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2008.01.12

F15の大量廃棄か?

AFP BB より「米空軍のF15戦闘機初期型の40%に欠陥が見つかる

【1月12日 AFP】

米空軍が保有する主力戦闘機F15の初期型にあたるA型からD型の40%前後が構造的欠陥を抱えていることが明らかになった。米空軍が10日、調査結果を明らかにした。長期的に米軍の戦略に支障をきたすと懸念が持ち上がってきた。

前年の11月2日、米国ミズーリ州での空中戦訓練中のF15戦闘機1機が空中分解により墜落したことを受け米空軍は前年11月、保有する665機全ての同戦闘機の飛行を停止させ、2か月にわたり検査を行ってきた。

10日の発表によると、A型からD型の合計295機が飛行を許可された一方、9機の縦通材(ロンジロン)と呼ばれる胴体の骨に当たる部分にクラックが見つかった。さらに調査した機体のおよそ40%で、少なくとも1つのロンジロンが設計の仕様に合致しなかったという。11月の空中分解はロンジロンの破損が原因と見られている

現在までF15戦闘機の約90%の検査が終了しているが、空軍は構造的欠陥を抱える100機以上について、欠陥を修正するか退役させるかの決断を迫られている。

バージニア州のラングレー空軍基地航空戦闘軍のThomas Crosson少佐によると、F15戦闘機は2009年から退役が始まる予定だが、ロンジロン1つの交換にはおよそ20万ドル(約220万円)の費用がかかるという。

長らく主力戦闘機の座にあったF15戦闘機は、製造から平均25年を経ている。F15戦闘機のなかでは最新のF15E型はイラクやアフガニスタンにも投入されているが、旧型のF15AからF15Dは現在、主に米本土防衛に当たっている。

F15戦闘機は現在、徐々に最新戦闘機F22へ置き換えられている。高速でステルス性を持つF22はF15より高額。空軍はこれまで調達が承認された183機では兵力の不足を補えないとし、政府に対しF22戦闘機381機の調達を強く求めている。(c)AFP

ロンジロンは飛行機の骨の一種類で縦に長く通っているものです。

今回F15戦闘機が飛行中にロンジロンの破壊で分解したのは、操縦席直後だそうで操縦席が分離して落下、パイロットはその後に脱出して生還したそうです。

飛行機の断面は場所によって変化しますが、断面の形状を形作る枠をフレームと呼び、フレームを繋ぐのがロンジロンです。

現代の飛行機はモノコック構造ですから、強度も骨に貼り付けた表面材料と共に強度を維持しています。

このため、ロンジロンそのものは恐ろしく貧弱な部材であることが多いです。

検査してみたら設計仕様に合っていなかったというのは本当か?と感じますが、無いとは言えないでしょう。

同じような形でありながら爆撃機になったF15Eでは、機体構造を大幅に変更して積載能力を高めましたが、同時に自重も重くなっています。

ロンジロンの交換自体は珍しい事ではなく、大分解整備といった位置づけですが、交換ではなくて改造となるとちょっと大変でしょう。

例えば、問題のロンジロンの強度を高めるために、形状を変更すれば内部の搭載機器との干渉の問題がありますし、単に一部の部材だけを強度を高くするとその他の部分に応力が集中する可能性もあるでしょう。

このような、手間暇の掛かる作業をして改修するのか、廃棄するのかというのは次期戦闘機であるFA22とF35の配備数にも影響が出るでしょうから、政治的な駆け引きの要素は大きいでしょう。

1月 12, 2008 at 06:27 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (0)

ミャンマー・新首都で爆発事件

読売新聞より「新首都ネピドーの駅で爆発、女性1人死亡…ミャンマー

【バンコク=田原徳容】在ヤンゴンの消息筋によると、ミャンマーの新首都ネピドーの鉄道駅で11日、爆発があり、女性1人が死亡した。

負傷者も数人いる模様。2005年11月の首都移転後初の爆弾事件で、軍事政権は、テロの可能性もあるとみている。

同筋などによると、爆発は同日午前4時20分ごろ、ネピドーの旧市街区のピンマナ駅ホームにあるトイレで発生。小型の時限式爆弾が使用され、トイレ内部に仕掛けられていたという。

最大都市ヤンゴン行きの列車が発車する時間帯の事件で現場は混雑していた。女性の身元は不明で、爆弾を仕掛けた本人だとする情報もある。犯行声明などは出ておらず、軍政も正式に発表していない。

ミャンマーでは、04年ごろから、軍政と対立する少数民族による小規模な爆弾テロが郡部を中心に発生。05年5月には、ヤンゴンのショッピングセンターなど3か所で同時爆発があり、少なくとも10人が死亡。軍政は少数民族グループや国外の反政府組織による犯行と断定し、非難したが、犯行声明はなく、未解決となっている。

Up

このGoogle Earth の写真は、30キロ四方ぐらいに拡大していて、中央のピンの位置が爆発があったとされるピンマナ駅でしょう。

おそらくは、駅の西側にあるほとんど上下一杯の三角形の色の薄い地域が低地で農地なのでしょう。

旧市街はピンマナ駅の周辺ですが、新首都はこの低地を取り囲む台地状に開発している様子です。

左下(南西)から北に延びて、東(右)に直角に曲がった後に、東北に延びている線が見えますが、これを拡大してみると非常に幅が広い道路というか開発地域のようで、この道路の周辺に果物の房のようになっているのが、複数の建物で出来ている地区です。

同じ形の大規模な建物が複数あり、極めて興味深いところです。
どこが、政府機関の中央なのか良く分からないのですが、旧市街からは数キロ以上は離れているようです。

1月 12, 2008 at 11:56 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.10

小林元参院議員陣営の公選法違反事件・連座制の適用へ

「小林元参院議員陣営の公選法違反事件・判決」の続報というか結果です。

朝日新聞より「小林前議員の連座制適用求め提訴 東京高検

昨年7月の参院選神奈川選挙区の選挙違反事件で、東京高検は10日、前自民党参院議員の小林温(ゆたか)氏(43)に対し公職選挙法の連座制を適用し、同一選挙区からの5年間の立候補禁止を求める行政訴訟を東京高裁に起こした。
小林氏は再選後の9月、事件の発覚を受けて議員を辞職している。

訴えによると、小林氏陣営の選挙運動者だった自民党県連職員(当時)は出納責任者と共謀し、小林氏を当選させるため、選挙運動をしたアルバイトの大学生ら24人に報酬として計151万円を渡した。

横浜地裁は昨年12月、公選法違反(日当買収)の罪に問われた

  • 党県連職員に懲役1年執行猶予5年の判決を言い渡し、有罪が確定。
  • 出納責任者は懲役1年2カ月執行猶予5年の判決で控訴している。

東京高検は、有罪が確定した党県連職員が「組織的選挙運動管理者」に該当するとして、連座制の適用を求めた。

これはもう完全に手続レベルに進んでしまって、小林温前議員の同一選挙区からの5年間の立候補禁止は現時点で確定と言って良いでしょう。

起訴されたのは出納責任者の女性と、自民党県連職員でした。
他に自民党横浜市連の職員とアルバイトで日当を受け取った24人は起訴猶予でした。
今回、自民党県連職員が控訴せず、有罪が確定しました。

公職選挙法
第二百二十一条 (買収及び利害誘導罪) 3項
次の各号に掲げる者が第一項の罪を犯したときは、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
  1. 公職の候補者
  2. 選挙運動を総括主宰した者
  3. 出納責任者(公職の候補者又は出納責任者と意思を通じて当該公職の候補者のための選挙運動に関する支出の金額のうち第百九十六条の規定により告示された額の二分の一以上に相当する額を支出した者を含む。)
  4. 三以内に分けられた選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)の地域のうち一又は二の地域における選挙運動を主宰すべき者として第一号又は第二号に掲げる者から定められ、当該地域における選挙運動を主宰した者

