日経新聞関西版より「大阪府知事選、政策が支持層とねじれ──自公・橋下氏「子育て支援」、民主・熊谷氏「産業振興」」
国政の与野党が激突する構図となった大阪府知事選で、出馬表明した3氏の主要な政策の違いが鮮明になっている。
- 橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=は「子育て支援」
- 熊谷貞俊氏(63)=民主、国民新党、社民推薦=は「産業振興」
- 梅田章二氏(57)=共産推薦=は「福祉」を前面に打ち出している。
だが、自公、民主などそれぞれの支持層が期待する政策との差から戸惑いを口にする声は少なくない。
「やっぱり大阪、やります太田」。太田房江知事が出馬を断念する直前まで練り上げた公約がある。32項目挙げた中で、筆頭は「関西国際空港の国際物流ハブ化」。以下も産業振興関連の施策がずらりと並ぶ。
いずれも、熊谷氏が公約で中核に位置づけている内容だ。福祉施策などでも熊谷氏の公約にある「高齢者や障害者の無料住宅耐震診断」「がん対策基本条例」などの文言は太田知事のと同じだ。
太田知事の公約作成にかかわった府幹部は「熊谷氏は安定感や継続性はあるが、改革の姿勢は弱い。若手職員には、熊谷氏では庁内の閉塞(へいそく)感を打破できないとの見方もある」と清新さに欠けることを指摘する。
「橋下氏への対抗上、産業施策を強調しているのかもしれないが、福祉や医療が弱い印象がぬぐえない」。ある民主府議は不満顔だ。
熊谷氏は「公約はオリジナル。大阪の資産を活用するのは府政を推進する王道だ」と強調。「シャープ工場の誘致などの実績は評価するが、無駄も多かった」とし、「太田府政の継承」を強く否定する。
熊谷氏を推薦する民主党の支持層が期待する「弱者保護」と、熊谷氏の公約の差に支持者らに戸惑いがある。同様に、橋下氏を担ぐ自民、公明支持層は橋下氏のこれまでの言動や公約に違和感を抱えたままでいる。
橋下氏が柱に据えるのは「子育て支援」。妊婦や子育て世帯などに個別給付を軸にした助成拡充を具体的に打ち出す一方、産業振興を「官が計画して積極投資するのは時代遅れ」とし、産業関連の施策は展示会開催など中小企業支援に限定した。
「これじゃダメだ」。昨年末、橋下氏に政策に関する公開質問状を出した関西経済同友会の幹部は回答を見てうめいた。橋下氏は「行政に産業振興の立案能力はない。民間にがんばってもらうしかない」と主張。関西国際空港も「魅力がない。伊丹との政策的なすみ分けしかない」と突き放したからだ。
自民府議団幹部は橋下氏の公約を「100点満点ではない。(自民の政策と)食い違う点もある」と認め、公明幹部も「知事になった後、しっかり見ていかないと」と手放しで支援するわけではない点を強調する。
橋下氏は記者会見の席で「大企業を切り捨てはしない。経済界から要望を聞く」とも述べているが、同友会幹部は「実情が分かっていない。関空の活性化なくしてどうして関西が活性化するのか」と厳しい表情だ。
梅田氏も福祉の充実や中小企業支援を軸に据えている。橋下氏と重なる部分が多いが「橋下氏は格差や貧困の問題に一切触れておらず、競争是認だ。方向性が180度違う」と強調する。
先に出馬表明し自民党が推薦した橋下候補が打ち出した政策が民主党的であり、対抗馬として民主党(反自民というべき)が推薦した熊谷候補の政策が対抗上とは言え自民党的であり太田前知事の政策の継承になってしまっている。という事ですね。
サンケイ新聞関西版はもっと踏み込んだタイトルになっています「割れる関西経済界 大阪府知事選、告示まであと2日」
10日告示、27日に投開票される大阪府知事選。自民府連が推薦する弁護士でタレント、橋下徹氏(38)と民主などが推薦する元大阪大大学院教授、熊谷貞俊氏(63)、共産推薦の弁護士、梅田章二氏(57)の3人が立候補を表明するなか、「中立」を標榜(ひょうぼう)する関西経済界で支持が別れている。
7日は作家の堺屋太一氏(72)らが経済界を巻き込み橋下氏を応援する勝手連を結成。一方、関西経済連合会の下妻博会長は同日、熊谷氏の政策を高く評価した。経済界でも支持がまとまらないまま告示日を迎えるのが確実な様相となった。
橋下氏支援「勝手連」
大阪府知事選で作家の堺屋太一氏ら関西経済界を中心にしたグループが7日、橋下氏を支援する団体「橋下氏を知事にする勝手連」を設立したと発表した。
「勝手連」の代表は、関西経済に詳しく、愛着もある大阪学院大学教授の國定浩一氏を代表に選定。堺屋氏のほか、ミキハウスグループ代表の木村皓一氏、PHP研究所の江口克彦社長ら関西経済界の人物がずらり。
