崎市争う構え 長崎地裁で第1回口頭弁論

長崎市の裏金や目的外使用の補助金などを職員に返還させるよう求めた住民監査請求が棄却されたのは不服として、市民団体「ながさき市民オンブズネット」が、総額約三千五百八十万円の公金を職員に返還させるよう田上市長に求めた住民訴訟の第一回口頭弁論が二十七日、長崎地裁(須田啓之裁判長)であった。

市側は訴えを棄却するよう求める答弁書を提出、争う姿勢を見せた。また、地方自治法では住民監査請求を経た人でなければ住民訴訟を提起できないが「原告の一人は監査請求を経ておらず、訴えは不適法」などとして一部却下も求めた。

具体的な主張については「追って行う」としたが、市側は弁論後に「市に損害は与えておらず職員が返還する必要はない」とした。

訴状によると、「市の損害に当たる」と指摘しているのは裏金や目的外使用の被爆者支援事業費など計約三千五百八十万円。一業者が複数業者の見積書を偽造する随意契約の不正「見積もり合わせ」約一万五千件(総額約三十七億円)についても「法令違反で官製談合の温床になる」として契約無効を主張している。

弁論後、ながさき市民オンブズネットの代表は「答えになっておらず、裁判を長引かせることしか考えていない。きちんと反論したい」と話した。

何だかよく分からない話ですが

  1. オンブズマンが住民監査請求を市に求めた
  2. 市は関西請求を棄却した
  3. オンブズマンは市長に棄却したことに対して、職員に3580万円を返還するように求める訴訟を起こした。
  4. 市は裁判で争うとした
  5. オンブズマンは「裁判で争うのは長引かせるためだ」と発言

ということのように見えます。

そもそも住民監査請求が棄却されたから、返還請求というのあり得ないでしょう。
返還する金額が確定するのは、監査請求の結果で決まることですから、これでは監査請求は建前であって返還が目的だとなってしまいます。

もちろん目的が返還でありそのために監査請求を起こすのは当然ではありますが、監査請求が棄却されたから返還請求では目的のためには手段を選ばず、というのと同じ事のように思えます。

その上、市側が裁判で争うとしたことを「答えになっていない」とはどういう事なのだろう?

一業者が複数業者の見積書を偽造する随意契約の不正「見積もり合わせ」約一万五千件(総額約三十七億円)についても「法令違反で官製談合の温床になる」として契約無効を主張している。

何気なく見逃してしまいますが、37億円を一万5千件で割ると一件当たりの金額は24万6千円です。

このレベルの見積について、見積合わせがあったのか?という調査をするための費用がどれほどの金額になるのでしょうか?

一体これはどういう事なのだ?

5月 28, 2008 at 09:20 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (9) | トラックバック (0)

人口倍増策だって

沖縄タイムスより「知事「人口倍増」に言及/沖縄21世紀ビジョン懇

沖縄の将来像を描くビジョン策定に向けて議論する「沖縄21世紀ビジョン懇話会」(主宰・仲井真弘多知事)の第七回会合が二十六日、県庁であった。
仲井真知事は少子高齢化対策として、百三十七万人の県人口を約三百万人に引き上げる「人口倍増計画」策定に言及。
委員からは、県が観光を総合産業ととらえて部局横断的・官民協働で取り組むよう求める意見や、小規模な島しょ県であることを踏まえたインテリジェンス(情報の収集・分析)能力強化の必要性などが示された。

カヌチャベイリゾートの白石武博社長は、仲井真知事が言及した人口倍増計画に「人口は経済の基盤。増やすのは大賛成だ。人口が減ってコミュニティーが無くなる所で観光振興はうまくいかない」と賛同した。

観光への行政の取り組みについては、「『観光立県』という言葉が観光客を増やすためだけに使われている気がする。観光部局だけでなく横断的に取り組んでほしい」と要望した。

カルティベイトの開梨香社長も「観光は、二次産業に三次産業を掛けて六次産業という意見もある。総合産業として関連づける必要がある」と述べた。

宮﨑政久弁護士は「理念を具体的施策にするため、柱としてインテリジェンスと戦略性が求められる。(県は)知と戦略性を持つ志の主体者集団になるべきだ」と提案した。

文化で地域おこしに取り組む脚本・演出家の平田大一氏は「自分の生まれた地域、島のことを知らないと、沖縄の良さが認識できない。他の地域との違いも分からない。視点を郷土に置くほど、視野は世界に広がっていく」と述べ、沖縄の歴史や文化、地域に関する教育を充実させる重要性を強調した。