有罪が確定した自民党県連職員が「選挙運動を総括主宰した者」だとして、いわゆる連座制の適用に当たるとして東京高検は提訴しました。

公職選挙法
第二百五十一条の二 (総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止)

次の各号に掲げる者が第二百二十一条、第二百二十二条、第二百二十三条又は第二百二十三条の二の罪を犯し刑に処せられたとき(第四号及び第五号に掲げる者については、これらの罪を犯し禁錮以上の刑に処せられたとき)は、当該公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(以下この条において「公職の候補者等」という。)であつた者の当選は無効とし、かつ、これらの者は、第二百五十一条の五に規定する時から五年間、当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)において行われる当該公職に係る選挙において公職の候補者となり、又は公職の候補者であることができない。この場合において、当該公職の候補者等であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものが、当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における当選人となつたときは、当該当選人の当選は、無効とする。

    1. 選挙運動(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、参議院名簿登載者のために行う選挙運動に限る。次号を除き、以下この条及び次条において同じ。)を総括主宰した者
    2. 出納責任者(公職の候補者又は出納責任者と意思を通じて当該公職の候補者のための選挙運動に関する支出の金額のうち第百九十六条の規定により告示された額の二分の一以上に相当する額を支出した者を含む。)
    3. 三以内に分けられた選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)の地域のうち一又は二の地域における選挙運動を主宰すべき者として公職の候補者又は第一号に掲げる者から定められ、当該地域における選挙運動を主宰した者
    4. 公職の候補者等の父母、配偶者、子又は兄弟姉妹で当該公職の候補者等又は第一号若しくは前号に掲げる者と意思を通じて選挙運動をしたもの
    5. 公職の候補者等の秘書(公職の候補者等に使用される者で当該公職の候補者等の政治活動を補佐するものをいう。)で当該公職の候補者等又は第一号若しくは第三号に掲げる者と意思を通じて選挙運動をしたもの
  1. 公職の候補者等の秘書という名称を使用する者又はこれに類似する名称を使用する者について、当該公職の候補者等がこれらの名称の使用を承諾し又は容認している場合には、当該名称を使用する者は、前項の規定の適用については、公職の候補者等の秘書と推定する。
  2. 出納責任者が第二百四十七条の罪を犯し刑に処せられたときは、当該出納責任者に係る公職の候補者であつた者の当選は、無効とし、かつ、その者は、第二百五十一条の五に規定する時から五年間、当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)において行われる当該公職に係る選挙において、公職の候補者となり、又は公職の候補者であることができない。この場合においては、第一項後段の規定を準用する。
  3. 前三項の規定(立候補の禁止及び衆議院比例代表選出議員の選挙における当選の無効に関する部分に限る。)は、第一項又は前項に規定する罪に該当する行為が、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該行為に関する限りにおいて、適用しない。
    1. 第一項又は前項に規定する罪に該当する行為が当該行為をした者以外の者の誘導又は挑発によつてされ、かつ、その誘導又は挑発が第一項若しくは前項又は次条第一項の規定に該当することにより当該公職の候補者等の当選を失わせ又は立候補の資格を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであるとき。
    2. 第一項又は前項に規定する罪に該当する行為が第一項若しくは前項又は次条第一項の規定に該当することにより当該公職の候補者等の当選を失わせ又は立候補の資格を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであるとき。
  4. 前各項の規定(第一項後段及び第三項後段の規定並びに前項の規定(衆議院比例代表選出議員の選挙における当選の無効に関する部分に限る。)を除く。)は、衆議院(比例代表選出)議員の選挙については、適用しない。

出納責任者は控訴しているようですが、紹介した条文の通り出納責任者と総括責任者といったように並列の関係ですから、誰かが221条違反で有罪が確定すれば、251条の連座制が機械的に適用される事になります。

それにしても、何度も取り上げいるように4月の統一地方選挙では「日当買収に注意」が各陣営に徹底していて少なくとも神奈川県下では当選した議員が日当買収で公選法違反に問われたなんて話はありません。
それだけ、各陣営は注意していたわけです。

それをわずか3ヶ月後の7月の選挙で「知りませんでした」のようなことをやったというのは、選挙に臨む資格が無かったと言うべきでしょう。

しかも、その後の対応もメチャクチャで2007年に行われた選挙がどのようなものであったのかを今に至っても理解していないのではないのか?と思います。

1月 10, 2008 at 10:09 午後 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.09

ボンバルディア機・またもトラブル

読売新聞より「日本エアコミューターのボンバル機、上空で格納部ドア開く

9日午後3時10分ごろ、大阪(伊丹)空港を離陸した松山空港行き日本エアコミューター2313便(ボンバルディアDHC―8Q400型機、乗客乗員13人)で、右主脚を格納後も、格納部のドアが開いていることを示すライトが点滅した。

客室乗務員が確認したところ、ドアが開閉を繰り返していたため、同空港に引き返し、同38分に着陸した。けが人はなかった。

機体点検のため、同路線や、大阪―大分間の計4便が点検のため欠航した。同社でトラブルの原因を調べている。

「これはなんだ?」というのが第一印象です。

第二次大戦中までは、飛行機の引っ込み脚のドアは、脚が下りているときには開いていて、脚が引っ込むと閉じる、分かりやすいものでした。

飛行機の引っ込み脚のドアは分割されている事が多く、脚が出ているときにも一部のドアを閉じておくことが可能ではあったのですが、第二次大戦中の戦闘などでは機構を極力簡単するために、脚が下りている時には全てのドアが開いているのが普通だったのです。

戦後ジェット機が出現すると、地上でも閉めることが出来るドアは閉めてしまう型式が増えました。
基本的には、離陸滑走のために空気抵抗を減らすことが目的であったのでしょう。

脚のドアパネル一枚ずつに油圧シリンダーを付けて作動させる方式でしたから、F86戦闘機では実際にかなり複雑な動きをしました。

  1. 地上で油圧が抜けている状態では、全てのドアが開いてしまう。
  2. エンジンを始動して、油圧が上がると地上で閉じても良いドアが閉まる
  3. 離陸後、脚上げ操作をすると一連のシーケンスに入る。
  4. 全てのドアが開く
  5. 脚を収容する
  6. 全てのドアが閉じて、脚上げ完了

このように、そこそこ複雑なシーケンスではありますが、すでに確立した技術です。

問題の Bombardier Q400 は地上ではこの写真のようにドアがごく一部開いて脚柱が出ています。

Up

脚上げ時には後方のドアが開いて後ろ側に引き上げる事になります。

そこで、最初に説明した「ドア開閉のシーケンス」が働くわけですが、それが誤作動した事になります。

何が起きればこの種のシーケンスが作動不良になるのか考え込んでしまうところですが、ボンバルディア機に起きている一連のトラブルの非常に多くがこの種のシーケンスの動作不良であって、なんか設計思想の根本にトラブルを内包しているのではないか?と強く疑います。

1月 9, 2008 at 10:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.08

韓国で大惨事

韓国朝鮮日報日本語版より「利川倉庫火災:繰り返される人災、原因を検証

京畿道利川市で7日に起きた冷凍倉庫火災では、過去の教訓が生かされず、40人の尊い人命が奪われた。化学物質が山積する倉庫で十分な安全設備がないまま作業員が溶接作業を行い、爆発の原因になったとみられ、出火原因は人災の側面が強そうだ。現場では消火用スプリンクラーなどの設備が全く作動していなかった。

◆可燃性物質だらけの倉庫で溶接

作業員が冷凍倉庫の内部工事を始めたのは午前8時ごろ。大部分は電気、冷凍、清掃業者に所属する日雇い労働者だった。「コリアンドリーム」を夢見ていた朝鮮族同胞も少なくなかった。当時地下倉庫には気化したシンナー、フロンガス、アンモニアガス、発泡ウレタンなど可燃性が強い化学物質に満たされていた。