作曲家の三枝成彰氏、ファッションデザイナーのコシノヒロコ氏、歌舞伎役者の坂田藤十郎氏ら有名人も含む計14人で組織した。今後、それぞれの知人に橋下氏の政策をアピールするなどして、支持拡大を目指すという。
| 大阪学院大学教授 | 國定浩一氏 |
| 作家 | 堺屋太一氏 |
| ミキハウスグループ代表 | 木村皓一氏 |
| PHP研究所 | 江口克彦社長 |
| 作曲家 | 三枝成彰氏 |
| ファッションデザイナー | コシノヒロコ氏 |
| 歌舞伎役者 | 坂田藤十郎氏 |
会見で堺屋氏は「橋下氏の弁護士活動には、改革に欠かせない『迅速さ』がある。大阪の情報発信源になれる人でもある」と評価。また太田房江知事を応援していた元JR西日本会長の井手正敬氏は「大変革のときには若い人の力が求められる」と強調した。
昨年12月の橋下氏の出馬表明までの動きは水面下で行われたが、関係者によると、堺屋氏が擁立の中心人物とされている。これまでほとんど表に出ていなかったが、告示直前になって行動を起こした。
「熊谷氏の政策一番」
関西経済連合会の下妻博会長(住友金属工業会長)は7日の年頭記者会見で、10日に告示される大阪府知事選に触れ、「熊谷さんのマニフェストが一番しっかりしている」と述べ、元大阪大大学院教授の熊谷氏が4日に発表したマニフェストの内容を高く評価した。
その一方で、公立小学校などの運動場の芝生化などを盛り込んだ、弁護士でタレントの橋下徹氏のマニフェストについては、「(よくわからないが)公立小学校の芝生化は、府政の仕事なのかということを教えてもらいたい」とした上で、「それをマニフェストに書くのはどうかと思う。奇異な感じがする」と苦言を呈した。
ただ、関経連としての知事選に対する姿勢については、「これまで言ってきたように“中立”でいきたい」と語り、特定候補者の支持はしないという考えを改めて強調した。
また、各副会長からも知事選に関する意見が相次いだ。
井上礼之副会長(ダイキン工業会長)は「財政再建がメーンテーマ。さまざまな施策を打ち出すのはいいが、その収入源をどうするのかについて、橋下さんはもっと勉強する必要がある」と厳しいひと言。
津村準二副会長(東洋紡会長)も「(3立候補予定者とも)マニフェストと称してお金を使う話ばかり出しているが、財政基盤を整理したうえで物事を考える必要があるのではないか」と指摘した。
一方、松下正幸副会長(松下電器産業副会長)は「府民にもっと関心を持ってもらいたい。どなたが知事になるにせよ、地に足のついた活動を行ってほしい」と注文をつけた。
自民党が推薦した橋下候補の応援団になった人たちが、いわばナンパな業界の人たちというのが面白いですが、これでは自民党の推薦なのか?と感じるところです。
しかし、10日には告示すなわち選挙戦突入ですが、橋下候補が道路使用許可を取っていないことが明らかになるなど、どうも自民党の選挙実行部隊が橋下陣営には入っていないのではないのか?と思わせる報道がありました。
そしてなんともすごいのが読売新聞関西版の報道「橋下氏への推薦・支持、自・公党本部は見送り」
大阪府知事選(10日告示、27日投開票)で、自民、公明両党は7日、弁護士でタレントの橋下徹(はしもととおる)氏(38)について、党本部としての推薦・支持を見送る方針を固めた。自民党は「府連推薦」、公明党は「府本部支持」と、ともに府レベルでの支援にとどめる。無党派層に浸透するためには、政党色を薄めて、国政での与野党の対決構図を持ち込まないほうが有利と判断したためという。
橋下氏については、この日、公明党府本部が支持を決めた。自民党府連はすでに先月23日に推薦を決定。両党とも、ポスターの掲示や集会の開催などを通じて、橋下氏を支援していく。
本部と府連(県連)が推薦するのでは何が違うのか?と思われるかと思いますが、議員の選挙の「公認するかしないか」に相当します。
当然、お金や人の問題に直結しますし、所属している議員の活動にも大きく影響します。
まぁ、首長選挙なのですから府連推薦がちょうど良いという見方はありますが、大阪府知事選挙なのですから選挙運動に全力投入で臨むのが本筋でしょう。
党本部が表向きは推薦せず、全力で支援に当たるというのも大いにあり得るシナリオですが、先に紹介した選挙の実働部隊が橋下陣営に参加していないように見える点は、先日有罪判決が出た、参議院選挙の小林温候補の選挙運動で素人選挙になってしまい、日当買収という最注意事項で選挙違反になってしまった例を思い出します。
色々な意味で注目するべき選挙運動に突入です。