実際に県知事がこの通りに発言したのかが気になるところですが、根本的に無理でしょう。

この10年くらいの間ではっきりしてきたのは、自治体などの道路・水道・下水などのインフラ整備で将来需要の見通しについて全ての計画が実現したとすると、あり得ないほどの人口増加になるという指摘です。

これについて、担当者は「街が出来れば人が増える」といった説明を主に議会を対象に行うわけですが、ちょっと計算の出来る人は「どこかから人が移動するわけですね?」と突っ込みます。

つまり、インフラを拡大する必要があるという説明の前提には「人が移動する」しかないとなっています。

これ自体もムチャクチャで人口の増加はないと考えるべきでしょうが、それ以上に最近問題になってきているのが、高齢化で移動できる人口の平均年齢はリタイア組などが中心になるから、何年か後には移動先の地域の負担が増えるという計算があります。

こんな問題があるから、人口増加策が少子高齢化対策とイコールではない、というのが都市計画などの問題として浮かび上がってきています。

そもそも「倍増計画」というからには期間を示さないと意味がないわけですが、示されていないのでなんとも言えません。
しかし、日本全体としてはすでに人口減少社会になっているわけで、人口増加そのものには他地区からの人の移転が必要であり、それは高齢化に拍車を掛けることになりますから、少子高齢化対策としては高齢者の転出を目的とする地域住人減少政策の方が正しいとなってしまいます。

こんな政策はとりうることが出来ませんが、それにしてもいきなり無理なことを「21世紀ビジョン」として知事が打ち出して良いものか?
実現の可能性がない夢物語を現職の知事が言い出すのは正しいこととは思えません。

5月 28, 2008 at 08:55 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.27

ふじみ野市のプール事故・刑事裁判判決

毎日新聞より「埼玉・ふじみ野のプール事故死:有罪判決 娘ちゃん両親、今も納得できない

◇思い出アルバムに

「なぜ娘は吸水口にのみ込まれたのか」--。埼玉県ふじみ野市の市営プールで06年7月に起きた女児(当時7歳)の死亡事故で、さいたま地裁は27日、業務上過失致死罪に問われた市職員2人に有罪判決を言い渡した。事故の真相を知るため傍聴を続けてきた両親の思いに、裁判所は厳しい判決で応えた。

伝田喜久裁判長が主文を読み上げると、元市教委体育課長(61)と元同課係長(47)は背筋を伸ばし、裁判長を見据えた。女児の母(40)はハンカチを目に当て、涙をぬぐった。隣の父(47)は時折目をつぶり、じっと判決に聴き入った。判決後、両親は「事故がどれだけ大切な命を奪ったのかを、裁判官が受け止めてくれた」とコメントを出した。

両親ら家族は、取材に応じていないが、母親は、娘のお墓参りを欠かさない。数日前、代理人の弁護士に「今でも娘の命が奪われたことが納得できない。娘も納得できるような判決であってほしい」と話したという。

判決を前に、両親は娘の成長の記録をつづったアルバムを作った。写真一枚一枚に思い出の言葉を添え、周りをきれいなシールで飾った。生まれた時の写真には「誕生。お兄ちゃんたちも大よろこび」、小学校の入学式の写真には「ちょっぴりキンチョー気味?いよいよ小学生だね」。

アルバムの最後の写真には、「『ありがとう』娘からもらうお手紙には必ず書いてあったステキな言葉。たくさんの先生やお友達、そして家族の愛情をもらって天使のような子だったよ。ありがとう」と記した。

一方、元市教委体育課長は事故後、自殺を考えるほど追い込まれたという。

元同課係長は、全国からの抗議電話を受けるうち突発性難聴で入院したことがあった。

公判の被告人質問で元市教委体育課長らは「引き継ぎがなかった」「危険性の認識がなかった」と繰り返し、うなだれた。公判には市職員有志が集めた減軽を求める約7000人の署名が提出された。

日本体育施設協会によると、1965~2007年にプールの吸排水口に吸い込まれた事故は少なくとも60件あり、55人が死亡した。ふじみ野プール事故後、事故発生の報告はないという。

==============

■解説

◇所有者も意識変革を

執行猶予付きとはいえ、禁固刑を命じた判決は、地方公務員法の規定から現職の市職員である元同課係長が失職することも意味する。裁判所は極めて厳しい姿勢を示したと言える。国は事故後、プールの管理責任が所有者にあることを明確にした。判決はこれを追認し、所有者に意識の変革を求めた。