生存者や目撃者によると、火災は午前10時50分ごろ、地下1階の機械室で起きた。出火当時、作業員らは可燃性物質だらけの倉庫で配管設備のための溶接作業を行っていたことが分かった。火が燃え広がると、作業員は必死に倉庫の外へと逃げた。現場から脱出したパク・ジョンヨンさんは「火が出た4-5 秒後に一瞬のうちに火が倉庫全体を覆い、前後を気にする時間がないまま、とにかく出口のほうへと走った」と話した。火災発生を知らせる警報音はもちろん、避難を呼び掛ける放送もなかった。

利川消防署の関係者は「これだけ可燃性物質だらけの場所で安全設備もなく溶接作業を行うとは全く考えられないことだ」と指摘した。倉庫内に設置されたスプリンクラーも、爆発でスプリンクラーにつながる細い配水管が断裂したため、作動していなかった。

火災は気化した可燃性ガスに引火し、連鎖爆発を起こした。四方に広がった火は建物内のサンドイッチパネルと呼ばれる内装材や現場にあった発泡ウレタンにも燃え移った。

地下1階は面積が2万3338平方メートルと、運動場並みの広さがあったが、一瞬の間に黒鉛に覆われ「毒ガス室」と化した。サンドイッチパネルと発泡ウレタンの燃焼で有毒ガスが発生したためだ。消火作業を行った消防士は「作業員が有毒ガスを吸った状態で出口を探すのはほとんど不可能だっただろう」と推測した。

◆密閉空間で消化設備不足

火災現場に消防が到着したのは午前10時55分ごろ。消防車214台、消防士622人、警察からは2個中隊、交通機動隊などが出動した。消防士らは建物の外部から消火作業を行ったが、出火から3時間後の午後2時まで、建物内部に進入できなかった。倉庫は出入口がある正面だけが地上に露出しているだけで、残る部分は地下にある構造だった。外部に通じる窓や通気口も十分になかった。

利川消防署の関係者は「放水できる場所が出入口しかなく、鎮火までに時間がかかった。閉鎖的な構造の建造物だったにもかかわらず、防火設備が絶対的に不足していた」と話した。

倉庫に山積していた化学物質による爆発が続く中、消防隊は午後2時半ごろに倉庫内に入った。警察と消防は地下1階の機械室に充満していた可燃性ガスは、先月末に地下階の外壁と天井に断熱のため厚さ10センチの発泡ウレタンを設置する過程で発生したとみている。消防当局は脱出できなかった作業員は、有毒ガスですぐに意識を失ったとみている。

倉庫を運営する「コリア2000」の関係者は「発泡ウレタンの設置作業をしていて発生したガスではなく、倉庫内の化学物質に引火したことが火災原因だと思う。作業後にガスがどれだけ残留していたかは分からない」としている。

■発泡ウレタンとは

発泡ウレタンは断熱材や防音材として使われる化学物質。発泡状態で壁に噴射するとすぐに固まるため使用しやすい。しかし、引火すると人体に有毒なガスが大量に発生するのが難点。1999年に仁川市で発生したビアホール火災でも内装材の発泡ウレタンが燃え、有毒ガスで57人が死亡した。

この事件は昨日(2008/01/07)昼頃から注目して、韓国のニュースサイトやEnjoy Korea もチェックしていました。

なにしろ、一つの事故で40人が死亡ですから、こんなことは中東で起きている自動車爆弾テロぐらいしか他に例がありません。
日本でもアメリカでもテレビは中継してしまうでしょうし、新聞も速報を次々に出すでしょう。

それが、韓国ではほとんど話題にならない。
Enjoy Korea は日韓自動翻訳掲示板で、ほとんど日韓版2ちゃんねるといった様相ですが、この火事についてスレッドを立てるのは日本人ばかりです。
韓国からのコメントは非常に少ない。事件を取り上げるスレッドもほとんど立たない。

隣国でも、ずいぶんと遠い文化圏なのだなと感じた一日でありました。

1月 8, 2008 at 10:37 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

恥ずかしい検察

京都新聞より「暴行・傷害の一部無罪 京都地裁判決、被告アリバイ認定

知人の50代の女性を殴るなどしたとして、暴行と傷害の罪に問われた京都市南区の男(71)の判決が7日、京都地裁であった。坂口裕俊裁判官は4件の起訴事実のうち2件について「(男に)アリバイがあり、犯罪の証明がない」として無罪とし、懲役1年6月の求刑に対して罰金40万円を言い渡した。

男は2006年3月6日から25日の間に4回、女性の顔を殴るなどし、うち1回は打撲傷を負わせたとして起訴された。坂口裁判官はこのうち2件について、被害者や目撃者が指摘した犯行日時に、男が勤務先にいたことなどに触れて「証言は信用できない」として、無罪とした。

無罪になったうちの1件は、犯行日に犯行場所の店舗が定休日だったため、検察側は起訴後に日時を訂正する訴因変更をしたが、その日時には男にアリバイがあった。

坂口裁判官は有罪とした2件について「多額の金銭を貸し付けた女性に腹を立てた犯行で悪質だが、結果が重大とまでは言えない」と量刑理由を述べた。

京都地検の大仲土和次席検事は「判決内容を検討の上、適切に対応したい」とコメントした。

  1. 犯行日に犯行場所の店舗が定休日
  2. 日時を訂正
  3. 日時には男にアリバイがあった。

これでは「捜査していない」にしかならないだろう。

こんな起訴状を作ったのは極めて恥ずかしい事だ、とは断言できる。

1月 8, 2008 at 10:07 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

大阪府知事選挙は大変だ

日経新聞関西版より「大阪府知事選、政策が支持層とねじれ──自公・橋下氏「子育て支援」、民主・熊谷氏「産業振興」」

国政の与野党が激突する構図となった大阪府知事選で、出馬表明した3氏の主要な政策の違いが鮮明になっている。

  • 橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=は「子育て支援」
  • 熊谷貞俊氏(63)=民主、国民新党、社民推薦=は「産業振興」
  • 梅田章二氏(57)=共産推薦=は「福祉」を前面に打ち出している。

だが、自公、民主などそれぞれの支持層が期待する政策との差から戸惑いを口にする声は少なくない。

「やっぱり大阪、やります太田」。太田房江知事が出馬を断念する直前まで練り上げた公約がある。32項目挙げた中で、筆頭は「関西国際空港の国際物流ハブ化」。以下も産業振興関連の施策がずらりと並ぶ。

いずれも、熊谷氏が公約で中核に位置づけている内容だ。福祉施策などでも熊谷氏の公約にある「高齢者や障害者の無料住宅耐震診断」「がん対策基本条例」などの文言は太田知事のと同じだ。

太田知事の公約作成にかかわった府幹部は「熊谷氏は安定感や継続性はあるが、改革の姿勢は弱い。若手職員には、熊谷氏では庁内の閉塞(へいそく)感を打破できないとの見方もある」と清新さに欠けることを指摘する。

「橋下氏への対抗上、産業施策を強調しているのかもしれないが、福祉や医療が弱い印象がぬぐえない」。ある民主府議は不満顔だ。

熊谷氏は「公約はオリジナル。大阪の資産を活用するのは府政を推進する王道だ」と強調。「シャープ工場の誘致などの実績は評価するが、無駄も多かった」とし、「太田府政の継承」を強く否定する。

熊谷氏を推薦する民主党の支持層が期待する「弱者保護」と、熊谷氏の公約の差に支持者らに戸惑いがある。同様に、橋下氏を担ぐ自民、公明支持層は橋下氏のこれまでの言動や公約に違和感を抱えたままでいる。

橋下氏が柱に据えるのは「子育て支援」。妊婦や子育て世帯などに個別給付を軸にした助成拡充を具体的に打ち出す一方、産業振興を「官が計画して積極投資するのは時代遅れ」とし、産業関連の施策は展示会開催など中小企業支援に限定した。

「これじゃダメだ」。昨年末、橋下氏に政策に関する公開質問状を出した関西経済同友会の幹部は回答を見てうめいた。橋下氏は「行政に産業振興の立案能力はない。民間にがんばってもらうしかない」と主張。関西国際空港も「魅力がない。伊丹との政策的なすみ分けしかない」と突き放したからだ。

自民府議団幹部は橋下氏の公約を「100点満点ではない。(自民の政策と)食い違う点もある」と認め、公明幹部も「知事になった後、しっかり見ていかないと」と手放しで支援するわけではない点を強調する。

橋下氏は記者会見の席で「大企業を切り捨てはしない。経済界から要望を聞く」とも述べているが、同友会幹部は「実情が分かっていない。関空の活性化なくしてどうして関西が活性化するのか」と厳しい表情だ。

梅田氏も福祉の充実や中小企業支援を軸に据えている。橋下氏と重なる部分が多いが「橋下氏は格差や貧困の問題に一切触れておらず、競争是認だ。方向性が180度違う」と強調する。

先に出馬表明し自民党が推薦した橋下候補が打ち出した政策が民主党的であり、対抗馬として民主党(反自民というべき)が推薦した熊谷候補の政策が対抗上とは言え自民党的であり太田前知事の政策の継承になってしまっている。という事ですね。

サンケイ新聞関西版はもっと踏み込んだタイトルになっています「割れる関西経済界 大阪府知事選、告示まであと2日

10日告示、27日に投開票される大阪府知事選。自民府連が推薦する弁護士でタレント、橋下徹氏(38)と民主などが推薦する元大阪大大学院教授、熊谷貞俊氏(63)、共産推薦の弁護士、梅田章二氏(57)の3人が立候補を表明するなか、「中立」を標榜(ひょうぼう)する関西経済界で支持が別れている。

7日は作家の堺屋太一氏(72)らが経済界を巻き込み橋下氏を応援する勝手連を結成。一方、関西経済連合会の下妻博会長は同日、熊谷氏の政策を高く評価した。経済界でも支持がまとまらないまま告示日を迎えるのが確実な様相となった。

橋下氏支援「勝手連」

大阪府知事選で作家の堺屋太一氏ら関西経済界を中心にしたグループが7日、橋下氏を支援する団体「橋下氏を知事にする勝手連」を設立したと発表した。

「勝手連」の代表は、関西経済に詳しく、愛着もある大阪学院大学教授の國定浩一氏を代表に選定。堺屋氏のほか、ミキハウスグループ代表の木村皓一氏、PHP研究所の江口克彦社長ら関西経済界の人物がずらり。

作曲家の三枝成彰氏、ファッションデザイナーのコシノヒロコ氏、歌舞伎役者の坂田藤十郎氏ら有名人も含む計14人で組織した。今後、それぞれの知人に橋下氏の政策をアピールするなどして、支持拡大を目指すという。

大阪学院大学教授國定浩一氏
作家堺屋太一氏
ミキハウスグループ代表木村皓一氏
PHP研究所江口克彦社長
作曲家三枝成彰氏
ファッションデザイナーコシノヒロコ氏
歌舞伎役者坂田藤十郎氏

会見で堺屋氏は「橋下氏の弁護士活動には、改革に欠かせない『迅速さ』がある。大阪の情報発信源になれる人でもある」と評価。また太田房江知事を応援していた元JR西日本会長の井手正敬氏は「大変革のときには若い人の力が求められる」と強調した。

昨年12月の橋下氏の出馬表明までの動きは水面下で行われたが、関係者によると、堺屋氏が擁立の中心人物とされている。これまでほとんど表に出ていなかったが、告示直前になって行動を起こした。

「熊谷氏の政策一番」

関西経済連合会の下妻博会長(住友金属工業会長)は7日の年頭記者会見で、10日に告示される大阪府知事選に触れ、「熊谷さんのマニフェストが一番しっかりしている」と述べ、元大阪大大学院教授の熊谷氏が4日に発表したマニフェストの内容を高く評価した。

その一方で、公立小学校などの運動場の芝生化などを盛り込んだ、弁護士でタレントの橋下徹氏のマニフェストについては、「(よくわからないが)公立小学校の芝生化は、府政の仕事なのかということを教えてもらいたい」とした上で、「それをマニフェストに書くのはどうかと思う。奇異な感じがする」と苦言を呈した。

ただ、関経連としての知事選に対する姿勢については、「これまで言ってきたように“中立”でいきたい」と語り、特定候補者の支持はしないという考えを改めて強調した。

また、各副会長からも知事選に関する意見が相次いだ。

井上礼之副会長(ダイキン工業会長)は「財政再建がメーンテーマ。さまざまな施策を打ち出すのはいいが、その収入源をどうするのかについて、橋下さんはもっと勉強する必要がある」と厳しいひと言。

津村準二副会長(東洋紡会長)も「(3立候補予定者とも)マニフェストと称してお金を使う話ばかり出しているが、財政基盤を整理したうえで物事を考える必要があるのではないか」と指摘した。

一方、松下正幸副会長(松下電器産業副会長)は「府民にもっと関心を持ってもらいたい。どなたが知事になるにせよ、地に足のついた活動を行ってほしい」と注文をつけた。

自民党が推薦した橋下候補の応援団になった人たちが、いわばナンパな業界の人たちというのが面白いですが、これでは自民党の推薦なのか?と感じるところです。
しかし、10日には告示すなわち選挙戦突入ですが、橋下候補が道路使用許可を取っていないことが明らかになるなど、どうも自民党の選挙実行部隊が橋下陣営には入っていないのではないのか?と思わせる報道がありました。

そしてなんともすごいのが読売新聞関西版の報道「橋下氏への推薦・支持、自・公党本部は見送り

大阪府知事選(10日告示、27日投開票)で、自民、公明両党は7日、弁護士でタレントの橋下徹(はしもととおる)氏(38)について、党本部としての推薦・支持を見送る方針を固めた。自民党は「府連推薦」、公明党は「府本部支持」と、ともに府レベルでの支援にとどめる。無党派層に浸透するためには、政党色を薄めて、国政での与野党の対決構図を持ち込まないほうが有利と判断したためという。

橋下氏については、この日、公明党府本部が支持を決めた。自民党府連はすでに先月23日に推薦を決定。両党とも、ポスターの掲示や集会の開催などを通じて、橋下氏を支援していく。

本部と府連(県連)が推薦するのでは何が違うのか?と思われるかと思いますが、議員の選挙の「公認するかしないか」に相当します。

当然、お金や人の問題に直結しますし、所属している議員の活動にも大きく影響します。

まぁ、首長選挙なのですから府連推薦がちょうど良いという見方はありますが、大阪府知事選挙なのですから選挙運動に全力投入で臨むのが本筋でしょう。
党本部が表向きは推薦せず、全力で支援に当たるというのも大いにあり得るシナリオですが、先に紹介した選挙の実働部隊が橋下陣営に参加していないように見える点は、先日有罪判決が出た、参議院選挙の小林温候補の選挙運動で素人選挙になってしまい、日当買収という最注意事項で選挙違反になってしまった例を思い出します。

色々な意味で注目するべき選挙運動に突入です。

1月 8, 2008 at 09:57 午前 選挙 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2008.01.07

ヘドロの脱水には凍上現象を利用

北海道新聞より「寒さで「ヘドロ退治」 北見工大研究 凍上現象利用し脱水

霜柱が生じる仕組みとして知られる「凍上現象」を活用し、湖底などのしゅんせつで回収されるヘドロから水分を取り除く研究を、北見工大の凍土・土質研究室が進めている。技術が確立されれば、北海道の寒さを生かした効率的なヘドロ処理が進み、関係者にとって朗報になりそうだ。