ふじみ野市では、吸水口の柵を「ネジ・ボルト等で固定」するとした文部科学省の通知や県の要綱が、担当者間できちんと引き継がれていなかった。元市教委体育課長は公判で「通知、要綱の内容を事故後に知った。安全管理は業者の責任だと思っていた。認識が甘かった」と述べた。

関係省庁による全国調査によると、文科省と国土交通省が把握するプール約4万2000カ所のうち、1552カ所で吸排水口の不適合が見つかった。その後、すべて改善されたというが、事故後2回目の調査であることを考えると、不安はぬぐえない。

ふじみ野市は事故後、業務委託業者との契約内容の確認▽履行状況の監視--などを担当するポストを新設したが、市職員からは「業者の過失責任まで負わされてはたまらない」との声が漏れる。

規則や組織を変えても、所有者や管理者の意識が変わらなければ、事故は再び起きかねない。関係者は、ずさんな管理をすれば、楽しいはずのプールが一瞬のうちに命を奪う場所に変わることを心に刻むべきだ。【飼手勇介、加藤隆寛】

毎日新聞 2008年5月27日 東京夕刊

市職員が「業者の過失責任まで負わされてはたまらない」と今でも言っているのであれば、呆れ返るとしか言いようがありません。

管理を委託された側に責任があるなんて話がどこにあるものか?

もっとも、事故を起こしたプールは早々に取り壊しになってしまいましたし、全体として臭い物に蓋をするという感じもあります。
元をたどると相当怪しい施設であったとの疑いもありました。
吸水口と排水溝が逆だったのではないのか?という話すらあります。

また、委託先の業者が毎年変わっていたこともあり、それでどうやって責任を取れるほどの立場になれるものか?

市営プールの運営は手に余った、というのならまだ話は分かるというものです。

刑事裁判は事故原因の追及ではなくて、誰に責任があるかだけを認定するものなので、事故そのものが解明されないこともかなり多いのが実情です。
事故調査専門の機関を作るべきだと思います。

公共機関の施設には保険は掛かっているのでしょうか?公用車には自動車保険は掛かってないのではないかな?
確かに保険は支払能力が十分であれば、掛ける必要がないのですが保険を掛ければ安全性が保険料として反映しますから、安全性のチェックの意味でも保険を掛けるというのはよいかもしれません。

5月 27, 2008 at 11:07 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.25

アメリカのカルト宗教騒動

AFP BB より「一夫多妻制教団の子ども、州当局に監護権なし 控訴審

【5月24日 AFP】(一部更新)米テキサス州の一夫多妻制をうたう宗教団体「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派(Fundamentalist Church of Jesus Christ of Latter Day Saints、FLDS)」の施設から虐待されていたとみられる女性や子ども多数が保護された問題で、テキサス州控訴裁判所は22日、子どもたちは急迫の危険にさらされているとは言えないとして州当局が子どもたちを施設から退去させる権利を認めない裁定を下した。

4月3日に教団施設を立ち入り調査した州当局は、組織的な性的・肉体的暴行が行われていたとして女児250人と男児213人を監護下に置いていた。当局は、思春期を迎えた女児たちが中年の「精神的夫」との性行為を受け入れるよう「教育され」、男児たちは虐待の連鎖を存続させるよう洗脳されていたと主張。

しかし控訴裁判所は「急迫の」危機にない子どもたちを保護するのは州児童保護局の越権行為だと指摘。

裁定文では「この特殊環境で育った子どもたちの肉体的健康や安全が将来にわたって脅かされるかもしれないという証拠は、あらゆる訴訟過程を経ずに即刻退去させるという極端な措置を行使することの正当な理由にはならない」とされた。