ヘドロは粒子が細かくて水分が多く、有機物も含まれているのが特徴で、道内外の関係者が処理に悩んでいる。網走市と網走管内大空町にまたがる網走湖では、網走開建が水質改善のため、川から流れ込んでたまったヘドロを毎年、一万-二万立方メートルしゅんせつ。排泥地に運んで主に天日で乾かし、堤防の盛り土などに使うが、水分が抜けるまで二、三年はかかる。

道外でも機械で圧力をかけてフィルターを通して水を抜いたり、コンクリートに混ぜて固めるなど、手間をかけている。

同研究室の鈴木輝之教授は、道路舗装のひび割れ原因となるなど“悪者”のイメージが強い凍上現象に着目した。

凍上は、地表近くの温度が氷点下になると、土中の水分が凍っていない土のすき間を毛細管現象で上がって凍り、地表面を押し上げる現象。二○○五年から、同大学構内の実験用ますに網走湖のヘドロを深さ約一メートルになるように入れ、水分移動の様子を調べた。

その結果、

  • 夏はヘドロの表面が乾くが、内部は水分が抜けにくい
  • 冬は凍上現象で水分が地表近くに集まって氷となり、固体が直接気体になる昇華現象で水分が抜ける
などが分かってきた。

ヘドロの深さを約一メートルに抑えたことや水抜き用の砂利を底に敷いたことで脱水効果が上がり、ヘドロの水分は約一年間で三分の一に減って、堤防の盛り土などに利用できる程度になった。地表近くにできる氷を除去すべきかどうかなどが今後の検証課題という。

凍結による乾燥は、地表面から深さ三十センチ程度まで凍結する地域なら可能だ。凍結深度が五十-六十センチの札幌周辺や、三十-四十センチの道南でも使える技術だという。

鈴木教授は「北海道の自然現象を生かし、脱水に無駄なエネルギーを使わない環境にやさしい技術。実用化に向けて頑張りたい」と話し、向こう二年をめどに乾燥技術を確立させたい意向だ。

これは面白いですね。
氷点下でも氷を大気に晒しておくと昇華するというのは、第一南極観測隊の西堀隊長の書いた越冬記で読んだのだから小学生の時でしょうか?

ついつい「冷凍だと莫大なエネルギーが必要」と思いこんでいるから「凍らせて何かをしよう」=「極めて特殊なこと」とするので、考えないのですがこんなことができるのですね。

しかし、こうなると「凍上現象とは何だ?」となってきますね。
霜柱も上がってきますが、あれは何で上がってくるのでしょうか?
地面の中は水のはずなので、なんで凍ると上がるんだ?

1月 7, 2008 at 04:08 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (1) | トラックバック (0)

新石垣空港の多難

八重山毎日新聞社説より「問われる行政の調整能力

「日本最南端の新聞社」と肩書きが付いています。
社説となっていますが、独自取材記事と言うべき内容だと思います。

2008年が幕を開けた。懸案の新石垣空港建設も順調に進み、一見すると順風満帆のようだ。しかし山積している行政課題は待ったなしで、その対応にスピードが求められよう。

例えば石垣市は新年度予算で市営球場の全面改修が認められ、ロッテキャンプの受け入れ条件整備がひとつ前進するものの、現施設の撤去費用のメドはついていない。また新空港ターミナルの事業主体、資金や運営計画もこれからだ。難航しているアクセス道路選定もまとめ、事業化を急がなければならない。

さらに現空港跡地利用計画や真栄里・南大浜地区の都市計画指定、観光基本計画に八島町新港地区の利用計画、都市計画法に基づく景観地区指定の拡大、国立公園編入による国の管理計画との調整、川平公園整備計画など課題は山積みだ。それをいかに迅速に解決して行くのか、まさに行政の調整能力、真価が問われる年なのだ。

特に今年は財政問題が深刻だ。新年度はすでに5億6000万円余もの歳入不足が見込まれている。おう盛な行政需要に財源が追いつかない。切り売りしていた公有財産も残り少なくなった。市税の滞納金は大きく膨れ上がり、徴収にも万全を期さなければならない。行政課題と財源問題を平行して解決しなければならないのである。

■急を要する新空港ターミナル

その中で最も急がなければならないのは新空港ターミナルの事業主体づくりだろう。新空港建設がこのまま順調に進めば2013年には完成・開港する。逆算すると、あと5年しかないのだ。

それまでに運営会社を設立し、施設規模や財務計画をたて、約50億円前後とも言われるビル建設費をメド付けしなければならない。旅客、貨物量とも石垣を大幅に下回る宮古空港でさえ完成までに5年の歳月を要した。輸送実績や需要予測を踏まえると、総力をあげて準備に取り掛からなければならないのである。

新空港をめぐっては、これまで数百回もの要請や陳情を行っているが、いざ着工すると、地元の対応が遅れた。ターミナル建設で開港が延びる、という状況は避けたい。

また新空港と連動するアクセス道路も見通しをつけなければならない。市は事業主体の県に依存せず、ルート選定の合意形成に積極的にかかわり、県をサポートして早期事業化を図ってほしい。

さらに新空港建設地が現空港より遠くなるため、与那国町や竹富町から急患輸送で不安視されており、八重山病院ヘリポート建設の検討も不可欠だ。同病院の現空港移転新築構想を実現するなら、同時に跡地利用と合わせて関係官庁と事前協議を重ね、市の考えを示す必要があろう。

■戦略的な土地活用計画を

このほか市民の関心が高いのは新港地区の土地利用だ。同地区は71ヘクタールもの広大な面積を持ち、石油やガスなど危険物関係施設と総延長1キロメートルの人工ビーチを中心に大型ホテルやグルメタウン、海洋文化歴史博物館、それに水族館などのコースタルリゾート構想を前提に計画が進められ、埋め立て事業はほぼ完了した。 しかしバブル経済の破たんで、いまやテーマパーク的なリゾート開発の実現は困難だ。だがこれに代わる利用計画を見いだせないまま宙に浮いているのが現状で、このままだとこの広大な土地を国から譲り受け、計画のないまま払い下げて財源不足に充てる可能性も否めない。

新たに生じた土地の利用に関して、県内他市は計画をねり、行政主導による魅力的な街づくりを進めている。

北谷町は民活を活用し、県民ばかりでなく観光客をも集める地域を築いた。那覇市は新都心、糸満市はショッピングゾーンをつくり上げている。石垣市が土地利用計画を十数年も修正できないのは、整備費などの財源問題を差し引いても問題が残ろう。 市には今年、ぜひこれらの課題に積極的に取り組んでもらいたい。行政のスピードアップが図れなければ問題を先送りにするだけだ。そのためには職員1人ひとりが厳しい局面をさらに認識し、危機感を持ってほしい。市民がその事務処理にかかわることはできないのである。

いやはや、正直に言ってビックリです。

石垣島の空港問題は長い間もめていて、政府の決断と工事の開始ですぐに新空港が機能するものだと思っていました。
中部国際空港などは工事が完了したら電車が入っているという完成度でした。

それが「ターミナルビルの事業主体がまだ出来ていない」では、どうなるのでしょうか?
今さら空港ターミナルを自治体が作り運営するというのは無理でしょう。
せいぜい第三セクター方式ですか。しかし、純民間でないとこの手の事業は底なし沼のように税金を吸い込んでしまう、というのも良く経験してきたことで自治体などの関与は減らすべきなのでしょうね。

こんな事情があるとは驚きです。

1月 7, 2008 at 11:11 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

教育の質的な転換について

朝日新聞社説より「希望社会への提言(11)―「アポロ13号」に教育を学ぶ

教育の質について述べているのですが、とりまとめて引用します。本文はリンク先をご覧ください。

・正解を急がず、競わせず、考える心を育てよう

日本が低迷を続ける国際学習到達度調査(PISA)は「未来型学力」のテストと呼ばれる。いま何を知っているかではなく将来何ができるかを測る――。

調査をしている経済協力開発機構(OECD)の事務総長は、日本にこんな警告を発した。「知識を再現する学習ばかり続けていると、労働市場に出た時に必要とされる力が身につかない」

学力世界一といわれるフィンランド。福田誠治・都留文科大教授は、その教育の神髄を二つあげた。

第一に、正解を先回りして教えない。

理科の授業では、まず実験だ。様々な現象を見させて、各自が仮説をたてる。自分とは違う意見にも耳を傾け、もう一度考えてみる。
教師が理論を説明するのは一番最後だ。正解を先に教えると、その時点で思考が止まってしまう。

次に、他人と競わせないことだ。

競争させると、順位に関心が向いて、考えることへの興味がそがれる。
テストは各自がどこでつまずいているかを確認し、補うためのものだ。
考える力がつくとともに学力格差も少ないのは、この二つの理念と実践が成果をあげているからだ。

福田教授はそう指摘する。

学力危機は子どもに限ったことではない。大学生でも分数ができないと揶揄(やゆ)される。しょせんは試験でいい成績をとるために頭に押し込めた知識だ。

学力低下は、PISA調査で勉強への意欲が際だって低いことと分かちがたく結びついている。単なる知識の量で成績や入試の合否が決まってしまう。

教室で学んでいることが現実の生活に、今後の人生につながっていく。そして、何よりも考えることが楽しいという手応えを感じさせることができるかどうか。そこが分かれ道になるだろう。

学力の質を転換させることである。

考える心を育てるには、授業を変えなければならない。未来型学力を育む教員の養成が急務だ。教科書をただ覚え込ませるのとは違って、相当の力量がいる。授業にも十分な準備が必要だ。

フィンランドでは、教師には原則的に修士号が必要で、実習も実践的だ。授業に専念する環境も確保されている。

大量の雑務に追われる日本からは別世界だが、授業と放課後の活動の分業など思い切った改革に踏み切るしかない。

社会に出たら、教室で習った公式では解けない問題ばかりである。正解がわからない問いと向き合う力をつけることこそが、未来を拓(ひら)く教育の役割だろう。

基本的にはこの社説の通りだと思うが、教員の養成が必要というのはちょっと違うように思う。

教員ではなくて、教員を支援する人たちは現在のところ皆無に近い。だから学校での事務処理に教員が追いまくられるし、授業の準備も出来ない。
この問題を解決するのには、大学の助手のような立場の人を数多く学校に入れることになる。

もう一つ重要なのは、特に大学の入学試験で学科の成績の評価割合も大幅に下げるべきだと思う。

もちろん、学科によってペーパーテストが示す「学力」の必要度が違うのは当然だが、受験生である高校生が「大学進学に相応しい社会性を身につけているのか」といった項目を評価しないで、入学させてから大学が苦労するというのは筋違いだろう。
「君は高校生らしさがない」という評価で大学が入学を拒否するぐらいでも学科によっては構わないと思う。

実際に高校生に接していて改めて感じるのは「人の評価は多面的である」という当たり前のことです。

多面的な評価をするためには、評価を段階的に構成しては出来ない。
一回の評価では順位は当然付くのだが、次の評価に前の評価の順位を取り入れてやると、どの段階の評価でも最初の評価が影響してしまう。
これでは多面的な評価ではなくて、多段階の評価だ。

多段階の評価は基本が選抜であり、言葉を変えれば切り捨てだ。
今の日本に「若者を切り捨てる程の余裕があるのか?」という極めて単純な命題であって、もちろんそんな余裕はない。

多段階評価から多面的評価に切り替えないといけないが、教育の仕組みはこの100年以上も基本的には変わっていなくて、元々が第一次大戦で成功した士官養成の手法がそのまま使われているから、多段階評価のままだ。

なんとかして、教育での評価手法を多段階評価から多面的評価に変更する必要がある。

1月 7, 2008 at 10:54 午前 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.06

文科省・学校裏サイト「対策」だと

毎日新聞より「学校裏サイト:文科省が実態調査 対策案策定も検討

文部科学省は、いじめの温床にもなっていると指摘されるインターネット上の掲示板「学校裏サイト」の実態調査を始めた。
学校裏サイトは子どもたちが情報交換のために立ち上げた掲示板で、匿名性を背景にひぼう中傷の書き込みがエスカレートしがちだ。
文科省は「子どもたちのネット利用を見守る体制を作りたい」と実態調査後の対策案の策定も検討しており、3月末までに調査結果をまとめる方針。【高山純二】

昨年11月に公表された文科省の06年度いじめ実態調査では、初めてパソコンや携帯電話でひぼう中傷や嫌がらせなどを受けた例を聞き(複数回答)、全体の3.9%にあたる4883件で「ネットいじめ」があったことが判明。顔写真とアダルト画像を組み合わせた合成写真が掲示板に掲示されるケースも報告されたという。

ネットいじめを巡っては、毎日新聞の取材で、実名や携帯電話の番号を公開されたうえ、「うざい」「カンニングしている」と書き込まれ、無言電話や中傷メールの被害に遭い、不登校になった男子高校生がいることが分かっている。
また、知らない男からわいせつな電話がかかり、自宅のチャイムが鳴るなどストーカーまがいの行為をされた女子高校生の被害も明るみになるなど、いじめ以上の問題に発展するケースが出ている。

一方、携帯電話各社は昨年12月、出会い系など有害サイトへの接続を制限する「フィルタリングサービス」について、契約者が未成年の場合は、従来の任意加入から原則加入とする方針を表明した。
しかし、フィルタリング機能だけでは学校裏サイトへの接続制限に限界があり、ネットいじめを解決する「即効薬」にはなりそうもない。

このため、裏サイトの実態に基づく対応策が求められているのが現状だ。
文科省青少年課は「どんな書き込みがあるのか一つ一つ当たっていき、次の対策を練らないといけない」と説明している。

文科省はすでに大学教授やNPOの協力を得て調査を開始。学校裏サイトの総数のほか、有害情報と判断する具体的な基準を作り、書き込み内容を詳細にチェックしている。

調査の責任者を務める下田博次・群馬大大学院教授(情報メディア論)は「子どもたちの有害情報発信の全体像を調べる調査は今までなかった。全体像の把握は、学校裏サイトがなぜ問題を生み出すのかを明らかにすることにつながる」と意義を強調している。

◇抑止効果を期待

ネット上でいじめなどの悩みを聞く活動をしている「全国webカウンセリング協議会」の安川雅史理事長の話

今まで「氷山の一角」しか見えていなかったものが明らかになる。
また、大人たちが調査を始めれば、子どもたちへの抑止効果も生み出すだろう。
ただし、すべての学校裏サイトを調べることは不可能。
実態を知っている子どもたちを調査に参加させるなど、手法を工夫すべきだ。
そうしなければ、せっかく調査しても本当の実態が分からない恐れもある。

【ことば】学校裏サイト 各学校の公式ホームページとは異なり、子どもたちが管理しているインターネット上の掲示板やブログ。主に携帯電話を使って接続し、ハンドルネーム(ネット上の名前)を使って書き込みをすることが多い。接続にパスワードが必要なサイトもあり、いじめの確認が難しい例も出ている。