現在グループホームに保護されている子どもたちが親元に戻る時期について現時点では明らかになっていない。

裁判所はまた、10日間の州監護期間延長を命じた判事に対し命令の取り消しを命じた。州当局は23日夜、控訴した。(c)AFP

この事件は、4月5日の報道で明らかになりましたが、AFP BB は以下の関連記事を挙げています。

2007年09月14 20:09FBI「10大最重要指名手配犯」の教祖、公判で罪状を否認
2007年09月26 11:11FBI「10大最重要指名手配犯」、一夫多妻制の教団教祖に有罪評決
2007年11月21 12:57暴行共謀罪で有罪の一夫多妻制の教団教祖、最高で終身刑の判決が下る
2008年04月05 16:29米当局、少女52人を保護、一夫多妻制の教団農場から
2008年04月06 23:31米テキサス一夫多妻制教団、モルモン教会に立てこもり
2008年04月07 15:06米テキサスの一夫多妻制教団施設、女性ら219人を保護
2008年04月08 12:08米テキサスの一夫多妻制教団施設から、子ども・女性計534人保護
2008年04月09 21:30一夫多妻制教団施設で性的虐待、児童保護局
2008年04月11 12:10米テキサスの一夫多妻制教団施設、「初夜」のためのベッドを発見
2008年04月11 14:09【図解】重婚を支持する米宗教団体「FLDS」の施設
2008年04月18 14:03一夫多妻制教団施設から保護の子ども、今後の措置をめぐり混乱
2008年04月19 18:55FLDSの子供たち、引き続き州の保護下に
2008年04月29 12:16米教団施設から保護の10代少女、半数以上が出産・妊娠経験あり

2007年9月14日の報道は、

教祖のウォレン・ジェフス容疑者が2件の婦女暴行ほう助などの罪に問われているの公判が13日、ユタ州の裁判所で開かれた。

同容疑者は信者の14歳の少女に対し、いとことの結婚と性行為を強要した罪に問われているが、いずれの容疑についても否認した。

で始まっていて、2007年11月21日の報道で終身刑の判決が下りました。

2008年4月5日の報道では州当局が教団内から子供女性の保護に乗り出したことが明らかにされました。
4月3日おこなわれた捜索のきっかけは、通報があったとのことですが内容は不明であり、通報自体もいたずらであったとされています。
捜索に入った途端に52人を即座に保護したとは、相当ひどい状況であったのだろうと推測できます。

【4月5日 AFP】米テキサス州西部のシュライヒャー郡当局は4日、同郡エルドラドの末日聖徒イエス・キリスト教会原理派の農場から生後6か月から17歳の少女52人を保護した。

【4月7日 AFP】米テキサス州エルドラドの農場で、児童虐待容疑で捜査対象となっている「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派」の信徒らが施設内に立てこもっていた事件で、州警察当局は6日夜、教団施設から、女性や子ども219人を保護した。
教団関係者が施設内の捜査を拒んだことから、数時間のにらみ合いの後、警察の特殊部隊が踏み込んだ。教団側からの抵抗はなかったという。報道によると、捜索の範囲はまだ教団施設の半分程度にとどまっている。

【4月8日 AFP】米テキサス州エルドラドで、児童虐待や性的暴行などの容疑で捜査対象となっている「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派」の信徒らが、施設として使用している農場内に立てこもっていた事件で、地元当局は7日、これまでに子どもと女性計534人が保護されたと発表した。
裁判所は、虐待を受けていた疑い、または差し迫った虐待の危険があるとして、施設からすべての子どもを保護するよう指示していた。

3日がかりの大騒動だったようです。
これで一段落と思われたのですが、2008年4月18日の報道で新たな局面に入ります。
一夫多妻制教団施設から保護の子ども、今後の措置をめぐり混乱

【4月18日 AFP】米テキサス州の一夫多妻制をうたう宗教団体「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派」の施設で、虐待されていたとみられる女性や子ども多数が保護された事件で、保護された子ども416人の今後が問題となっている。

州裁判所には17日、保護された子どもの両親ら200人近くとその弁護士ら約350人が詰めかけ、健康記録の提出や、今回の件が信教の自由の侵害にあたるかといったことについて議論となった。

妨害なども発生し、審理は中断。
担当判事がいらだった様子で「裁判所は個人の宗教的行為や信教の自由を決定する場所ではない」「子どもたちが両親のもとに返されるべきなのか、施設の保護下に置く必要があるという十分な情報はあるのかを判断しようとしているのだ」などと述べた。

テキサス州法は、子どもを保護した場合は14日以内に仮処分命令が、60日以内に正式な決定が下されなければならないと規定している。

州児童保護局は、教団の施設から未成年の少女らが男性信者と法的根拠のない「精神的な結婚」をさせられていた証拠が見つかったとして、保護された子どもたち全員を州当局の保護下に置くよう求めている。

一部の弁護士は、問題の男性信者が施設から退去した上で、児童保護局の監視下で子どもたちが母親と施設で居住することを認める妥協案を提示している。(c)AFP

その後にどのような法的な争いがあったのかは、分かりませんがいわゆるカルト問題ではありがちなことで、子供、親、社会の三者の関係に法律が介入するのですから、混乱は致し方ない。
その上、子供の人権保護という観点では公開の裁判で決着させることも出来ないし、さらには時間的な余裕もない。
極めて対処が難しくなります。

今後の展開に注目したいと思います。

5月 25, 2008 at 01:15 午前 海外の話題 | | トラックバック (0)