文科省のネット対応の遅さを中心に強く批判してきましたが、

「どんな書き込みがあるのか
一つ一つ当たっていき、
次の対策を練らないと
いけない」

そういう問題なのか?子どもは無謀ですぐに人を傷つけたりするものだろう。
社会人になるとは、そういう子どもの無謀さを社会性で抑えて、なるものではないか。

つまりは、社会人が使って便利なツールを何の措置もしないで子どもに与えれば、当然ひどいことになるだろう。

日本でも起きてしまったが、アメリカでは銃を使って幼児が幼児を殺すという事件がはほとんど定期的に起きている。
人を殺せる道具を子どもが勝手に使うというのは銃の所持が憲法で認められているアメリカですら、大人の管理不行き届きとして強く非難される。

文科省が教育を扱う役所として、子どもたちがネットワークにどのように接するべきかをコントロールしてきたのか?を問題にするべきだ。

実際問題として何もしていない。
学校現場でも、携帯電話はヘンに浮いた状態になっているし、校内のコンピュータネットワークも情報が得意な先生が作ってシステムが、転勤によってノーコントロールなってしまったりしている。

その一方で、事務処理用として先生にメールが届かないといった例もある。
すでに、政府もe-ジャパン計画と称して電子政府と称する行政の電子化を進めている。
公教育は間違えなく、行政の一端であってその運営主体は文科省だろ。

どこをどう考えても、文科省はネットワークのトラブル解決だけをするのではなく、子どもたちのネットワーク利用はどうあるべきかという具体的な学校現場への指導要領を策定する責任がある。

文科省に緊急に課せられている仕事は、対策ではなく政策だ。

1月 6, 2008 at 10:37 午後 教育問題各種 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年の正月は

正月休みも終わりですが、この間ず~とPCのリビルトをしていました(まだ終わらない)

事の発端は、11月の初めにビデオカメラを衝動買いしたことから始まります。
まぁ以前から欲しいとは思っていたのですが、ハイビジョン・ビデオカメラ キヤノン ivis HV20 を買いました。

かなり安いものでワイドコンコンバータを付けても10万円でした。
この程度のものだから期待していなかったのですが、すごい。家庭用ハイビジョン・ビデオカメラの実力に驚嘆しました。

分かりやすく言えば「テレビ放送で使われるプロ用ハイビジョンには負けるが、プロ用のデジタルビデオカメラよりは良く撮れる」と言えます。

そこで、外部に出すために編集しようと「ハイビジョン対応の編集ソフト」を買ってきました。
ご承知の通り、ビデオの編集には IEEE 接続が必須ですが、すでに IEEE が機能しているカバンPCにインストールしてみたら、まともに動かない。
どう見ても実力不足(Pentium M だからねぇ・・・・)

そこで「もう一台作るか?」というバカな発想もありましたが「6台目はさすがに置き場に困る」となって「現行機材の更新!」となりました。

とりえず買ってきたのが

  • ASUS P5K PRO
  • Core 2 Duo E6550
  • メモリ2G
  • パイオニア DVR-S15J
  • HDD 500G SATA

これで、いざ組み立てようとしたらATX 電源コネクタの仕様が変わっていた。
仕方ないから、電源ユニットも24ピン対応のものに変更。

その後も、組み立ての途中で多々の作業ミスでやり直しを繰り返して、ようやくソフトの再インストールが半分ぐらい出来たのが昨日(2008/01/05)のことでありました。

そこで、今度は firefox のブックマークの整理に取りかかって、ネット上で読める新聞社のサイトを全部登録(^_^)
その中から、社説・論説などのページも全部登録。 実に273の報道関係のサイトを登録(若干重複あり)しました。

意外と社説・論説を出している地方新聞が多くて、社説・論説だけのブックマークが54個にもなりました。

という正月でありました。一体何をやっているのやら(^_^;)

1月 6, 2008 at 12:23 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (1)

韓国・無事故だと自動車保険を拒否されていた

韓国東亜日報より「無事故運転者の車保険加入、拒否する損保社を制裁へ

JANUARY 05, 2008 07:23

これからは運転者の無事故経歴、居住地域、年齢、車種などを理由に自動車保険加入を断る損害保険会社(損保社)は、金融監督機関の制裁を受けることになる。

損害保険業界によると、金融監督院(金監院)は2日、ここ3年間で3件以上の交通事故を起こした運転者や保険詐欺容疑者など例外的なケースを除いては、全ての運転者が希望する会社の保険に加入できるようにと協力を求める内容の公文書を送った。

これまで一部の損保社は、保険料を最高60%割引してあげる無事故運転期間を、06年は7年、07年は8年、今年は9年に延長したにもかかわらず、保険料の割引幅が大きいため収入が少ないという理由で、長期無事故運転者の保険加入を受け付けなかった。

また、保険加入を条件に別途の保険料を出す特約商品や傷害保険などに追加加入することを要求する場合もあった。

交通事故が頻繁な地域に住む運転者、高価な外車運転者、10代運転者に対しても、保険加入を断る場合が多く、苦情が多かった。

金監院は今後、実態を把握して違反事実が確認された保険会社に対しては、役員問責や機関警告などの制裁を行うことにした。また、損保社が、事故を多く出した運転者などの保険加入を断る際には、その理由を運転者に書面で説明するようにした。

一方、損害保険協会は4日から自動車保険引受け相談センターを設け、保険加入を断られた運転者たちの申告を受け付けている。

世界は広いというか、発想の転換というべきか分かりませんが、意外であります。

割引率を保険会社が問題にしない程度に設定するといった方法でビジネス的に安定するはずなのに、加入拒否するというのは驚きです。
日本では公正取引委員会が問題にするケースですが、韓国では金融監督院が出てこないと問題化しないのでしょうか?

種々の情報は、韓国での消費者保護行政は日本に比べるとかなり遅れている、言って良いようです。
消費者金融の利率は最大49%だったかな?とても返済できない金利ですが、新大統領の李明博氏は「ブラックリストの廃棄」を打ち出しています。

韓国はなかなか大変な国ですね。

1月 6, 2008 at 11:31 午前 海外の話題 | | コメント (1) | トラックバック (0)

国会・速記からパソコン入力に

東京新聞より「国会、速記が消える… 新システムに移行へ

国会は、今月中旬に召集される予定の通常国会から、速記による議事録作成の見直しを本格的に始める。
参院は、やりとりを直接パソコンに打ち込む方式を本格採用。
衆院も月内に、音声を自動で文字に置き換える装置を試験的に導入する。
帝国議会ができて以来、百二十年近くの間、名演説や白熱の論戦を歴史に刻んできた速記は、国会から徐々に姿を消すことになった。

現在、国会では、速記者が本会議場では議長席、各委員会室では委員長席の近くに座り、特殊な符号を使って審議を書き取った後、記録部に戻ってパソコンで議事録を作っている。

二〇〇三年度から議事録の速報化の研究を進めてきた参院は、記録部で担当者が院内中継の音声を速度調節しながら聞き、直接パソコンに入力する方式を開発。
当面は、速記と新システムを併用し、段階的に新システムに一本化していく方針だ。

一方、衆院も〇四年から速報化の研究を進めた結果、院内に「音声自動認識システム」を設置。
京都大学学術情報メディアセンターの協力を得ながら、〇九年秋以降の実用化を目指して開発を進めることにした。

音声を自動で文字に置き換えるシステムを使った議事録作成は、既に静岡県沼津市議会や北海道議会などが採用している。

ただ、「衆参両院で違うシステムを開発するのは無駄ではないか」との指摘もあり、最終的に両院の新システムが固まるまでには曲折も予想される。

速記の問題は、裁判所の速記官の問題も出ていますが、音声文字変換は無理じゃないのかな?

と言うよりも、いわゆるディクテーションで音声を直接キー入力するのは日本語ワープロが出来た直後にそこそこの水準に達していて、高速入力専用のキーボードというか端末も出来てます。

何を今さら「開発」とか言い出すのか分かりません。

むしろ問題は、きちんと議事録になるように音から適切に文字に変換することで、かなり難しいことであって、入力できれば誰でも出来るということではないから、結果として速記官と同じような仕事は残ると考えます。
まぁ、速記よりは人数を減らすことは出来るでしょうが・・・・。

1月 6, 2008 at 01:05 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ネットバンキングの弱点は公表するべし

サンケイ新聞より「ネットバンキングであわや被害 海外サーバー経由で追跡に限界

京都市内の男性が昨年、ネットバンキングで預金を引き出されそうになる事件があり、京都府警が捜査したところ、海外のサーバーを経由して何者かが男性になりすまして別口座に預金を送金、現金引き出し役を不特定多数に送ったメールでスカウトするなど、巧妙な偽装工作が行われていたことが分かった。

国境の壁にも阻まれて犯人の正体はつかめないままで、府警幹部は「ネットバンキングは利便さの裏側で国際的な犯罪集団の標的にされている」と警鐘を鳴らしている。

調べでは、被害者は京都市在住の会社社長の男性。昨年3月に預金口座の残高が数百万円も減っていることに気づき、府警に相談。何者かが男性のIDとパスワードでネットバンキングにログインし、預金を別口座に振り込む手続きをしていたことが分かった。

振込先の口座の捜査から、東京都内に住む外国人留学生らが現金を引き出そうとしていたことが判明。
留学生らは海外の見知らぬアドレスから引き出し役を募集するメールが送りつけられたといい、任意の事情聴取に対し、「依頼者の正体は知らないが、報酬を約束されて引き受けた」と話した。犯罪の認識がなく逮捕は見送られた。

一方男性のパソコンは、保存された情報を勝手に外部に送る「トロイの木馬」系ウイルスに感染しており、ネットバンキングのIDが海外サーバーに送信されていた。

犯人は、ネット接続中の他人のパソコンに侵入して一時的に乗っ取っては次のパソコンに侵入することを繰り返し、最終的に盗んだ男性のIDでネットバンキングにログインしたとみられる。経由されたパソコン所有者は「犯罪に悪用されたことに全く気づかなかった」と話したという。

府警は外国人の関与を疑っているが、複数のパソコンを経由して犯人までたどるのは極めて困難。
犯人がどの国に拠点を置くか、グループか単独犯かも不明という。ネット上の解析で引き出し役の勧誘メールは膨大な数が発信されたことを確認しており、今回は氷山の一角とみられる。
男性は実際に振り込みが行われる銀行の営業日までに気づき、現金被害はなかったという。

京都府警幹部は「関係国に捜査員を派遣したいが、捜査権がない海外では限界がある」とし、「通信を記録したログの保存期間はプロバイダー任せになっていて、短いことが多い。内偵に数カ月かかる場合、ログが消去され犯人を追跡できないことがよくある」と、現状での捜査そのものの限界も指摘している。

恐ろしいですね。リモートアクセス状態になっていたのかな?

サンケイ新聞は続けて「ネットバンキング犯罪、倍々ペースで増加」を書いています。

ネットバンキングを狙った犯罪はここ数年、倍々ペースで急増しており、銀行はセキュリティー強化を図る一方、政府は国境を越えた通信ログの証拠保全などが可能になるサイバー犯罪条約の締結を目指すなど、対策を急いでいる。

ネットバンキング犯罪をめぐり、金融庁が金融機関から被害報告をまとめた結果によると、年度統計を取り始めた

平成17年度49件
18年度103件
19年度は上半期だけで137件

に達しており、前年度から2倍以上にのぼることはほぼ確実となっている。

サイバー犯罪条約は加盟国の間で国境をまたいだ通信ログの保全や差し押さえ、通信傍受などが可能になるため、増え続けるネット犯罪を取り締まるハイテク捜査の大きな武器になると期待される。一方、通信の秘密やプライバシーが侵害される懸念もあるが、国内では締結に必要な国内法の整備が進んでいない。

こうした状況に対し、都銀などの金融機関は利用者に個別の乱数表を渡し、振り込みなどの際にパスワードとは別に乱数表に基づく数けたの数字を入力させたり、ログインする度にパスワードが変化する方法を導入したりするなど、セキュリティー強化を進めている。

サイバー犯罪に詳しい甲南大学法科大学院の園田寿教授(刑法、情報法)は「ネットバンキングは今後さらに普及するだろうが、銀行のセキュリティーが強固になっても、利用者側がIDやパスワードを盗まれては元も子もない。パスワードなど重要な情報を保存したファイルはロックをかけるなど、利用者の意識向上も重要」と指摘する。

本当に倍々で増えてますね。

サイバー犯罪条約は国内法の整備にどうしても躓きますから、現実的に有効に機能するためには「国際警察」のようなものが必要になるのじゃないでしょうか?
冗談抜きでEEスミスの「銀河パトロール隊」になってしまいますが・・・・・。

銀行も「自宅で簡単に」としか言わないのは問題だと思いますね。
現実に「PCが壊れた」「不調だ」という相談が来たり見たりしているわけで、そういう危なっかしい機械にお金の管理を任せること自体が問題だし、銀行が言う「自宅で簡単」は「自宅に銀行並みに管理されている機械を用意しろ」だからちっとも簡単じゃないと思うんですがねぇ。

やはり、どうしてハッキングされたのかは、警告の意味も含めて「どの銀行のどういうシステムの、どの弱点を突かれた」と公表するべきだと考えます。
それによってその銀行の評価は一時的には下がるでしょうが、対策が進歩するし、ユーザも進歩する。
結果的によりセキュアーになると思いますから、やはり公表するべきです。

1月 6, 2008 at 12:52 午前 セキュリティと法学, 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

住基カード偽造で携帯電話千台だまし取る

読売新聞より「偽造住基カードで携帯電話契約、千台だまし取った2人逮捕

偽造した住民基本台帳カードを使って携帯電話をだまし取ったとして、愛知、福井両県警の合同捜査本部は5日、住所不定無職の男A(37)、大阪府羽曳野市の無職の男B(48)の両容疑者を詐欺と偽造有印公文書行使の疑いで逮捕した、と発表した。

愛知県警東署などの調べでは、2人は昨年5月下旬ごろ、名古屋市東区の携帯電話販売店で、容疑者Bの顔写真を使った偽の住基カードを提示して、携帯電話2台(約12万円相当)をだまし取った疑い。

携帯電話会社が調べたところ、同じ容疑者Bの顔写真で名前や住所が異なる住基カードを使って複数の契約がされていたことがわかり、同7月、同署に届け出たため、捜査していた。

調べに対し、2人は、昨年4月ごろから8月上旬までの間に、パソコンとプリンターを使って名前などが異なる約200枚の偽の住基カードを作り、関東から中国、四国地方までの携帯電話販売店から携帯電話約1000台をだまし取ったと供述している。だまし取った携帯電話は、内蔵されているチップをネットオークションで1台当たり1万数千円で販売し、計1000万円以上を稼いでいたという。

千台とは大々的にやったものですが、これ支払を逃れたから「だまし取った」事になるわけですよね。後払いに出来るものなのか?

そもそもは、住基ネットカードは本人確認の記録のためにコピーするのかな?免許証でも同じですよね。免許証の偽造も珍しくないから、カードの券面だけであれば偽造できてしまいますが、これに「センターに通信だ」「パスワードの確認だ」とやれば信頼性は上がるのでしょうが、運転免許証はまだタダの印刷物がたくさんあるから確認の手段としてはカードであっても券面の確認しかできないですよね。

そもそも「千台もだまし取られた」つまり支払っていない、というのが今ひとつ分かりませんね。
支払が確認できなければものを渡さないというだけのことで少なくと「取られ」はしないわけですからね。

問題は住基カードの偽造じゃなくて、どうやって「取っていったか」のように思います。
すごく言葉巧みな詐欺師だったのかな?

1月 6, 2008 at 12:23 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)